著者
後藤 雄二
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.11-18, 2002-10

本研究は歴史的都市北京の都市構造を分析する出発点として、中心部に位置する旧皇城とその周辺地城における酒末以後の機能変化を明らかにすることを目的としている。清代の北京には4重の城壁が存在した。内城の中央には「皇城」があり、紫禁城、庭園、官街、倉庫、満州族の住宅などが存在した。内城の南には外城が建設された。この皇城内とその周辺地域を紫禁城、皇城、清代の官街地区、東交民巷使館区に分け、各機能の配置とその後の変化、および、上述の各地域に存在した機能が現在立地する地域と現況について分析した。歴史的都市である北京では、皇城とその周辺地城においても機能変化がみられるが、都心地域が中心部に存在しないなど、歴史的制約と文化財保護などにより機能立地上大きな影響が見られるといえる。
著者
吉中 淳
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.108, pp.153-161, 2012-10

rediger(1982)による、Holland の職業興味の六角形モデルに座標軸を導入するという理論の検証を試みた。大学生248名に職業レディネステスト簡易版として作成されたVRT カード所収の54の職業名を提示し、それぞれ5件法でやりかたの決まった職業かアイデアを出す仕事か(Data-Ideas)についてと、同じく5件法で人を扱う職業かそれとも物・動植物・機械を扱う職業(People-Things)かについて尋ねた。各類型の平均値について散布図をとってみると概ね六角形構造は支持されたが、社会型と企業型の職業についてはData-Ideas 軸について予想と逆の有意差がみられたことにより位置の逆転がみられた。
著者
岡田 敬司 笹森 建英
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.29-46, 1994-10

土笛としてここで検討するのは,縄文時代後期から晩期のものとして出土したものである。筆者が調査することができた数点のものについて概観し,細部に亙っての検討は青森市細越の土笛と,北海道の向有珠の土笛を中心にして行った。形状を考察し,楽器と仮定し,実際に奏してその昔高・音色から,その仮定が妥当であるか検討した。すべてが中空・2孔であり音を作り得,その有休構造は意図的である。楽器としての証左となる類似の楽器と比較し,現に楽器として用いられているアフリカ等の土笛との形態上の類似性から,楽器であった可能性が高いことを実証した。実際に粘土を用い製作を試み,成形の方法を探り,模様を考察し,製作過程を通して膚で感じた縄文時代の製作者の心理に迫りつつ,造形として・音響として,美術・音楽の観点から解釈を試みたものである。
著者
今井 民子
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.65-70, 2004-10

本稿では,イギリスの音楽史家C.バーニーによる『ヘンデル略伝』をとり上げ,その特質を明らかにした.本書は-ンデルの生誕100年,没後25年を記念する歴史的な大コンサートに関する報告書『ヘンデル記念演奏会報告』(1785)に含まれる-ンデルの略伝であり,著者のバーニーは,この歴史的なイヴェントの公的な記録者として国王より依頼を受けた。-ンデルの伝記としては,彼のなくなった翌年,匿名で出版されたJ.マナリングによる『-ンデル回想録』(1760)が最も早い。バーニーはマナリングの記述に依拠しつつ,ヘンデルの渡英前のハンブルク時代の活躍を新たに明らかにし,また,自身の若い項のヘンデルとの交流体験をふまえて,巨匠の晩年の姿を浮き彫りにしている。
著者
武内 裕明
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.113, pp.105-114, 2015-03

保育者へのインタビューを通じて,保育者が保育の場でなぜかわいいものを使用するのかを検討した結果,実際の壁面製作等の選択に際してかわいい見本が掲載された保育雑誌や製作参考書を参照することによって,保育者はかわいいものを選択していることが明らかになった。選択に際しては,保育者の好み,子どもの製作,簡単さの3点が基準となっていた。また,保育の場にかわいいものがあるというイメージや,個々の子どもの好みの差を認識しつつも,子どもは平均的にかわいいものが好きだというイメージがかわいいものを使用する背景に存在していた。保育者たちは子どもの個々の好みや教育的観点からかわいいものの使用にためらいを感じることもあるものの,保育の場でかわいいものが用いられているという認識をベースにしているため,その使用自体に疑問をもたない限りは,望ましいものとしてかわいいものを選択していた。
著者
武内 裕明
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.113, pp.105-114, 2015-03

保育者へのインタビューを通じて,保育者が保育の場でなぜかわいいものを使用するのかを検討した結果,実際の壁面製作等の選択に際してかわいい見本が掲載された保育雑誌や製作参考書を参照することによって,保育者はかわいいものを選択していることが明らかになった。選択に際しては,保育者の好み,子どもの製作,簡単さの3点が基準となっていた。また,保育の場にかわいいものがあるというイメージや,個々の子どもの好みの差を認識しつつも,子どもは平均的にかわいいものが好きだというイメージがかわいいものを使用する背景に存在していた。保育者たちは子どもの個々の好みや教育的観点からかわいいものの使用にためらいを感じることもあるものの,保育の場でかわいいものが用いられているという認識をベースにしているため,その使用自体に疑問をもたない限りは,望ましいものとしてかわいいものを選択していた。
著者
荒井 一成 古川 香 堤 司 蝦名 敦子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.108, pp.99-106, 2012-10

木材はイメージを豊かにする個性的な素材であり,図画工作科の材料としてダイナミックに利用することで,表現方法やあそびを広げる材料となりうるが,小学校で木工作を取り上げるには特に安全な環境を整えることが大切である。安全な環境整備には「よく見通せる広い場所」「木工具の整理整頓」「作業台と固定具」「治具の準備」「複数の援助者」が必要である。また安全な表現活動には「基礎技能の習得」が大切であると考えられる。ところが「基礎技能の習得」が前にですぎると知性が優先され,図画工作科の中で大切な色と形で表現意欲を十分に高められないことも考えられる。そこで本論文では,4つの鑑賞を通して意欲を高める「基礎技能の習得」方法を考案し,小学校4年生を対象にした「わたしたちのめざすかたちに~小さな大工さん~」の実践で検討した。その結果,鑑賞を取り入れた本題材が,小学生の表現意欲を高め,充実した内容になることが実証された。また教師が事前に理解し克服すべき小学校図画工作科における木工作の基礎技能の課題が示された。
著者
郡 千寿子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.110, pp.1-8, 2013-10

山形県立博物館の分館である教育資料館には、近世江戸時代の文献資料が多数保存されている。継続的に行ってきた北東北地域の文献資料の研究調査を背景にして、本稿では『改正絵入南都名所記』について紹介する。現在の奈良、古くは大和や南都とも呼ばれた地域を紹介した地誌資料には、この『改正絵入南都名所記』のほかにも多種多様の資料が存在しているが、それらにも触れつつ、当該資料の価値について検討考察を行った。山形県立博物館教育資料館所蔵の『改正絵入南都名所記』については、『国書総目録』『古典籍文献目録』にも記載がなく、従来まで未見未詳のものであり、紹介することに意義があるだけでなく、東北文化圏における関西文化受容という意味においても、注目すべきものであることを指摘した。加えて、東京都立中央図書館特別文庫所蔵(加賀文庫)の『南都名所記』との比較検討を行い、それぞれの資料の特質について提示した。
著者
伊藤 聖子 岡山 純子 加藤 陽治
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.110, pp.89-92, 2013-10

バクテリアセルロースであるナタデココの微細な網目構造に着目し、その網目構造への分子の浸透性について植物セルロースと比較した。セルロースとナタデココの各試料を、0.1%グルコース溶液およびデキストランT-500(平均分子量50万)溶液100ml に浸し、20分ごとに120分経過するまでの外液の糖量をフェノール硫酸法にて測定し浸透性を調べた。微細な網目構造を有するナタデココへ低分子のグルコースは浸透するが、デキストランT-500(平均分子量50万)のような高分子の物質は浸透しにくいことがわかった。結果を基に、ナタデココの機能性と調理特性などについて考察を加えた。
著者
沼田 天 矢野 慎 長南 幸安
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.104, pp.45-51, 2010-10

近年,環境問題やエネルギー問題などの地球規模の問題が課題となっている。それに伴い環境教育の重要性にも目を向けられてきている。持続可能な発展のため,科学技術の重要性と必要性への認識が高まってきた。新学習指導要領では,環境教育のより一層の充実が求められている。中学校第3学年「自然と人間」の分野は,中学校理科の中で最も環境教育と深く関わっている分野であり,環境教育のより一層の充実のためには,この分野の教材研究が必要不可欠である。本研究では,中学校理科で取り扱われやすい環境問題の中でも地球温暖化のメカニズムと温室効果ガスに焦点をあて,二酸化炭素,メタン,一酸化二窒素,ブタンの温室効果の検証実験を行い,その結果とそれぞれの温暖化係数(二酸化炭素:1,メタン:21,一酸化二窒素:310)との関係の考察を行った。また,それらの実験方法を授業に取り入れ生徒に考察,話し合いさせるような授業計画を開発することにより,環境教育の充実を図る。
著者
安野 眞幸
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.1-17, 1999-10

日本・朝鮮・ベトナムは中国の周辺にある国として「冊封体制」と云う共通した歴史的条件の下にあった。しかし10世紀以降において,朝鮮・ベトナムが中国の強い模倣強制の下にあったのに対して,日本は中国の模倣強制の圧力の外にあり,独自な歴史を歩み出していた。その端的な現れが「かな文字」の発明であり,民族宗教である「神道」の発展である。その原因には,日本が貨幣商品である「金・銀・銅」の輸出国として,中国に対して経済的に優位にあったこと,特に元蓮以降は日本が東シナ海の制海権を握り,中国に対して軍事的に優位にあったことの二点が考えられる。
著者
石山 裕慈
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.108, pp.9-17, 2012-10

本稿は、室町時代に書写された複数の『論語』古写本に着目し、それぞれの資料に記入された漢字音の清濁について考察したものである。 『論語』古写本においては、韻書全濁字への濁点加点例のような、清濁の原則に必ずしも忠実ではない場合が多々見られる。さらに、同じ漢字の清濁が資料によって食い違っている場合が存するほか、同じ資料の中でも両様の形が出現する例も散見される。また、「漢語」単位で分析した場合も、やはり清濁の揺れが少なくないことが分かる。 一連の考察から、それぞれの字の清濁とはある程度の流動性を帯びたものであって、韻学的知識などをもとに、絶えず「整備」される性質のものであったことが窺える。
著者
安田 寛 北原 かな子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.83, pp.77-85, 2000-03-31

学制発布後も遅々として進まなかった公立の唱歌教育に対し,キリスト教の宣教師達は,各地で日本人に讃美歌を教え続けた。したがって,日本人と洋楽受容の問題を考察する際,音楽取調掛と文部省が中心となった音楽教育のみではなく,日本各地で行われたキリスト宣教師達による讃美歌教育の影響を無視することはできないのである。筆者等は以上のような問題意識によって,早くからキリスト教布教が盛んに行われた津軽地方を対象として,洋楽受容に関する研究を重ねてきた。本稿は,津軽地方での讃美歌の受容,特に実際に歌った人々がどの様に受け止めたのか,という意識を窺わせる資料を紹介し,明治期の地方における洋楽受容の一端を明らかにしようとするものである。
著者
安田 寛 北原 かな子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.85, pp.91-98, 2001-03-30

明治40年前後になると,津軽の地方紙にも音楽会や唱歌教育の具体的な内容などが掲載されるようになり,津軽地方にも西洋音楽が根づいてきていた様子を知ることができる。本稿では,最初に明治40年前後の唱歌教育や音楽会の様子を明らかにし,次いでこうした洋楽普及の際に唱法に関して, トニックソルフア唱法によるドレミ唱法と数字譜によるヒフミ唱法の二種があったと思われる点について指摘する。最後に,これまで筆者等が行ってきた一連の明治期津軽地方における洋楽普及に関する研究の意義を明らかにするため,明治期の地方での洋楽受容研究について総括しつつ,近年の洋楽受容史研究に位置づける。
著者
宮本 利行 北原 かな子 肥田野 豊 北原 晴男
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.87, pp.89-98, 2002-03-28

明治初年,廃藩置県とそれに続く秩禄処分によって職を失った士族は,深刻な経済的危機に直面することになった。こうした士族救済のため,政府は士族授産事業を遂行し,青森県でも旧藩士族らによりそれぞれ様々な試みがなされた。本稿では,最初に明治初年の青森県内に展開した士族授産事業の様子を述べるとともに,特に旧弘前藩士族の動向を取り上げ,当時,東奥義塾に招碑されていた外国人教師が地域産業開発に関わったことや,弘前で行われていた藍の産業化-の試みについて明らかにするものである。
著者
郡 千寿子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.107, pp.1-6, 2012-03

山形県酒田市立の光丘文庫に所蔵されている文献資料について調査を行い、特に近世期江戸時代に作成された往来物資料の所蔵状況について検討考察した。その結果、かなりの所蔵―総数 本―が確認でき、全容解明には時間を要することが判明した。本稿では、その所蔵状況について目的別の9種類に分類整理の上、報告し、加えて版本の出版地域に着目した調査結果を提示した。継続的に行ってきた、北東北地域-弘前市立図書館所蔵・八戸市立図書館・岩手県立図書館・秋田県立図書館-所蔵の往来物資料と比較すると、多数多種の資料を有することや特に関西文化圏―京都・大坂―からの文献資料の流入が明らかとなった。地域における資料の偏在状況と、資料の分類整理を通してみえてきた諸特徴についての一面を提示し、それぞれの地域における教育環境や文化的背景の共通点や相違性など、新たな視点からの研究の可能性を示唆したものである。
著者
石山 裕慈
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.107, pp.7-14, 2012-03

本稿は、高山寺に蔵される『荘子』古写本7巻(甲巻5巻、乙巻2巻)に記入された字音点を対象として、国語学的見地から考察したものである。先行研究ですでに気づかれているとおり、本資料に散見される反切・同音字注などは、基本的に『経典釈文』によっており、場合によっては原初形と思われる記述も見られる。また、直接引用していない場合であっても、声点や仮名音注などに『経典釈文』の内容が間接的に反映されていると考えられる場合も存する。特に反切注から理論的に導き出された「人為的漢音」も存することは、漢字音学習のあり方を考える上で、また『論語』との違いを考える上で見逃せない事柄である。このほか、仮名音注や字音声点の特徴も、同年代の漢籍訓読資料とおおよそ共通しており、大学寮での講読が行われなかった資料であるとはいえ、その位置づけは『論語』などと大差はなかったものと思われる。
著者
今井 民子
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.95-105, 1993-07

本稿は,ラモーの和声理論の特質と後継者たちによるその後の和声理論の展開を検証したものである。まず,初期の画期的な理論書、「Traite de l'harmoie」以来,彼が生涯にわたり追求したその和声理論の基本的概念を概観した。ここでは,根音バスとその転回を中心に,和音の生成,オクターブの同一性,Suppositionなどをとりあげ,さらに根音バスの概念確立に彼が大きな示唆を得た通奏低音法の規則である「オクターブの法則」についても述べた。次に当時のドイツの通奏低音法とラモーの和声理論を比較し,両者の本質的相違を明らかにした。最後にラモーの後継者たちによる和声理論の展開として,キルンベルガーとマールプルクの理論を中心にとりあげた。彼らは,不協和音をより明確に理論づけ(本有的不協和音と偶有的不協和音),ラモーにおいて不十分であった高次のレヴェルからの和声分析を確立し,これはその後の和声分析のモデルとなった。
著者
今井 民子
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.65-71, 1997-10

イギリスの音楽史家,Cノヤーニーの『ヨーロッパ音楽紀行』は,主著である『音楽通史』執筆の資料収集を目的に企てた大陸旅行の見聞録である。本稿では,この旅行記に基づき,彼が見聞した教会,劇場,私的コンサートにおける音楽活動の実態と,その他,大道の音楽,楽器,楽譜について,主にイタリアを中心に検討する。まず,イタリアの教会音楽では,世俗化の著しい祝日の音楽と,平日の素朴で古風な聖歌との対照が指摘される。オペラ劇場では,貴族と一般市民からなる聴衆,音楽家の生活支援のための劇場コンサートが,また,私的コンサートでは,教養豊かなディレッタントによる良質のコンサート(アッカデーミア)の様子が言及される。バロックの教会,劇場,室内という音楽様式の3つの区分はあいまい化し,相互の融合,類似化が窺える。その他,野趣に富む大道の民謡,後年,『音楽通史』に結実する楽器や楽譜の資料収集に関する記述がある。