著者
高橋 研
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.1289-1306, 1987-10-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
49
被引用文献数
2

高密度磁気記録に対応する磁気ヘッド材料として,最近注目をあびているFe基合金系軟磁性材料としてのFe-Al-Si (センダスト)会金について,その真姓的な磁性としての結晶磁気異方性定数, K1, および磁歪定数λ100, λ111をバルクおよび薄膜の両者について測定し,その温度並びに組成に対する依存性を明らかにした.また,上記物理量と軟磁気特性との関連を,薄膜およびバルク各々の場合について,著者らの結果を中心にして議論した.
著者
北野 正雄
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.576-583, 1992-06-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
27

近年,レーザー光や自然放出光とは性質の異なった非古典光が発生できるようになり,光の量子性に関連した研究が盛んに行われている.このような基礎的な研究は光学のみならず,他の分野にも重要で本質的な影響を及ぼすものと考えられる.ここでは,パラメトリック週程を利用して作られる光子の対を例に,その奇妙な量子的振る舞いを紹介する.
著者
小林 駿介
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.561-566, 1999-05-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
52

液晶の面白さはその物性が液体と固体の両方の性質を兼ね備えていて他に類例を見ないユニークさであろう.そして液晶表示 (LCD) が与えつつある大きな社会的インパクトは液晶表示を用いた電卓,デジタル時計から始まりノートブックパソコンからデスクトップコンピューターにいたる情報機器が世界中の多くの人々に使われていることである.本稿においてはLCD動作原理と方式をまとめてみる.それらのうち偏光効粟を用いたLCDにつき最も基本的な説明を行い,あわせて最近の進歩についてもふれる.
著者
山崎 邦彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.762-769, 1994-08-10 (Released:2009-02-05)

地球的規模で対応が必要なエネルギー・環境問題に対し,技術的ブレークスルーによる解決を目指すため,通産省工業技術院はこれまで実施してきたエネルギー分野に関するサンシャイン計画とムーンライト計画,および地球環境に関する技術開発制度を統合し,平成5年度より新たに「ニューサンシヤイン計画」(エネルギー・環境領域総合技術開発推進計画)を発足さ:せ,持続的成長とエネルギー・環境問題の同時解決を目指した革新的技術開発を重点的に推進することとした. ニューサンシャイン計画において,実用化段階に近づきつつある技術開発を加速的に推進することに.よりエネルギー供給ポテンシャルの増大を図るとともに,各種技術開発成果を糾合した革新的複合システム技術の開発を推進することなどにより,来たる21世紀のエネルギー・環境問題の解決に対し之大きく寄与することが期待される.

1 0 0 0 OA スンプの發展

著者
鈴木 純一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, pp.279-281, 1936-06-01 (Released:2009-02-09)
著者
永見 初太郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.10-15, 1956

A study is made on the illumination of viewing screen for radiography by the theory of vision. It is concluded that.<br> 1) The min. discriminating difference of uniform objects which can be appreciated in radiograph decreases with increasing film density, film constant and illumination of the view-ing screen.<br> 2) The subjective sharpness depends on the illumination and the film density or distribu-tion of densities, is almost always better than physical sharpness, and rises with decreasing illumination of the viewing screen.<br> 3) The max. value of subjective contrast is influenced by the phenomenon of irradiation, and depends on the illumination and the film density, rises with decreasing illumination of the viewing screen.<br> 4) The subjective contrast rises, if the shortwave-length light of the viewing screen is cut off by filter up to approximately 500m&mu;.<br> 5) It is to be desired that the intensity of illumination of the viewing screen for radio-graphy be widely adjustable.
著者
宮澤 信太郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.493-503, 2000-05-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
63

誘電体酸化物光学結晶は多岐にわたる光との相互作用をもっており,光機能結晶としての開発の歴史が長い.おもに線形・非線形電気光学結晶について過去の結晶開発をふり返り,従来の特性限界を打破する新結晶の出現にふれて,機能性結晶開発は「温故知新」でもあることを紹介する.そこでは新しい知識に加えて新しい認識が「新」機能結晶を生んでいる.可視~近赤外域から紫外域,遠赤外域への光周波数の拡大をもたらす,光非線形性やフォトリフラクティブ機能の「新」機能結晶がこれからの光情報技術 (IT) を担うことを予感させる.
著者
平本 俊郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.571-575, 1998-05-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
10
被引用文献数
1

大学院レベルを対象として,学部の教科書には通常書かれていない微細MOSFEITの勤作原理についてわかりやすく解説した.特に,実際のVLSげバィスで問題となっている短チャネル効果によるしきい値電圧の低下と,キャリアの速度飽和によるドレイン電流の減少について多少詳細に解説した.
著者
糟谷 紘一 堀岡 一彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.774-780, 1983

大強度イオンビームの出力は,すでに, MeV, MAの水準に達しており,イオンリングによる逆転磁場配位の形成や,トカマクなどの磁場閉じ込め核融合プラズマの追加熱,さらには材料照射などへの応用も考えられている.一方,この種のイオンビームは,慣性核融合のエネルギードライバーとしても有望である.いずれの場合にも,特定のイオン種を高純度,高輝度で,しかも高繰り返しで発生できるイオン源の開発と,ビームの輪送法の確立が現在の重要な研究テーマである.ここでは慣性核融合への応用を中心に,大強度パルスィオンビームの発生法と輸送法の現状と問題点を述べ,今後の課題にも言及する.
著者
鈴木 直司
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.7, pp.868-871, 2001-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
3

ピコアンメーターに使用している微少電流測定の方式には,シャント方式,フィードバック方式,積分方式などがあり,それぞれ長所と短所をもっている.また,実際のピコアンメーターでは,誤差要因を低減するためにいろんな技術が使用されている.微少電流を測定する場舎,これらを理解したうえで,測定器の設定,試料との接続などに注意しなくてはならず,ここに簡単に紹介する.
著者
中村 修二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.676-686, 1996-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
78
被引用文献数
2

発光ダイオード (LED) の高光度フルカラー,あるいはディジタルビデオディスク (DVD) などの光ディスクの高密度記録のため短波長青色発光素子の実現はワイドバンドギャップ半導体材料を研究している研究者にとっては長年の夢であった.最近 GaN 系半導体材料を使用して従来の LED より約100倍明るい高光度青,緑色 InGaN 単一量子井戸構造 LED が相継いで開発製品化された.また半導体レーザーの中では最短波長である390~430nmの青紫色半導体レーザーも InGaN 多重量子井戸構造を発光層とすることにより 1995 年末に世界で初めて開発された.ここではこれらGaN系発光素子の現状と将来の展望について述べる.
著者
吉見 信
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.165-168, 2001

SOI技術の各種LSIにおける最近の研究開発動向が述べられる.高速MPUにおいては,基板浮遊効果を回避しながら,バルクシリコン素子に比べて20~30% の高速化が達成されている. DRAM 応用においてはソフトエラ一フリー,ビット線容量低下などの利点とともに,ダイナミックリテンション特性の劣化問題などが指摘されている.通信用LSIでは,支持基板に高抵抗シリコンを用いることによりインダクターの性能改善とクロストーク改善が可能となる.そのほか,動作電圧0.5V 以下で動作するLSIへの応用,SOIを用いたポストスケーリング素子構造,および今後のSoCに向けた開発の方向性などが述べられる.
著者
金原 粲
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.956-964, 2000-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
110

薄膜・表面に対する関心は17世紀からもたれていたが, 19世紀になって組織的な研究が始まった. 20世紀に至って薄膜・表面の構造,組成,物性の観察法,測定法の飛躍的な進歩があり,豊富なデータが蓄積され,この分野は科学としての形が整えられた.同時に, 1950年以降の光学,エレクトロニクスをはじめとする現代技術における需要の拡大があり,今や薄膜・表面科学は先端材料を提供する科学技術の世界で中心的な役割を果たしつつある.ここでは薄膜・表面科学の成立の過程を過去の文献をもとに概観し,今後の発展を展望する.
著者
笠井 一郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.377-387, 1972-04-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
66
著者
石原 宏
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.1335-1339, 1997-12-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
11

本報告では,まず強誘電体をゲート絶縁膜に用いたFETをSOI基板上にマトリックス状に配置すると,パルス周波数変調方式やパルス幅変調方式のニューラルネットワークに適したシナプス結合回路が高密度に形成できることを示している.次に,Si基板上に作製した強誘電体ゲートFETの現状を紹介し,強誘電体膜とSi基板との間に適当なバッファ層を挿入すると電流のオンオフ比が103以上の良好なFETが作製できること,しかし現状のデバイスではメモリーの保持時間が短くその改善が急務なことを明らかにしている.
著者
福西 浩
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.849-854, 1984-10-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
12

南極は宇宙に開かれた窓といわれているが,今日の昭和基地ではオーロラ現象の観測が地上,気球,ロケット,衛星と異なる高度から立体的に実施されてい炉これらの観測は,応用物理学の成果として得られた最新のセンサー,情報処理システム,通信システムを駆使して行なわれている.これらの観測施設の概要と今後の発展方向について述べる.
著者
神谷 武志 土屋 昌弘
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.11, pp.1271-1280, 2001-11-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
110

超短光パルスおよび関連技術の情報通信,計測分野への適用の試みについて展望する.まず,超短光パルスの基本的性質についてまとめた後,パルス発生と制御,超高速光通信システムと関連デバイス,波長分割多重,超高速光計測をレビューする.次いで,筆者らが行ってきた超高速光半導体エレクトロニクスに関する研究について紹介する: (a) 半導体レーザーからのfsパルス発生, (b) チャープ特性評価 (c) 全光スイッチ, (d) モード同期レーザーの安定化, (e) 光プロービング, (f) ミリ波フオトニクス,終わりに今後の展望についてA及する.