- 著者
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松永 是
- 出版者
- 公益社団法人 応用物理学会
- 雑誌
- 応用物理 (ISSN:03698009)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.10, pp.1488-1492, 1989-10-10 (Released:2009-02-09)
- 参考文献数
- 10
菌体内にマグネタイトの磁気微粒子を合成する走磁性細菌は,地磁気を感知する能力をもつ微好気性の細菌であり,磁場の向きにより,その運動方向が決まる.走磁性細菌が合成する磁気微粒子は,単磁区構造を示し,その大きさも約100nmと小さく,さらにそのまわりは脂質を主成分とする有機薄膜で覆われていることが確認された.酵素・抗体固定化担体として,この磁気微粒子を利用したところ,酵素・抗体固定化量は人工の磁気微粒子に比べ多いことが示された.また,磁気微粒子は赤血球・白血球などへ導入可能であった.さらに,走磁性細菌をマイクロ磁気センサーへ応用し隕石のつくる磁力線の方向の測定を行った.