著者
川上 彰二郎 大寺 康夫 川嶋 貴之
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.1335-1345, 1999-12-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
42
被引用文献数
3

屈折率の異なる複数種類の透明材料が多次元的に周期配列した構造体である「フォトニック結晶」は,光に対する禁制帯であるフォトニック・バンドギャップ (PBG) と大きな異方性・分散性で特徴づけら れる,まったく新しい光材料である.これらの性質;を利用することで,超小型光集積回路や高効率発光素子など次世代の光エレクトロニクス素子が可能となる.著者らはこれまで, rfバイアス・スパッタ法 による堆積膜の形状の自己整形作用を利用した「自己クローニング」とよぶ技術を開発し,多次元フォトニック結晶の作製を行ってきた.本稿では,従来の結晶合成技術と著者らの作製法の特徴,そしてデ バイス応用例について概説する.
著者
坂口 豁 小林 力夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.386-390, 1985-04-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
29

においを高感度に別識するセンサ一の出現が期待されているが,センサー開発のためのはっきりした手がかりすらつかめていないのが現状である.ここでは,嗅覚受容器を構成していると思われるたん白質,脂質の役割について,現在までに明らかになっていることを整理しながら,将来つくられるべきにおいセンサーを予測し,筆者らの試作方針について述べた.
著者
中本 高道 森泉 豊栄
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.1045-1054, 1989-07-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
32
被引用文献数
1

人間のきゅう覚では,多数の特牲の異なる受容器からの応答パターンを,パターン認識することにより,においを識別しているらしい.このような生体きゅう覚機構を模擬した,人工的なにおいセンシングシステムについて述べる.受容器の代わりに水晶振動子センサー,脳の代わりにニューラルネットワークを用いて,アルコール飲料のにおいを識別するシステムを試作した.センサーの動作原理,パターン認識手法について解説し,その実験例を紹介する.

1 0 0 0 OA バイオセンサ

著者
森泉 豊栄
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.650-654, 1981-06-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
19
著者
板谷 太郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.986-987, 1997-09-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
19
著者
阪井 清美 谷 正彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.149-155, 2001-02-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
54
被引用文献数
7

光波と電波の境界にある技術的に立ち遅れたテラヘルツ帯(100GHz~10THz)を開拓するために,最新のレーザー技術や半導体および高温超伝導体の新技術を使って,新しい電磁波技術を発展させた.すなわち(a)フェムト秒光パルスが超高速の光スイッチ,半導体表面,量子井戸,高温超伝導デバイス等を励起して生じる,テラヘルツ電磁波パルスの発生,(b)2本の連続波(CW)レーザービームの光混合による,周波数可変のテラヘルツ電磁波の発生について述べるとともに,応用例も示した.
著者
桜井 武麿
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.368-378, 1981-04-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
19

This review presents a survey of solar furnaces and their applications. After a brief historical overview, the optics of paraboloidal concentrator, concentration ratio and attainable temperature are theoretically treated. The design and construction of large solar furnaces in the world are introduced in some detail. The application to the high-temperature physics is exemplified by the investigations carried out in the Tohoku University. The applications to the energy conversion and high-temperature industry, expected in future, are described also.
著者
関本 忠弘
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.266-268, 1995

日本は天然資源に乏しい.科学技術立国は国是である.したがって,素養としての理工系教育の意義は大きい.義務教育課程における理科授業時数の著しい減少およびそれに伴う授業内容の削減は,糾正すべきである.しかし一方で,理工系の業務;を職業として担う人材を資質を選ばず単なる員数合わせでより多く育成しようとするのは,誤りである.本来の資質をつぶさずにはぐくみ,個々の能力に応じた多様な教育機会を享受し得るように,社会環境を構築する施策が大切である.
著者
北畠 真 三露 常男 和佐 清孝
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.568-575, 1985-06-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
28

ABO3型の強誘電性物質のアモルファス状態について解説する.ここで用いるアモルファス誘電体とは,上記の意味で,ガラスや無機ガラスではない.アモルファス誘電体としてPbTiO3とLiNbO3を例にとり,その形成を,ロール対法とスパッタ法と比較して説明する.スパッタ法によって得られる特有のアモルファスPbTiO3, アモルファスPbTiO3の結晶化過程,アモルファスLiNbO3の示す高誘電率の原因等について述べる.
著者
大崎 茂芳
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.406-410, 1989

クモのけん引糸を開発した自動糸巻き器により採取し,その光学的性質を, 400~700nmの波長域で調べた.メスのジョロウグモのけん引糸は,夏には全波長領域にわたって均一な反射を示すが,秋には450nm付近の反射強度の低下を示すこと,すなわち自色から黄色へ色変化すること見いだした.この黄変の理由として,昆虫捕獲用と外敵防衛用の機能としての保護色化の可能性が考えられる.また,赤外線二色性から,たんぱく質分子鎖はけん引糸の方向に配向していることがわかり,この配向性が強さの秘けつと思われる.けん引糸の荷重一伸長曲線は完全破師に至る前に.段階的な荷重の低下を示すこ'とから,何本かの繊維からなるけん引糸は,たとえ一本の繊維が切れても,命綱としての役割を果たすことが示唆される.けん引糸は. 100km程度は垂らせる.こうした糸の物理・化学的な特性を明らかにすることが,巧妙で不思議なクモの生態を解き明かす手がかりになるであろう.
著者
福川 伸次
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.645-649, 1989

1. 最近,米国で日本の研究開発タダ乗り論としての批判があり,これを解決する道は,日本が基礎研究を進め,その成果を広く人類に均てんさせることである.<br> 2. 最近におけるわが国の研究開発の評価を試みると,基礎研究,基盤技術への挑戦の遅れ,研究人材の不足,研究環鏡の立ち遅れ,国際研究交流の低さが指摘される.<br> 3. 技術開発政策の戦略としては,創造的な基礎研究の強化,とりわけ,国においては,リスクや連鎖的波及の大きい根源的,基幹的研究開発や地球的課題の解決に資する公共性,国際性の高い研究開発に重点を置くとともに,国際研究交流,国際協力の推進を図る必要がある.
著者
廣田 榮治
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.866-878, 1990-07-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
85

赤外レーザー分光およびマイクロ波分光を用いた,低圧気相における簡単なフリーラジカルの構造研究の現況を紹介する.まずこれら分光法の特色を概観し,フリーラジカルの密度の実時間測定への応用を論ずる.プラズマプロセシングの基礎過程に特に重要と思われるCH3, CCH, SiHn, CFn, CCln, SiFn, SiCln(n=1~3)を取り上げ,これまでに得られた成果を概説する.
著者
大槻 義彦
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.438-441, 1987

昭和35年頃から,大学院修士課程の学生数は急激に増加した(およそ5倍以上).これに伴って,修士課程の硫究室は今や「サロン」と化し,「余計で余分な」学生生活の場となってしまった.院生は,わが国の学校制度の中で,最も優維で最後の学生生活を過ごす.しかも,大学の指導教宮・教員は,今になっても,修士課程に対し,甘い夢を拾て切れないでいる.
著者
小穴 純
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.206-210, 1957

Positive ophthalmic lenses of the Punktal type, stigmatically corrected for an object plane at infinite distance, are often misused for a presbyopic eye to facilitate the viewing of near objects, with the result that these lenses show an astigmatic defect of considerable magnitude.<br> The ideal lens for presbyopia must be corrected, with respect to astigmatism, for an object plane at near distance, say 300mm from the lens. The designing method for these lenses is described and the designed results are tabulated. The results cover the range of ophthalmic power (expressed in diopter, D) from +0.25 D to +8.75 D in steps of 0.25 D each, and in each power three thicknesses and three refractive indices of material glass, i.e. nine variations are included. Thus the total number of the lenses designed amounts to 314.<br> The designing calculation is carried out in the final course of the present work by an electronic computer FUJIC of Fuji Photo Film Co.<br> The designing principle can be successfully applied on the designing of auxiliary lens attachments for photographic objectives used in close-up photography.
著者
遠藤 賢次
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.852-852, 1968-09-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
4