著者
大島 茂樹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.49-54, 2010-02-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
30

記録メディアの劣化・陳腐化やファイルフォーマットの陳腐化は,デジタル情報保存にとって大きなリスクとなる。これらの問題への対処としては,適切な記録メディアの劣化防止策をとること,マイグレーション(新しい記録メディアへのデータ移行)を行うこと,ファイルフォーマットの陳腐化のリスクを管理し,フォーマット変換等の対策をとることなどが考えられる。本稿では,主な記録メディアの劣化寿命および劣化防止策について述べ,そのマイグレーション方策についても検討する。また,主に海外で行われている,ファイルフォーマットの陳腐化のリスクを管理するための取り組みを紹介する。
著者
褚 冲 大谷 美智子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.210-215, 2019-05-01 (Released:2019-05-01)

特許調査と分析におけるデータの使い方は,今後データサイエンス技術が日進月歩していく中で,情報を集めることだけではなく,よりビッグなデータの効率的かつ俯瞰的な使い方が求められるようになる。情報を入手する,関連性の高い情報を抽出する,抽出された情報を解読する,解読した情報をアイディアに変換する,各々のステップにおいて,情報プラットフォームが,効率よくデータを“さばき”,利用者をサポートすることが強く求められている。本稿では,DWPIとDerwent Innovation搭載のスマートサーチとテキストクラスタリングを組み合わせた特許情報の活用方法を紹介する。
著者
久松 薫子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.143, 2019-04-01 (Released:2019-04-01)

今回の特集は「インフォプロのスキルアップ」です。2019年1月号で「インフォプロのキャリアパス」という特集をお届けしました。この中ではキャリアパスと共に,各分野での必要な知識やスキルについても著者の方々に詳細に述べていただきました。検索環境や技術が急激なスピードで進化・変化して行くなかで,インフォプロが的確な情報検索のサポートを行い続けるためには,知識やスキルの継続的な更新が不可欠です。日々寄せられる依頼や相談からOJTで学ぶのはもちろんのこと,スキルアップに役立つ情報が集まるよう自らアンテナをはり,知識をたくわえ,更新する作業をコツコツと続けていく必要があります。本号ではこうしたスキルアップに焦点を当て,インフォプロに必要な最新の知識の紹介だけでなく,それらを継続的に発展させていくための学び方やアイデアを得られるような特集を企画しました。なお,本号ではある程度キャリアを積んだ中堅インフォプロのスキルアップを想定しています。明治大学の青柳英治氏に,インフォプロ関連の各種検定・試験の内容から,求められる知識やスキルを抽出し整理していただきました。各試験によってどのようなスキルを持った人材が認定されるのかを明らかにし,そしてそこから現在のインフォプロに求められるスキルを概観し,解説していただきました。図書館や資料室ではデータや検索環境の整備のために情報システムの知識が必要になる場面が,しばしばあります。また本文中でもご指摘いただいているように,大学で高度な理数系の科目を履修しなかったから情報システムの素養がない,とあきらめているインフォプロもいるのではないでしょうか。こうした知識やスキルを向上させるためのアイデアの一つとしての「個人プロジェクト」という方法,またそのプロジェクトのさまざまなアイデアを,東京大学の前田朗氏にご紹介いただきました。一方,大学図書館等の欠かせないサービスであるレファレンスには,さまざまな問い合わせや調査依頼に応じるために知識の蓄積がとりわけ重要ですが,おさえるべき知識やスキルの幅が広いゆえに学び続けるのにもコツが必要です。本誌2017年8月号掲載の論考続編として,どのような視点をもって調査を進め知識の幅を広げていくとよいか,高梨章氏に実例をもとにご説明いただきました。この記事を読むと,特にレファレンス・ライブラリアンは探究心をいたく刺激されるのではないでしょうか。また,文献やデータの入手には著作権法や知的財産法についての知識をもとに進めることも重要です。この分野は改正もあり,また適切な理解や解釈をもって業務にあたる必要があります。阿部・井窪・片山法律事務所の服部誠氏・高岸亘氏に,著作権法と不正競争防止法の平成30年の改正を中心に,データや著作物を扱う上での知識のアップデートができるような詳細な解説をいただきました。最後に,企業や研究所などで特許情報を扱うインフォプロ向けに,スマートワークス(株)酒井美里氏に,サーチャーとして特許調査を主に手掛けてこられたご経験から,スキルアップについての考え方やアイデアを紹介いただきました。実務的な内容の特集となりました。インフォプロの日々の業務の中で,ヒントや参考になれば幸いです。(会誌編集担当委員:久松薫子(主査),稲垣理美,炭山宜也,長野裕恵)
著者
佐々木 光子
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.128-135, 1996
参考文献数
21

学術情報センター目録所在情報サービス(NACSIS-CAT)の利用開始から10年を経て,総合目録データベースの書誌レコード数は,和図書1,104,623件,洋図書1,556,801件, Recon 736,766 ("95.12.8)と膨大な書誌ユーティリティーに発展してきた。これは, NACSIS-CATに参加している全国420 ("96.1.10)の利用機関の目録業務に携わるカタロガーの協力,共同分担目録システム(Shared Cataloging)の成果でもあろう。NACSIS-CATによる目録業務データを言語別・出版年別のコピーカタロギング, オリジナルカタロギング率から検討して言語上の問題を指摘し,書誌調整記録データの分析からその効率的軽減・軽量化について述べる。
著者
藤垣 裕子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.102-108, 2004-03-01

レビュー誌とは,すでに出版された学術情報を再考し,批評し,回顧し,概説を与える(統合して評価する)雑誌を指す。レビュー誌にとりあげられることによって,もとの学術情報は再考され,全体における位置づけを得る。それでは,「もとの学術情報が再考され,全体における位置づけを得る」とは何を意味するのだろうか。この問いを考えるために,本稿では次の2つの考察を行った。まず,もとの学術情報とは何かという問いについて,知識生産論,ジャーナル共同体論の側面から考察した。続いて,もとの学術情報が再考され,全体における位置づけを変えることの意味について,引用論をもとに考察した。これらの2つの方向からの考察をもとに,レビューとは何を意味するかを再考した。
著者
髙橋 啓治 柴田 洋輔 手塚 夏音 丹羽 麻里子 平島 諭
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.128-133, 2019-03-01 (Released:2019-03-01)

先端技術トピックにおける技術動向予測を目的として,印刷技術を例に,現時点では製品化されていないが,将来印刷技術が応用されそうな新しい製品分野を探索した。分析手法として,まず,製品化に近い技術情報である特許文献と,科学的事象に基づく基礎的な研究結果を多く含み,今後発明および製品開発に繋がる可能性がある学術論文の性質の違いに着目し,「近年論文発行件数が増加傾向にありながら,特許出願が低調である分野」を「今後製品化に発展しそうな分野」として抽出した。次に,抽出した分野の特許情報と論文情報のテキストマイニング解析と目視解析を併用し,より細分化された分野に絞り込むことで,目的とする製品分野を見出した。
著者
後藤 敏行
出版者
情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.68-74, 2010-02

コンピュータゲームは一大産業化し,現代文化の要素になっているため,保存して後世に残す必要があると考えられる。保存に対する課題には,メディアの短命さや技術の陳腐化がある。対策にはマイグレーション,エミュレーション等があり,特にエミュレーションに期待が集まる。だが,完成された技術ではまだなく,著作権や特許権を侵害する可能性もある。複数のコンピュータゲームアーカイブがすでに設立され,運用を開始している。それらは,世界のすべてのコンピュータゲームを収集するには至っていない。今後の施策として,ゲーム会社とコンピュータゲームアーカイブの連携協力や,図書館界の一層のコミットメントを提言する。
著者
橋詰 秋子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.214-217, 2012-05-01 (Released:2017-04-18)
参考文献数
13

「国際子ども図書館子どもOPAC」は,小学生向けインターフェイスによる蔵書検索システムで,国立国会図書館の支部図書館である国際子ども図書館の所蔵資料を検索することができる。「国立国会図書館サーチ」のシステムの一部として2011年に開発され,識字や各種知識の習得段階にある児童が無理なく使えるように,大人向けのOPACには無い,様々な機能や工夫を盛り込んでいる。「国際子ども図書館子どもOPAC」について,児童図書館サービスのためのツールという開発コンセプトとともに,年齢層別の3つの検索メニューや案内キャラクターなどの特徴的な機能を紹介する。
著者
新井 宏和
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.84-88, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

NHKアーカイブスはラジオ放送開始から90年,テレビ放送開始から60年余りの間に作られた番組や素材,台本などを,貴重な資産として次世代に伝えていく役割を担っている。2003年に埼玉県川口市にニュース・番組保存の中核施設としてNHKアーカイブスが竣工して以来,2013年には放送システムにあわせてファイルベースの保存システムに更新されるなど,NHKアーカイブスは時代に合わせ進化を続けている。本稿では,〈保存〉,〈活用〉,〈公開〉の3つの役割に分けて,105万時間以上の映像・音声資産を保存するNHKアーカイブスの現在を紹介したい。
著者
福田 美波
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.73-77, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

企業博物館に求められる役割は多岐にわたり,その在り様も各館さまざまに模索が続けられている。帝国データバンク史料館は,信用調査業の歴史を展示する企業博物館として,社内外に対し「開かれた史料館」・「保存する史料館」・「支援する史料館」の三つの役割を果たしている。特に,社外支援にあたる大学ゼミとの合同勉強会,特別企画展等の産学連携の取り組みは,当館の保有する資料とデータを研究活用し,成果発表の場を提供するもので,史料館独自の活動として大きな成果をあげてきた。今後は,専門博物館としての特色を改めて自覚し,活用の実績と可能性を社内外により積極的に発信していくことが求められる。
著者
坂本 忠規
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.78-83, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

竹中大工道具館は失われゆく大工道具を後世に残すために1984年に竹中工務店によって神戸に設立された博物館である。同館では2014年に開館30周年を迎え「五感に響く」をテーマに常設展のリニューアルを行った。そこではテーマを実現するために「実物大模型によるリアルな展示」「露出展示の多用」「絵を使った解説」「デジタル機器を用いた演出」「ハンズオンと引き出し展示」という手法が採用され,好評を得ていることを紹介した。また同館で実施されている大工道具の収蔵方法についても併せて紹介した。
著者
松本 侑子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.61, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

今月号の特集は「企業博物館」です。東日本大震災を機に,博物館(Museum),図書館(Library),文書館(Archive)によるMLA連携が活発になり,時を同じくして大学(University),産業界(Industry)も加えたMALUI連携という概念も出てきました。近年ではデジタルアーカイブの活性化により,実際の館同士の連携だけでなくオンラインでも連携が図られつつあります。中でも博物館については文書以外の資料も扱うため,連携をすすめるためにはお互いの資料に対する考え方や活用方法の共有が必要ではないでしょうか。また,博物館での資料展示はよりビジュアルに訴えたり実際に触れるものにしたりと,見る人を惹きつけ,理解を促すための工夫が行われているため,資料活用の参考になるのではないかと考えられます。今号では,ある程度の連携が進んでいる公共博物館ではなく,さらに幅広い資料を扱うという点から,企業博物館に着目しました。企業博物館は企業活動や企業文化の記録と発信,市民とのコミュニケーション等のために企業が運営している博物館等といえます。企業博物館はその企業の生業に関連する資料を扱うため,館ごとに実に多様な資料を扱っています。また,資料の保存が重要であることは当然ですが,企業博物館はその性質上,発信や資料の活用などにも一層積極的に取り組んでいる館が多いのではないかと考えられます。多様な資料を収集・管理し発信する機関として,企業博物館を取り上げることで,これから博物館との連携を考えている関係者の方々や,資料の魅せ方や活用方法を検討している方々の検討材料になるのではないかと考え,本特集を企画しました。高柳直弥氏には,これまで本紙では取り上げることの少なかった企業博物館の目的,形態などの基礎的な情報に加えて,資料の収集・管理の現状と運営上の課題,今後の展望などについて豊富な事例を交えつつ概観していただきました。続いて資生堂企業資料館に企業活動の中での館の位置付けや多様な資料の収集・活用についてご紹介いただきました。さらに,資料の形態に着目し,冊子等の紙資料を主に扱う館として帝国データバンク史料館での取り組みについて,また紙資料以外の多様な資料を扱う博物館として竹中大工道具館での建築や大工道具などの多様な資料の管理や展示について,さらにデジタルアーカイブに近い分野として映像資料に焦点を当て,NHKアーカイブスでのメタデータ管理や資料収集方法について,それぞれご紹介いただきました。いずれも豊富な事例を具体的に紹介していただきましたので,これから多様な資料を扱い,活用しようとしている方やMLA,MALUI連携をすすめようとしている方のご参考になれば幸いです。(会誌担当編集委員:松本侑子(主査),小出恵子,寺島久美子,當舎夕希子)
著者
高柳 直弥
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.62-67, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

日本における企業博物館は,一方では産業や技術に関する資料の収集や保存を担う産業博物館的な施設として,もう一方では企業のコミュニケーション活動の道具として認識されながら発展を遂げてきた。近年では,後者のように設置企業における役割に限定するのではなく,自社業界の歴史に関する理解促進など,前者としての役割を兼ね揃えた企業博物館も増加している。また,後者としての発展に関しても,従来のように企業イメージの形成に関係する領域として,展示内容やレイアウトの編集方法を洗練させることだけではなく,資料の収集や研究といった博物館としての機能の強化も重要な課題となっている。
著者
小泉 智佐子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.68-72, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

資生堂企業資料館(Shiseido Corporate Museum)は,1992年,株式会社資生堂が120周年の記念事業の一つとして開設した企業博物館である。ミュージアム施設は一般公開しており,企業の歴史を中心に広告,デザイン,化粧文化史など広く伝える文化施設である。また,企業資料館はアーカイブ機能も有しており,商品,広告,映像,音声,写真,文書,書籍,服飾,化粧文化関連など約20万点の資料を収蔵,事業活動で生まれる多種多様な資料を収集・保存しながら,ふたたび経営に活用するための取り組みを行っている。本稿では,アーカイブ活動を支える「企業文化」の定義のほか,現在,集中的に取り組んでいる企業資料の収集と活用,および課題点について紹介する。
著者
古橋 英枝
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.573, 2018-12-01 (Released:2018-12-01)

今月号の特集タイトルは「人工知能(AI)について」です。近年「機械学習」や「ディープラーニング」といった言葉を耳にすることが多くなり,自動運転技術や囲碁の対局等が大きなニュースになるなど,人工知能の技術が日々進化し,生活レベルでも身近なものになりつつあります。そこで,人工知能技術が学術情報流通においてどのように関わっているのか/関わってくるのか,また今後インフォプロが人工知能とどう関わり,付き合っていくべきかなどについて,身近にある人工知能技術や実際の活用事例などを踏まえながら必要な知識を分かりやすく提供することを,本特集の目的としました。国立情報学研究所の相澤彰子氏には,学術論文を中心とする学術情報の検索システムにおける人工知能の活用を事例として,人工知能の背景にある解析技術について,現状と課題を概観していただきました。骨董通り法律事務所の出井甫氏には,内閣府が今年公表した第5期科学技術基本計画において提唱されているSociety 5.0の話題を交えつつ,著作権法を中心に,人工知能によって生成されたものに関する知的財産権の現状と課題について,考察していただきました。京都大学の西田豊明氏には,人工知能における,倫理,法,社会の分野を総称したELSI(Ethical, Legal and Social Issues)と呼ばれる観点での取り組みについて,セキュリティやプライバシー等,慎重な検討が必要な点から利活用に向けた動きまで,詳細に執筆いただきました。そして,このような人工知能をめぐる歴史的な背景や技術発展,著作権やELSI等,利活用が進む現在において念頭に置かなければならない観点を前提に,人工知能を利用したサービスについて2本ご執筆いただきました。朝日新聞社メディアラボの田森秀明氏,人見雄太氏,田口雄哉氏には,ラボにおける人工知能研究の取り組みとその成果について,近畿大学アカデミックシアターの寺本大修氏と株式会社エイド・ディーシーシーのスガオタカヒコ氏には,本のマッチングサービスの開発に至る経緯から仕組みやサービス開始後の反響等についてご紹介いただきました。相澤氏のまとめを一部引用させていただくと,人工知能の活用目的は「研究そのものを代替することではなく,AI技術の助けを借りて,より有望な知識の候補を,より素早く見つけ出して,ユーザに提示することである。」とあります。本特集をご覧になった読者が,今後「人工知能」と対面していく中で,どのような観点を持ち,どのような姿勢で考えていけばよいのか,少しでもヒントになれば幸いです。(会誌編集担当委員:古橋英枝(主査),稲垣理美,炭山宜也,長屋俊,松本侑子,南山泰之)