著者
平中 英二 塚原 修一 山田 圭一
出版者
日本教育社会学会
雑誌
日本教育社会学会大会発表要旨集録
巻号頁・発行日
no.34, pp.42-43, 1982-10-02

すぐれた科学・技術研究者を養成し, 研究者として確保することは, 創造的な科学技術活動を促進するうえできわめて重要な要因のひとつである。研究者を養成するための代表的な機関として大学院の博士課程をあげることができる。しかし大学院博士課程では, 修了者の就職難すなわちオーバードクター問題(以下, ODと記す)が深刻化し, 博士課程のありかたをめぐって様々な議論がなされている。ところがこれらの議論をみるかぎり, 状況認識の段階から関係者の意見は必ずしも一致していないように思われる。本研究は, オーバードクター問題の関係者を対象とする社会調査によって関係者の認識の不一致がどのような点にあるのかを明らかにし, これを通して科学・技術研究者の養成と確保のあり方に関して考察を行うことを目的としている。