- 著者
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加藤 隆雄
- 出版者
- 日本教育社会学会
- 雑誌
- 日本教育社会学会大会発表要旨集録
- 巻号頁・発行日
- no.40, pp.2-3, 1988-10-14
エスノメソドロジーが対象としてきたのは、日常世界の自明視された領域であり、成員の日常的実践の形式的構造である。しかし、エスノメソドロジーは、実践形式が新参者を通して自身をいかに再生産するのかに関して、つまり成員の社会化過程に関しては、固有で定式化された回答を与えてこなかったように思われる。翻って社会化論も未だ十全にエスノメソドロジーの成果を取り込んではいない。本報告の目的は、エスノメソドロジーが社会化論に対してどのような視角を切り開いたのかを検討することにある。手順として、社会化論の立場からエスノメソドロジーの理論を本報告の趣旨に即して再構成し、それが提起した問題を定式化する。そして、エスノメソドロジーの知見は社会化論にいかなる意義を持つのかを述べる。