5 0 0 0 OA 温泉と万葉集

著者
佐々木 政一
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.108-117, 2015-02-27 (Released:2015-03-25)
参考文献数
17

我が国に現存する最古の歌集で、古代の人々の暮らしぶりを今に伝える『万葉集』には、温泉地で詠んだ、あるいはそれと関係する歌が少なからず見られる。  日本三古湯といわれる「道後温泉」、「白浜温泉」、「有馬温泉」も含まれ、その他に「伊香保温泉」、「湯河原温泉」、「二日市温泉(福岡県)」の計6ケ所の温泉地である。  本稿ではこれら6ケ所の温泉地で詠まれた、あるいはその地と関連の深い万葉歌について歌碑とともに紹介する。
著者
松野 栄雄 王 秀霞 宛 文涵 松井 健一郎 大川 尚子 杉山 徹 甲野 裕之 清水 昌寿 頼 精二 山口 昌夫 山口 宣夫
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.135-140, 1999 (Released:2010-08-06)
参考文献数
9
被引用文献数
2

We have simultaneously proved that cell populations taking charge of immunity in human peripheral blood can be regulated quantitatively by hot spring bathing. Now, we investigated the effect of hot spring bathing qualitatively on cytokine production by lymphocyte cell in human peripheral blood estimating by cytokine containing cell by FACScan. We found a significant increase in IFN-γ containing cells after hot spring bathing and an increase in IL-4 with no statistical significance after hot spring bathing. In addition, we found significant negative relationship between the level of IFN-γ, IL-4 and IL-1β before hot spring bathing and the ratio of cytokine that increased in variation after hot spring bathing. Namely, after hot spring bathing, there was a decrease of cytokine producing cells in subjects who had higher level before hot spring bathing. But an increase in subjects who had lower level before hot spring bathing, the trend was concentrated toward average levels in the cytokine production by lymphocyte in peripheral blood. So we suggest that hot spring bathing can promote acquired immunity to make it possible more suitable as immune reaction.
著者
嶋 良仁 渡邉 あかね 井上 暢人 國友 栄治 丸山 哲也
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
pp.2330, (Released:2020-07-28)
参考文献数
9

【目的】「冷え」は正常な体温であるにもかかわらず,手または足が冷えている状態である.疾病の有無に関係なく,高齢者を中心に多くの人がこの「冷え」に悩まされている. 冷えを和らげる方法のひとつに使い捨てカイロで手を温めることがあるが,この方法では手が塞がり日常の作業を妨げる.そこで,カイロで上肢の別の部分を加熱することで,手の冷えを緩和できるかどうかを調査した.  【方法】インフォームド・コンセントの後,脈管異常の指摘がこれまでない冷えを自覚する30名に頸部,肘,手首の加温の検討を行った.18名はそれぞれ1週間のインターバルをあけて3ヶ所を指定された順に1週間ずつカイロで加温を行った.残りの参加者は,カイロ固定用ホルダーの影響を観るためにホルダーだけを装着した.すべての参加者は,10cmのvisual analog scaleによる手の冷え評価を連日記録させた. 同様にカイロやホルダー装着が日常作業に差し障ったかを連日評価させた.1週間の加温の治療効果を観るために,カイロまたはホルダーのみを使用した期間終了翌日に,サーモグラフィーとlaser speckle contrast analysis(LASCA)を使用して,24℃20分間の室温順応後に両手の表面温度と血流を計測した.  【結果】頸部と肘部のカイロ加温中に冷えVASの有意な低下が観察された.日常への差し障り度評価は3ヶ所間で差がなかった.手の表面温度・血流はカイロ(あるいはホルダーのみ)の使用で上昇は観察されなかった.  【結語】手を温めなくても手の冷えを改善できることと,加温部位によってその効果が異なることが判明した.この研究は,「冷え」を改善する新しい方法につながると考えられる.サーモグラフィー等の客観的評価は,外気温等の測定条件の影響が非常に大きく,評価方法の検討が必要と考えられた.
著者
矢野 一行
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.108-119, 2014-02-28 (Released:2014-06-26)
参考文献数
23

私たちは放射能泉を利用することによって低線量被曝を受けることになるが、この程度の被曝は免疫細胞を活性化するのでからだに良いと宣伝され、広く信じられてきた。しかし福島第一原発事故以降、放射線の健康への影響を、どのような低線量被曝でもからだに害を及ぼすとする「LNT仮説」で説明されるようになり、放射能泉による低線量被曝に関しても再考の必要に迫られている。  放射能泉には不明な点が多く、温泉治療に利用されている低線量被曝がからだにとって益なのか害なのかを示す決定的な証拠は得られていない。この点を明らかにすることは放射能泉の温泉医学的効果を立証するうえで避けて通れない課題の一つである。  本説では、最初に放射能泉を正しく理解するために必要な基礎知識を整理する。次にわが国の代表的ないくつかの放射能温泉地から入手した温泉分析書に基づき、これらの温泉水に含まれている有効成分について比較検討する。  続いて放射能泉の本質的作用成分であるラドンの性質、ラドンによる被曝、ならびにラドン被曝で発生する活性酸素について整理する。また、欧米諸国で広く知られている住居内でのラドン吸入による肺がんのリスクにふれ、これらの国で得られたデータを基にわが国の放射能泉でのラドン吸入による肺がんのリスクについて考察する。  さらに、がんの根本的原因はDNAの損傷にあるので、その損傷の度合いを示す酸化的DNA損傷マーカーである8-ヒドロキシ-2’-デオキシグアノシン(8-OHdG)について説明し、尿中に排泄される8-OHdGが放射能泉の医学的効果を検証するための一つの指標としての可能性を検討する。  最後に、以上を総合して放射能泉の温泉医学的効果を検証するための実験系の構築に関して提案する。
著者
保崎 泰弘 芦田 耕三 濱田 全紀 藤井 誠 岩垣 尚史 高田 真吾 田吹 梢 光延 文裕
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.269-273, 2006 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

閉塞性動脈硬化症 (ASO)、糖尿病性末梢循環障害に合併する難治性下肢潰瘍、壊疽の治療、予防として人工炭酸泉浴は有用であると考えられている。今回、人工炭酸泉浴による足浴の末梢循環改善作用を定量的に明らかにする目的で健常成人6例 (年齢27~52歳、男性5例、女性1例) について検討した。右下肢腓骨外果より頭側10cmの背側にレーザードップラー血流計を固定し、さらに防水用のテープで覆った。42度の温水10lをバケツに入れ、バブ錠1個を投入し、対象患者の両足を膝下まで10分間浸水した。観察は、浴前、浴中、浴後5分、15分、25分、35分に行なった。次に、足浴の全身の末梢循環血流量に及ぼす影響を検討する目的で、右上肢手関節より頭側10cmにレーザードプラー血流計を固定し、足浴時と同時に上肢の末梢血流量を測定した。足浴前の血流量を100%とした時、足浴中10分では264±135 (%) (p<0.05)、足浴後5分では256±174、浴後15分では146±60、浴後25分では112±23、浴後35分では107±24と漸減し、足浴前値に低下した。上肢の血流量は、浴前の血流量を100%とした時に、浴中10分では119±49、浴後5分では120±66、浴後15分では113±28、浴後25分では109±16、浴後35分では95±14と漸減し、浴前値に低下した。人工炭酸泉浴を用いた足浴の末梢循環に及ぼす血流増加効果が数量的 (2.6倍) に認められた。しかし、その効果は浴後5分間は持続するものの15分後より低下する事が示された。簡易で効果的な人工炭酸泉浴を用いた足浴は、下肢の難治性潰瘍や壊疽の治療・予防に有効であることが示唆された。

3 0 0 0 OA 入浴と過労死

著者
須田 民男
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.212-215, 2002 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

We investigated the relationship between Karoshi (death due to overworking) and bathing. Three apparently healthy persons seem to have died of karoshi during bathing. All three pesons had complained of a severe fatigue and poor physical condition. We estimated that the thermal stimulation and hydraulic pressure during bathing would further injure the auto-nervous and endocrine systems that had been ruined by severe overwork. We also estimated that these injuries would cause Karoshi by means of lethal arrhythmia or acute coronary syndrome. Our study suggests that the cases of sudden death during bathing include the cases of Karoshi.
著者
東 威 合田 純人
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
pp.2323, (Released:2019-01-23)
参考文献数
3

我が国は温泉資源に恵まれ,人々は古くから経験的に温泉を病気の治療,疲労回復に利用してきた.このような経験的温泉効果を近代医学により解明するために,1926年に東京帝国大学医学部に温泉気候物理医学を研究する内科物理療法学講座が創設されたのに始まり,1951年の群馬大学附属草津分院まで国立の七大学に附属温泉医学研究施設,あるいは温泉病院が設立された.  これにより我が国の温泉医学研究は推進されてきたが,1990年代に大学改革の一環として国立大学独立行政法人化の検討が始まると「新分野の研究や医療」に対応した機構改革を迫られ,国庫補助の削減もあって温泉地の施設は本院講座への統合,市中病院への転換あるいは閉鎖され,2018年の鹿児島大学霧島リハビリテーションセンターの本院への統合を最後にすべて消滅した.残念ではあるが,各施設関係者の調査に基づいて各施設の変遷,施設長と主要業績などを学会誌に記録し,これまでの温泉医学研究がこれからも日々進歩する科学的知識,技法を取り入れて一層発展することを期待したい.
著者
上岡 洋晴 早坂 信哉 武田 淳史
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
pp.2349, (Released:2021-10-25)
参考文献数
39

本研究は,温泉施設や公衆浴場の利用はCOVID-19に感染するリスクは低いというエビデンスの収集を第1の目的とし,さらに入手した報告を中心として温泉医学分野において取り組むべき研究課題の包括整理を行うことを第2の目的とした.  文献データベースは,CINHAL,Chochrane Library(Clinical Answer, Cochrane Protocol, Cochrane Review, Editrials, Special Collections, Trials),医中誌Web,MEDLINE,Web of Science Core Collectionを用いた.それぞれのデータベースにおいて,開設されてから検索をした2021年7月26日までの結果を採用することとした.介入研究及び実験的研究の場合には,次の変形型のPICOSとした.P(Participant:参加者-疾患の有無にかかわらず制限なし),I(Intervention:介入-普通の呼吸あるいは意図的にくしゃみやせき,会話をする行為),C(Comparison:比較対照-制限なし),O(Outcome:アウトカム-浴室や脱衣室での室内空気の流れや飛沫の動態と飛沫をシミュレートしたマーカー),S(Study design:研究・実験デザイン-コントロール群のない介入研究・実験を含む)を,観察研究の場合には,PECOS,P(参加者:疾患の有無にかかわらず制限なし),E(Exposure:曝露-公衆入浴施設),C(比較対照-制限なし),S(研究デザイン-横断研究,コホート研究,ケース・コントロール研究)とした.  第1目的において,適格基準に合致した研究は0編で,温泉施設や公衆浴場の利用はCOVID-19に感染するリスクは低いというエビデンスを現時点では示すことができなかった.第2目的に関しては,関連する先行研究が15編あった.COVID-19に強く影響される社会において,チャレンジすべき4つの研究課題をエビデンス・マップの位置づけで提案することができた.「A.温泉施設や公衆浴場の利用はCOVID-19の感染リスクが低いこと」,「B.温泉の泉質や公衆浴場の室温・水温がSARS-CoV-2を不活性化・弱毒化させること」,「C.温泉施設,公衆浴場,家庭での入浴習慣はCOVID-19の予防や症状の軽減につながること」,「D.入浴によってCOVID-19罹患後の患者の多様なリハビリテーションにつながること」であり,それぞれに適合した研究方法論でのアプローチが必要だと考えられた.
著者
池宗 佐知子 大田 美香 宮本 俊和 高岡 裕
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.103-111, 2011 (Released:2013-10-18)
参考文献数
31

Electroacupuncture (EA) is an acupuncture technique that is stimulated by acupuncture needles with low-frequency microcurrent. The aim of this study is to elucidate the effect of EA and it's molecular mechanism on muscle atrophy by using an animal model: hindlimb-suspended (HS) mice in the disuse muscle atrophy model. To compare the effects of EA in HS mice and HS mice treated with EA (EA/HS), soleus muscle mass and soleus myofiber diameter were measured. We then used real-time quantitative RT-PCR to analyze the expression of myostatin and ubiquitin ligase genes in atrophic muscles of HS mice and in muscles of EA/HS mice. We found that EA/HS mice maintained a soleus muscle mass that was not significantly different from that of wild mice (WT), whereas HS mice had significantly reduced muscle mass. Also, the diameters of myofibers in EA/HS mice, which were not significantly different from wild values, were significantly larger than those in HS mice. Repeated EA treatment suppressed gene expression of myostatin and ubiquitin ligase genes in skeletal muscle of EA/HS mice but induced expression of these genes in HS mice. These findings suggest the molecular mechanism by EA: suppression of myostatin and ubiquitin ligase gene may be a key reaction of inhibiting the disuse muscle atrophy.
著者
深川 恵理 遠藤 文康 京野 陽子 服部 一紀
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.70-73, 2020-05-31 (Released:2021-02-10)
参考文献数
7

53歳タイ在住日本人男性.前立腺癌に対し当院泌尿器科でフォローされていたが,PSA上昇傾向あり,2015年6月に病勢評価目的の前立腺生検を企画され,入院2日前に帰国した.入院前日に術前検査として血液検査を施行したところ,CK 13,631IU/Lと異常高値が判明した.翌日の再検査ではCK 29,836IU/Lと更に上昇を認め,血清ミオグロビン 3,289.0ng/mL,尿中ミオグロビン 26,000ng/mL,CKアイソザイムはMM型が100%であった.後の問診により,帰国後入院するまでの2日間に公共温泉施設で電気風呂に入浴していたことが判明した.製造業者の推奨する電気風呂の入浴方法は「3分以内,1日2,3回」とされているところ,本症例は入院2日前に30分,1日前に60分と想定を遥かに超える長時間の入浴を行っていた.経過中腎機能障害は認めず,予定通り生検を施行した上で安静及び補液にて経過観察とし,CK値は入院2日目の42,355IU/Lをピークに改善傾向となり,入院5日目に5,979IU/Lまで低下を確認したところで退院となった.医中誌Webにおいて「電気風呂」の検索結果はわずか3件で,うち2件がCK上昇に関するもの,うち1件は電気風呂により植込み型除細動器が誤作動したという報告であった.過去の報告では入浴時間が長いほどCKの上昇を認めた.長時間の電気風呂の入浴は横紋筋融解症を来し,重篤な結果に至る可能性も懸念されることから,適正な入浴時間の啓発が必要である.
著者
山口 智 菊池 友和 小俣 浩 鈴木 真理 磯部 秀之
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.200-206, 2013-05-29 (Released:2013-10-18)
参考文献数
10

目的 : 片頭痛の発作予防に対する鍼治療効果を頭痛日数と頸肩部の筋群および咀嚼筋の圧痛や筋緊張を指標に分析し、その関連性について検討した。方法 : 対象は国際頭痛分類第II版の片頭痛の診断基準を満たした70例(男性22例、女性48例)平均年齢35.5歳±14.3歳(mean±S.D.)、また前兆のある片頭痛13例、前兆のない片頭痛57例である。  鍼治療を2ヶ月間行い、中等度以上の頭痛日数と頸肩部の筋群および咀嚼筋の圧痛や筋緊張を鍼治療前後で比較した。また頭痛日数の減少と圧痛および筋緊張の改善の関連性についても分析した。結果 : 鍼治療により、中等度以上の頭痛日数は減少し(p<0.05)圧痛や筋緊張も改善した(p<0.01)。また、頭痛日数の減少と頸部圧痛·肩部圧痛·咀嚼筋部圧痛の改善に正の相関が示され、頸部の関連が最も強かった。考察及び結語 : 鍼治療を一定期間継続することにより、頭痛日数が減少するとともに、頸肩部の筋群と咀嚼筋の圧痛や緊張が改善したことから、片頭痛に対する鍼治療効果はこうした筋群の圧痛を緩和することで頭痛日数が減少し、発作予防に寄与したものと考える。また、片頭痛の発作予防に対する鍼治療の作用機序は、上位頸神経や三叉神経を求心路とし、三叉神経脊髄路核を経て高位中枢に影響を及ぼし、発作予防に関与している可能性も考えられる。
著者
久下 浩史 波多野 義郎 森 英俊
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.180-186, 2008 (Released:2010-04-30)
参考文献数
20

[Purpose] We investigated the effects of fireless moxibustion using the Medical Outcome Study 36-Item Short-Form Health Survey (SF-36®).[Methods] The subjects were 27 elderly people living at home, from whom informed consent was obtained (age: 66 to 94 years). They were randomly divided into two groups using the envelope method. Eleven were in the fireless moxibustion group (FMG), and 16 were in the sham fireless moxibustion group (SFMG). For measurement, no treatment was performed for seven days (Cont.), home fireless moxibustion was performed for seven days (St.), and no treatment was performed for seven days after fireless moxibustion (Af.). During the study period, we conducted a survey using SF-36®. Stimulation was performed every two days during the St. period (total: 4 times). The left/right BL23 and ST36 areas were stimulated. We used fireless moxibustion (Sennenkyu Taiyo(r), Senefa Co., Ltd.). Generalized linear two-way variance analysis and Fisher's (LSD) multiple comparison test were carried out. P<0.05 was regarded as significant.[Results] There was alternative action in the bodily pain item. In a comparison of the two groups, FMG tended to show improved “bodily pain” (p<0.10) and at the Af. period “bodily pain” was reduced as compared with the Cont. period (p<0.05). FMG indicated the tendency to improve “bodily pain” in the Af. period (82.9 (3.7 points) than in the Cont. period (78.4 (4.4 points) (p<0.09). In SFMG, there was no significant change.In Question 8, as a bodily pain factor, routine working pain, which had persisted over the past week, mitigated after 1 week of fireless moxibustion (Af.).[Conclusion] Fireless moxibustion reduced “bodily pain”, and scores of “general health perceptions” increased, while in sham fireless moxibustion at home scores of “Role physical” decreased significantly. From the results, fireless moxibustion at home raised the health related QOL. Fireless moxibustion may be useful for “bodily pain”.