著者
岩崎,寛和
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, 1984-05-01
著者
佐藤 文彦
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.427-434, 1972-06-01

精子は女性々器を上昇するに際して受精能を獲得し, 受精が成立すると言われている. Hammer&Williams (1963) 等によれば, 家兎精子を家兎子宮内で培養した場合, 或いは雄鶏精子を雌鶏卵管内で培養した場合, それぞれ射精直後の精子に比較して約2〜4倍の酸素消費量の上昇がみられ, 射精直後の精子に比べ妊娠率が高まると報告している. しかしヒト女性々器分泌液による精子の酸素消費量の変動についての報告はすくない. 私は各種女性々器分泌液による精子の酸素消費量の変化を中心として, 精子の運動率, 生存時間, 速度の変化を観察し, 受精現象に対する女性々器分泌液の影響についての一面を検討し, 次の結果を得た. 1) 精子の酸素消費量は従来Warburg検圧計により測定されていたが, 本実験ではガスクロマトグラフィーによる非気相下で, 一定溶存酸素中の精子の酸素消費量をみたもので検圧法の値より1/3〜1/5低かつた. 2) 各種分泌液一定量の溶存酸素量は, 卵管液を最高に血清, 卵胞液, 子宮分泌液, 腹水, 精液の順に少なかつた. 3) 各種女性分泌液添加後における精子の運動率, 速度, 生存時間への影響は血清において最も強く, 次いで卵胞液, 腹水と続き, 卵管液, 子宮液ではそれらより劣る傾向を示した. 4) 各種女性分泌液添加後の精子の酸素消費量と運動率との間には一定の関係を見出すことは出来なかつたが, 各種分泌液添加後の酸素消費は血清と卵胞液において最も高い値を示した. 5) 以上の結果から精子の受精能, 受精現象について勿論結論的な事は言えないが, Kurzrok (1953) 等が言う様に, 卵胞液が排卵と同時に卵管に取込まれ, 卵管液と相まつて受精現象に何か影響を持つかの様な印象を受けた.
著者
岡本,康夫
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.10, 1951-10-01

The brain waves of 16 cases of fetuses obtained by artificial abortion and 2 cases of premature children at the Department of Obstetrics and Gynecology of Hokkaido University have been examined. The results are as follows: 1) The brain waves in all cases of fetuses and premature children from 3. to 9. month of pregnancy were recorded. The brain waves were very irregular slow waves of a period. 0.2-2 sec. and ampl. 10-90μV superposed by relatively regular frequent ones of period. 50 msec. and ampl. 5μV. 2) The brain waves of fetuses react to some chemicals administered, such as Evipan Sodium, Sodium amytal and Methylpropamine, similar to those of adults. From this fact it can be imagined that fetuses living in ovisacs are not entirely unconcious but are able to some extent to react to some chemicals.
著者
目崎 登 佐々木 純一 庄司 誠 岩崎 寛和 江田 昌佑
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.49-56, 1984-01-01
被引用文献数
3

思春期あるいはそれ以前に開始されるスポーツトレーニングが初経発来に,どのような影響を及ぼすかをアンケート調査した。筑波大学の女子運動部員174名を対象とし,体育学の立場から,各スポーツの運動量により,激しいスポーツをA群100名,比較的軽いスポーツをB群74名とした.特別な運動歴のない本学一般学生137名を対照群とした。1.身長:対照群157.0±4.1±cm(Mean±SD),運動選手161.5±6.1cm(p<0.001),体重:夫々51.0±5.0kg,55.4:±6.6kg(p<0,001).2.初経年齢:対照群12歳7.7月±12.2月,運動選手12歳9.9月±13.4月(A群12歳10.5月±13.7月,B群12歳9.2月±13.1月).3.トレーニング開始年齢別初経年齢:各年齢群とも平均初経年齢は12歳6月から13歳の間にあり,特定の傾向は認められない.4.トレーニング開始時期と初経年齢:初経発来前よりトレーニングを開始した老の初経年齢は13歳1.4月±13.1月と遅延(p<0.001).初経発来後にトレーニングを開始したとする老の初経年齢は12歳0.6月±9.9月と早い(p<0.001).運動量による影響を調査するためにA群とB群に分けて検討した.A群では,初経前トレーニング開始者の初経年齢は13歳3.O月±13.1月と遅延(p<0.001)し,初経後開始者では11歳11.O月±6.6月と早い(p<0.001).B群では,ほぼ同様の傾向を示すが,統計学的な有意差はない.スポーツトレーニングの初経発来に及ぼす影響を調査した結果,以下の結論を得た.非常に早期に,若年齢のうちから激しいスポーツトレーニングを開始すると初経発来を遅延させる。