著者
天羽 幹夫 堀内 剛
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.805-812, 1979-12-15 (Released:2011-11-29)
参考文献数
9

長年の間不明であったビールの噴きの問題がようやく解明されようとしている。著者はまず噴き現象を夏型噴きと冬型噴きにわけ, それぞれの噴き誘発因子ならびにその抑制法について解説している。
著者
伊藤 寛
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.405-409, 1968

味噌は袋詰が一般的な包装形式となった。そこで一番問題となるのは「味噌のふくれ」である。しかし味噌にはなかなかふくれないものもある反面, よくふくれるものもある。いかにしたらふくれない味噌をつくることができるか? その原因と対策についての新しいお話である。
著者
島田 彰夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.103-108, 1986

日本の味噌, 醤油の歴史を顧みるとき, 韓国における大豆発酵食品を無視することはできない。味噌・醤油のような発酵食品の起源は遠く3千年の昔, 中国にあったといわれ, そのプロトタイプが日本に伝来する道として, 朝鮮半島を経由するものと, 直接東支那海を渡来するものがあった。韓国におけるテンジャン, カンジャンのジャンは中国の「醤」に由来するとみられる。そして, 韓国のメジュは日本の味噌玉へと伝わる。今日テンジャン, カンジャンの姿は, 豆味噌地帯の溜り味噌と溜りに見られる。最近韓国における食生活を調査された著者に最近の大豆発酵食品について執筆願った。
著者
松本 憲次
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11-12, pp.145-148, 1945-12-15 (Released:2011-12-12)

一、甘藷は味噌に使用するには蒸して食鹽を一五%以上混合混捏して貯藏して置き必要に應じ使用する。一、蒸甘藷は既製味噌に混控して漉込み數日にして使用して差支ない、其際に食鹽は甘藷に甥し一零- 八%内外に添加する。一、干甘藷は製麹して米麥麹代替網とすることが出來るが、干甘護に適度に吸水し蒸し時には火蓋と交互に重ねて蒸し混控して生甘藷と同様に味噌に漉込んでも收得量には餘り生甘藷と相違を認めない、多少色澤を損じてをる位でもる。一、甘味多い甘藷は多少温暖なれば酸昧を早く増すことがあるから甘味の少ない藷を使用する方がよい。一、冠水甘藷は混捏が充分に行かぬから可成避けた方がよい。一、甘藷加用の味噌は所謂甘味が割合に少ない藷でよい、種類によつては味噌汁に粘味を與へ風味を軟げると同時に味噌汁の沈降速度を遲くする様になる。
著者
西谷 尚道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.633-638, 1967-06-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8

現在0℃ 以下におけるアルコールの度数および容量一温度補正表がないので, 特にその必要がある原料アルコール (88%および95%) の-15℃~0℃ 間の補正表を作成すべく実験した結果,1.容量-温度変化を精度よく測定することが出来たので, これを基にして度数および容量の温度補正表を作成した。2.88%および95%アルコールの容量-温度補正係数は-15℃ ~30℃ において, 温度と直線的関係がある。3.現行の度数および容量の温度補正表 (0℃~30℃) と比較して, わずかに一致しない個所があるが, 実用上問題はない。
著者
原 昌道 深田 雄一 野崎 英雄 小幡 孝之 野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.569-573, 1976-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
11

アルコール耐性の著しく強い協会7号酵母の変異株 (6-4-C, 26-3-C) と親株 (協会7号) を用いて総米1.2kgと20kgの仕込を行った。1. アルコール無添加で36日間清酒醪を発酵した場合, 変異株醪の酵母はほとんど死滅せず, アルコールが20%以上生成し, 粕歩合も小さかった。他方, 親株の醪は24日預より急激な酵母の死滅がみられ, アルコールの生成は18.6%で停止した。また留後20日目にアルコールが20%になるようにアル添した場合, 親株の醪では酵母は急激に死滅したが, 変異株の醪にはこのような現象はなかった。2. 変異株の発酵末期 (留後20日以降) の成分ならびに製成酒の成分は親株のそれと比較して, formol-Nが小さく, pHが低く, 酸がやや多く, ITT値が大きく, 色が薄く, ピルビン酸含量が多かった。また製成酒の貯蔵着色が小さかった。3. 変異株の酒は親株の酒に比して火落菌の繁殖が悪かった。
著者
桜井 徳太郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.553-557, 1973

お祭り好きの日本民族にとって祭礼と酒とはきってもきれない関係にあった。その祭りも核家族化社会の風潮のなかに次第に簡素化され忘れられつつあるが, 国東の櫛来神社, 秋田の八坂神社, 沖縄宮古島の竜宮御願を例として祭祀のなかに今なお生きている民衆の酒の姿をとらえてみた。
著者
稲岡 輝彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.8-10, 1977-01-15 (Released:2011-11-04)

昨今, 酒類における清酒の地位は, 年々地盤沈下の様相を呈している。伝統ある国民酒としての清酒が, このような傾向にあることは, 業界の-員として, 誠に遺憾なことである。なぜこうなったのか, その対策はいかにあるべきか。筆者とともに業界の体質強化, 品質多様化のあり方等の観点から, 今一度この問題について考えてみたい。
著者
宗田 喜八郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.694-696, 1977-10-15 (Released:2011-11-04)

清酒業者は利害の相反する大手と小メーカーが同一組織内にある。そのため極めて業界運営が難かしいところである。真面目に自己の事業を営んでいる企業は生き残れるように, 組合として救わなければならないというのは一致した意見であろうがなかなか難しい。ここでは清酒業界に対する筆者の要望をじっくりと聞こう。
著者
竹内 直一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.292-295, 1975-05-15 (Released:2011-11-04)
被引用文献数
1

日進月歩の技術革新の世にあっては, 食品もその製造技術の改良進歩により品質は益々向上し, 本来の製法が必らずしも良品を生むとは限らなくなる。ともあれ, 消費文明の高揚は昔のものへのノスタルジアにかられる。それもかけがえのない消費者の要求とあれば業界も十分に傾聴しなければなるまい。業界にとっては当然の事でも消費者の納得し得ない何物かがあるとすれば, 消費者への説得が不十分なのかも知れない。内ゲバから脱却し業界一丸となって消費者教育に乗り出す上にも, 一見身勝手と思える消費者の声を冷静に聞きとる寛容さが必要であろう。