著者
岡崎 直人 木谷 光伸 田中 利雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.133-136, 1984-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8

蒸米上における麹菌の増殖におよぼす温度の影響について検討し, 増殖の限界温度が45℃ であること, 再び40℃ にすれば増殖が再開されることを見い出したっこのことは製麹管理上重要なことと思われる。また, 気中の炭酸ガス濃度を一定に保って麹菌の増殖に伴う酸素吸収を得定する方法を考案し, 炭酸ガスの影響を調べた。その結果, 0.1~1.0%の範囲で発芽の誘導期間を短縮する効果があること, 1%以上存在すると増殖を幾分阻害し, それに伴って酵素生産も低下することを認めた。
著者
坂口 健二
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.408-411, 1983-06-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
3

酵母ではなく細菌がアルコールを生産する。20世紀の初め, パウル・リントナー教授がメキシコの酒「プルケ」から分離した細菌が, 遺伝子工学の台頭とともに脚光をあびた。Zymomonas mobilisと命名されたこの細菌を通して, 遺伝子工学に対する著者の考えを披瀝していただいた。
著者
島田 彰夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.103-108, 1986-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
3

日本の味噌, 醤油の歴史を顧みるとき, 韓国における大豆発酵食品を無視することはできない。味噌・醤油のような発酵食品の起源は遠く3千年の昔, 中国にあったといわれ, そのプロトタイプが日本に伝来する道として, 朝鮮半島を経由するものと, 直接東支那海を渡来するものがあった。韓国におけるテンジャン, カンジャンのジャンは中国の「醤」に由来するとみられる。そして, 韓国のメジュは日本の味噌玉へと伝わる。今日テンジャン, カンジャンの姿は, 豆味噌地帯の溜り味噌と溜りに見られる。最近韓国における食生活を調査された著者に最近の大豆発酵食品について執筆願った。
著者
小川 知可良
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.627-630, 1977-09-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
1
被引用文献数
1

明利・小川酵母を, 今秋 (11月1日) より本会で製造販売することになった。そこで本稿では, この酵母を開発された小川氏に, 本酵母が持つ諸特性, 実際の仕込方法等について, データをもとに解説願った。品質の多様化が呼ばれている昨今, 明利・小川酵母が全国に配布されるようになったことは, 業界にとって福音といえよう。
著者
渡辺 健一郎
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.500-503, 1973

対人関係でも第1印象は重要な意味をもつ。消費者の商品にたいしてもつ潜在意識も同様である。そのイメージはどのようにして形成されるのか, 現実に各種の酒類にたいしてどのようなイメージをもっているか, 新市場特に女性の市場を中心としてアンケート調査した貴重な資料である。
著者
吉沢 淑 高橋 康次郎 中村 欽一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.682-686, 1985

新しく設定した官能評価法により, 国産ウイスキー (2級1級及び特級) 及び外国産特級ウイスキー (スコッチ) の官能検査を行い, その結果を比較するとともに官能評価値間及び成分間の単相関分析を行った。<BR>1.香りの調和及び豊かさ, 味のまろやかさ及び調和の項目は上級ウィスキーほど評価がよく, 中でも外国産特級ウイスキーの評価が高かった。<BR>2.香りの個性では, 国産ウイスキーはいずれも普通という評価であったが, 外国産特級ウイスキーはやや個性的という評価であった。<BR>3。各官能評価項目間で多くの有意な関係がみられたが, 中でも, 香りの軽さと味の濃さの項目間に, 高度に有意な負の相関関係が認められた。<BR>4.香りの個性と総酸, フェノール量, i-AmOH及びi-BuOH含量との間に高度に有意な正の相関関係が認められた。
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.146-150, 1981

省エネルギーが醸造業界にとって切実な問題であることはいうをまたない。トップバッターとして多年この問題に深い関心を持たれ, 生米醸造などユニークな技術を開発しておられる秋山醸造試験所長に, まずお考えを述べていただいた。
著者
窪田 稔
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.565-570, 1970-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
2

プラスチックは石油化学の生んだ合成資材であるから, 情報化社会が進むにつれその時代が要望するV. A効果をピタリ包含した新しい製品を次から次と発表, 市販できるものであリ, まさに21世紀の材料として包装, 運搬, 容器革命の担い手と目されるものである。ここにプラスチックを材質別に解説し, その主たる用途と経済性を考えてみた。
著者
佐藤 信 大場 俊輝 高橋 康次郎 蓼沼 誠
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.593-599, 1976-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
2

清酒をもろみの汲水の全部または一部にして使用し醸酵させて造る新しいタイプの清酒, いわゆる貴醸酒について, それの製法, お酒の特微, 開発に致る経過をくわしく解説していただいた。醸造技術者にとって新製晶開発は1つの大きな仕事であリ, また願望でもある。しかし, それは単にアイデアのみで生まれるものではない。本誌には著者の長年にわたる清酒成分に関する研究の成果を基とした多様化の設計の手法, 新製品開発までのステップと新製品に与えるイメージ, 製造法の緻密な検討が紹介されている。是非一読をすすめたい。
著者
伊藤 清 太田 剛雄 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.289-293, 1987-04-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

清酒もろみ中の香気成分の米粒への吸着について検討を行った。1.みかけの吸着定数を求めたところ, カプロン酸エチルは酢酸イソアミルの約10倍, カプリル酸エチルはそのさらに10倍吸着し易いことがわかった。2. 脂肪酸のエチルエステルは主に米澱粉中のアミコースによる包接作用で米粒に保持され, その他に香気成分全般について米蛋白質への吸着が関与していることがわかった。3.もろみ中でも, 香気成分は米粒に吸着し酒かすへ移行したが, ろ液仕込を行うことにより清酒への移行率を高めることができた。