著者
伊藤 実喜
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
vol.11, pp.63-68, 2004
著者
志村 三郎
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.3, 1996-07-13
著者
矢島 伸男
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.18, pp.41-49, 2011-07-23

本稿は、笑いによる学校教育の諸問題解決の一つとして、ユーモアを感じ取る能力の必要性を論じた上で、"ユーモア・センス"を定義した。さらにそれらを"発見力""構成力""表現力""判断力"の4領域に分類し、とりわけ"判断力"は、笑いを伝達する上での最終調整の役割を果たすため、最も優先されるべき能力であるとした。しかし、"判断力"は心理的余裕が失われることで鈍くなる性質があり、教師の精神的なゆとりを確保するために、どのような「心の持ちよう」を維持するかが重要であると考えた。寄席芸能から現在に至るまで、日本では舞台上での演者の"素"をむしろ歓迎し、観客と演者との間で笑いを共有しようという文化的潮流がある。ここに、自分の"素"からにじみ出るユーモアを受け入れ、心地よい笑いへと変換させる"笑われ力"という概念を掛け合わせ、教師の心理的負荷の軽減を模索し、具体的な個人レベルでの実践を模索するものである。
著者
村木 多津男
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.17, pp.127-132, 2010-07-10

ユーモアの分類とユーモアの定義を元に「ユーモアを身につける川柳」を開発した。簡単なユーモアに関する定義と解説をした後でユーモアを身につけるためのコツを五七五の形にまとめてみた。落ちをつけること、再解釈。意外性のためには、常識を分析し、発見、解釈、想像、パターン変換してみる。
著者
伊藤 理絵
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.122-127, 2012-07-21

笑いに関する質問紙調査を通して、大学生および大学院生(以下、大学生)における笑いの性差について検討した。24の質問について、19歳〜25歳の大学生108名(男性50名,女性58名)の回答を分析、比較した。6男性の平均年齢は20.82歳(SD=1.38)、女性の平均年齢は20.43歳(SD=0.62)であった。その結果、女性は男性よりも、人をバカにする笑いを好ましく思っていなかった。また、女性は、笑うことは健康につながると思っており、「笑い」を色に例えると暖色系だと感じる傾向がみられた。一方、男性は、異性を笑わせたいと思う欲求が女性よりも強いという結果が示された。本調査は、大学生という発達段階の一部の対象者を取り上げた結果ではあるが、笑いやユーモアの研究を進めるにあたっては、対象者の男女構成比に配慮し、得られた結果についても性差の影響を考慮に入れる必要性が示唆された。
著者
吉田 昂平
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.56-66, 2012-07-21

本研究は、Martin et al. (2003)のHumor styles questionnaireの(HSQ)日本語版を新たに作成し、内的一貫性を検証し、既存の木村他(2008)の尺度との比較を行った。調査参加者は、大学生とユーモアセミナー受講者の327人(男性165人、女性161人、性別回答不明1人)、年齢は18-83歳(平均年齢40.04、標準偏差23.73、年齢回答不明1人)であった。オリジナルと同一の4因子構造を再現し、各下位尺度において十分な内的一貫性を確認した。因子間相関と下位尺度間相関は結果がほぼ一致し、因子分析の結果を反映した尺度であった。そのため、木村他(2008)の尺度より適切な質問紙を作成できたといえた。各下位尺度の性差の結果がオリジナルと異なり、それについては、今後の課題とした。
著者
戸板 律子
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.32-45, 2012-07-21

『世界一おかしなシャンソン史』は、ユーモア・シャンソンのグループであるシャンソン・プリュス・ビフリュオレによる、シャンソンの歴史を題材にしたショウである。シャンソン史というスケールの大きなテーマが、いかにして笑いのあるエンタテインメントになっているのか。まずその演目を史実と対照させてみると、シャンソンの変遷の大きな流れをおさえながら、周知のトピックだけでなく興味深い細部にも光を当てていることがわかる。次に笑いがどのように組み込まれているかをみると、グループの持つ様々な音楽パロディの手法と幅広いレパートリー、並びにデビュー当初から積み重ねてきた、音楽と笑いを融合した舞台構成の工夫が活かされていることがわかる。こうして、出演者はメンバーの3人のみながらバラエティ豊かな舞台表現となっており、笑い・ユーモアによって、シャンソンというフランスが誇ることのできる文化を、教養主義でも懐古趣味でもなく再発見できるものとなっている。
著者
浦 和男
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.18-31, 2012-07-21

現在の笑い研究は、今という時間に視座を置く共時的な分析が中心を占めている。しかし、昭和3年に柳田國男が指摘したように、笑いを知るためには、日本人が何を笑ってきたのか、という時間軸上の流れを追う、通時的な分析も同時に行われる必要がある。それによって、日本人の伝統的な笑い、ユーモアが明らかになり、笑い、ユーモアとは何かを明らかにする手立てが用意されることになる。社会相、文化相は、これまでに十分な考察が行われてきたが、笑い相とも呼ぶことができる面の分析は、まだまだ不完全である。本稿では、明治期以降の近代的な笑いが熟成すると考えることができる昭和初期の笑い相について、昭和3年に出版された「現代ユウモア全集」などを通じて分析を施し、近代日本の形成と共に熟成した近代日本の笑い、ユーモアの姿を解明する。その笑い、ユーモアは、伝統的な日本の笑い、ユーモアと共通するものであることも論じる。
著者
高橋 恵子 田松 花梨 松本 宏明 鮎川 順之介 今泉 紀栄 三道 なぎさ 柳生 奈緒 栗田 裕生 長谷川 啓三 若島 孔文
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.3-17, 2012-07-21

東日本大震災の発災後に被災者自身の手によって行われた「震災川柳」の取り組みについて、参加者が震災川柳の心理的効果をどのように認知していたかを明らかにし、今後の災害後の心理的支援を検討する手がかりを得ることを目的とする。本研究は、調査1(インタビュー調査)と調査2(質問紙調査)によって構成される。調査1では、震災川柳の役割には5つのカテゴリーがあることが示され、さらに、個人内/個人間において効用を持つことが考えられた。さらに調査2では、震災川柳を自ら詠む人(投稿参加)と発表される川柳を聞く人(傍聴参加)という参加形態と、心理的効果の認知との関連を検討した。その結果、投稿参加、傍聴参加ともに、震災川柳により「明るい気持ちになる」ことが分かった。これらのことから、震災という非常事態において、震災川柳が心理的支援の一つの形態として有効である可能性が示唆された。