著者
近内 亜紀子 浅地 哲夫 小田野 直光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.319, pp.1-4, 2008-11-19

現在,空港の保安検査としては,X線を用いた手荷物検査及び金属探知を用いた旅客検査が行われている.しかしながら,X線検査は手荷物内物質の形状及びX線透過率から爆薬の有無を判断するため自動判定が困難であり,金属探知においては非金属の隠匿武器等を検出できないという課題がある.海上技術安全研究所においては,現行の検査手法の課題を解決する技術として,核四重極共鳴(NQR)を用いた爆薬検知技術及び,ミリ波を用いた非金属隠匿武器等の検知技術の研究開発を行った.各技術を用いた検査装置試作機を製作し羽田空港保安検査場において実証試験を行った結果,その有用性が示された.
著者
吉田 紘二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.279, pp.9-12, 2002-08-20
参考文献数
4

航空機や医療現場などでいち早く問題化していEMC(Electromagnetic Compatibility)について、高度な電子機器の搭載が進みつつある船舶現場での実情を調べた。航行中の船舶が外部からの電界にさらされるのは陸岸に接近した場合であり、例として大阪湾岸の電磁波環境を調査した結果、搭載電気機器に求められる耐性限度に迫る電磁界の存在を確認した。また船内においても、特に生産年度の古い機器などに、IECの規定を越える電磁輻射が測定された。特に、金属壁に囲まれた船室内では、各機器から漏れる電磁波が反射し重畳する結果、思わぬ電界強度分布を示すことも確認した。
著者
赤井田 健造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.486, pp.9-12, 2009-03-16
被引用文献数
3

詐欺に対する社会の監視とターゲットを守る環境が必要だ.
著者
上原 亜由子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.227, pp.13-15, 2004-07-20

保険会社における損害調査の役割、及び現場から見たリスク管理
著者
伊藤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.192, pp.1-4, 2014-08-21

本講演では,複雑化しつつある今日の社会情勢をふまえ,安全の定義,評価の方法,改善の方法について改めて問い直してみたい.その考察を通じて,本研究会のオーガナイズの趣旨を明らかにして有益な議論が起こることを期待するとともに,安全研究の一層の深化,発展へとつなげることを目指す.
著者
芳賀 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.151, pp.9-11, 2009-07-17
被引用文献数
2

安全技術の導入によりリスクが低下したと認知すると,人間の行動はリスクを高める方向に変化する可能性がある.このリスク補償行動の発生メカニズムをモデル化したものがWildeのリスクホメオスタシス理論である.Wildeによると,ドライバーは自らが持つリスクの目標水準と知覚された交通状況のリスクを比較して両者が等しくなるように行動を調節する.リスクホメオスタシス理論には賛否両論あるが,自動車の安全技術にはおそらくリスク補償行動が伴うであろう.したがって,自動車安全技術の開発と導入にあたっては,行動と技術のインタラクションを通した「ネットとしての」安全性を追求しなければならない.
著者
有澤 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.45, pp.21-24, 2007-05-11
被引用文献数
1

最近のがん診断は、CT,MR,PETなど、医療画像抜きでは語れない。中でもPET画像診断は、がん細胞に特異的に集積するFDGという薬品の濃度を人体の断面画像から読み取ることにより、初期がんから発見できる画期的な方法と言われている。ところが、これを読み解く熟練した読影医師はそれほど多くなく、また機械が吐く画像の分量や精度は増える一方なので、読影医師への肉体的負担増や「見落とし」の危険増が問題となってきている。われわれは放射線医学の専門医師とタックを組み、推論システムとデータベースシステムを用いて、コンピュータが医師と同じ手法で診断をくだすことができるエキスパートシステムを開発した。このシステムではPETやCTの検査結果画像から、体内の危険領域(異常集積部位)を医学知識に基づいて抽出したり、また過去の類似の症例をデータベースを用いて比較したりできる。このシステムは現在病院等で検定中であり、将来セカンドオピニオン提供、あるいは医師と共同で危険箇所をチェック・提示するセカンドドクターとして多くの期待が寄せられている。医学及び関連分野における画像診断や評価の安全性・信頼性の向上に寄与して行きたい。
著者
北沢 強 夏目 武
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.313, pp.5-10, 2012-11-15

現社会環境における各種情報の急速な展開とその氾濫は周知の一般的な認識であり、人的社会的管理と規制を超える課題である.日本における国家戦略として基本計画e-japanやu-Japanが作成され一つの国家的指針が示されているが、現状の動的に急速に進化している情報産業とそれらに賦課され潜在する課題に対する具体的対処の方策が見えない.ここではこれらの情報資源を保全管理する基盤としての大規模情報システムの信頼性安全性機能、即ちRAS技術の動向を探り、この課題の解決への道を考察する.事例としてIBM社の大規模システムの展開進化した大型情報汎用システム、IBM zEnterprise 196への道のりをRASの技術的進歩の過程を通して.論旨を展開する.これを題材としたのは常に世界規模の又産業界の情報システム全般にわたる先端技術の提供のリーディングエッジとしての役割を担ってきているからであり、RAS技術として完成領域にあり、これが社会的要請とニーズに一つの解として呼応し、現産業界における規範となり得るからである.この動向分析を通して現社会の情報資源の保全に関する残された課題への技術的側面からの方策を検討する.
著者
奥山 宏和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.519, pp.5-8, 2007-01-25
参考文献数
3
被引用文献数
3

大型トラック追突事故の事故件数と被害軽減を目的に、商用車の被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」を開発した。被害軽減ブレーキは、2003年に技術指針が策定され乗用車で商品化されてきた。大型車は車両の構造から積載状態により重量変化が大きく、正確な制動制御を行う事が技術課題であった。BBS(Electronic Brake System)に機能を追加する事で課題をクリアした。本システムの開発により、大型トラックの追突事故の被害軽減が期待される。
著者
草間 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.226, pp.5-8, 2013-09-19

福島第一原発の元所長,吉田さんが他界された.彼がいなければ,わが国土の1/5近くを失っていたと言っても過言では無いだろう.しかし,事故時運転操作手順書で規定された手順と異なる対応を取った,或いは,取るようにプログラムされていたと言う事実は,各事故調や,ほとんどの報道・書籍が触れていない.本発表は,規定外の行動により発生したと思われる福島第一1号機の不具合仮説を紹介し,その根底にある,人間心理(多くの技術者に普遍的に存在する)の問題を示すと共に,安全工学の専門家諸氏に,吉田元所長のご遺志に沿った,真実に迫る追加調査検討を,懇願するものである.
著者
佐藤 吉信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.74, pp.1-6, 2000-05-16
被引用文献数
1

ドラフト(原案)"IEC 61511-Functional safety: Safety Instrumented Systems for the process industrial sectors"は, IEC 61508-Functional safety of electrical/electronic/programmable electronic safety-related systemsのプロセス産業のセクター(分野)規格である。本稿では, 2000年4月現在におけるIEC 61511について, その概要を述べると共に, ドラフト作業の進捗状況等について報告している。また, 新規格であるIEC 61508との関係, 現時点での主要な問題となっている運用モード, フォールトトレランス要求事項, 第3者の認証・評価等について論じている。特に, 安全計装系の安全度水準認証問題は, 我が国にも深刻な影響を与える可能性が強く, 今後これに対応するための早急な体制作りが望まれる。
著者
谷村 正美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.74, pp.13-17, 2000-05-16
参考文献数
1

球形の錘と電源遮断機のスイッチレバーを紐で連結し、この錘を安定的に受け止める開口部を設けたL型金具を電源遮断機カバーに取り付けた構造で、震度5以上の揺れにより、錘が落下することにより、電源を遮断する付属装置を開発した。家屋が倒壊するような地震に対して自動的に電源を遮断し、電気器具の過熱により二次災害を防止することが可能になった。無資格で設置でき、しかも低価格である。
著者
佐藤 吉信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.209, pp.9-12, 2005-07-19

PSA/PRAの対象システムには, 多くの場合, リスク軽減を履行するいわゆる安全関連系(SRS)が含まれる.従って, PSA/PRAを実施する際に, SRSへの作動要求とその安全機能遂行との関係が適切にモデル化され, これに基づいてSRSによるリスク軽減を評価するための定式化が行われなければならない.本論文は, まず, 現在の国際的PSA/PRA技術標準では, このようなモデル化が低頻度・短継続作動要求モードと連続(高頻度作動要求)モードの両極端のモードのみに限定さていることを指摘している.次に, 国際標準に依拠して中間的な作動要求モードでのSRSのリスク軽減能力を推定すると, モデル化・定式化上の誤差が生ずることを述べている.そして, この問題を解決し, より妥当なPSA/PRA手法を確立するために最近実施されている研究について論及している.
著者
安達 悠子 臼井 伸之介 篠原 一光 松本 友一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.177, pp.13-16, 2009-08-17

本研究では,155名の看護師を対象に,業務中にしたあるいは見た違反内容とその違反理由の記述を求めた質問紙調査を行った。また同時に,その違反をどの程度しているあるいは見かけるという主観的な違反頻度と,違反の生起に関与していると考えられるリスク評価等の心理的要因に関する4件法の質問への回答を求め,違反頻度と心理的要因との関連を検討した。記述された違反内容と違反理由はKJ法により分類し,違反頻度と心理的要因については得点化ののち相関係数を算出した。その結果,違反内容21項目,違反理由13項目が得られた。心理的要因は,リスク評価よりもベネフィットや抵抗感が違反頻度に関与していることが示唆された。
著者
古谷 勝美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性
巻号頁・発行日
vol.100, no.525, pp.37-42, 2000-12-15

本報告は高い信頼性を必要とする大型システムの開発・設計・運用に携わるシステム技術者の立場から述べられている小論である。現在高機能大規模なシステムは殆ど例外なくコンピュータで制御されているが、これらのシステムに共通した問題点は稼働し始めたら停止しては困ると云う要求が強い事で、高信頼度システムとは先ずノン・ストップと云う条件を満たさなければいけないものなのである。少時の停電や誤動作なら自己修復してしまったりフェィル・セイフと云うソフト絡みの機能で処理しなければならない。システムの信頼性は部品の場合と少し尺度を変えて考えないといけないことがあるので、この見地からシステムの信頼性を論じて見たい。今日迄の所論を要約して一稿に取り纏めて御報告した。
著者
夏目 武 佐藤 吉信 小野寺 勝重 西 干機
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.431, pp.27-30, 2006-12-08

2006年IEC/TC56-Dependability,ディペンダビリティに関わる標準化国際会議が英国ロンドン市で9月11日から15日まで開催された。14カ国、50名の各国代表が参画、日本からは著者等4名が参加した。会議はWG1-用語、WG2-試験統汁道具立て、WG3-管理保全、WG4-システムとソフトウェアの作業グループ単位で作業が運営されていて、進捗状況の報告、まとめ、問題提起等は週の始めと終わりの半日を使った全体会議として運営された。今回は通常の規格審議の会議に加えて、日本から次の件が提案され説明された。1.廃版になったフォーマルデザインレビューのコンセプトを復活し、ディペンダビリティ管理体系を整備する事に関する新規作業項目(NWI)の正式提案前の意見調整、2.old IEC 60300-3-6:ディペンダピリティ管理におけるソフトアェアの側面の新たな考えかたで来春には日本提案として提出する基本的原案の概要説明と規格化のための進捗管理の新手法の提案。3.2007年秋季に予定されている東京会議の基本的計画案の経過をTC56と議長に報告し調整することでであった。この会議報告と併せて近年の動きと重ねて規格化の流れと技術的動向を考察する。
著者
影沢 政隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.376, pp.5-8, 2004-10-19
被引用文献数
1

道路交通システムでは,近年情報化が非常に進み,実時間交通情報提供は実用化され,運転支援システムについても実用化が進められている.高速道路の自動運転システムは,デモ実験レベルでの実証がすんでいる.しかしながら,人命を預かる安全システムとしてみたとき,まだこれらの技術レベルは残念ながら十分な信頼性があるとはいえない.本稿では,こうした状況で信頼性に関して行われてきた議論を,筆者の私見を交えて紹介する.Microsoft Wordによる電子情報通信学会技術研究報告形式のテンプレートファイルです.
著者
梅崎 重夫 濱島 京子 清水 尚憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.43, pp.13-16, 2009-05-15

人間機械作業システムで発生する労働災害を防止するには,機械の設計・製造者が行う設備的な保護方策(機械安全)と機械の使用者が行なう管理的対策(安全管理)の連携が不可欠である。しかし,本質的安全設計方策や安全防護物の適用などの設備的な保護方策と人の注意力に依存する管理的対策では確定性が異なるために,両者を連携させたリスクの定量的評価手法の確立は困難を伴う。そこで,安全か危険か不確定なものはすべて危険とみなす"安全の原理"にしたがって,人間機械作業システムの災害発生率の確定的上限値をマルコフ解析に基づいて定量的に推定できる評価式を提案した。この式は,設備的な保護方策のパラメータである制御システムの安全関連部の冗長度,不信頼度,危険側故障率,チェック間隔だけでなく,管理的対策のパラメータである人の誤り発生率や回避失敗率なども含むために,人間機械作業システムの汎用的な安全性評価指標として利用できる。
著者
鴨川 仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性
巻号頁・発行日
vol.101, no.252, pp.7-8, 2001-08-14

地震に関連する電離層の擾乱は放送局からの電磁波が見通し距離外で受信されることや、電離層ゾンデの観測などから検出されている。この擾乱メカニズムの一つの解釈として地震に関連して地表が帯電し、そのため大気電場が発生し結果として電離層を擾乱させている可能性が考えられる。そこで我々はコロナ電流の観測によって大気電場、電離層ゾンデにより電離層を同時に観測することによって、電離層擾乱の物理的過程を明らかにしようと試みる。ゆえに台湾に5カ所、日本に6カ所の大気電場観測地点を設置し常時観測を行っている。
著者
三木 哲志 清水 雄哉 藤井 大輝 田中 秀典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.557, pp.17-20, 2008-03-20
参考文献数
4

近年、電力系統は大規模化・複雑化してきているとともに、自由化が進んできており、大停電が発生する確率が増大してきている。このような状況下において、電力系統におけるハイリスク事象を確実かつ効率的に探索する手法を開発することが強く要請されている。リスクの定義として、電力系統の使命が電力の安定供給にあることを考慮し、それが損なわれる定量的指標である「供給支障量と発生頻度の積」を採用する。本論文では、自然災害に起因して過渡安定度を喪失しために生じた電力系統ハイリスク事象を的確かつ効率的に探索可能な新たに開発した手法について述べている.3台の発電機と9台の母線より構成されるモデル電力系統に本手法を適用したところ、その有効性を確認できた.