著者
片寄 諒亮 吉岡 真治
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3Rin412, 2020 (Released:2020-06-19)

近年、時系列データや金融指標を用いたテクニカル分析やファンダメンタル分析、さらにニュース情報を用いたテキスト分析など様々な形で株価の予測が行われている。我々は、テクニカル分析などを用いたアルゴリズム取引が増えていることを考慮し、複数のテクニカル指標を用いた機械学習による株価予測の手法を提案する。この際に、企業の決算発表やニュースリリースなどテクニカル分析以外の要因の影響を考慮し、テクニカル分析による当てはまりが良い銘柄、悪い銘柄などを分類した上で作成した学習・評価データを作成して評価を行うと共に、複数のテクニカル指標の組み合わせ方法について検討を行う。
著者
鈴木 宏昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1I5OS09b1, 2014

<p>人間は系統発生,個体発生の過程で言語に代表される記号を生み出してきた.これによって高度に抽象的な思考や,経験の効率的な伝達が可能になった.この一方で写実的な表象システムを失うことになった.本講演では記号が人の認知システムにもたらすもの,そこから奪うものを精査した上で,これらの2つをつなぐ可能性を身体の観点から検討する.</p>
著者
金田 賢哉 堀 浩一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回全国大会(2014)
巻号頁・発行日
pp.1A24, 2014 (Released:2018-07-30)

インターネットに記載される多くの文章が読み手の評価を受ける。多くの文章を掲載する上で、それが書き手にとって特に重要な場合、書き手と読み手の視点の違いをうめたり、より良い印象を読み手に与えるために、文章の変更を提案する手法の考案を目的とし、その前段階として、編集者の再編集や評価結果と文章の関係の分析について報告する。
著者
奥田 慎平 保坂 道雄 笹原 和俊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2E4OS1a05, 2020 (Released:2020-06-19)

近年、言語も生物と同様に文化進化することが知られており、その研究をする際に進化生物学のアプローチが有効となっている。本研究では、英語の完了形構文の進化に焦点を当て、haveとbeの助動詞選択で働いている進化駆動力を検出するために、3つの大規模な英語コーパスを用いて19個の対象動詞におけるbe/have+PP用法を分析した。時系列とともに2つの相対頻度を分析することからhave+PPの補助選択が動詞の性質と文法的な使用法に依存していることが確認できた。また、集団遺伝学で用いられている手法を進化言語学に応用したFrequency Increment testを適用することにより、多くのbe+PPからhave+PPへの変化は、方向的な選択の力が働いている可能性があることを明らかにした。
著者
松香 敏彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.4B1CS1, 2015 (Released:2018-07-30)

The present paper introduces some key theories and phenomena about “ concept ” known among cognitive scientists to researchers in Artificial Intelligence. First, how natural categories are internally represented in our mind is discussed. It may sound counterintuitive, but many behavioral and modeling studies indicate that categories are represented by collection of unsorted exemplars, but not rules nor prototypes. Second, the hierarchical structure of categories is discussed. Although people generally can use taxonomic relations in inferences and reasoning, there are some evidences that category hierarchy is not stored in our memory, but is computed during inferences and reasoning. Third, two theories about symbol systems, namely amodal symbol systems (ASS) and perceptual symbol systems (PSS) are discussed. While a modular and amodal semantic memory is the main vehicle of knowledge in ASS, multi-modal perception, action, and affection in the brain ’s sensory-motor system is the key vehicle in PSS. Although, many theories on categorization and concept in cognitive science are built on the basis of ASS, its limitation and PSS ’s potential advantages are discussed.
著者
蜷川 繁 米田 政明 広瀬 貞樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.164-166, 2001 (Released:2002-02-28)
参考文献数
5
被引用文献数
2

The “Game of Life” acquires the property of significant behavior, such as universal computation, selforganized criticality and 1/f fluctuation, which depends on initial configurations. Our research investigates the relationship between the transient behavior starting from random initial configurations and array size in the Game of Life. The simulations show that the average transient time ‹T› increases logarithmically with square array size N×N, ‹T›∼logN in null and periodic boundary conditions. This result suggests that the duration of 1/f fluctuation in the “Game of Life” lengthens infinitely in infinite array size.
著者
笹原 和俊 田口 靖啓
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3O1OS1a01, 2018

<p>多くの人に好かれる邦楽には日本人の道徳性が関わっていると考えられる. 本研究では, 道徳基盤辞書(MFD)の日本語翻訳版(J-MFD)を使用し, オリコンチャートにランクインした人気アーティストの歌詞を道徳基盤理論の観点から分析した. その結果, 歌詞に反映されている道徳性は, 人を守りたい・傷つけるなどの道徳性を表す「擁護」ときれい・汚いなどの道徳性を表す「純潔」の割合が多いことが分かった. また, アーティストごとにみると, 道徳性に関係する単語を使うアーティストほど非道徳性に関する単語も使うという正の相関関係が見られた.</p>
著者
高橋 英之 石黒 浩
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3D1OS7a03, 2018 (Released:2018-07-30)

近年,様々なコミュニケーションロボットが開発されている.これらのロボットは,人間のパートナーとして生活に溶け込み,我々の暮らしをより豊かにすることが期待されている.我々は,コミュニケーションロボットが提供する一つの価値として,ロボットとの交流により,人間の自己の外部投影を促進し,行動変容を引き起こすことで個人の成長につながる“気付き”を生じさせることにあると考えている.本発表では,「ロボットを用いた自己開示の促進」と「ロボットを用いた批判的思考の促進」という二つの具体的な研究事例を紹介することで,ロボットが促す自己変容過程のモデル化について議論したい.
著者
小野 哲雄
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3J1OS9a01, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究では,行動経済学で提唱されている“ナッジ”を「心のナビゲーション」として捉え,その認知的なメカニズムの解明・モデル化を行うとともに,我々がこれまで研究を行ってきたエージェント基盤技術を用いて“ナッジ”エージェントとして実装することにより,人間とAIシステムを融和させ,人々をウェルビーイング(人間的に豊かな生活)へと導く意思決定を促す環境知能システムの実現を目指す. 本研究で提案する“ナッジ”エージェントの新規性・独自性は、(a) 行動経済学の「理論」とAIシステムの「学習」により少ないデータから人間の意思決定を予測可能,(b) エージェントが環境にあるIoTデバイスへ「移動」(agent migration)することにより文脈に適した意思決定の支援が可能,(c) ナッジを構成するプロセスを可視化することにより人間の意思決定力を「育てる」ことが可能なことである.本研究ではさらに,実験室実験により本システムの機能の有効性を検証した後,フィールド実験を行い社会実装へとつなげていく予定である.
著者
小椋 忠志 MAGASSOUBA Aly 杉浦 孔明 平川 翼 山下 隆義 藤吉 弘亘 河井 恒
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1Q3GS1105, 2020 (Released:2020-06-19)

生活支援ロボットは,在宅介護労働者の不足に対する有望な解決策である. 一方で,生活支援ロボットの主な制限の1つに,言語を介して自然に相互作用できない点がある. 近年の研究では,data-drivenのアプローチがあいまいな指示の処理に有効であることが示されているものの,大規模なデータセットを必要とすることが多く,その構築は時間と費用を要する. したがって,生活支援ロボットにおける命令文の自動生成手法は,このコストを大幅に削減し,アノテーション作業の負担を軽減することが期待できる. そこで本稿では,入力画像から把持命令文を生成する手法を提案する. 提案手法は,subword-levelの注意機構を持ち,subword embeddingに基づいて文を生成するMultimodal Attention Branchを有する. 実験では,画像キャプショニングに適した4つの標準的な尺度を使用して提案手法とベースライン手法との比較を行った. 実験結果では,提案手法がこれらの尺度においてベースライン手法を上回ることを示した.
著者
細馬 宏通 坊農 真弓 石黒 浩 平田 オリザ
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.60-68, 2014
被引用文献数
2

When the presence and the action of an android reach to those of human, andoroid can derive multi-modal action from human. How can human parties act with the android to organize the interaction and find the android as the social actor? We observed the development process of the play ``Three Sisters, Android Version'', and analyzed the multi-modal interaction between the android and human players in the process. As the result, the actors express the assessment of human likeness of the android with their utterances and body movements, and the border between human and machine was expressed with each modality in different way. Moreover, these expressions are not one-way product by the writer and director, but the product of repeated interactions between the actors and the android through the practice and rehearsals. Finally we discuss the possibility of ``media equation'' study using the direct observations of man-machine interaction.
著者
内山 和也 中野 有紀子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.3M5GS1203, 2020 (Released:2020-06-19)

e-learningによる学習では,教師が対面する学習とは異なり,学習者の状態が把握しにくいという問題がある.これを解決するために,学習者の態度を推定する技術の研究が進んでいる.本研究では,とくに学習者の積極性(engagement)に焦点を当て,脳波や表情など複数のモダリティ情報に基づき,engagementの程度を推定するモデルを提案する.まず,データセットを作成するために,e-learningの環境を模した実験を行い,ビデオ教材視聴時,演習課題解答時,解説の視聴時という3つの異なる学習フェーズにおける学習者の表情,視線,筆記,そして,脳波を計測した.学習者のengagementの評価として,本人による申告と第三者によるビデオ観察に基づく評価を行った.サポートベクター回帰により,表情と脳波のデータからengagementの程度を推定するモデルを作成した.今後は,視線や筆記データも入力に加え,より高性能なマルチモーダル推定モデルを作成する予定である.
著者
角森 唯子 東中 竜一郎 吉村 健 礒田 佳徳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.DSI-B_1-10, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
23

A chat-oriented dialogue system can become more likeable if it can remember information about users and use that information during a dialogue. We propose a chat-oriented dialogue system that can use user information acquired during a dialogue and discuss its effectiveness on the interaction over multiple days. In our subjective evaluation over five consecutive days, we compared three systems: A system that can remember and use user information over multiple days (proposed system), one that can only remember user information within a single dialogue session, and another that does not remember any user information. We found that users were significantly more satisfied with our proposed system than with the other two. This paper is the first to verify the effectiveness of remembering on the interaction over multiple days with a fully automated chat-oriented dialogue system.
著者
川﨑 樹 森口 草介 高橋 和子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4E3OS7b03, 2019 (Released:2019-06-01)

法律の構成から双極議論フレームワーク(BAF)を構築する手法を示す. 各法律はその効果を発揮するために満たすべき要件事実と, その効果を排斥させるための例外から成る. それぞれを論証間の支持関係、攻撃関係に対応させて BAF を構築する. また,BAF を用いて,与えられた事実から結論すなわち効果を発揮する法律が何かを 推論する手法を示す. この手法は事実と結論の間の双方向の推論になっており,まず,与えられた事実のみから得られる結論を導き, その推論結果を用いて新たな結論を導くのに必要な事実を抽出する.
著者
片山 太一 小林 のぞみ 牧野 俊朗 松尾 義博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回全国大会(2013)
巻号頁・発行日
pp.1F44, 2013 (Released:2018-07-30)

ユーザに合わせたシステム構築のためには、ユーザの知識を理解することは重要である。既存の研究では、人手で単語に難易度を付与し、その情報を利用してユーザの知識推定を行ってきた。しかし、専門性が高くなるとあるトピックには詳しいが他のトピックには詳しくないといったユーザもいるため、一般的な難易度のみを利用して知識推定を行うことは難しい。本研究では、トピック情報を利用することで、上記の問題を解決する。
著者
大西 真輝 澤井 裕一郎 駒井 雅之 酒井 一樹 進藤 裕之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.3O13in, 2015 (Released:2018-07-30)

近年,インターネット上での失言をきっかけに,誹謗中傷や非難が殺到する「炎上」と呼ばれる現象が大きな社会問題となっている.そこで,我々はTwitter上の発言を対象に炎上抑制を目的とする包括的なシステムを構築した.システムは,入力文に対し炎上判定を行い,必要に応じて予想される返信文の提示と炎上する表現を訂正した文の提案を行う.利用者は,炎上の危険性と,未然に防ぐ知見を得ることが予想される.
著者
山腰 貴大 駒水 孝裕 小川 泰弘 外山 勝彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4P3OS805, 2020 (Released:2020-06-19)

法令文書には,「者」「物」「もの」や「規定」「規程」のように互いに類似している法令用語が出現する.このような法令用語は,法制執務(法令の起草・制定・改廃など法令文書の作成・管理に関する業務)の慣習や規則によって使用法とともに定義されている.法令において,これらの法令用語はそれに従い,厳密に書き分ける必要がある.契約書や約款などの広義の法令文書においても,誤解を防ぐために,法令に準じて正しく書き分けることが望ましい.そこで,本研究では,与えられた法令文から法令用語を検出し,誤用と思われるものに対してその修正案を出力することにより,法令文書の作成を支援する手法を提案する.本手法では,このタスクを選択肢付き穴埋め問題とみなし,分類器により解決する.分類器は,一般文によって事前学習したBERTモデルから構築する.このとき,(1)法令文によるドメイン適応,(2)訓練データのアンダーサンプリング,(3)分類器の統一の三つの工夫を施すことにより性能向上を図る.実験の結果,ランダムフォレストやニューラル言語モデルによる分類器よりも本手法の方が高い性能を発揮することを明らかにした.