著者
若林 啓 竹内 誉羽 平松 淳 中野 幹生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
巻号頁・発行日
pp.1N3J903, 2019 (Released:2019-06-01)

本論文では,音声言語理解の代表的な形式であるスロットフィリングタスクを,入力文の最適分割を求める問題として定式化するアプローチを提案する.この定式化を用いることで,系列ラベリングとして定式化して深層学習を適用する従来の手法に比べ,小さい計算資源で実行可能な言語モデルの学習に基づいた手法を導くことができる.提案手法は,モデルの学習をワンパスアルゴリズムによって高速に行い,最も確率の高い解釈の推定を動的計画法を用いて効率的に行う.実験により,提案手法は深層学習手法と同等の推定精度を達成しつつ,高速かつ省メモリに動作することを確認する.
著者
六沢 一昭 渡邉 彰吾
出版者
一般社団法人 人工知能学会
巻号頁・発行日
pp.4Rin117, 2019 (Released:2019-06-01)

本論文は, プログラムの静的特性を楽曲で表現する可聴化システムの開発とプログラミング支援への応用について述べたものである. ソフトウェアの品質向上を図るためソースコードの静的解析が行われている. 様々な静的解析ツールによる解析結果は画面に出力される(可視化). そこで本研究では音への出力(可聴化)を試みる. 可聴化することでマルチタスクや視覚障害者支援ツールとしての利用が期待できる. 単なる音の羅列や同じリズムパターンによる可聴化は飽きやすいといった問題がある. そこで本研究では自然な楽曲による可聴化を試みる. 自然な楽曲にすることで飽きやすさの改善が期待できる. 本システムはプログラムの1行を1小節として楽曲を生成する. ネストの変化や制御構造, 1行の複雑さなどからコード進行や伴奏, リズムなどを決定する. ソースコードの静的解析はコーディング規約違反に着目する. 本研究ではコーディング規約違反箇所を不協和音で表現する. 学生20名に本可聴化システムを用いて規約違反箇所の検出及び改修を行ってもらった. その結果, 本システムによって検出が容易となったため, 静的解析結果の可聴化の有効性が示された.
著者
上島 邦彦 登坂 泰斗 谷口 耕平 早矢仕 晃章 大澤 幸生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1F5OS401, 2020 (Released:2020-06-19)

統計学や大規模データ処理の普及により、多くの企業がデジタルマーケティングの方法を利用しやすくなった。もっとも、それらの方法は、単発のキャンペーンに関する短期的な投資対効果の把握に主眼が置かれがちで、中長期的なプロモーション効果を複合的に理解するのは難しい。 そこで本研究では、偶発的な消費者トレンド及び、企業による複数のキャンペーンがもたらす影響の評価を試みた。複数の商品ブランドを対象に、複数の時系列データを組み合わせたデータセットを作成し、データ観察と時系列解析を行った。 その結果、次の3点が示唆された。まず、偶発的な消費者トレンドの発生過程は共通の枠組みで調査できる。ただし、その持続期間や影響範囲は、その後のコミュニケーションによって異なる。また、単一のキャンペーンが売上に直接の影響を与えない場合もある。複数のメディアを横断した、持続的なコミュニケーションを行うほうがよい。よって、単一のキャンペーンを過度に詳しく分析するのではなく、重要な業務指標を体系的に整理し、その連動関係を評価すべきである。
著者
益井 博史 中林 一貴 谷口 忠大
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.1C4OS6b02, 2020 (Released:2020-06-19)

コミュニケーション場のメカニズムデザインとは,ディスカッション,ディベート,会議,そして相談を行うグループを間接的に制御するために,ルールやインセンティブを含んだ話し合いの制度を設計することである.コミュニケーション場のメカニズムは,実際のコミュニケーションに制約を課すと考えられる.それらの制約は,人工知能に基づく技術の発展に有益であると仮定した.この論文では,自動音声認識システムと発話権取引を例として取り上げて、この概念を評価する.実験により,発話権取引を導入すると、音声認識のパフォーマンスが向上することがわかった.
著者
久木田 水生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2I5OS17b3, 2015 (Released:2018-07-30)

道徳的な意志決定は人間の知的活動の重要な一部であるように思われる.では人工知能はそのタスクを人間に代わって遂行することができるのだろうか? アメリカでは実際に道徳的意志決定を人工知能に遂行させる研究が行われている. 本発表では道徳的意思決定を人工知能に遂行させることに関する技術的・倫理的問題,特に人工知能とは異なる独自の困難について考察する.
著者
窪澤 駿平 渡辺 太郎 隅田 英一郎 岡田 将吾 新田 克己
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2C1OS06a5, 2015 (Released:2018-07-30)

ニューラルネットワークにおいて,汎化性能向上のために深層構造が用いられる様になった.一方で,各層においてデータセットの大域的な特徴を捉えることが可能であれば,少ない層数でデータセットを表現可能である.そこで本研究では,級数展開に基づくネットワーク構造を用いることで大域的な特徴を捉え,さらに汎化性能を上げるために周波数領域での正則化を行うアプローチを提案する.
著者
角森 唯子 東中 竜一郎 高橋 哲朗 稲葉 通将
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.DSI-G_1-10, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1

The task of detecting dialogue breakdown, the aim of which is to detect whether a system utterance causes dialogue breakdown in a given dialogue context, has been actively researched in recent years. However, currently, it is not clear which evaluation metrics should be used to evaluate dialogue breakdown detectors, hindering progress in dialogue breakdown detection. In this paper, we propose finding appropriate metrics for evaluating the detectors in dialogue breakdown detection challenge 3. In our approach, we first enumerate possible evaluation metrics and then rank them on the basis of system ranking stability and discriminative power. By using the submitted runs (results of dialogue breakdown detection of participants) of dialogue breakdown detection challenge 3, we experimentally found that RSNOD(NB,PB,B) is an appropriate metric for dialogue breakdown detection in dialogue breakdown detection challenge 3 for English and Japanese, although NMD(NB,PB,B) and MSE(NB,PB,B) were found appropriate specifically for English and Japanese, respectively.
著者
外園 康智 長谷川 貴博 渡邉 知樹 馬目 華奈 簗 有紀子 谷中 瞳 田中 リベカ Mart'ınez-G'omez Pascual 峯島 宏次 戸次 大介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3G105, 2018 (Released:2018-07-30)

本稿では、日本語・英語のテキストを論理式に変換し、自動推論を行う意味解析システムccg2lambdaの基本的な機能を解説し、特にこのシステムを金融ドキュメントの処理へと応用する試みについて紹介する。ccg2lambdaでは、統語・意味解析から推論までの各モジュールが明確に区別されており、統語情報・意味合成・意味表現をCCG導出木としてグラフィカルに表現する機能をサポートしている。このため、処理プロセスのどの部分で解析エラーが起こったのかを容易に同定することが可能である。ccg2lambdaの意味解析と推論システムについて紹介した上で、特に金融ドキュメントを対象とした含意関係認識と矛盾検知について具体例に基づいて説明する。
著者
見尾 和哉 石野 亜耶 目良 和也 竹澤 寿幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3G4OS18b01, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究では,抑圧された感情まで推定するシステムの構築を目的に,本心でない発話を自動検出する手法を提案する. 提案手法では,機械学習にLSTMを使用し,特徴量として発話中の音声と表情の情報を利用する. SVMを用いた既存手法との比較実験を行い,台詞を固定したパターンでは, 提案手法により再現率を0.12ポイント,F値を0.07ポイント改善することができた.
著者
髙市 晃佑 片上 敬雄 黒澤 義明 目良 和也 竹澤 寿幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3Rin231, 2019 (Released:2019-06-01)

近年盛んである深層学習を用い音源を分離することを目的とする.ネットワークを用い通常の会話から特定の人間の声を抽出することを試みる.画像変換を行うpix2pixに注目する.そのアルゴリズムは純粋な画像変換の手続きに基づくため,追加の手続きとして音声を一度スペクトログラムに変換する必要がある.その後,人間の声を分離するためにネットワークを学習し、特に同性と異性の違いに注意して抽出を行う.この観点から、本稿では男女の声を重ねた音声を使って2つの実験を行った.SSIMとカラーマップを評価の基準に使用した.結果として,女性の声が良く抽出できていることを確認した.ところが,女性同士の発話から抽出はできなかった.今回,分離はうまくいかなかったという結論に至った.しかしながら,生成された音声は自然に再生されたと思われる.今後の課題は,こうした人間の判断を客観的に判定することである.
著者
松野 省吾 水木 栄 榊 剛史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4Rin113, 2019 (Released:2019-06-01)

本稿では,筆者らの構築したTwitterをはじめとしたSNS上に存在する日本語の文章に対応する単語分散表現モデルを紹介する. 本モデルはSNSデータ,Wikipedia,Webページといった複数カテゴリを媒体とした日本語大規模コーパスから作成される.作成した単語分散表現モデルに対し,Speamanの順位相関係数を評価指標とした単語類似度算出タスクによる評価を実施したところ,wikipediaのみを学習コーパスとして用いたモデルと比較して7ポイント程度良い性能を得られた.本稿で紹介した単語分散表現モデルはWebサイトを通じて公開する予定であり,本モデルが活用されることで,SNSデータを対象とした自然言語処理研究が一層盛んになることを期待したい.
著者
大野 元己 根本 紘志 田中 和哉 鈴木 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1F2OS5a01, 2018 (Released:2018-07-30)

人工知能の発展は社会や人々の生き方を規定すると言われるが,同時に人々がより好ましい未来を作るための努力の必要性も指摘されている.本稿では未来を担う大学生が人工知能技術の発展とそれが今後もたらす社会をどう考えるかを調査した.未来について考える自主ゼミを開講し,多様な視点から技術と社会について議論する機会を設け,それらを経験した学生に「技術と社会の変化にどう向き合うか」についてのエッセイの提出を求めた.エッセイの内容から,学生自身の専攻・進路への展望によって科学技術に対する姿勢が異なること,また科学技術を考えることの意味づけも多様であることが示唆された.
著者
中山 貴幸 水野 一徳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1E103, 2018 (Released:2018-07-30)

群知能の一種である蟻コロニー最適化(Ant Colony Optimization: ACO)を取り入れたクラスタリングアルゴリズムとしてESACCが挙げられる. ESACCは,適切なパラメータ設定により精度の高いクラスタリングが実現可能であるが,パラメータ設定は非常に困難である. これは,パラメータ設定を複数回の試行や経験に基づいて行う必要があり,データによって適切なパラメータが変化するためである. そこで,本稿ではESACCの挙動や傾向を解析することで,最適なパラメータの設定を行うにあたり考察を行う.
著者
藤嶋 陽子 佐倉 統
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3L4OS22b03, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究では、ファッションデザイン分野への人工知能の適用可能性についての考察を目的としている。ファッションにおいては歴史的に、テクノロジーを芸術としての価値を否定する複製可能性や大量生産と結びつけ、否定的に捉える価値観が存在している。こういった思想的な背景は、今日急速に進展している人工知能のデザインへの適用の可能性と課題を検討するうえでも重要な前提となる。それゆえ本研究では、こうした歴史的文脈を踏まえて人口知能の技術的特性を分析し、ファッションデザインの制作プロセスとの親和性について検討を行った。そこには親和性が見出されたが、それはあくまで包括的なデザインプロセスの導入に当たるリサーチ段階に当たると考えられる。ファッションデザインの価値評価は強固にデザイナーの感性と結びついており、それは制作段階のひとつひとつの過程よりもむしろ一連の制作過程と結びついている。こうしたファッションデザインの文脈における価値体系を前提とすると、人工知能のデザイン適用には人間のデザイナーとの共生関係が必要となり、その協働の可能性を検討することが重要となってくる。
著者
大岩 秀和 数原 良彦 淡島 英輝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.1E1OS24a4, 2017 (Released:2018-07-30)

近年の技術進歩に伴い,様々な製品やサービスにおいて人工知能技術の導入検討が行われている.一方で人工知能技術の導入判断時には,人工知能技術の評価や検証に特有のバイアスが存在し,適切な人工知能技術の利用を阻害する導入判断が下されるリスクが存在する.本研究では,意思決定者が人工知能技術の導入判断時にとらわれがちなバイアスと誘発される問題点について整理し,適切な導入判断を推進するための方法論を検討する.
著者
河島 茂生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.1E1OS24a2, 2017 (Released:2018-07-30)

本発表では,ネオ・サイバネティクスの理論に依拠しながら,人工知能に関わる倫理的問題の整序-再編を目指す。社会的な領域では人工知能は公正さや公知性を保ちながら社会システムの継続・改善に資することが求められるのに対して,個人的な領域では人工知能の利活用というよりもオートポイエティック・システムとしての相手への配慮が引き続き求められる。人工知能が普及した社会では,こうした複眼的な倫理的観点が欠かせない。
著者
岩崎 敦 横尾 真 寺田 賢二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.334-342, 2004 (Released:2004-05-28)
参考文献数
14
被引用文献数
1

This paper develops a new ascending-price multi-unit auction protocol that has following characteristics: (i) it has an open format, (ii) sincere bidding is an equilibrium strategy even if the marginal utilities of each agent can increase and agents can submit false-name bids. False-name bids are bids submitted under fictitious names such as multiple e-mail addresses, which can be done easily in the Internet. This is the first protocol that has these two characteristics. We show that our new protocol outperforms an existing protocol, which satisfies (ii), with respect to the social surplus and the seller's revenue.
著者
吉岡 卓 東条 敏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.257-265, 2006 (Released:2006-03-09)
参考文献数
31
被引用文献数
1

Linear tense logics are widely accepted for structural temporal representation, where the basic KT has two modal operators G and H, each of which represents the future and the past, respectively. On the other hand, the temporal interval relations arranged by Allen have long been the standard of natural language semantics, though it still lacks the modal-logical foundation. Van Benthem proposed ∉up and ∉down in regard to the accessibility to overlapping intervals and subintervals, respectively; however, the logical feature of the modality has not well studied. In this study, we propose a many-dimensional logic including the conventional tense logic, together with such interval accessibility. And, we show that our logic provide a formal apparatus for a precise aspectual classification. Lastly, we introduce the sequent system for our logic. We show the subformula property holds in our system, and thus would be able to show the decidability.
著者
山田 隆弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回全国大会(2014)
巻号頁・発行日
pp.2I4OS08a4, 2014 (Released:2018-07-30)

ソシュールが述べたように、言語表現の意味は「意味されるもの」と「意味するもの」との対応関係として表される。この対応関係を厳密に記述するためには、「意味されるものの構造」を「意味するものの構造」とは独立に規定する必要がある。本発表では、「意味されるものの構造」をオブジェクト指向に基づいて規定する方法を提案し、それによって言語表現の意味構造がどのように記述されるかを示す。
著者
Shunsuke OHASHI Tadayoshi HARA Akiko AIZAWA
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回全国大会(2013)
巻号頁・発行日
pp.4C1IOS4b6, 2013 (Released:2018-07-30)

The number of learners of English as a foreign language is estimated to be more than a billion, and is increasing. For this reason, various tools that help them detect and correct writing errors have been developed in the field of natural language processing. For example, spelling error correction tools have achieved high accuracy and have been widely used in the world. These tools are used not only for English learners, but also for other natural language processing systems, for instance, to improve outputs of machine translation systems. However, many other tasks, including grammar checking, are not currently done very effectively, and their development is in progress. n this paper, we propose a missing preposition detection system which exploits syntactic information provided by an English parser. The information enables us to focus on a location possibly lacking a preposition, and can also be utilized as a machine learning feature for determining whether the location really requires a preposition or not. In the experiments, we examine the effectiveness of our systems on English learner corpus, Konan-JIEM Learner Corpus, by comparing the detection accuracy with previous research.