著者
鈴木 律朗
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.9, pp.1878-1884, 2015-09-10 (Released:2016-09-10)
参考文献数
29
著者
稲垣 恭子 長尾 元嗣 及川 眞一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.8, pp.2180-2187, 2012-08-10
参考文献数
6
被引用文献数
2

現在,我が国における糖尿病患者数は急速に増大している.長期管理が必要な糖尿病診療においては,様々な疾患が合併する可能性があり,糖尿病に起こりやすい合併症を知り,予防することが重要である.本稿では特に糖尿病患者に合併する意識障害を鑑別として,脳梗塞,高血糖による昏睡,低血糖を取り上げ,概説する.<br>
著者
及川 眞一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.950-957, 2011-04-10
参考文献数
38

肥満症は糖尿病や高血圧の危険因子と認識されていたが,内臓脂肪の機能が解明され内臓脂肪蓄積過剰に基づく病態が理解されるようになった.いわゆるメタボリックシンドローム(MetS)である.この病態に特異的な脂質異常症が見られるわけではないが,特徴的変化として高TG血症が挙げられる.ここではいわゆるアディポカインなどの因子,あるいは臓器関連の問題が考えられる.本項ではこのような面からMetSと脂質代謝を中心にまとめたい.<br>
著者
阿部 隆三 丸浜 喜亮 奥口 文宣 及川 真一 柿崎 正栄 鈴木 勃志 後藤 由夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.1452-1457, 1980

30才,男性で5~6才頃から黄色腫を有し,著明な高コレステロール血症を呈した症例の家族検診,および培養線維芽細胞の検討成績から家族性高コレステロール血症ホモ接合体と診断した症例を報告する.家族検診の脂質検査では, 11例中9例に高コレステロール血症がみられ,そのうち, 8例にIIa型高脂血症がみられた.また,本症例の弟に著明な黄色腫が認められた.一方,心電図所見では, 1例に虚血性変化がみられた.培養線維芽細胞の検討では,本症のアセテートからステロールへの合成能が,正常人培養線維芽細胞に比べ約18倍高い.また,本症例細胞のHMG-CoA reductase活性は,正常人細胞と比べ約15倍高い.さらに,正常人細胞では,培養液をリポ蛋白deficient mediumにすると,細胞内HMG CoA-reductaseの酵素誘導がおこり増加するが,本症例では全く誘導がみられない.以上の結果から, LDLレセプターを直接測定していないが, Goldsteinらの提唱しているLDLレセプターの完全欠損症,すなわち,家族性高コレステロール血症ホモ接合体の症例であることを証明しえた.本症例の治療成績では,クロフィブレートやコレスチポールに全く抵抗を示し,他の強力な治療法を行なう必要があると考えられる.
著者
伊藤 貞嘉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.558-562, 2005-03-10
参考文献数
5
著者
伊藤 貞嘉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.3, pp.614-618, 2012-03-10
参考文献数
6
著者
藤尾 圭志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.11, pp.2338-2343, 2018-11-10 (Released:2019-11-10)
参考文献数
10

医学の進歩により,従来単一の「疾患」とされてきた集団を,治療反応性や予後により層別化することの重要性が明らかとなった.まさに最近の技術的進歩は,次世代シークエンス,マスサイトメトリー等による,ヒトのゲノム,遺伝子発現,免疫担当細胞サブセットの網羅的解析を現実のものとしている.自己免疫疾患を含むcommon diseaseの疾患予後予測については,頻度が高いが,影響の小さい遺伝子多型の情報のみでは現在のところ不十分である.そこで,ゲノム情報に遺伝子発現データ等さまざまなレベルのデータを統合した解析を行う試みが進められている.従来,不均一性の高いヒト疾患検体の解析にはさまざまなハードルがあったが,近年の技術的進歩により,ヒト検体自体の解析が急速に広がりつつある.特に,海外では国家プロジェクトとして,大規模な産学連携プロジェクトが進行中であり,日本においても限られた独自の優れたリソースを戦略的に使うことが重要と考えられる.
著者
坂本 穣 榎本 信幸
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.1, pp.38-43, 2018-01-10 (Released:2019-01-10)
参考文献数
10

C型肝炎に対する抗ウイルス治療は,直接,C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)を標的とする,直接作用型抗ウイルス薬(direct-acting antiviral:DAA)による治療が主流となっている.現在,HCVのプロテアーゼ,NS5A蛋白,NS5Bポリメラーゼを標的にした3種類の薬剤が開発され,短期間での安全なウイルス排除が可能となった.しかし,薬剤耐性変異ウイルスの存在や,現在,非代償性肝硬変例や肝癌症例には不適応である等の問題点も残っており,今後の展開が期待される.
著者
三木 哲郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1, pp.160-167, 2013 (Released:2014-01-10)
参考文献数
7

近年の急速なヒトゲノム解析の進展と各国およびバイオ関連ベンチャー企業の意欲的な活動によって世界中のゲノム研究分野は技術的に飛躍的な進展を見せている.現在の標的は,複数の環境要因と複数の遺伝要因が複雑に関連しながら発症する生活習慣病の遺伝子群の単離同定である.肥満,糖尿病,高血圧,脂質代謝異常等が研究対象となってきている.将来,到来する自分自身の遺伝情報やオミックス情報を知り,それを管理する時代に備える必要がある.そして,制度の整った倫理指針の元でのオーダーメード医療の実現,健康寿命の延長,QOL(quality of life)の向上,医療費の大幅削減などに生かされることが期待されているが,そのためにも多くの研究機関および医療機関の協力,提携がより一層の成果につながると考える.
著者
鈴木 康秋 伊藤 啓太 上原 聡人 上原 恭子 久野木 健仁 藤林 周吾 芹川 真哉
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.923-930, 2018-05-10 (Released:2019-05-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

68歳,男性.肝障害精査にて当科受診.トランスフェリン飽和度,血清フェリチンが高値のため,鉄過剰症が疑われた.肝MRI(magnetic resonance imaging)IDEAL(Iterative Decomposition of water and fat with Echo Asymmetry and Least-squares estimation)IQのR2*MapによるR2*値が著明に高く,高度の肝内鉄沈着所見を呈した.肝組織生検の鉄染色では,肝実質細胞内に高度の鉄沈着をびまん性に認め,肝ヘモクロマトーシスの診断となった.MRI IDEAL IQによる新たな鉄測定法は,ヘモクロマトーシスの非侵襲的検査法として有用である.
著者
眞部 紀明 春間 賢
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.55-62, 2019-01-10 (Released:2020-01-10)
参考文献数
21

慢性便秘の治療目標は,排便回数や便性状のコントロールだけでは不十分であり,腹部膨満感や腹痛等の排便周辺症状のコントロールに配慮することも重要である.このような点から,薬理作用点の多い漢方治療の適応となる慢性便秘患者も決して少なくはないと考えられる.本稿では,慢性便秘治療としての漢方治療に焦点を絞り,これまでに報告されているエビデンスと慢性便秘における漢方薬の使い方及び注意点を中心に概説した.今後,慢性便秘患者数は増加することが予測され,それに伴い,漢方治療の需要もますます高まっていくと考えられる.引き続き,漢方治療の位置付けを明確にし,作用機序の解明を含めた新たなエビデンスを構築していくことが重要であると思われる.
著者
尾髙 健夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.10-15, 2019-01-10 (Released:2020-01-10)
参考文献数
10

便秘は,量的にも質的にも生理的排便が障害され,「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義される.慢性便秘症は,その原因から器質性及び機能性に,症状から排便減少型及び排便困難型に分類される.機能性便秘の病態は多様であり,大腸通過正常型(normal transit constipation:NTC),大腸通過遅延型(slow transit constipation:STC)ならびに便排出障害の3タイプに分けられる.慢性便秘症の原因・症状・病態を理解することで,便秘症診療の質を高めることができる.
著者
水城 啓 永田 博司
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.22-28, 2019-01-10 (Released:2020-01-10)
参考文献数
24

慢性便秘症の診断は患者の訴えに基づくことが多いため,治療の基本は患者の愁訴の改善である.慢性便秘症治療の第一歩は,生活習慣や食生活の改善である.これらを改善することは,便秘症状の改善だけでなく,再発の予防にも有効である.食事は朝食が最も重要であり,毎日十分な排便時間を取れる環境づくりや適切な排便姿勢を指導する.プロバイオティクスは,腸管運動を亢進させ,排便回数や便性状,排便困難感等の改善に効果がある.
著者
稲森 正彦 飯田 洋 日下部 明彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.16-21, 2019-01-10 (Released:2020-01-10)
参考文献数
7

慢性便秘の診療は,医師として基本的な診療能力(技能・知識)の1つである.「慢性便秘症診療ガイドライン2017」(日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会,2017年)1)では,警告症状及び危険因子の概念の他,ブリストル便形状スケールの利用や二次性便秘を念頭に置いた検体検査,除外診断としての大腸内視鏡検査等の画像診断について記載され,専門施設で行われる検査についても触れられている.実地診療で遭遇する慢性便秘症の診断に関する医学的エビデンスは少なく,今後の検討が必要である.
著者
杉山 温人
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.836-842, 2017-04-10 (Released:2018-04-10)
参考文献数
8

BT(bronchial thermoplasty)とは,気管支鏡を使ってカテーテルを気管支にまで到達させ,気管支に直接,高周波電流を流すことによって,気管支平滑筋量を減少させるという非薬物的治療法である.高用量の吸入ステロイド薬と長時間作用性気管支拡張薬の合剤によってもコントロール不十分な難治性喘息に対する新規治療法として,2015年4月より保険収載された.大規模試験として行われたAIR2試験では呼吸機能の改善は認めないものの,QOL(quality of life)の改善や重篤な喘息増悪回数,救急受診回数の減少が認められた(最長5年間の経過観察にて).副反応としては,喘息増悪,喘鳴,呼吸困難,胸痛,下気道感染,無気肺,血痰などが認められたが,重篤な事象はみられなかった.我々の施設でも,今までに計17症例のBTを安全に施行してきており,一部の症例では著明な呼吸機能の改善も認められた.今後,症例のさらなる集積が望まれる.
著者
土居 雅夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.9, pp.1669-1674, 2016-09-10 (Released:2017-09-10)
参考文献数
9
著者
磯部 光章
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.184-191, 2016-02-10 (Released:2017-02-10)
参考文献数
3

循環器疾患に限らず,患者の問題を解決するうえで基本的な情報は患者の訴えと身体所見である.この重要性は,画像診断法が進歩した現在においても,いささかも色あせることはない.診断の精度のみならず,病歴聴取や丁寧な身体診察は,医師患者間のより一層の信頼関係を増すことにつながる重要な手法でもある.ここでは,弁膜症に限って身体所見について述べる.