著者
山碕 昌夫
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.124-130, 1979-03-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
11
著者
渡部 修
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.350-354, 2004-08-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
9

従来, 経験的に評価されてきた漆の硬化反応と温度と湿度との関係を改めて科学的に評価した。その結果, 漆の硬化反応には酵素反応によるものと加熱によるものの二つの反応があることがわかった。二つの反応系を考慮することにより, 良くわからなかった硬化にともなう諸現象や塗膜性状の違いを理解できるようになった。
著者
酒井 俊郎 占部 峻輔 瀬尾 桂太
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.333-339, 2016-10-20 (Released:2017-01-20)
参考文献数
31
被引用文献数
3

分散媒となる炭化水素油(オクタン,ドデカン,ヘキサデカン)に植物油(大豆油)を混合すると,界面活性剤などの乳化剤を使用しなくても油中水滴型(W/O)エマルションが分散安定化できることを明らかとした。たとえば,オクタンを分散媒としたW/Oエマルションを乳化剤を使用せずに調製した場合(乳化剤フリーW/Oエマルション),調製直後は乳濁状態であるが2時間経過するとほぼ透明状態となる。つまり,乳化剤フリーW/Oエマルションは調製後2時間程度で油と水に分離する。一方で,オクタンに大豆油を重量分率で0.2混合すると,調製後12時間を経過しても乳化剤フリーW/Oエマルションは乳濁状態を維持していた。さらに,オクタン中の大豆油の含有率が増加すると,乳化剤フリーW/Oエマルション調製後12時間を経過しても乳濁状態はほとんど変化しないことが明らかとなった。また,高級脂肪酸(リノール酸,オレイン酸,ステアリン酸,パルミチン酸)をオクタンに混合しても,乳化剤フリーW/Oエマルションの分散安定性が向上することも明らかとなった。
著者
池谷 太一
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.9, pp.378-386, 2010-09-20 (Released:2010-12-20)
参考文献数
17

木材は長年使われ続けてきた優れた材料の一つである。強度バランスが良い,人に優しい,再生産可能な資源等さまざまな見方ができる。ここでは天然材料であり個性に富んだ美しい木目を意匠素材として活かす塗装方法について述べる。木材組織の不均一性,変化が美しい杢になること,多孔質,含水率変化による木材の変形が平滑性に与える影響,限りある木材を化粧単板にして有効活用することなどに触れる。木目を活かした家具塗装例としてオイルフィニッシュ塗装,ウレタンクローズドポア塗装,ラッカーアンティーク塗装を簡単に説明する。その後,透明で木目がよく見える木地塗りポリエステル鏡面研磨仕上げについて自動車内装部品を例に工程順に述べる。基材構成,染料および顔料着色剤,不飽和ポリエステル樹脂塗料の特徴,ペーパー研磨,バフ研磨の摩擦熱の影響など図を交えて解説した。
著者
田中 巧
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.47-53, 2016-02-20 (Released:2016-05-20)
参考文献数
14

化粧料用の表面処理技術はここ約30年で飛躍的に発展してきた。耐水性・耐油性の向上による化粧崩れの防止,感触の改良,皮膚への付着性の向上,などを目的として行われてきた。本報では,とくに水にかかわる無機顔料粉体の表面処理の及ぼす特徴について述べる。とくに,水分散性の向上を図るカチオンポリマー,また,pH応答性能を有するアニオンポリマーでの表面処理顔料の特性について,結果を報告する。さらに,ポリアクリル酸エステル球状粒子の加水分解による表面改質で表面にカルボキシル基グループを導入することで,もともと疎水性であったポリアクリル酸エステル球状粒子を親水化するとともに,この粒子を水に分散させるとこの表面に未処理無機酸化物顔料粒子がきれいに付着して水に分散できることを見いだした。また,ジェミニ型化合物の表面処理では,界面活性剤なしで液状エマルジョン化できることも見いだしたので報告する。
著者
鈴木 洋
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.47-51, 2011-02-20 (Released:2011-05-20)
参考文献数
11

インクなど(含色材流体)の塗布プロセスを考えるうえで,流体の流動特性について知ることは重要である。インクの多くは色素微粒子が溶媒(分散媒)に懸濁された状態(サスペンジョン)であり,一般に通常知られている水や空気のような単純な粘度特性を示さない。乾式である場合にも同様である。また媒体によっては粘弾性という特殊な性質を示す場合があり,この場合にはより複雑な流動特性が発現する。ここではこれら特殊な流体を取り扱うレオロジーに基づき,かかる複雑流体の基礎的な流動特性について解説する。
著者
酒井 健一 西山 広徳 小椋 孝介 黒木 悠平 遠藤 健司 土屋 好司 酒井 秀樹 阿部 正彦
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.317-320, 2012-08-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

モノメリック型(一鎖一親水基型)界面活性剤およびジェミニ型(二鎖二親水基型)界面活性剤の水中における分子集合体形成に及ぼす重合性基の影響を検討した。その結果,非重合性のモノメリック型(UTAB),重合性のモノメリック型(PC11)および非重合性のジェミニ型(11-6-11)の相状態は,低濃度側からミセル溶液(Wm)相-二相共存領域(II)-ヘキサゴナル液晶(H1)相-ラメラゲル(Lβ)相と変化した。一方,重合性のジェミニ型(PC11-6-11)の相状態は,H1相とLβ相との間にラメラ液晶(Lα)相が出現し,低濃度側からWm-II-H1-Lα-Lβ相となった。モノメリック型とジェミニ型界面活性剤のどちらの場合も,それらの疎水基末端に重合性基が存在することによりH1相の形成濃度が上昇した。また,ジェミニ型構造を有する界面活性剤は,モノメリック型の界面活性剤の場合よりもH1相を形成する濃度(物質量で規格化)が低くなった。
著者
森 寛爾
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.123-127, 2013-04-20 (Released:2013-07-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1 3

水酸基含有アクリル樹脂とイソシアネート硬化剤の混合物をモデル塗料として,140℃での硬化にともなう粘弾性変化を振り子式粘弾性測定装置で,反応率の変化をIR分析でそれぞれ測定した。その結果,相対貯蔵弾性率はS字型の変化を示し,イソシアネートと水酸基の反応は,初期の下に凸である部分では網目構造の生成とともに鎖延長反応にも費やされ,これに続く上に凸である部分では架橋生成のみに費やされると考えられた。このうち上に凸である部分では相対貯蔵弾性率とイソシアネートの反応率とは直線関係であった。このことから,塗膜の貯蔵弾性率は架橋密度に比例することがわかった。これはまた,振り子式粘弾性測定装置によって硬化中の架橋密度変化を実時間で観測できることも意味する。また架橋密度の増加に寄与しない反応が樹脂分子量から計算される理論値よりはるかに多いことがわかった。
著者
在田 正義
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.396-402, 2000-08-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
15
著者
高橋 誠一
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.582-588, 1966-12-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
65

1 0 0 0 OA 高分子分散剤

著者
久司 美登
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.114-118, 2013-03-20 (Released:2013-06-20)
参考文献数
19

高分子分散剤の選定や設計に参考となる事例や考え方を解説した。分散剤が作用する各過程を,ぬれ・吸着・安定化に分け,それぞれで必要とされる機能を考えた。吸着・安定化には多点吸着やトレイン-ループ-テイル型吸着形態のとれる高分子量体が有利である。ぬれ促進のための表面張力低下に適したアルキル基の炭素数を前進接触角(θa)と後退接触角(θr)から推定した。分散剤水溶液の濃度と表面張力の関係からモノマー連鎖制御の有無によるミセル形成プロセスの違いをモデル化し,分散剤に適した分子構造を推定した。分散剤開発に有効なCRP技術の最近の進歩から,金属触媒使用量減と取り扱い性が向上したICAR ATRPと,付加解裂型連鎖移動反応性を示すMSD(α-メチルスチレンダイマー)由来不飽和基による合成例を紹介した。
著者
樋口 徹雄
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.155-163, 1969-04-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
21
被引用文献数
2

エアースプレーの微粒化現象をマイクロフラヅシュを用いて観察した。塗料はガンのノズルを出た瞬間は微粒化状態ではなく, ノズル出口で樹枝状に分裂して, 空気のセン断力によりさらに膜状分裂を起こし, 連鎖的に微粒化されるという複雑な過程を経て, はじめて微粒化状態に到ることを認めた。また, スプレー全体写真の観察から, 粒子群には密度差が生じており不均一に霧化が行なわれているのが観察された。塗料の微粒化測定方法について考察し, 粒子捕集シャッター, 捕集液を試作して顕微鏡法により粒子径測定を行なった。噴霧流の粒径分布を調べたところ, f (x) =axpexp (-bxq) なる抜山棚沢の分布式がよく適合した。塗料, ノズルを一定にすると, 空気流出量, 塗料流出量がザウタ平均粒径に影響を及ぼし, ぐ空気流出量が大きいほど, 塗料流出量が小さいほど, 微粒化が良い。粘度, 表面張力の微粒化への影響を調べた。
著者
田中 健太 星野 雄二郎 本田 清
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.49-53, 2020-01-20 (Released:2020-03-05)
参考文献数
15
被引用文献数
1 4

高い酸化力を有するチオキサンチリウム有機色素の分子設計と合成法を確立し,それを光増感剤とする緑色光照射下フォトレドックス触媒反応への応用に成功した。とくに既存の有機フォトレドックス触媒では効率的に反応が進行しないラジカルカチオンDiels-Alder反応やoxa-[4+2]環化付加反応へと適用することが可能であり,わずか0.01当量のチオキサンチリウム触媒を用いて目的とする環化付加体を高収率で得ることに成功した。チオキサンチリウム触媒の高い酸化力がこれらの反応の進行を促進したと考えられ,緑色光を光源とした新たな有機合成反応への応用が期待される。

1 0 0 0 OA 化粧品の製造

著者
岩渕 久男
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.226-232, 1990-04-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
17
著者
米内 一郎 篠﨑 俊介 山口 はるな
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.213-219, 2019-08-20 (Released:2019-11-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

インク作製過程における顔料粒子の分散状態を明らかにするため,大型放射光施設SPring-8にて,顔料,顔料粒子を分散させるために投入する顔料分散剤,インクの膜物性を与えるバインダー,および溶剤からなるインクの小角X線散乱(以下SAXS)および極小角X線散乱(以下USAXS)測定を行った。結果,散乱プロファイルの形状,とくに構造因子に由来するショルダーの出現の有無により,顔料粒子の分散状態の違いを反映したデータが得られることがわかった。より良い分散状態を得るためには,顔料の表面修飾,分散剤の種類と量の最適化のほかに,膜物性を付与する目的で添加するバインダーも分散安定性に影響を及ぼしていることが,小角X線散乱データから推測することができた。
著者
渡辺 啓
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.135-138, 2016-04-20 (Released:2016-07-20)
参考文献数
10
被引用文献数
2

乳化・可溶化は界面活性剤の最も重要な機能の一つである。化粧品や食品,インク,塗料などさまざまな工業製品に利用されている。乳化物(エマルジョン)は熱力学的非平衡系であり,平衡系である可溶化とは本質的に異なる。しかしながら,乳化物を調製,安定化するためには可溶化現象および可溶化物(マイクロエマルジョン)の理解が役に立つ。本稿では,乳化・可溶化の基本セオリーを述べたのち,具体的な乳化・可溶化の方法や活用の事例を紹介する。
著者
酒井 禎之 北本 剛
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.169-176, 2004-04-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
29
被引用文献数
1