著者
南部 陽一郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.199-201, 1975-03-05
著者
後藤 亨 二瓶 武史
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.979-983, 1999-12-05

スーパーカミオカンデ実験の結果を用いて, 最も簡単な超対称SU(5)大統一模型における陽子崩壊を再解析した. 今回の解析の結果, これまでは寄与が小さいと思われてきた右巻き粒子が関与する有効相互作用 (RRRR型) が, 大きな寄与を与えることが示された. かつての解析では, 主要な項の間の干渉効果によって陽子崩壊の振幅を十分に小さくできると思われてきたが, RRRR型相互作用の効果でそれが不可能となり, 現在の制限からスクォーク(クォークと超対称多重項を組む粒子)の質量が2TeV以下のパラメータ領域が排除されてしまうなど, 陽子崩壊実験からのこの模型への制限は非常に厳しくなった.
著者
津田 俊輔 横谷 尚睦 木須 孝幸 辛 埴
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.258-262, 2002-04-05

光電子分光のエネルギー分解能はここ20年で2桁向上し,最近では1meVに迫る分解能も得られるようになった.その結果,光電子分光測定からも固体物性を支配するフェルミ準位極近傍の数meVという微細なエネルギースケールを持った電子構造を直接的に観測できるようになった.本稿では超高分解能化および測定試料温度の低温化により拓かれた微細な電子構造に関する光電子分光研究を,最近発見されたMgB_2超伝導体を例に紹介する.
著者
飯嶋 徹
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.682-686, 2009-09-05

B中間子からK中間子とπ中間子への二体崩壊では,粒子と反粒子の間で崩壊振幅そのものが異なってCP対称性が破れる現象-直接的CP対称性の破れ-が起きる.この現象は小林益川理論によって予言されているが,Bファクトリ-実験で得られた大量のデータによって測定精度が向上するとともに,中性B中間子の場合と荷電B中間子の場合でCP非対称度が異なることがはっきりしてきた.本稿では"Kπパズル"と研究者の間で呼ばれているこの謎について紹介する.
著者
芳田 奎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.116-127, 1976-02-05

近藤効果についての最近数年間の問題点は低温 (T<T_K) において非磁性状態におちこんだ局在スピンの振舞を如何にして数学的に扱うかということであった. この問題に対する一つの発展は Wilson によってもたらされた. 彼はくり込み群の方法に根拠をおき, 数値計算をフルに活用して低温の不純物スピンによる帯磁率, 比熱を計算した. もう一つの発展は Anderson ハミルトニャンに対する非磁性状態から出発する摂動計算により, 低温の不純物スピンの振舞を調べるものである. ここでは後者の理論を紹介しつつ, 局在モーメントという言葉のもつ物理的意義について考える.
著者
今田 正俊
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.88-96, 2011-02-05

熱ゆらぎによって生じるお馴染みの相転移と対照的に,量子ゆらぎが生む量子相転移には特有の機構があり,臨界現象に反映する.量子相転移には熱ゆらぎによる相転移と共通な機構-自発的な対称性の破れ-に起因するものもあるが,その場合でも量子力学固有のゆらぎを伴い新たな様相も生じる.一方,量子相転移にはそれだけでなく,トポロジーの変化に起因するものがあり,固有な性格を持つ.さらにこの両者が結びつく機構が最近見出された.一次相転移や相分離,多相共存相からの浸み出し効果も特異な量子臨界を生む.新奇な量子臨界構造の理解は,磁性,超伝導,強誘電,金属-絶縁体,さらには未知の量子相などの近年の活発な量子相・量子相転移研究とその機能探索の基礎となる.

3 0 0 0 時間の向き

著者
戸田 盛和
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.168-175, 1972-03-05

時間は一様に流れるとはニュートンの言葉です. その流れは過去から未来に向けて, 一方向きに流れています. なぜ逆転しないのでしょうか. 時間と共に考えられる空間は一方通行ではありません. タイムマシンは実現不可能でしょうか. 力学の可逆性と, 熱力学の不可逆性との関係はどうなのでしょうか. 生物の進化を含めて宇宙の物質の進化の向きとの関係, 記憶と時間, 予測と考えていくと, 科学自身の発達の向きにも関係があるようです.
著者
近藤 敬比古 小林 富雄
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.907-915, 2007-12-05
被引用文献数
2

CERNで建設中のLHC加速器はもうすぐ完成し物理実験が始まる.これにより人類史上で初めて1 TeVのエネルギー領域を探索することが可能になる.素粒子のより基本的な姿を研究する上で,この1 TeV領域を探索することが特別に重要であるとする明確な理由が存在する.標準モデルの中で唯一の未発見の粒子として残っているヒッグス粒子はほとんど確実にLHC実験によって発見される.さらに超対称性粒子の発見など,標準モデルを超える新しい素粒子物理の兆候を捕らえる可能性も非常に高い.暗黒物質の発見もありうる.ここでは小特集のイントロダクションとして,LHC計画の目的や経過を概説した上で,LHC加速器と四つの実験の紹介,および日本によるLHCプロジェクトへの国際協力参加の現状を述べる.