- 著者
-
相良 慎一
- 出版者
- 九州工業大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2004
本研究は,ヴィークルの位置・姿勢制御用のアクチュエータ(スラスタ)を搭載し,ヴィークルへの反力が無視できないマニピュレータを有する水中ロボットに対して,実用化の観点から,ディジタル系を中心とした制御法の開発を行うとともに,実験により開発制御法の有用性を検証した.また,水中ロボットシステムに必要不可欠な,計測システムの開発もあわせて行った.制御法としては,これまで提案している連続および離散時間分解加速度制御法,ならびに新たに開発した以下の1〜4に示す制御法の有用性を,2リンクおよび3リンク水中ロボットを用いた制御実験により確認した.1.新たなディジタル分解加速度制御法2.運動方程式を用いて制御入力の演算量を軽減する方法3.ニューラルネットワークを用いた制御法4.ロボット本体に作用する流体力のモデル化誤差のみを外乱として取り扱った外乱補償制御法一方,計測システムとしては,ロボット本体姿勢計測システムおよびマニピュレータ作業対象位置・姿勢計測システムの開発を行った.本体姿勢計測システムは,1軸小型ジャイロ(角速度センサ)を3個用いた防水センシングユニットを試作するとともに,ディジタル型の姿勢角導出法を提案し,水中ロボットに搭載した基礎実験を行い,ロボット本体用姿勢計測システムの有用性を確認した.また,作業対象位置・姿勢計測システムは,パン・チルト・スライド可能な2台のカメラを用いた位置・姿勢計測用ステレオビジョンシステムを開発して種々の水中基礎実験を行い,マニピュレータ作業に十分な計測精度が得られることを確認した.