著者
國藤 進 三浦 元喜 羽山 徹彩
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題では個人とグループのスムーズな創造的思考活動の移行を可能にするための知識創造支援環境を研究開発した.そのために,まず発散的思考支援機能と収束的思考支援機能を備えた知識創造支援環境を調査した.発散的思考および収束的思考の主要な技術としてはブレインストーミング支援ツール"Brain Writer"および手書きKJ法支援ツール"GKJ"がある.それらは創造的思考プロセスの個人とグループの両モードに対し,適用することができる.
著者
三浦 元喜 最所 賢至 清弘 祥太
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1172-1180, 2016-04-15

タブレット端末やスマートフォンにおけるソフトウェアキーボードによる文字入力は,物理的なキーボードによる文字入力に比べて負荷が高い.そのため,画面に表示されている文字列を選択し,コピー&ペーストして再利用することが頻繁に行われる.しかし従来のタブレット/スマートフォン用OSにおける文字列範囲選択手法は選択対象文の文法や文脈を考慮して設計されていない.本研究では,日本語文字列をタブレット端末やスマートフォンで効率良く選択するための,日本語形態素を考慮した文字列範囲選択手法を提案し,その有効性を確認する.文字単位,単語単位,およびひらがな1文字の助詞を直前の単語と連結する方式(単語+助詞単位)3条件での被験者実験を行い,一元配置の分散分析を行った結果,上記3手法の作業時間の平均値に有意差が認められた.また選択可能な境界の位置について単語単位と文字単位とを動的に切り替える手法の被験者実験を行い,分散分析を行った結果,選択範囲の終端が単語の境界と一致するタスクにおいては作業時間が減少する傾向がみられた.Conventional copy-and-paste technique for touch screen devices utilizes region handles to specify text snippet. The region handles appear so as to select the initially tapped word, and the user controls the region handles. Most of the text-selection task is performed at the boundary of words, however, the minimum movement unit of the region handle is still a character. We propose a context-sensitive text-selection method for the tablet OSs using Japanese morphological analysis. For the initial consideration, we investigated a word grouping method that meant a word as a minimum movement unit. From our experiment, we confirmed that the word grouping method can significantly reduce the text-selection time, and the word grouping size significantly affects the time. Also we tested a flexible word grouping method that changes the minimum movement unit by considering the movement speed of the region handles. The result showed a tendency of reducing the text-selection time, if target regions ended with the boundary of words.
著者
三浦 元喜
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1125, 2018-11-15

学生のタイピングスキルと,成績の相関について調べたところ,相関が有意に高いクラスがあった.しかし,特定のスキルの優劣が成績に影響する状況は望ましくない.説明を丁寧にしたり,エディタの自動補完機能をカスタマイズしたりするなどの工夫によって,近年は有意な相関はみられなくなってきた.社会的スキルに関しても調査したところ,トラブル処理に関する能力と講義の成績に弱い負の相関がみられた.また,社会的スキルが高い学生は演習やグループ協働活動の点数が高く,逆に社会的スキルが低い学生は定期試験の点数が高い傾向にあった.学習者のスキルや特性によって,一部の受講者が不利益を被らないような検討が求められる.
著者
佐藤 大介 志築 文太郎 三浦 元喜 田中 二郎
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
日本ソフトウェア科学会大会講演論文集 日本ソフトウェア科学会第20回記念大会 (ISSN:13493515)
巻号頁・発行日
pp.98, 2003 (Released:2003-12-17)

我々はペンによるメニュー選択に基づく日本語入力手法を開発した。このシステムでは子音のみの入力と予測候補の選択により入力速度の向上を図った。しかし、子音の組み合わせによって候補が多数になり、その選択に手間がかかることが問題であった。そこで絞り込みの機能を加え、より効率よく入力が行えるように工夫した。一方メニューにはFlowMenuを採用し、入力と候補の選択を連続的で滑らかなメニュー選択で行えるようにした。そしてユーザによる実験によって本システムを使った日本語入力の有効性を示した。
著者
橋本 文人 三浦 元喜
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.20, 2013

近年、音声合成技術であるボーカロイドやドイツの電子音楽グループのクラフトワークなど、計算機が自動でライブを演出する機会が増えてきている。生身の人間による演出と比較すると、計算機が自動でライブを演出する場合は、リアルタイム性や一体感、持続性などに欠ける印象がある。本研究では、それらの要素を補えるような計算機によるライブの演出を楽しむための1つの手法として、コメント入力により音や映像への干渉を行う「Live Operator -In the Comments-」を提案する。
著者
三浦 元喜 杉原 太郎 國藤 進
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.279-287, 2010
参考文献数
15
被引用文献数
1

本稿では,一般教室における無線デジタルペンを利用した授業システムを,日常的な運用を可能とするために行った2つの改良について述べる.まず我々が構築してきた超音波方式ペンとPDAによるシステムの操作と準備作業を軽減するため,近年利用されているアノト方式によるデジタルペンを利用可能とし,両システムを比較した.その結果,後者のシステムによる簡便性および誤差の減少が,理解度の低い生徒の積極的参加を阻害せず,またシステムが筆記をチェックすることに対する,理解度の高い生徒の緊張感を緩和することを確認した.次にアノト方式デジタルペンを用いた授業実践時に,ペンIDと受講者,およびその座席の対応関係を管理する際の教師負担を軽減する「筆席マップ方式」を提案し,システムに導入した.小学校における実践を通じて,筆席マップ方式の可用性と有効性を確認した.
著者
三浦 元喜
出版者
九州工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

視覚モデルへの直感的な操作から対応するソースコードを生成して提示するシステムAnchorGarden の有効性について検証を行った. 2011 年にメソッド呼び出しやデータ構造,返却値の可視化を実現したが,統計的な有効性は十分検証されていなかった.そこで大学2 年生の C 言語学習者約 100 名を対象とし,分数クラスのオブジェクト状況を図示する問題について,システム利用群の正解率は未使用群に比べて有意に高かった.このことから,オブジェクトの状況を操作しつつ,自動生成されるソースコードを観察することにより,ソースコードの表す意味を短時間のうちに,直感的かつ正確に理解できることを確認した
著者
三浦 元喜 國藤 進 志築 文太郎 田中 二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.2300-2310, 2005-09-15
被引用文献数
19

我々は教室内のコミュニケーションを促進するため,デジタルペンとPDAを利用した実世界指向インタラクティブ授業支援システムAirTransNoteを開発した.AirTransNoteは生徒の筆記情報を教師の計算機にリアルタイムに送信し,閲覧や解析を行うシステムである.デジタルペンを利用することにより,通常の紙に書く情報が送信できるため,生徒が情報機器の操作を覚える必要がない.また,無線LAN付きPDAを使用することにより配線の手間を軽減することができ,インタラクティブ性の高い授業を一般教室で行うことが容易となる.高校1年生の数学の授業で運用実験を行い,運用にあたっての問題点を明確にするとともに,運用の可能性について考察を行った.We developed AirTransNote, an interactive learning system based on digital pen devices and PDAs. The system realizes computer-mediated collaboration for a conventional classroom by real-time note-sharing. AirTransNote digitizes notes written by students on a regular paper and enables the teacher to browse through the notes or show them to the students. Air-TransNote can analyze students' answers, helping the teacher better understand their problems. We conducted a preliminary study using questionnaires and found that this system can be feasible to apply for classroom environment.
著者
川上 智司 三浦 元喜 國藤 進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.34, pp.43-48, 2006-03-23

近年,学校やオフィスなどでは,知的な作業環境にあることが多くなっている.その為,相手の状況がわからずコミュニケーションが不足することがある.しかしインフォーマルコミュニケーションは重要な役割をもっている.そこで本研究では組織内のコミュニケーションの活性化を支援することを目的とする.本研究では,作業の合間のリラクゼーションとして買い物に行く行為に着目した.リラックスしている状況は,気軽に話しかけることができるため,コミュニケーションが発生させやすいと考える.そこでインフォーマルスペースに商店を構築し買いに来た状況を伝達することによってコミュニケーションが発生させるシステムを構築する.In recent years, in a school or office, it is in intellectual work environment more often. Since a partner's situation is not known, communication may be insufficient. However, informal communication has an important role. So, it aims at supporting activation of communication in an organization in this research. It is attention to the act of going shopping as a change of air of work at intervals. I think that communication is easy to generate it since a relaxed situation can address freely. Then, the system which communication generates is built by transmitting the situation where it came to buy an informal space.
著者
三浦 元喜 杉原 太郎 三村 修 國藤 進
出版者
日本創造学会, 北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
第六回知識創造支援システムシンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.45-52, 2009-03-30

Usually practitioner of KJ method utilizes paper labels and four-colored ball-point pens to externalize their thoughts and ideas during the process. The similar approach and method are taken in group KJ lessons. However the conventional way restricts effective capturing and sharing of outcomes due to the large paper size. Considering merits of the conventional paper-and-pen approach and the demand for quick sharing of outcomes after the session, we have designed and implemented a system to digitize the group KJ session not only the outcomes but also detailed creative work processes. We employ digital pens to capture position and orientation of labels as well as the contents written on the labels during the session. We confirmed the efficiency of our system from several KJ sessions.
著者
伊藤直己 中田 豊久 三浦 元喜 西本 一志 國藤 進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.30, pp.31-36, 2005-03-17
参考文献数
9
被引用文献数
2

本研究では,共通の興味を持っていながら,時間や場所が異なっているためにコミュニケーションに至らないような,非同期環境におけるインフォーマルコミュニケーションを支援するために,「らくがき」のメタファを拡張したコミュニケーション支援システムを提案する.本システムは,携帯情報端末(PDA)とRFIDシステムを組み合わせ,モノ(実世界オブジェクト)の様々な部分に対して仮想的な「らくがき」を行うことを可能とすることによって,実世界オブジェクトを介したコミュニケーションを実現しようとするシステムである.評価実験の結果,ある特定の実世界オブジェクトについて,部分を特定した書き込みを行うことが効果的であることを確認した.In this study, we propose a communication medium for facilitating informal communications in an asynchronous environment. It is often observed that people who have same interests cannot mutually communicate because they are not be present in a certain place together. To facilitate their having communications, we construct a communication medium that exploits good features of "graffiti." This medium allows people to mutually communicate through virtual scribbles on real-world objects by using PDAs and RFIDs. As a result of experiments, we confirmed that the usefulness of the medium when, in particular, people discuss on specific parts of a certain type of real-world objects.