著者
藤原 英記
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.103-108, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
30

ヒトは「味覚」によって体にとって摂取すべきものと忌避すべきものとを弁別している。甘味はエネルギー摂取の役割として主に糖の摂取を促し,うま味は体の構成成分としてのアミノ酸の摂取の役割としてタンパク質の摂取を促す。その点から考えると,糖を中心とした炭水化物,タンパク質と並び三大栄養素の一つである油脂にも摂取を促す「味」があると考えることは自然である。しかしながら,油脂はそのまま摂取しても味や香りはなく,さらに摂取したいと思うことはない。この点からも油脂の味覚に関する研究は,五味の研究と比べると大きく遅れているのが実態であるものの,徐々に研究が進み油脂の「味」に関しても明らかにされつつあるため,その一部を紹介する。また我々は脂肪酸の一つであるアラキドン酸が食品のおいしさを向上させる効果を有することを示し,特にうま味を向上させることを明らかにした。また同様にアラキドン酸の分解物が味覚感受性に影響を与えることが示された。
著者
伊野 大記
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.19, no.10, pp.417-422, 2019 (Released:2019-10-04)
参考文献数
6

スプレードライ方式による粉末油脂は,油滴サイズを1 µm程度の大きさに調整したO/W乳化物を作製し,噴霧乾燥させたものである。粉末油脂は,バルクの油脂と違い水に容易に分散し,乳化状態を保っている。また,食品に使用することにより,食感改良など様々な効果をもたらすことができる。本論文では,粉末油脂の概要を説明した後,食品への応用について具体例を挙げ紹介する。
著者
高村 仁知
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.7, no.6, pp.231-235, 2007-06-01 (Released:2013-06-01)
参考文献数
9

脂質に含まれる多価不飽和脂肪酸は構造的に酸化されやすく, 食品においては調理加工や保存の過程などで酸化をうける。その結果, 生じた脂質酸化生成物には食品の風味を損なう, 毒性を有するなど, 食品の品質に悪影響をもたらすものがある。大豆においては, リノール酸がリポキシゲナーゼによって酸化されて生成するリノール酸13S-ヒドロペルオキシドから豆臭の主成分であるヘキサナールが生ずる。大豆種子に存在する3種のリポキシゲナーゼアイソザイムのうち, L-2アイソザイムがヘキサナール生成に最も寄与し, L-3アイソザイムは逆にヘキサナール生成に寄与せず, 逆にヘキサナール生成を抑制する。一方, 魚においては, 従来, トリメチルアミンが魚臭の主成分であるとされてきたが, イコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸などの酸化劣化に由来する多くのカルボニル化合物が存在すること, これらの化合物はさまざまなにおいを有しており, これらのにおいが相まって魚臭となっていることが明らかとなった。
著者
八田 一
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.147-153, 2011-05-01 (Released:2013-07-18)
参考文献数
22

産卵鶏の血液IgG抗体は卵黄中へ蓄積される。これは親鳥が獲得した免疫を子孫に伝えるためである。卵黄中の抗体はIgYと呼ばれている。従来, 特異的抗体はウサギやヤギを特定抗原で免疫し, その血液からIgG抗体として得られているが, 現在では鶏を免疫して, その卵から特異的IgY抗体を得ることが可能である。IgYは対応する抗原に対して, ほ乳類の血清IgG抗体と同様の特異性を有し, 臨床検査試薬として有効に利用可能である。また, IgYのその他の重要な利用法として, 病原体や毒素抗原に対して調製したIgYで病原性や毒性を中和する受動免疫療法があげられる。本稿ではIgYの用途として, 臨床検査薬分野への応用および感染症予防分野への応用について紹介する。
著者
前多 隼人
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.12, no.10, pp.503-508, 2012 (Released:2015-02-14)
参考文献数
30

フコキサンチンはワカメやコンブなどの褐藻類に特徴的に含まれる,カロテノイドの一種である。近年,抗肥満,抗糖尿病,抗酸化,抗がん,血管新生抑制作用など,フコキサンチンの様々な生理機能が報告されている。これらの機能の中でも脂肪組織を介した抗肥満,抗糖尿病作用は特に注目されている。 フコキサンチンは,肥満による様々な疾患の原因となる白色脂肪組織の肥大化を抑える。その作用機構としてuncoupling protein 1(UCP1)タンパク質の,白色脂肪組織での異所性の発現誘導が考えられている。また,脂肪組織から分泌され体内の組織のインスリン抵抗性の惹起に関わるアディポサイトカインの分泌調節や,筋肉組織での糖取り込みの正常化により抗糖尿病効果を示す。近年ではフコキサンチンの体内動態とそれら代謝物による作用も明らかになりつつある。本項では特にこのようなフコキサンチンによる脂肪組織や筋肉組織を介した抗肥満作用,抗糖尿病作用の作用機構について解説する。
著者
後藤 剛 Kim Minji 川原崎 聡子 高橋 春弥 河田 照雄
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.145-152, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
33

腸内細菌叢は宿主のエネルギー代謝調節において重要な役割を果たすことが明らかになりつつあるが,その詳細な分子機構は未解明な部分が多い。短鎖脂肪酸をはじめとする腸内細菌由来代謝産物による宿主代謝調節機構がその一翼を担っていると考えられる。褐色脂肪組織は低温下での体温維持に寄与する高い熱産生能を有する脂肪組織であり,その活性強度が成人の肥満度と逆相関することが明らかにされ,肥満や肥満に伴う代謝異常症の予防・改善の標的組織として注目されている。近年,腸内細菌叢と褐色脂肪組織機能の関連性が報告されつつあり,食餌由来の腸内細菌代謝産物を介した褐色脂肪組織機能調節機構の存在が示唆されている。本作用は腸内細菌叢による宿主エネルギー代謝調節機構の一端として寄与していることが推定される。本稿では,褐色脂肪組織機能および食餌由来腸内細菌代謝産物による褐色脂肪組織機能調節作用について概説したい。特に,近年同定された食餌由来不飽和脂肪酸由来の腸内細菌産生修飾脂肪酸の機能について,私達が行っている研究結果について中心に紹介する。
著者
市橋 正光 吉本 聖 安藤 秀哉
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.121-129, 2018 (Released:2019-09-02)
参考文献数
36

健康で社会貢献しながら楽しく長生きしたいとだれもが望む。しかし,現状では,成長期が過ぎると,身体を構成する細胞・組織の機能が低下し始め老化を実感する。老化を少しでも遅くするためにはどのような努力をすべきか,近年多くの科学的知見が提示されている。見た目の老化は内臓を含め全身の老化を反映している。皮膚に視点を置き筆者らの私見を述べる。簡単に皮膚の構造と機能については,表皮のバリア機能,自然免疫,および紫外線による皮膚の損傷とその防御について簡単に紹介する。皮膚のアンチエイジングにおける食の重要性についてはまだ科学的に納得できる報告は少ないが,過去20 年くらいの主だった論文を紹介したい。また,一般にまだ十分に理解されていない紫外線A の皮膚老化への影響に関する新しい筆者らの知見も紹介する。
著者
日比野 英彦
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.9, no.10, pp.443-453, 2009 (Released:2013-06-01)
参考文献数
44

真性肉食動物の猫は栄養素必要性としてアラキドン酸, レチノール, タウリンが知られている。アラキドン酸の必須性は△6-不飽和化酵素の欠損による。そのため, リノール酸を摂取してもアラキドン酸に代謝できない。レチノール (ビタミンA) の必須性は腸内ジオキシゲナーゼを欠失しているためβ-カロチンをレチノールに分解できない。タウリンを合成する酵素を持っていないため, 動物性タンパク質にのみ存在するタウリンを摂取する必要がある。△6-不飽和化酵素の欠損はn-3系脂肪酸のリノレン酸を摂取してもEPAやDHAに代謝できないことも意味している。真性肉食動物の猫はアラキドン酸およびEPAやDHAを得るため植物のリノール酸やリノレン酸を摂取しても代謝できないのでそれらを含有している哺乳類の肉を摂取する必要がある。魚はEPAやDHAの他, アラキドン酸, レチノール, タウリンを含有している。闇の中でものが見える猫の網膜の視細胞, すなわち, 光受容器細胞の構築と維持のためにもDHA, レチノール, タウリンが必要である。以上の理由から筆者は, 「肉を摂取できない時は, 猫は魚を食べる」という仮説を提案する。
著者
海谷 篤
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
油化学 (ISSN:0513398X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.525-529, 1990
被引用文献数
4

For many years natural squalene has been a familiar health food supplement, while natural squalane has been the most important oily ingredient for all cosmetic products.<BR>In this paper the possibility of new application of squalene and squalane are discussed, furthermore the latest trends and the future perspective about shark liver oil which is the raw material for these compounds are described.
著者
Yoshiaki Yamamoto Yuki Kawamura Yuki Yamazaki Tatsuro Kijima Toshiya Morikawa Yoshimune Nonomura
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.283-288, 2015 (Released:2015-03-01)
参考文献数
30
被引用文献数
2 22

Palmitoleic acid is a promising bactericidal agent for cleansing products with alternative bactericidal abilities. In this study, we focus on the physical and biological activity of palmitoleic acid calcium salt (C16:1 fatty acid Ca salt) because it forms via an ion-exchange reaction between palmitoleic acid and Ca ions in tap water, and remains on the skin surface during the cleansing process. Here, we prepared C16:1 fatty acid Ca salt to investigate its crystal structure and physical and bactericidal properties. The Ca salt was a plate-shaped lamellar crystalline powder with a particle diameter of several micrometers to several tens of micrometers; it exhibited significant lubricity and alternative bactericidal activity against Staphylococcus aureus (S. aureus) and Propionibacterium acnes (P. acnes). We also examined other fatty acid Ca salts prepared from lauric acid (C12:0 fatty acid), palmitic acid (C16:0 fatty acid), and oleic acid (C18:1 fatty acid). The bactericidal activities and lubricity of the fatty acid Ca salts changed with the alkyl chain length and the degree of unsaturation. The C16:1 fatty acid Ca salt exhibited the strongest selective bactericidal ability among the four investigated fatty acid Ca salts. These findings suggest that C16:1 fatty acid and its Ca salt have potential applications in cleansing and cosmetic products.
著者
Hisanori Tokuda Toshiaki Sueyasu Hiroshi Kawashima Hiroshi Shibata Yoshihiko Koga
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.713-721, 2017 (Released:2017-07-01)
参考文献数
35
被引用文献数
5

Although several studies have reported the effects of long-chain polyunsaturated fatty acid (LCPUFA) supplementation on the mood in healthy adults, the effects of LCPUFA on elderly individuals remain unclear. Thus, we hypothesized that LCPUFA supplementation improves mood in the elderly. To address this hypothesis, 115 elderly Japanese men aged 55-64 years were assigned and randomly allocated to the LCPUFA or placebo group. Participants received 4 weeks of supplementation with LCPUFA-containing oil (docosahexaenoic acid (DHA) 300 mg/day, eicosapentaenoic acid (EPA) 100 mg/day, arachidonic acid (ARA) 120 mg/day) or a placebo oil. Mood was assessed using the Profile of Mood States (POMS) before and after supplementation as the secondary outcome in a previously performed randomized controlled trial on cognitive function. A total of 113 participants completed the supplementation period. One hundred participants (LCPUFA, n = 51; placebo, n = 49) who were eligible for evaluation of mood were analyzed. Increases in vigor scores on POMS, reflecting a positive mood, were significantly larger in the LCPUFA group than in the placebo group (LCPUFA, +1.8; placebo, −0.5). No significant differences were observed in changes in other negative mood scores between groups. DHA and ARA content in plasma phospholipids were increased by 0.8% and 0.7%, respectively, in the LCPUFA group, and were significantly larger than those in the placebo group. Dietary DHA, EPA, and ARA intake was unchanged during the study. These results suggest that LCPUFA supplementation may improve vigor (positive mood) in elderly Japanese men.
著者
Toshio Hasegawa Kazuma Yoshitome Takashi Fujihara Mardi Santoso Muhammad Abdul Aziz
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
pp.ess17002, (Released:2017-07-12)
被引用文献数
5

Patchouli is used as an incense material and essential oil. The characteristic odor of patchouli leaves results from the drying process used in their production; however, there have to date been no reports on the changes in the odor of patchouli leaves during the drying process. We investigated the aroma profile of dried patchouli leaves using the hexane extracts of fresh and dried patchouli leaves. We focused on the presence or absence of the constituents of the fresh and dried extracts, and the differences in the content of the common constituents. Fourteen constituents were identified as characteristic of dried patchouli extract odor by gas chromatography-olfactometry analysis. The structures of seven of the 14 constituents were determined by gas chromatography-mass spectrometry (α-patchoulene, seychellene, humulene, α-bulnesene, isoaromadendrene epoxide, caryophyllene oxide, and patchouli alcohol). The aroma profile of the essential oil obtained from the dried patchouli leaves was clearly different from that of dried patchouli. The aroma profile of the essential oil was investigated by a similar method. We identified 12 compounds as important odor constituents. The structures of nine of the 12 constituents were determined by gas chromatographymass spectrometry (cis-thujopsene, caryophyllene, α-guaiene, α-patchoulene, seychellene, α-bulnesene, isoaromadendrene epoxide, patchouli alcohol, and corymbolone). Comparing the odors and constituents demonstrated that the aroma profile of patchouli depends on the manufacturing process.
著者
Hisanori Tokuda Toshiaki Sueyasu Hiroshi Kawashima Hiroshi Shibata Yoshihiko Koga
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
pp.ess17035, (Released:2017-06-13)
被引用文献数
5

Although several studies have reported the effects of long-chain polyunsaturated fatty acid (LCPUFA) supplementation on the mood in healthy adults, the effects of LCPUFA on elderly individuals remain unclear. Thus, we hypothesized that LCPUFA supplementation improves mood in the elderly. To address this hypothesis, 115 elderly Japanese men aged 55-64 years were assigned and randomly allocated to the LCPUFA or placebo group. Participants received 4 weeks of supplementation with LCPUFAcontaining oil (docosahexaenoic acid (DHA) 300 mg/day, eicosapentaenoic acid (EPA) 100 mg/day, arachidonic acid (ARA) 120 mg/day) or a placebo oil. Mood was assessed using the Profile of Mood States (POMS) before and after supplementation as the secondary outcome in a previously performed randomized controlled trial on cognitive function. A total of 113 participants completed the supplementation period. One hundred participants (LCPUFA, n = 51; placebo, n = 49) who were eligible for evaluation of mood were analyzed. Increases in vigor scores on POMS, reflecting a positive mood, were significantly larger in the LCPUFA group than in the placebo group (LCPUFA, +1.8; placebo, −0.5). No significant differences were observed in changes in other negative mood scores between groups. DHA and ARA content in plasma phospholipids were increased by 0.8% and 0.7%, respectively, in the LCPUFA group, and were significantly larger than those in the placebo group. Dietary DHA, EPA, and ARA intake was unchanged during the study. These results suggest that LCPUFA supplementation may improve vigor (positive mood) in elderly Japanese men.
著者
Widad M. Al- Bishri
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.709-715, 2013 (Released:2013-09-03)
参考文献数
37
被引用文献数
5 13

Hypertension is a major risk factor for cardiovascular diseases and is detrimental to several organs including the liver and kidneys. The flaxseed-derived polyunsaturated fatty acids including the omega-3 and omega-6 essential fatty acids have been shown to blunt the effects of hypertension. It is however, unclear whether the flaxseed, which is rich in these essential fatty acids, could improve the liver and kidney dysfunctions observed in the hypertensive condition. To test this, functional markers of the liver and kidneys, including aspartate aminotransferase (AST), alanine aminotransferase (ALT), blood urea nitrogen (BUN), uric acid (UA), creatinine, and renin were examined in hypertensive male Wistar rats fed a flaxseed diet. Normotensive rats maintained on a standard diet were rendered hypertensive with a daily administration of cyclosporin A (CYS) (25 mg/kg) for 4 weeks. Subsequently, hypertensive rats were either fed a standard diet alone or a flaxseed-supplemented standard diet (FLX; 10% W/W) for 8 weeks. Compared to normotensive rats, standard diet-fed hypertensive rats had significantly elevated blood pressure, altered lipid profile, and increased plasma levels of tissue markers measured immediately following the CYS treatment and thereafter at 4 and 8 week intervals. On the other hand, rats fed the FLX-supplemented diet had significantly lower blood pressure, an improved lipid profile and decreased tissue marker levels measured after 4 and 8 week durations. The data demonstrate for the first time the favourable effects of FLX in improving liver and kidney functions in the hypertensive condition. These effects are likely to be mediated by the alpha-linolenic acid (ALA) and linoleic acid (LA) contents of flaxseed oil due to its demonstrated ability to lower the blood pressure.
著者
Yuuki Aita Yoshimune Nonomura
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.493-498, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
23
被引用文献数
11

The surface properties and the tactile texture of human hair are important in designing hair-care products. In this study, we evaluated the temporal changes of friction and temperature during the drying process of wet human hair containing water, silicone oil, or oil-in-water (O/W) emulsion. The wet human hair including water or O/W emulsion have a moist feel, which was caused by the temperature reduction of approximately 3-4°C. When human hair is treated with silicone oil, more than 60% of the subjects felt their hair to be slippery and smooth like untreated hair. Treating hair with O/W emulsion after drying made the subject perceive a slippery feeling because the surfactant reduced friction on the hair surface. These results indicated that both friction and thermal properties of the hair surface are important to control the tactile texture of the human hair.
著者
Wei Liu Fei Tian Jingjing Yu Yanlan Bi
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.451-458, 2016 (Released:2016-05-01)
参考文献数
31
被引用文献数
8

In this paper, a novel magnetic mesoporous Pd catalyst is used to catalyse selective hydrogenation of sunflower oil at a mild temperature of 50°C. Effects of reaction temperature, stirring speed, time, catalyst loading and hydrogen pressure on the reaction activity, trans fatty acid (TFA) and stearic acid formation were studied. Under the condition of 3.2 mg Pd/100 g oil, 50°C, 1300 rpm stirring speed and 19.0 atm of H2, the lowest amount of TFA generated during the reaction (IV = 80) was 14.9 ± 0.4% while 11.4 ± 0.4% of stearic acid was produced. And this magnetic Pd-catalyst can be reused easily for at least six times without significant catalyst deactivation, the amount of TFA almost remained unchanged. Moreover, this Pd-catalyst shows a good magnetic separation, which provides a potential method for the facile oil modification.
著者
Yudai Nonaka Tetsuo Takagi Makoto Inai Shuhei Nishimura Shogo Urashima Kazumitsu Honda Toshiaki Aoyama Shin Terada
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
pp.ess16069, (Released:2016-07-15)
被引用文献数
34

Coconut oil has recently attracted considerable attention as a potential Alzheimer’s disease therapy because it contains large amounts of medium-chain fatty acids (MCFAs) and its consumption is thought to stimulate hepatic ketogenesis, supplying an alternative energy source for brains with impaired glucose metabolism. In this study, we first reevaluated the responses of plasma ketone bodies to oral administration of coconut oil to rats. We found that the coconut oil-induced increase in plasma ketone body concentration was negligible and did not significantly differ from that observed after high-oleic sunflower oil administration. In contrast, the administration of coconut oil substantially increased the plasma free fatty acid concentration and lauric acid content, which is the major MCFA in coconut oil. Next, to elucidate whether lauric acid can activate ketogenesis in astrocytes with the capacity to generate ketone bodies from fatty acids, we treated the KT-5 astrocyte cell line with 50 and 100 μM lauric acid for 4 h. The lauric acid treatments increased the total ketone body concentration in the cell culture supernatant to a greater extent than oleic acid, suggesting that lauric acid can directly and potently activate ketogenesis in KT-5 astrocytes. These results suggest that coconut oil intake may improve brain health by directly activating ketogenesis in astrocytes and thereby by providing fuel to neighboring neurons.
著者
野末 雅之
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.267-273, 2013 (Released:2016-02-01)
参考文献数
10

飢餓人口が増大,食糧問題が深刻化している。食糧増産は人類共通の重要課題であるが,その現状は,水資源の枯渇,温暖化などの資源・環境問題など多くの問題を抱え,持続可能な農業生産システムの必要性が以前から指摘されている。一方,生育環境を制御して農作物を周年計画生産する植物工場への期待が高まっている。植物工場には従来の農業生産システムにはない特徴があり,近年,わが国だけでなく海外でも注目されている。採算性,栽培品目,販路などの植物工場の課題解決に向けて,現実的な取組みも行われている。過去3 年間でわが国の植物工場稼動数は着実に増加し,新たな産業の核としての期待が高まっている。信州大学先進植物工場研究教育センター(SU-PLAF)は 全国8箇所の植物工場基盤技術開発拠点の1 つとして開設され,太陽光利用コンテナ植物工場や省エネルギー周年ワサビ苗生産技術などの開発に取組んでいる。
著者
Taiki Miyazawa Kiyotaka Nakagawa Hideo Takekoshi Ohki Higuchi Shunji Kato Momoko Kondo Fumiko Kimura Teruo Miyazawa
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.873-881, 2013 (Released:2013-11-06)
参考文献数
22
被引用文献数
3 25

Accumulation of phospholipid hydroperoxide (PLOOH) in erythrocyte membranes is an abnormality found in patients with senile dementia, including those with Alzheimer’s disease. In our previous studies, dietary xanthophylls (polar carotenoids such as lutein) were hypothesized to inhibit lipid peroxidation. In the present study, we conducted a randomized, double-blind, placebo-controlled human trial to assess the impact for a total of 2 months Chlorella supplementation (8 g Chlorella/day/person; equivalent to 22.9 mg lutein/day/person) on PLOOH and carotenoid concentrations in erythrocytes as well as plasma of 12 normal senior subjects. After 1 or 2 months of treatment, erythrocytes and plasma lutein concentrations increased in the Chlorella group but not in the placebo group. In the Chlorella-supplemented group, erythrocyte PLOOH concentrations after a total of 2 months of treatment were lower than the concentrations before supplementation. These results suggest that Chlorella ingestion improved erythrocyte antioxidant status and lowered PLOOH concentrations. These reductions might contribute to maintaining the normal function of erythrocytes and prevent the development of senile dementia.