著者
藤新 令奈 北川 晴香 高田 千尋 八田 一
出版者
京都女子大学食物学会
雑誌
京都女子大学食物学会誌 (ISSN:02893827)
巻号頁・発行日
no.73, pp.13-19, 2019-01-31

Kyoto-style egg rolls with dashi soup originated about 100 years ago. It has been regarded as a popular egg dish for many years. Nowadays, there are many well-known egg roll retailers in Kyoto. The purpose of this study is to evaluate the taste and texture of commercially available egg rolls to find which characteristics are preferred by consumers. Four kinds of Kyoto-style egg roll from retailers and 2 common egg rolls from convenience stores were evaluated using texture analysis by TexoGraph (instrumental evaluation) and sensory tests (30 panelists' evaluation). Moisture content and amino acid content of these samples were also determined. In the texture analysis, softness was found to differ among samples depending on each retailer, and the softest egg roll was revealed as the egg roll obtained from S1 retailer. The predicted amount of dashi soup added was the highest for sample S1 and the drip rate from the S1 egg roll when pressed with 50g was also the highest among the samples. In addition, all 30 panelists evaluated the S1 egg roll as the softest and juiciest, with the strongest umami taste. It was suggested that softness, juicy texture and strong umami taste were three characteristics preferred by consumers and useful for evaluating Kyoto-style egg rolls.
著者
河江 美保 山下 真由子 八田 一 Yamashita Mayuko 八田 一 Hatta Hajime
出版者
京都女子大学食物学会
雑誌
京都女子大学食物学会誌 (ISSN:02893827)
巻号頁・発行日
no.70, pp.15-21, 2015-12

Mr. Rosanjin Kitaouji, who was known as a famous Japanese gourmet, culinarian as well as potter, recommended his special recipe for the typical Japanese egg dish, rice with raw egg. He stated that egg dish is made more delectable using shell egg warmed by holding in palms for 30 minutes before mixing with rice. The purpose of this research was to determine by sensory evaluation if his recipe increases taste favorably. Egg samples were prepared with three different temperatures (8℃, 35℃, and 55℃) in order to evaluate how temperature of shell egg influences the taste of the dish. The egg (8℃) sample was kept in the refrigerator. The egg (35℃ & 55℃) was prepared by incubating the refrigerated egg at 35℃ or 55℃ in a water bath for 30 minutes, respectively. The egg (35℃) sample is considered to be equivalent to Rosanjin' s recipe.Sixty volunteers ranked three dishes prepared with medium size eggs of temperatures of 8℃ , 35℃ , and 55℃ without being informed of the different temperatures. Each shell egg sample was cracked and mixed with 150g of steamed rice at 86℃ in a bowl when serving. Dishes prepared with 35℃ and 55℃ eggs were evaluated as tastier than with 8℃ egg (p < 0.05) by the multiple means comparison procedure for the ranked data. However, no difference was found between dishes prepared with 35℃ and 55℃ eggs. Most volunteers sensed more umami and sweetness in dishes prepared with warmed eggs than with refrigerated eggs, although they were not informed of temperature differences. Recent research has shown that signals of sweet taste receptor increase with increasing temperature. Since umami taste receptor is quite similar to the sweet taste receptor, its susceptibility increases with increasing temperature. Mr. Rosanjin Kitaouji, with his sensitive gustation, found the taste of the egg dish preferable when prepared with warmed eggs. This research has proven with sensory evaluation for the first time that rice with raw eggs prepared by Rosanjin' s recipe is tastier than when prepared by the general recipe.
著者
八田 一
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

キラヤサポニンは、南米に自生するバラ科の常緑樹シャボンの木(Quillaja Saponaria Mol.)の樹皮に含まれるトリテルペノイドサポニンである。欧米諸国では、古くからノンアルコール飲料やシェイク飲料の起泡剤として利用され、その食品添加物としての安全性が認められている。本研究は、起泡剤や乳化剤(食品添加物)として世界中で利用されているキラヤサポニン抽出物(QS)の人に対する新しい生理作用(自然免疫活性化機能)を明らかにすることを目的とし、QSを哺乳類(マウスおよびヒト)へ経口的に投与し、その自然免疫活性化機能を検討した。マウスのマクロファージ株化細胞系で、QSの貧食能活性化濃度は細胞毒性濃度の1/4000倍であった。また、QS経口投与(0.5mg/Kg体重/日)24時間後のマウス脾臓および腹腔滲出液から分離したマクロファージの走化性や貧食活性が2〜7倍に向上した。さらに、QS経口投与24時間後のマウスに対する大腸菌の腹腔感染実験の結果では、無投与群の感染5日目の生存率0%に対して、QS投与(0.5mg/Kg体重)群が60%と有意に高かった。最後に、QS配合飲料を試作してボランティア試験を実施した。その結果、ヒトに対してもQSの摂取量0.5mg/Kg体重/日、1週間の摂取で、抹消血マクロファージの走化性は10-15倍、貧食性は3-5倍に活性化された。また、血液検査の結果、肝機能への影響やIgGおよびIgEの上昇は見られず、またCRP等の炎症マーカーやIL-1αやTNF-αの変動はなかった。今後、より大規模のボランティア試験での検討や、その活性化のメカニズムの研究などが必要であるが、将来、QSが配合された加工食品を摂取し、感染症のみならず種々の疾病に対する抵抗力(自然免疫力)を高めることの可能性が示された。
著者
八田 一
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.147-153, 2011-05-01 (Released:2013-07-18)
参考文献数
22

産卵鶏の血液IgG抗体は卵黄中へ蓄積される。これは親鳥が獲得した免疫を子孫に伝えるためである。卵黄中の抗体はIgYと呼ばれている。従来, 特異的抗体はウサギやヤギを特定抗原で免疫し, その血液からIgG抗体として得られているが, 現在では鶏を免疫して, その卵から特異的IgY抗体を得ることが可能である。IgYは対応する抗原に対して, ほ乳類の血清IgG抗体と同様の特異性を有し, 臨床検査試薬として有効に利用可能である。また, IgYのその他の重要な利用法として, 病原体や毒素抗原に対して調製したIgYで病原性や毒性を中和する受動免疫療法があげられる。本稿ではIgYの用途として, 臨床検査薬分野への応用および感染症予防分野への応用について紹介する。
著者
山根 貴夫 宮島 綾子 八田 一葉 藤田 俊広 曽我 直弘 亀岡 信悟
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.952-956, 2017 (Released:2018-12-28)
参考文献数
23

今回われわれは一般的な治療に効果を認めなかった下痢型の過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)を有する虫垂炎患者に対し虫垂切除を行うことによりIBSの症状が改善した2例を経験した.症例1は47歳の男性,元来1日平均10回の水様便を認める下痢型IBSであった.今回心窩部痛を主訴に受診,急性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.術後より1日1~2回の普通便となりIBSが改善した.症例2は42歳の女性,心窩部痛を伴う1日平均3回の軟便~水様便をきたす下痢型IBSであった.今回右下腹部痛を主訴に受診,急性虫垂炎の診断で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.術後より2日1回の普通便となりIBSが改善した.医中誌で検索しうるかぎり虫垂切除により下痢型IBSが改善した報告例はなく,若干の文献的考察を加え報告する.
著者
八田 一俊
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.324-328, 2002-10-15
参考文献数
2

<p><tt><b>EMC(電磁環境両立性)規制について現在多くの国で議論され法制化されているが,これまではさまざまな電気・電子機器に対しての影響を軽減する目的で規制がされてきた。一方,携帯電話をはじめとした電磁波を利用する製品もより身近になってきている現在,生体に対しても電磁波の影響について懸念されるようになってきた。近年,電磁波がどのように生体に作用するのか,影響の有無などについて調査,研究が進み,その因果関係が徐々に解明されつつある。こうした中,日本をはじめ世界各国でも電磁波を利用する製品に対して生体への影響を規制する規格を制定する動きがみられるようになってきた,ここでは身近に存在する電磁波を利用した製品にっいての概要と,各国の規制の動向について解 </b></tt><tt><b>説する。 </b></tt></p>
著者
八田 一郎
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.145-151, 2016-05-01 (Released:2018-03-20)
参考文献数
26
被引用文献数
2 5
著者
菊地 貴 八田 一利 長尾 徹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.157, 2008

昨今の工業技術の発展によりカーナビゲーションシステム(以下カーナビ)は進化を続け、多くのドライバーに普及している。その一方でカーナビの扱う情報は増加し、それに伴い操作方法や表示も複雑さを増しており、その複雑さが安全性や使いやすさの低下を助長しているようにも思われる。カーナビの画面表示部分のほとんどを占める地図には多くの情報を含まれており、その情報を一目で(特に運転とカーナビ情報閲覧のダブルタスク下においては)判断する事は容易ではないが、その情報のなかにはドライバーにとって必要性の低い情報も少なくはない。しかし、ナビゲーションという事に焦点を絞った場合には、ドライバーにとって必要性の高い情報を地図情報から吸い上げて提示することで使いやすさや安全性は向上するのではないだろうか。本研究では地図を表示せずに行うカーナビゲーションの方法の一つとして「曲がるべき交差点の情報のみをアイコン示し、そのアイコンを紙芝居式に次々とドライバーへ提示する」というナビゲーション方法を提案した。
著者
西田 泰民 宮尾 亨 吉田 邦夫 八田 一 ピーター マシウス
出版者
新潟県立歴史博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

これまで国内では報告例がなかったが、旧石器時代石器・縄文時代遺構埋土・縄文時代石器・縄文時代珪藻土塊・擦文時代遺構埋土・縄文土器炭化付着物いずれからもデンプン粒を検出することができた。これにより日本のような中緯度温暖湿潤地域でも長期間デンプン粒が保存されていることが明らかになった。各考古学資料からのデンプン抽出作業をおこなう一方で、堅果類、根菜類を中心に在来食用植物の対照現生サンプル作成をおこない、240件作成した。遺物からの抽出方法や取り扱い、同定方法については先駆的研究が行われたオーストラリアよりシドニー大学フラガー博士を招聘し教授を受けた。デンプンの分解過程を解明をするため国立民族学博物館および新潟県立歴史博物館で実験石器の埋没・放置実験を半年間実施した。土器からの食性分析の手がかりとなる炭化物のモデル生成実験をおこなった。30種類の異なる食材を縄文土器に見立てた素焼き土器で薪燃料により煮沸し水分がなくなるまで加熱する実験を計60回行った結果、それぞれ性状の異なる付着炭化物が生成した。一部を採取して炭素、窒素安定同位体分析を行い、炭化前後の同位体比の変動を計測した。その結果を実際の出土炭化物と比較した。縄文時代において主たる炭水化物源となっていたと考えられ、旧石器時代も利用されていた可能性がある堅果類の加工法の一端を探るため、あく抜きをしていない堅果類と他の食材の混合比率を変えた材料を用意し石蒸しによる調理実験を行い官能検査によって可食化の可能性を検討した。タンパク質が渋みの軽減に寄与することが明らかとなった。縄文時代中期の石皿類・磨石類の集成から各属性の分析を行い、中期に食物加工用具としての意識の転換が生じた可能性があることが判明した。
著者
横山 定治 垂水 彰二 小関 佐貴代 菊地 恵美 山田 幸子 早川 潔 八田 一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.174-181, 2002-03-15
被引用文献数
1 3

鰹節のアルコール水抽出物を食塩10%,エタノール5%条件下,醤油麹で分解することで調味料を生産し,官能検査により調味効果を検討すると共に,抗高血圧作用に関与すると言われているアンジオテンシンI変換酵素阻害(ACEI)活性,およびγ-アミノ酪酸(GABA)含量を測定した. <BR>(1) 30℃, 3ケ月の分解熟成後の値はTN 1.53%, FN0.73%, pH 5.32であった.分解途中での酵母,乳酸菌を含め微生物の増殖は見られず,醤油臭が少なく,鰹節風味の豊富な調味料が得られた. <BR>(2) 得られた調味料の食塩濃度は11.8%で,濃口醤油より低い.平均ペプチド鎖長4.7は,醤油の3.5に比較して長鎖であった.HPLC-GPCの結果から,本調味料は醤油と比較して分子量1000-3000程度のペプチドを多く含むことが認められた. <BR>(3) 得られた調味液のACEI活性は10倍希釈液で77.6%であり,IC50は1.52mg protein/mlであった.また本調味料はGABAを35.1mg/100ml含有しており,これは135.0mg/100g solidに相当した.これらの結果から,この調味料が抗高血圧作用等の生体調節機能を示す可能性が考えられた. <BR>(4) 調味料としての有用性を確認する為に,汁物,煮物,酢の物などの調理における調味効果を2点評価法により醤油との比較に於いて官能評価した.塩分を同程度に調製したにも関わらず,清汁,天つゆ,煮物の調理において本調味料は醤油の場合よりも塩辛さが有意(p<0.1)に低く感じられ,酢のものでは酸味が有意に(p<5)抑えられまろやかな味に仕上がった.
著者
八田 一郎 高橋 浩 加藤 知 大木 和夫 松岡 審爾
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1990

この研究は、リン脂質膜を中心として形成される分子集合体に対する詳細な構造解析を行うことによって、生体膜がとる基本構造を明らかにすることを目標に進められた。その1つとして、リン脂質で現われるリップル構造についての研究が進められた。これはリン脂質が自発的にとるメゾスコピックな構造で、リン脂質の形態形成機構を考察する上で重要な構造であると位置付けられる。ジパルミトイルホスファチジルコリン膜において、正常周期のリップル構造に対して2倍周期のリップル構造が出現することがあるが、それが準安定相の構造であることを示し、また、それが出現する条件を明らかにした。リン脂質・コレステロール系においては、変調されたリップル構造をとるが、その温度依存性をリン脂質膜の正常周期のリップル構造の温度変化と関連において理解できることを示した。不飽和炭化水素鎖をもつリン脂質とコレステロールの系において、その相図に着目して実験を行った結果、飽和炭化水素鎖の場合とよく似ており、この相図はリン脂質とコレステロールの間で普遍的に現われるものであることが判った。リン脂質・アルコール系で現われるインターディジテイテッド構造について、各種のリン脂質とアルコールの組合せに対して系統的にX線回折実験を行うことによって、膜中のアルコール分子の存在様式を明らかにした。ジラウロイルホスファチジルコリンにおいて、2つの液晶相があることを発見し、新しい相は従来報告されている液晶相の低温側にあり、より炭化水素鎖の乱れの少ない液晶相であることが判った。リン脂質とタンパク質の相互作用のモデルとして、酸性リン脂質とポリリジン重合体より成る系の構造解析を行い、それが静電相互作用によって理解できることを示した。ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミンの主転移での2相共存状態の振舞から、これは単純な1次相転移における共存としては理解できなく、この系独持の逐次構造遷移機構によっていることを指摘した。その他、脂質系の表面X線回折実験、X線回折・熱量同時測定などを行った。