著者
杉浦 宣彦
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.6-13, 2010-01-01

近年のわが国における電子マネーや企業ポイントの発展は目を見張るものがあるが,これらの利用にあたって,現在,どのような法規制が存在して発行体を規制しているのか,また,どのような利用者保護があるのだろうか?また,近年の発展に対応するために,2009年6月に資金決済法が成立したが,この法により電子マネーや企業ポイントをめぐる法規制はどのように変わるのだろうか?さらに,海外の電子マネー・企業ポイント規制はどのようになっており,わが国とはどのような違いがあるのか?本稿では,これらポイントを明らかにしつつ,今後の発展のために検討すべき課題を明らかにする.
著者
木下 栄蔵
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.352-356, 2006-06-01

本稿では,2004年アテネオリンピックの柔道女子選手の強さの推定にAHPを適用した事例を紹介する.また,実際のスポーツの結果推定や分析にもAHPが有効な手法であることを示す.
著者
恐神 貴行 大塚 誠
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.221-226, 2015-04-01

人が選択肢集合の中から最も魅力的な選択肢を選ぶときに,各選択肢の魅力は他の選択肢に何があるかに強く影響を受ける.特に,魅力効果,妥協効果,類似効果は,人の選択に影響を与える代表的な効果として知られている.ところが,標準的な選択モデルである多項ロジットモデルは,これらの効果を表現することはできず,人の選択を予測する目的において,その予測精度が問題になることがある.これらの効果を定量的にデータから学習するために,制限ボルツマンマシンを用いた選択モデル(RBM選択モデル)が最近提案された.本稿では,このRBM選択モデルをわかりやすく解説する.
著者
稲葉 言史
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.318-323, 2014-06-01

本稿では,2013年の7月から12月までの期間に高大連携プロジェクトに参加した茨城県立日立北高等学校の高校生7名で構成される日立北A班と,ティーチング・アシスタントである大学院生2名と学部生1名による取り組みを紹介する.
著者
久保 幹雄
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.589-594, 2014-10-01

本稿では,実際問題であらわれる難しい最適化問題を短時間で解くための方法論について論じる.最適化プロジェクトを路頭に迷わせないためには,次々とクライアントから要求される付加条件や変更条件を柔軟に取り扱えること,修正が短時間で完了すること,可視化やデータ解析が容易であることが必要である.ここでは,単なる哲学ではなく,Python言語による具体的な実装例を用いてコツを伝授する.
著者
無藤 望
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.198-203, 2013-04-01

本稿では,ゲーム理論で登場するゲーム木の上で定義される戦略の複雑度を導入し,複雑度を考慮するときゲームの帰結がどのように変化するかを議論する.特に,逐次手番囚人のジレンマの無限回繰り返しゲームにおいて協力が達成されるかを見るためには,戦略の複雑度を慎重に定義する必要があることを示す.
著者
伊藤 雅
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.27-32, 2004-01-01
被引用文献数
1

日本では一時, 都市公共交通の要として隆盛を極めた跡面電車であるが, 欧州では現在でも都市公共交通を支える正要な柱であるだけでなく, いったん廃止した都市において再び導入する動きまで出ている. ここまで注目される路面電車の魅力は何なのか. そこには欧州における路面電車の利便性へのあくなき追求と交通政策に対する考え方の違いが存在している. 筆者の研究テーマとしてドイツヘ渡った経験をもとに欧州路面電車の魅力に迫る.
著者
一森 哲男
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.1-14, 2013-12

この論文は議員定数配分問題を扱う.すなわち,人口に比例して議席を配分するテーマを扱う.本論文の目的を具体的に言えば,著者が最近提案した配分方式である緩和除数方式が比例方式であることを証明し,歴史上の五つの議席配分方式(Adams方式,Dean方式,Hill方式,Webster方式,Jefferson方式)との関連性を明らかにすることである.妥当な配分方式はすべて比例方式なので,当然,緩和除数方式も比例方式であるべきである.これら5方式の内,2方式しか緩和除数方式ではないが,5方式全体との関係を俯瞰することは重要である.
著者
末吉 俊幸
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.261-275, 1997-06
被引用文献数
4

本研究の目的は最小絶対値法が現在広く使われている最小二乗法に匹敵しうる種実用性の高い回帰分析手法であることを示すことにある。本論文の前半では、18世紀にさかのぼり、その歴史的考察を行うとともに、最小絶対値法を目標計画法の視点で考察する。後半では、最小絶対値法に関する統計理論とその統計的検定への応用を示した。重要なことは、最小絶対値法も最小二乗法も数理計画法でモデル化され、従来とは違った理論展開と応用可能性が開けることにある。