著者
小泉 周司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.611-621, 2007 (Released:2007-02-01)

近年,RF-IDやICカードなど,最新のIT技術を活用した図書館の利用者サービスは,急速に普及しつつある。那珂市立図書館においては,上記の技術を導入するとともに,さらに利便性,セキュリティ,省資源などを考慮し,生体認証技術(手のひら静脈認証技術)を取り入れた,カードレス運用による新しい図書館サービスを開始した。本稿は生体認証技術導入に至る背景,経緯,技術的な検証,現状の課題,効果等を具体的に説明し,カード社会からカードレス社会への移行の試みについて考察を述べる。
著者
岡田 小枝子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.455-461, 2015-09-01 (Released:2015-09-01)
参考文献数
3

研究機関や大学と社会をつなぐ科学コミュニケーションである科学技術広報は,国民からの理解や支援と同時に,国民の要望を取り込んだ研究活動を進めたり,海外の研究者や学生を獲得したりするうえで大事な業務を受け持っており,その重要性は年々増している。しかし,どのように目標設定をし,どのような手段で行えばよいのか,その実践はたやすくはなく,業務を担う広報担当者は模索を続けているのが現状である。そうした中,研究機関や大学などの広報担当者が,所属する組織の枠を超えて,広報活動における問題意識・問題点を共有し,それらを通して互いに助け合い,ともに成長していくことを目指して2007年に立ち上がったネットワークが,科学技術広報研究会(Japan Association of Communication for Science and Technology: JACST)である。設立以来,メーリングリスト(ML)での日常的な情報交換や意見交換,勉強会,実務協力,サイエンスアゴラへの参加,ワークショップやシンポジウムの開催など,活発な活動を続けてきた。本稿ではJACSTのこれまでの活動と今後の展望について紹介する。
著者
サイエンスウィンドウ編集部
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
サイエンスウィンドウ (ISSN:18817807)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.1-37, 2018 (Released:2018-07-31)

目次 特集 乗りものが変わる、未来を変える p.03 ~過去から今へ~ p.04 乗りものの歴史 p.08 LRT で今変わりつつある街と交通 太田勝敏 東京大学名誉教授 p.12 人の暮らしを変える自動運転技術 日産自動車株式会社 株式会社ディー・エヌ・エー p.16 自動運転によって生み出される新しい社会 河口信夫 名古屋大学未来社会創造機構教授 p.20 ~今、そして未来へ~ p.21 誰もが宇宙へ行ける時代がやってくる 緒川修治 PDエアロスペース株式会社 代表取締役社長 p.25 移動手段のイノベーションとは? 津田佳明 深堀昂 ANA ホールディングス株式会社デジタル・デザイン・ラボ 連載 p.28 カガクのめばえ 第1回 大村智さん 3 億人もの人々を熱帯病から救ったノーベル生理学・医学賞受賞者 p.32 観察法のイロハのイ 日本の夏の風物詩 金魚 岡本信明 学校法人トキワ松学園理事長・横浜美術大学学長 p.35 Open the Window~サイエンスウィンドウと子どもたち~ 主体的な学びで生物観察とタブレット学習を両立 さいたま市立芝原小学校6 年生
著者
池内 有為
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.241-249, 2016-06-01 (Released:2016-07-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1

2016年3月,分野や地域を超えた研究データの共有を目指すResearch Data Alliance(RDA)の第7回総会が東京で開催された。本稿は,総会と関連イベントを時系列に沿って紹介する。RDA総会を通じて,欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)などの国際的な政策や課題が共有された。課題ごとに設置されるRDA分科会については,(1)全分野の研究者を対象としたデータサイエンス教育の構想,(2)研究データの相互運用のための法的枠組みの策定,(3)永続的なデータリポジトリ運営のための収益モデルに関する議論を取り上げた。RDA総会前後のイベントでは,日本のステークホルダーや多分野の研究者による活発な意見交換が行われ,アジアや国内のコミュニティーも発足した。RDAと同様に,分野や組織を超えてベストプラクティスや課題を共有することによって,日本のオープンサイエンスの取り組みが加速するだろう。
著者
飯田 建
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.243-253, 2011 (Released:2011-08-01)
被引用文献数
2 3

小中学校の「調べ学習」や「総合的な学習の時間」において,子ども用百科事典は重要な役割を果たす。『総合百科事典ポプラディア』全12巻は,9年前に刊行され,このたび改訂された日本で唯一の子ども用百科事典である。『ポプラディア』刊行は,子どもたちの「生きる力」,問題解決力を育てる教育のなかで百科事典を望む声が大きくなっていったことを背景としている。『ポプラディア』は五十音順の百科事典である。項目の選定や編集方針をはじめとする製作の過程について解説し,学校図書館における利用について紹介する。さらにデジタル化およびインターネット版「ポプラディアネット」の開発,9年ぶりの改訂について記す。あわせて図書館とインターネットが教育の中で果たしている役割と課題についても触れる。
著者
時実 象一 井津井 豪 近藤 裕治 鶴貝 和樹 三上 修 野沢 孝一 堀内 和彦 大山 敬三 家入 千晶 小宮山 恒敏 稲田 隆 竹中 義朗 黒見 英利 亀井 賢二 楠 健一 中西 秀彦 林 和弘 佐藤 博
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.555-567, 2011 (Released:2011-12-01)
参考文献数
40
被引用文献数
2

現在海外では科学技術医学分野における主要学術雑誌の論文はほとんどPDFとともにHTMLでオンライン公開されている。これらは内部的には各種SGMLまたはXMLで編集されているが,外部に対しては,ほとんど米国医学図書館(National Library of Medicine: NLM)が策定したNLM DTD(NLM Journal Archiving and Interchange Tag Suite)にしたがったXMLで流通している。しかし日英混在の書誌・抄録・引用文献情報を持つわが国の多くの学術論文は,英語世界で生まれたNLM DTDで適切にXMLで表記することができなかった。筆者らはこのNLM DTDを,日本語を含む多言語に対応できるよう拡張するためのワーキング・グループSPJ(Scholarly Publishing Japan)を結成し,米国のNLM DTDワーキング・グループと連携しながら検討・提案を行った。その結果は2011年3月にNISO(National Information Standards Organization)のJATS(Journal Article Tag Suite)0.4(NLM DTD 3.1が移行)における多言語機能として公開された。本稿では,学術論文におけるSGML,XMLなどマークアップ言語の利用の歴史を振り返るとともに,SPJの活動の経緯,実現したJATS 0.4の概要について述べる。
著者
安部 耕造 矢口 学 嶋瀬 俊太郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.400-405, 2011 (Released:2011-10-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1 3

科学技術振興機構(JST)は,2008年12月に行った調査に引き続き,企業における電子ジャーナルの導入等に関するアンケート調査を2011年2月から3月にかけて実施し,企業等に所属するJDreamII利用者507名から回答を得た。その結果,企業での電子ジャーナル導入状況は前回の調査から若干の進展が見られるものの,いまだ低い水準にとどまっていることが明らかになった。
著者
久古 聡美 吉田 曉 中山 正樹
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.313-323, 2006 (Released:2006-09-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

国立国会図書館が目指している「国立国会図書館デジタルアーカイブポータル」は,広く国のデジタルコンテンツ全体へのナビゲーションを行うことを目指すものである。平成19年度以降の稼働に先立ち,プロトタイプを構築し「統合検索」のために必要な機能の検証を行ってきた。本稿ではプロトタイプの概要を示し,さらに今後の方向性について述べる。デジタルアーカイブを保有する各機関にWebサービスによるサービス提供機能の実装を呼びかけるとともに,Web2.0時代にふさわしいポータルの構築を目指し,機械的な連携とデジタル情報の一層の利活用を図る。