著者
丸山 高弘
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.554-563, 2011 (Released:2011-01-01)
参考文献数
3

「図書館はICTに疎い」と言われたことをバネとし,ICTに明るく強いライブラリアンを全国の図書館に広げたい。閉塞感の中にある日本の図書館をヤバくする集団として未来に向けて打ち上げられた団体Code4Lib JAPANの設立コンセプト,ビジョン,ミッションそしてアクションを述べるとともに,これからの図書館員に求められるICT素養について言及した。
著者
黒沢 努 水田 寿雄 小賀坂 康志
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.286-292, 2015-07-01 (Released:2015-07-01)
参考文献数
1
被引用文献数
1 1

JSTは前身のJRDC創設以来,50年以上にわたり基礎研究や産業化を通じてイノベーション創出を目指す戦略的研究ファンディング(資金提供)を実施してきた。その結果,数々のノーベル賞受賞者を輩出し,我が国の科学技術の発展に貢献してきた。すでに日本は超高齢社会と人口減少の時代に突入し,科学技術関係予算は大きく伸びる可能性は少なく,限られた科学技術関係予算でグローバル競争を勝ち抜かなくてはならない。JST-FMDBは,将来にわたって必要性の高まるイノベーション戦略策定等を情報面から支援する情報分析基盤を提供するものであり,JSTが研究開発資金を提供した2万件以上のファンディング情報の蓄積と日本最大の研究資金助成事業である科研費の情報を横断的に検索・分析できる仕組みとなっている。本稿では,JST-FMDBの構築プロセスと将来に向けたファンディングにおける情報の役割について述べる。
著者
山谷 知行
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.21-27, 2013-04-01 (Released:2013-04-01)

日本植物生理学会は,1959年(昭和34年)に208名の発起人で設立され,同年に英文誌であるPlant and Cell Physiology(PCP)の第1巻第1号が発行された。本学会は,1954年に設立準備が進められた国際植物生理学連合に対応できる日本の学会として,また理学・農学・薬学など,異分野で植物生理学研究に携わる研究者交流の場を提供することを目的とした。以後,50年以上経た現在では,個人会員数は約2,400名,2011年のインパクトファクターは4.702と,国際的にも認知度が高い植物科学分野の学術雑誌となっている。本学会の現在の目的は設立当初と変わっておらず,会員の研究発表と交流を活性化することと,PCPを刊行し植物生理学分野の学術的成果を世界に発信することである。
著者
渡邊 健 小谷 允志 伊藤 真理子 小根山 美鈴 白川 栄美 山田 敏史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.315-322, 2014-08-01 (Released:2014-08-01)
参考文献数
3

ISO 30300は記録のマネジメントシステム(MSR)の国際標準である。われわれは小規模な勉強会を通じてISO 30300の理解と分析を試みた。すでに記録管理の国際標準として浸透しているISO 15489を参照しながら,両者の違い―実務レベルから戦略レベルへ―が具体的にどのように盛り込まれているのかを検証した。ISO 30300ではMSRの原理原則とともに,ますます複雑化する記録管理を効果的・効率的に実践するために,トップマネジメントが率先してMSRを実行することの重要性が述べられている。日本のビジネス界では,いまだに体系的な記録管理に対する理解が深まらない状況にあり,ISO 30300の公式な邦訳版も存在しない。われわれの勉強会では結果的にISO 30300の全文邦訳も完了することができた。今後JIS化を含め,ISO 30300シリーズの普及にかかわりをもっていきたい。
著者
菊池 誠
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.874-881, 2013-03-01 (Released:2013-03-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

科学基礎論学会はわが国の指導的な科学者や哲学者によって1954年に設立された数学や心理学,工学を含む広い意味での科学の基礎や哲学について論じる学会であり,1954年から和文誌を,1956年から欧文誌を刊行している。本稿ではまず科学基礎論学会の欧文誌刊行の現状を例に,わが国において人文社会系の研究分野で欧文誌を刊行することの意義と難しさについて論じる。次に,学術誌の標準的な評価基準となっている被引用数と採択率を改善するための方法を紹介し,このような数値的指標によって学術誌を評価することの問題点について論じる。最後に,学術誌と学会の役割の多様性と,それらの協力の重要性について論じる。
著者
林 隆之 山下 泰弘
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.665-679, 2011 (Released:2011-03-01)
参考文献数
7
被引用文献数
2

大学評価の制度化,組織単位の競争的資金の増加,大学の機能別分化など,大学が組織として研究活動の自己分析を行い,戦略を形成していくことが求められる状況が増している。本稿では,まず国立大学評価の方法を概観し,大学における研究活動の自己分析にどのような能力が必要となっているかを説明する。その上で,ビブリオメトリクス手法を用いて,国立大学の法人化以降の日本の大学の状況を生産性や集中度の状況から分析する。さらに,研究分野の多様性を実現している構造や学内での研究重点化の状況を事例的に分析することを通じて,各大学で求められる自己分析の視点を検討する。
著者
梅津 健志 飯田 建
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.325-334, 2011 (Released:2011-09-01)
参考文献数
3

書籍版の子ども用百科事典である『総合百科事典ポプラディア』(全12巻)のデジタル化によるDVD-ROM版「デジタルポプラディア」の製作と、そのオンライン化による「ポプラディアネット」の開発について述べ,「ポプラディアネット」の特徴を説明した。次に,柏市の小学校における「調べ学習」の取り組みと,それを支える学校図書館の整備について述べた。柏市では,図書館とコンピューター室を一体化して学習情報センターとし,調べ学習に図書とインターネットを有効活用している。また,子どもたちがインターネットにアクセスしたときに,初期画面として,リンク集を整備した学習メニューが表示されるように設定している。「ポプラディアネット」の具体的な活用実践例を取り上げ,「ポプラディアネット」が情報ソースとしても辞書的にも活用されていることを示した。最後に,教育現場におけるネット環境の整備,オンラインデータベースの利用指導が重要であることを述べた。
著者
守屋 文葉
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.12-20, 2013-04-01 (Released:2013-04-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

世界各国には多数の図書館コンソーシアムが存在する。本稿ではその中からイギリス,フランス,韓国,カナダの事例を紹介し,それらと比較しながら,大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)の組織と活動を概観する。また,2013年度から会員制への移行と会費の徴収が行われるが,その意義について述べる。
著者
國岡 崇生 田村 友紀 山崎 文枝 堀内 美穂 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.662-669, 2012-12-01 (Released:2012-12-01)
参考文献数
3
被引用文献数
3

科学技術振興機構(JST)は,科学技術文献データベースにおける統制語索引に用いる「JST科学技術用語シソーラス」,同義語,異表記語を収録した「大規模辞書」など複数の用語辞書を所有している。これらの辞書が持つ,各用語の上位下位関係や同義関係など用語間のさまざまな関係性をもとに統合的に可視化を行うJSTシソーラスmapを開発した。JSTシソーラスmapの持つ機能,開発の目的などを紹介する。
著者
新井 紀子 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.533-544, 2011 (Released:2011-12-01)
参考文献数
18

科学技術振興機構が提供してきた研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)と,情報・システム研究機構が提供してきたResearchmapは2011年11月をもって正式統合を果たし,ReaD&Researchmapとして新たなサービスを開始した。本稿では,研究資源・研究情報が各時代のニーズおよび技術の下でどのように収集・利活用されてきたかを概観するとともに,研究資源が発生時点からデジタルであるようなボーンデジタル時代に学術研究情報のエコシステム(循環型情報活用基盤)を今後いかに確立すべきかについて述べる。
著者
國岡 崇生 宮村 和実 植松 利晃 堀内 美穂 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.582-590, 2012-11-01 (Released:2012-11-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

科学技術振興機構(JST)は2009年よりβ版として公開したJ-GLOBALのリニューアルを行い,2012年9月に正式版をリリースした。正式版のサービス設計にあたっては,検索行動モデルとJ-GLOBALのサービスの特徴・登載データを比較し検証を行った上で,サービス設計を実施した。また,正式版のJ-GLOBALは,検索エンジン機能と画面インターフェース側を切り分けて,システム拡張の柔軟性を持つシステム構成となっている。J-GLOBAL正式版の機能や特徴について,サービス設計と合わせて紹介する。
著者
三輪 唆矢佳 安藤 聡子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.329-338, 2012-08-01 (Released:2012-08-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

リサーチフロントとは,「強い共引用関係によって結び付けられる高被引用論文(Highly Cited Papers)グループ」を指す。それらの論文グループが示すのは確固たる名前のついた研究分野として確立する以前の「先端研究領域」と考えられる。本稿ではリサーチフロントの概念を解説し,この手法によりどのような研究評価が可能かを考察する。そして,過去3回行われたトムソン・ロイターの「リサーチフロントアワード」を振り返り,その意義と日本の研究の萌芽を紹介する。リサーチフロントの概念は,国の重要な科学技術関連資料に取り入れられている。研究機関・大学の研究評価のためのビブリオメトリックス手法の1つとして,インフォプロにとっての活用例を紹介する。