- 著者
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田邉 智
- 出版者
- 大阪産業大学学会
- 雑誌
- 大阪産業大学人間環境論集 (ISSN:13472135)
- 巻号頁・発行日
- no.16, pp.105-117, 2017
本研究では,バスケットボール選手における上肢のプライオメトリックトレーニングがショットに与える影響を調べるために,腕伸展力,伸展パワー,ショット時のボール初速度,投射角度,水平方向,垂直方向のボールリリース位置,最大到達点高,そして遠投距離を測定した。20名の高校女子バスケットボール選手に対し,メディスンボールを使って 週3日のプライオメトリックトレーニングを12週間行わせた。結果は以下の通りである。1)トレーニング後,腕伸展力,伸展パワー,そしてすべてのショット地点からのボール初速度が向上した。このことから,プライオメトリックトレーニングがボール初速度を増加させるために有用であることが明らかとなった。2)トレーニング後,すべての地点からのショット成功率は有意に増加した。3)トレーニング後,ショット成功率を高めるために,ボールの初速度を大きくして高い弧を描くようなショットによって入射角を大きくしていた。4)トレーニング後,バスケットボール選手は至適投射角度を維持しながら高い弧を描いたショットを打つために,より身体に近い位置からショットを打っていた。