著者
岡野 元哉 和田 年史
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus (Journal of the Malacological Society of Japan) (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.58-62, 2012

We investigated size structure and reproduction of violet shell Janthina prolongata stranded on the coast of Iwami-cho in eastern part of Tottori Prefecture, southwestern Sea of Japan, on 27 September, 2010. Shell length (SL) exhibited a bimodal size distribution with a range of 6.08–40.36 mm. Our results also indicated that individuals of more than 27.4 mm SL laid egg capsules under their bubble raft. Moreover, there was a significant positive correlation between the length of egg capsules and SL. Larger individuals had shrunken and differently colored egg capsules on the forefront of bubble raft, suggesting that J. prolongata might lay egg capsules intermittently.
著者
中上川 小六郎
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.65-67, 1964-08-10
著者
間嶋 隆一
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.57-74, 1987-07-15
被引用文献数
2

This study deals taxonomically with Japanese fossil and modern species of Glossaulax. The following species are recognized in Japan : Glossaulax didyma (Roding), G. bicolor (Philippi), G. hyugensis (Shuto), G. hagenoshitensis (Shuto), G. nodai Majima, G. reiniana (Dunker) and G. vesicalis (Philippi).

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著者
日本貝類学会
出版者
日本貝類学会
巻号頁・発行日
1960
著者
西村 和久
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.63-66, 2005-10-30
被引用文献数
1
著者
野間 達郎
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.5, no.8, pp.242-243, 1969-12-30
著者
田中 彌太郎
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.61-65, 1979-04-30

1977年10月中旬, 島根県江津市波子地先において漁獲された茨城県鹿島浦産の放流再捕コタマガイと地先で大発生したオキアサリにまじって, 両種の中間形と思われる識別困難な成貝が多数見出された。この中間形貝の所属に関する漁業関係者の質問にこたえて, 上記者の殻のいずれも稚小期に相当する殻頂部の彫刻を検した結果, その特徴は中間形貝はオキアサリと合致し, 輪郭, 大きさなどはややコタマガイに類似の傾向を示した。この事実から, 中間貝は, オキアサリの自然生息域に産卵期が等しく, 再生産可能なコタマガイを, 毎年多量に移殖したために自然下で生じた雑種であると思われた。
著者
高田 宜武
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.157-172, 2001-09-30
被引用文献数
4

九州天草の傾斜の緩やかな転石地潮間帯において, 同所的に生息する9種類の藻食性貝類の日周期活動を観察した。観察は夏期に4回(うち2回を大潮時, 2回を小潮時に)行った。3種類の巻貝類(スガイ・アマガイ・タマキビ)では, 転石上面で移動中の個体を「活動中」, 転石上面で停止しているものを「停止中」として記録した。5種類のカサガイ類(コウダカアオガイ・クモリアオガイ・アオガイ・ホソスジアオガイ・ヒメコザラ)と1種類のヒザラガイ類(ケハダヒザラガイ)では, 移動の有無に関わらず, 転石上面に出現している個体を「活動中」として記録した。昼夜および潮汐の状態と関連して, 活動パターンの種間変異が認められた。アマガイとタマキビは, おもに夜間の干出状態で活動した。ケハダヒザラガイとアオガイ類は, おもに夜間の干出状態と波に洗われている状態で活動した。スガイとヒメコザラは夜間によく活動し, 潮汐とは無関係であった。このような活動パターンを2つに類別すると, 活動期が限定されている種(ケハダヒザラガイ・アオガイ類・タマキビ・アマガイ)では貝の排泄した糞中の無機質含有量が少なく, 活動期が広範囲な種(ヒメコザラ・スガイ, およびイシダガミガイ)では糞中の無機質含有量が多い, という関連性が見出せた。活動期が広範囲な種は, 限定されている種と比較して, 冠水中の活動時に転石上面に沈殿した無機質粒子を摂食する機会が多いものと推測される。
著者
風呂田 利夫 須之部 友基 有田 茂生
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.15-23, 2002-06-30
被引用文献数
2

東京湾ならびにその近隣の干潟において, ウミニナ科ならびにキバウミニナ科に属する腹足類の地域個体群がホソウミニナを除いて消滅しつつある。埋め立てにより閉鎖状態で孤立化して存在する東京湾奥部の谷津干潟には, ウミニナ科のウミニナBatillaria multiformisとホソウミニナB. cumingiが生息する。この干潟でのウミニナ類の個体群調査結果から, ホソウミニナは新規加入による個体群の急激な増加傾向が認められたが, ウミニナは長年にわたり老齢個体がわずかに残るのみで, 絶滅が危惧される。ウミニナを水槽飼育したところ卵鞘を生産し, その中からプランクトン幼生が孵化した。谷津干潟は干潮時にはほぼ前面が干出するため, 干潟で孵化したウミニナのプランクトン幼生は東京湾水中に移送されると考えられる。東京湾ではウミニナの生息地である干潟は埋立により孤立的にしか残っておらず, また幼生が放出される夏期は底層の貧酸素化が著しい。したがって, 東京湾水に移送された幼生が干潟に回帰し着底できる可能性は低く, このことがウミニナの新規加入を抑制していると推察される。これに対して, 直達発生により親の生息場に直接加入できるホソウミニナ(Adachi & Wada, 1997)では, 親個体群が形成された後は同所的再生産により個体群は比較的容易に継続もしくは拡大されると推察される。これらのことは, 孤立化した干潟におけるウミニナ類の個体群維持において, プランクトン発生は不利に, 直達発生は有利に機能する可能性が高いことを示唆している。
著者
近藤 高貴
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.181-198, 1982-10-31
被引用文献数
4

マツカサガイ属にはマツカサガイ, オバエボシガイ, オトコタテボシガイの3種が知られていた。これら3種について再記載を行なうとともに, 新種ニセマツカサガイの記載を行なった。ニセマツカサガイはマツカサガイに非常によく似ているが, マツカサガイより殻のふくらみが強く, 後縁がまるく少し湾曲していることにより区別できる。またグロキディウム幼生はマツカサガイとオバエボシガイでは楕円形の無鉤子幼生(いわゆるLampsilis型)であるのに対して, ニセマツカサガイでは亜三角形の有鉤子幼生(いわゆるAnodonta型)でオトコタテボシガイの幼生に酷似している。しかし親貝では, オトコタテボシガイの殻頂はニセマツカサガイより前方に位置することでこの2種は容易に区別できる。マツカサガイ属4種の類縁関係を主成分分析により調べた。その結果, マツカサガイが最も原始的な種と考えられ, ニセマツカサガイはマツカサガイから, オトコタテボシガイはニセマツカサガイから分化したものと推測された。またオバエボシガイはこれら3種とは系統的にかなり離れていると考えられた。
著者
木村 昭一 河辺 訓受 矢橋 真
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.24-26, 2007-08-31

オウギウロコガイは,ウロコガイ科の新種として波部(1958)により熊本県天草郡苓北町富岡を模式産地として記載された。同時に「殻表に太い放射肋を有し,腹縁が開かないこと」を根拠にGaleommela属が新設された。原記載時に模式産地以外の分布として和歌山県田辺湾があげられ,その採集者の内海富士夫博士に献名されている。和田・他(1996)では「現状不明」とされ生息に関する情報の非常に少ない種で,分布域は東京湾・能登半島以南,瀬戸内海,四国,九州(肥後・後藤,1993)とされているが,具体的な採集報告は和歌山県田辺湾・串本町(三島・三長,2002)以外ない。原記載(波部,1958)を含めて軟体部の形態や生態がほとんど明らかにされていない。静岡県浜名湖の舞阪湾に位置する錨瀬干潟には現在全国的に生息場所や生息数の減少している貴重な内湾性貝類が多く生息している(木村,2006;河辺,2004a,2004b,2005)。筆者らは,オウギウロコガイを2003年4月19日に錨瀬干潟で採集したので,ウロコガイ科の分類学的な特徴として重要な軟体部や貝殻の特徴を記述すると共に同所における生息状況を報告したい。
著者
加藤 真 大須賀 健
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.291-297, 2007-02-28

琉球列島のサンゴ礁のウミヒルモ海草藻場で,ニッコウガイ上科の新種が発見された。この二枚貝は,左右やや非相称で,著しく扁平で小さな殼と,垂直方向に伸びるよく発達した弾帯,痕跡的な外靫帯,間隔のあいた顕著な成長脈,伸長した入水管・出水管,三角形の内・外半鰓によって特徴づけられる。この貝の属の所属については,ニッコウガイ科やアサジガイ科の近縁属の分類の再検討が必要であるが,私たちはこの貝をSemelangulus lacrimadugongiがn. sp.ザンノナミダ(新種・新称)として記載する。この貝の産地はいずれも,ジュゴンが現在でも生息しているか,または近年まで生息していた場所にあたる。
著者
金丸 但馬
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.93-94, 1970-09-30
著者
金丸 但馬
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.27-28, 1970-03-28
著者
平野 義明
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.35-47, 1979-04-30

岩礁性潮間帯中潮亜帯から高潮亜帯にかけて生息するマツバガイの習性および活動パターンについて, 向島臨海実験所近傍の観音鼻海岸において主として1977年7月から8月にわたり調査を行なった。本種は露出した岩面と岩のわれ目の中とに静止場所をもち, 帰家習性を示す。往復路は互いに異なった道筋をたどることが観察され, 帰家の機構はかなり複雑なものと推察される。また露出岩面に生息していた小型個体が生長に伴い近くのわれ目を静止場所とすることも観察された。行動距離は1日当り平均119cmであり, この値は光および潮汐条件の組み合わせによって変化した。光および潮汐状態が異なった組み合わせの観察期間2組(各々TYPE-AとTYPE-Bと名付けた)を選んで互いに比較した。TYPE-Aでは日没直後が高潮となり, TYPE-Bでは日没時と最干潮時が一致している。冠水時の行動個体数を比較すると昼間よりも夜間に多くの個体が活動し, 空気中に貝が露出した状態では昼間は全く動かないが夜間は冠水時よりも多数の個体が活動した。これらの結果から, マツバガイは夜行性が強いと言うことができる。行動の継続する間, 活動量には変化が認められた。進路の垂直方向要素は, 被水冠水状態では昼夜にかかわらず潮汐の上下方向に一致し, 露出状態で日没を迎えた場合は下方向であった。すなわち, 活動量の変化は, これらの垂直方向の動きの転換時に対応している。以上, 本種で得られた結果と他種カサガイの報告を比較すると, 潮汐と昼夜の条件に対する行動のリズム, 方向, 帰家習性の程度などにおいてマツバガイは固有の活動パターンを示している。
著者
奥谷 喬司 宮崎 淳一
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.49-55, 2007-07-31

1992年に深海潜水調査船「しんかい6500」によって鳥島海山の水深4037mで発見されたニタリクジラの遺骸を2005年再訪して調査した。その鯨骨上に優占的に固着群生しているイガイ科の貝類を研究した結果,形態上からも,また分子情報からもBenthomodiolus属の未記載種と思われるのでBenthomodiolus geikotsucola n. sp.ゲイコツマユイガイ(新種)の名を与え記載した。本種の殻は浅海の鯨骨に付くヒラノマクラAdipicola pacificaや沈木に付くツマリキザミバマユイガイIdasola washingtoniaに似るが,交板上に刻みめがなく,筋肉系の配置が異なる。本属にはこれまで沈木に付くB. abyssicolaとB. lignocolaの2種が知られているが,それらとは殻皮毛と放射線状彫刻を欠くこと及び後部足糸牽引筋束が著しく長く,その左右束が極めて接近して走る点で既知種と区別できる。本種は今のところ鳥島海山の鯨骨(水深4020-4036m)からしか採集されていない。