著者
小林 洋一
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.564-575, 2011-12-28 (Released:2012-08-03)
参考文献数
9

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著者
大圃 研
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.3-9, 2011-02-28 (Released:2011-09-01)
参考文献数
16
著者
森 智昭 金井 英倫 寺崎 雅子 門田 哲弥 嶋根 俊和 三邉 武幸
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.547-552, 2012 (Released:2013-06-07)
参考文献数
17

背景:IgA腎症は慢性糸球体腎炎のうち,糸球体メサンギウム細胞・基質の増殖性変化と,メサンギウム領域へのIgAを主体とする沈着物を認める疾患である.近年IgA腎症患者に口蓋扁桃摘出術とステロイドパルス療法を行う扁摘パルス療法の有効性が注目されている.またIgA腎症患者の口蓋扁桃では,慢性扁桃炎患者の口蓋扁桃と比較して病理組織学的に異なった特徴を示すとされている.対象,方法:昭和大学藤が丘病院腎臓内科で2007年から2008年にIgA腎症と診断され,口蓋扁桃摘出術を施行した49例の口蓋扁桃の病理組織学的特徴について検討した.結果:IgA腎症患者の口蓋扁桃では,リンパ濾胞の大きさが大小様々で境界が不明瞭となる,濾胞間領域も不規則に拡大,上皮では上皮間に形質細胞系細胞が増加・充満するといった特徴を各項目で半数以上の症例で認められた.結論:IgA腎症患者の口蓋扁桃には特徴的所見を高率に認めた.これらの特徴とIgA腎症の病態との関連は明らかではなく,今後の検討課題と考えられる.
著者
土佐 泰祥
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.148-157, 1992-04-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
29

今日, 鼻副鼻腔炎の原因として鼻腔形態異常が重視されてきており, また口唇口蓋裂患者の術後に鼻閉感を訴える場合があり, 鼻腔形態や鼻腔容積の異常が鼻腔通気度・鼻閉感に影響していることが考えられている.しかし, 鼻腔形態について詳細に調査した報告は少なく, 鼻腔容積についての報告はみあたらなかった.今回, 鼻腔領域疾患の診断・治療あるいは口唇口蓋裂患者の術前・術後の検討への応用の前段階として, 8~23歳の健康ボランティア69例 (男性: 17例, 女性: 52例) 平均年齢16.3±4.1歳に, MRIを用いて鼻腔領域の撮影を行ない, 鼻腔容積を求め, 年齢・身長・体重に対する相関関係について調査・検討を加えた.使用機種は, シーメンス社製のマグネトームM10で, 1.0テスラの磁場強度の超伝導型装置で, 撮像条件はT1強調像, 繰り返し時間TR 600msec, TE 19msecのshortスピンエコー法で, スライス幅は3mmまたは4mmでギャップレスとし, 断層面は横断面を撮影した.鼻腔としては, 前方は梨状口部まで, 後方は後鼻孔部まで, 側方は上・中・下鼻甲介および鼻道を含み, 前頭洞・上顎洞などの開口部までとし, 上方は脳頭蓋の一部まで, 下方は口蓋の上面までとした.横断面の基準線としては, 正中矢状断面像で鼻根部最陥凹点と橋延髄移行部を結んだ線を選んだ.これはCTでよく用いられるCMラインとほぼ一致するからである.鼻腔容積は, 各々の横断面の断面積をMRI装置付属のディスプレイコンソールを用いて直接トレースし, スライス幅を掛けて柱状の容積を出し, これらを積み重ねて容積を算出した.8~23歳の対象を5つの年齢群 (1) 8~10歳, (2) 11~13歳, (3) 14~16歳, (4) 17~19歳, (5) 20~23歳に分けた.鼻腔容積・身長・体重の平均を年齢群別でみると, 身長・体重の伸びは16歳ころでほぼプラトーとなっているのに比べ, 鼻腔容積の増加は, 20歳ころまで続いていた.統計学的解析として, 鼻腔容積と年齢, 身長, 体重, について, ピアソンの相関係数・回帰直線を求め, 有意の相関係数・回帰直線を得た (p<0.05) .また, 男性群と女性群との間で相関係数と回帰直線の傾きで有意の差を認めなかった.統計学的処理では鼻腔容積に対して年齢, 身長, 体重で比較的強い相関関係が認められ, 体重との相関に比べ身長との相関がより強いという結果を得た.
著者
高橋 信一
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.550-555, 2003-12-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
5
著者
丸井 輝美 力武 諒子 柴田 昌和 江連 博光 伊藤 純治 鈴木 雅隆 後藤 昇
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.259-263, 2005-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

2003年度昭和大学医学部解剖学実習で, 58歳男性 (癌性悪液質・下咽頭癌により死亡) のご遺体で大動脈弓から左椎骨動脈が直接分岐する例に遭遇したので報告する.本例はAdachi-Williams-中川分類のC型に相当し, Adachiの報告では日本人の出現頻度は約5%で, 当大学の本年度解剖実習では30体中1例 (出現頻度: 3%) であった.本例は, 大動脈弓の第一枝として腕頭動脈が起始, 第二枝として左総頚動脈が分岐し, 第三枝として左椎骨動脈が大動脈弓から分岐していた.また, 左椎骨動脈は第4頚椎の横突孔に入り上行していた.一般的に左鎖骨下動脈は大動脈弓からの第三枝として起始しているが, 本例では第四枝として起始していた.
著者
船津 康裕 神長 憲宏 浦上 尚之 千野 晶子 岩重 元栄 遠藤 豊 藤田 力也
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.84-93, 2001-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
24

クローン病の治療方針を決める指標として大腸内視鏡所見が応用可能かどうかについて臨床検討を行った.対象は成分栄養療法を行った, 大腸及び終末回腸に病変を有する23例のクローン病症例 (大腸型9例, 小腸大腸型10例, 小腸型4例) である.目的はクローン病の活動性の指標であるIOIBD, CDAI, 血沈 (ESR) , CRPと, 胃潰瘍病期分類に準じた内視鏡的潰瘍stage分類の比較を行い, 内視鏡検査の有用性を検討した.IOIBD, CDAIおよびCRP, ESRの緩解までの期間と, 内視鏡所見で潰瘍が治癒するまでの期間とを比較すると, 緩解が得られた時点での内視鏡像は治癒過程期16例 (H1stage1例, H1H2stage1例, H2stage2例, H2S1stage12例) , 瘢痕期7例 (S1stage4例, SIS2stage2例, S2stage1例) であり, 全ての潰瘍が瘢痕化 (S2stage) するには, さらに数ヶ月の期間を要した.次に緩解持続期間と緩解時の内視鏡stageの関連を検討した.S2stage (23.6±31.0月: 11例) まで改善した症例の方が, S1S2stage (7.6±6.3ヶ月: 7例) , S1stage (3.6±1.7ヶ月: 5例) までの症例に比べ有意に緩解持続期間が長かった (p<0.05) .また臨床的に緩解期と診断されていても, 内視鏡的にはすでに潰瘍が出現している症例が多かった.以上のことから, クローン病では長期間の緩解を持続させるためにはS2 stageまで治療を継続させることが重要であり, それにはより長い治療期間が必要である.また再燃に先行して内視鏡的増悪が確認できた症例が多く, 他の指標に比べ内視鏡検査は再燃の早期発見に有用であった.大腸内視鏡検査でクローン病の腸管病変を評価することは, 治療方針を決定するうえで非常に有用であった.
著者
森 義明
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.289-297, 2001-06-28 (Released:2010-09-09)
著者
島田 茂孝 後藤 昇 島田 和幸 保阪 善昭
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.322-332, 2001-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
11

成人の顔面表情筋とそれらの筋に分布する顔面神経についての詳細な報告は多い.しかし新生児や乳児期における報告は少ない.この研究の目的は, 高胎齢児の顔面表情筋の発達分化とそれに伴う顔面神経の発達と分布を観察し, 各胎齢ごとに肉眼解剖的な観察により出生直後の新生児や乳児期の形態的な特徴をとらえることにある.表情筋の分化発達をみると, 27胎週齢頃からは, 閉瞼する際に働く筋や口唇周囲の筋の分化発達はよく, 眉毛や眉間, 鼻部に付く筋の分化発達は弱い.また同時期になると顔面神経本幹から分岐した末梢の枝である側頭枝, 頬骨枝, 頬筋枝, 下顎縁枝, 頸枝の各枝の識別は容易となり, 各枝の末梢分布は頬骨枝, 頬筋枝, 下顎縁枝, 頸枝では, それぞれの各表情筋群に分布することが容易に観察できたが, 側頭枝, 特に後方枝の末梢分布を肉眼で観察するのは困難だった.すなわち前頭部, 鼻部周辺の筋とその神経は分化発達が弱く, 閉瞼する際に働く眼輪筋や口唇周囲につく筋とそれらの筋に分布する神経は各部に細かく分化発達して, 表情筋の分化発達はその支配する顔面神経の発達と関係が深い.