著者
東盛 キヨ子 桂 正子 外間 ゆき Higashimori Kiyoko Katura Masako Hokama Yuki
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 第一部・第二部 (ISSN:03865738)
巻号頁・発行日
no.54, pp.583-590, 1999-03

We conducted a survey into the health awareness and food consumption practices of the people of Thailand. We researched the specific food products thought to have medicinal value, and concurrently, conducted a survey into awareness of the medicinal efficacy of these foodstuffs. The results are as compiled below.1. Over 58% of those surveyed, indicated they believed they were in normal good health. About 32% felt they were overweight.2. Only 44% said they took three regular meals each day. 19% said they did not eat regularly.3. Foodstuffs considered to have medicinal properties included papaya, mushroom varieties, celery, bitter melon, garlic, lemon grass, most of wich are readily available in Okinawa. The favored culinary treatment was in soups.4. Those who believed in the medicinal value tended to be elderly. Over 83% of the femals respondents hoped to pass on the information on medicinal values to their children and grandchildren.薬理効果のあるとされる食品材料の発掘を行い、その成人病予防因子についての科学的立証のための基礎資料を得る目的で、タイの人々の健康に対する意識、養生食に対する意識および薬理効果のあるとされる食品材料の利用状況についてのアンケート調査を行い、次の結果を得た。1)調査対象者の58%は自分はふだん健康だと感じており、約32%は太っているほうだと思うと答えた。2)約77%の人が生活習慣病は食事に気を付けると予防できると答え、その割合は年齢が高くなるにつれて多くなっていた。養生食の効果を信じると答えたのは約34%で、どちらとも言えないは約54%であった。養生食について家族から聞いたことがあると答えたのは三世代家族の方で多く、約71%は子や孫に伝えたいと思うと答えていた。3)薬理効果のあるとされる食品材料として、高血圧症にセロリー、ファーターライチョーン、糖尿病ににがうり、チークの木、ニガニガグサなど、腎臓病にマツカサバレリヤ、にんにくなど、がんにきのこ類、にんにく、チークの葉など、便秘にパパイア、エビスグサモドキなどが挙げられていた。4)薬理効果のある食品や薬草の調理手法には汁物(煎じものを含む)が多く用いられている。
著者
里井 洋一 Satoi Yoichi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 第一部・第二部 (ISSN:03865738)
巻号頁・発行日
no.40, pp.p97-107, 1992-03

In 1989, Mr. Zayasu taught blind shells in the Haebaru Elementary School, which is demonstrated in a book of "PEACE EDUCATION SELECTION 4". I analyze his article and obtain the following points.(1) Teaching of blind shells is an appropriate school lesson which has pupils recognized the value of peace.(2) Teaching of blind shells can be substituted for teaching of fie and flood in the lesson of the Safety Unit of the Social Studies.(3) Teaching of blind shells has a good oppotunity to experience the Battle of Okinawa during the World War Ⅱ and also to suggest staying power of future peace.
著者
道田 泰司 Michita Yasushi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.105-117, 2007-08
被引用文献数
4

本稿では,問いのある教育がどのようにありうるのかについて,いくつかの教育実践や実践研究を取り上げ,主に思考力育成という観点から考察した。質問書方式の実践では,大学生の8割以上が疑問を持ち考えるようになったことが示されている。質問の質を高める方法としては,質問語幹リスト法が挙げられ,これを用いた実践研究が検討された。また,わからないときだけでなくわかったつもりでいるときに質問を出すことの必要性も論じられた。最後に,小学校における質問力育成教育をいくつか概観し,質問力を育成するための示唆を得た。最後にこれらをいくつかの観点から整理し,今後の課題を検討した。
著者
竹村 明子 小林 稔 Takemura Akiko Kobayashi Minoru
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.215-224, 2008-08

本研究は,親子関係と児童の学習動機の関係について明らかにするために自己決定理論(Deci & Ryan, 1985)を基に,学習動機を4水準の自己決定性-内発調整(楽しいから勉強をする),同一化調整(大切なことだから勉強をする),取入調整(恥ずかしい思いをしないために勉強をする),外的調整(親や先生に言われるから勉強をする)-に分け,親子ペアを対象に児童の4水準の自己決定性と親との信頼関係および親の家庭での関わりについて調べた。先ず,小学3~6年生173名のデータを用いて,子が認知する親との信頼関係と4水準の自己決定性の間の相関分析を行った。その結果,親との信頼関係が良好と認知するほど児童の内発調整および同一化調整が高いことが明らかとなった。次に,親子ペア141組のデータを用いて,親の家庭での関わりと児童の4水準の自己決定性の間の相関分析を行った。その結果,①親が子への経済的支援を惜しまず,将来について会話するほど児童の自己決定性は高くなること,②親が子と伴に文化的活動に関わるほど児童の内発調整は高くなること,③親が子の生活習慣の形成に関わるほど児童の同一化調整は高くなること,などが見出された。
著者
平良 勉 金城 昇 Taira Tsutomu Kinjo Noboru
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 第一部・第二部 (ISSN:03865738)
巻号頁・発行日
no.48, pp.293-301, 1996-03

The purpose of the present study was to estimate exercise intensity and energy expenditure in marathon running.The subjects were seven male and six female students of physical education major. Heart rate were recorded by heart rate monitor. Exercise intensity and energy expenditure were estimated by HR-V^^・o2 method during marathon running. The blood lactate accumulation were analyzed to determine anaerobic threshold (OBLA:4mmol).The results were as follows:1) Mean maximum oxygen uptake of male was 43.9ml/kg・min and that of female was 48.0ml/kg・min.All subjects exceeded the desirable fitness level.2) Oxygen uptake in the race was corresponded to 73.6% of V^^・o2max for male and 67.7% of V^^・o2max for female. Heart rate was also corresponded to 77.4% of HRmax for male and 78.0% of HRmax for female.3) Heart rate and oxygen uptake during the race were within the OBLA level.4) Marathon performance was estimated to cost male subjects 3632.4kcal and female subject's 2759.0kcal.市民マラソンの運動強度とエネルギーの消費を検討するため、13名の被験者について実験室のall-out実験からHR-V^^・o2関係式を作成、マラソン走行中の心拍記録を代入して酸素摂取量を推定、消費エネルギーを算出した。all-out実験で同時に血中乳酸濃度を分析、OBLAを測定、マラソンの運動強度を推定した。結果は以下の通りである。1)最大酸素摂取量(相対値:ml/kg・min)は男子平均43.9ml/kg・minで一般日本人成人の"Average"、女子の平均は48.02ml/kg・minで"Very good"の判定であった。女子の日常の身体活動水準が部活動などで高くなったことが原因と思われた。2)レース中の心拍数は男子平均151.1beats/min,77% of V^^・o2max,女子の平均は155.2beats/min,76.0% of HRmaxであった。酸素摂取量については男子平均32.2ml/kg・min,67.7% of V^^・o2maxの成績であった。いずれも競技選手と比較すると低い強度であり、記録にこだわらず、制限時間内の完走を目指したためと考えられた。3)OBLAレベルでの心拍数は男子平均155.8beats/min,78.7% of HRmax、女子平均は166.4beats/min,83.5% of HRmaxであった。酸素摂取量については男子平均は36.0ml/kg・min,81.2% of V^^・o2max、女子平均は36.9ml/kg・min,76.0% of V^^・o2maxであった。走行中の心拍数、酸素摂取水準を越えず、無酸素性作業閾値以下であり、時間内完走のためには良好なペース水準であった。4)男子は平均3632.4kcalを消費、女子の平均は2759.0kcalであった。競技選手の消費エネルギーを比較すると高い傾向を示したが、これはレースにかかった時間が長いことが原因と考えられた。本報告の一部は日本民族衛生学会第23回沖縄地方会で発表した。
著者
吉田 安規良 呉我 実香 Yoshida Akira Goga Mika
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.51-70, 2008-08

沖縄県教育庁八重山教育事務所管内の2つの小学校の変則的な複式学級設置校での授業実践から、変則的な複式学級での教育実践に何が必要かを考察した。(1)2つの小学校とも、教育課程や校内人事を工夫し、授業運営を可能な限り単式化していた。(2)国語の複式授業では、変則的な複式学級特有といえるような特別な工夫は見あたらず、「わたり」や「ずらし」といった複式学級一般で用いられる手法が利用されていた。少人数のため徹底的に個に応じた指導が行われており、「変則的な複式学級だから必要とされる資質・能力」というより、「目の前の子どもに寄り添った指導」ができることが重要である。正誤表追加 : 2009年2月10日
著者
知念 幸人 田中 敦士 Chinen Yukihito Tanaka Atsushi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.145-152, 2010-08

本研究は沖縄県内の高等学校の発達障害の特徴を有する生徒に対する就労支援の実態と課題を明らかにすることを目的とした。質問紙調査票の回答を各学校の特別支援教育コーディネーターに依頼した。回答を分析すると、特別支援教育コーディネーターとしての経験や専門性、職員のゆとり、職員の理解・協力、生徒本人・保護者の理解・協力、進学の場合の就労支援、事業所の理解・協力、特別支援学校との連携、に関する課題が見えてきた。
著者
森山 克子 伊礼 夏未 Moriyama Katsuko Irei Natumi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.153-161, 2010-08

1.郷土の行事食を含む給食献立年間計画作成と郷土料理の提供数・種類数との関連を明らかにするため給食献立年間計画表や家庭用配布献立表の回収を行った。対象は県内全市町村を網羅した92調理場で、資料提供があった調理場の内、年間計画表を回収できた調理場は、22調理場(36.1%)であった。約4割が作成していると推察できたが、その内容は一定ではなく調理場間に内容面で差がみられた。また、家庭配布用献立表を回収できたのは61調理場(回収率66.3%)であった。郷土料理の提供数や種類数は,調理場形態(共同調理場・単独調理場)では提供数、種類数共に有意差はなかった。また供食数(29~6677食)でも有意差がなかったことから,県内のどの調理場においても,給食管理の点から郷土料理を活用した食育を推進していくことが可能であるということが示唆された。1. To clear the relation between the School Lunch Service Annual Planing and the serve count and menu variety count of Okinawa Prefecture's School Service, we have collected the School Lunch Service Annual Plan and the Student's Lunch Menu. The collection was objected towards the entire Okinawa Prefecture's 92 cooking facilities, where the School Lunch Service Annual. plan collaction was 22 faciliteis (36.1%) out of all submitted facilities. A surmise of 40% of the facilities create a School L Lunch Service Annual Plan, which content were not standard and a difference between facilities exist. The Student's Lunch Menu collection was of 61 facilities (collection rate of 66.3%). The serve count nor menu variety count of Native Food had significant difference between facility form (joint cooking facilities and individual cooking facilities). No significant difference was seen in the prepared meal count (29~6677 meals) either, which indicates that all cooking facilities within Okinawa Prefecture has a possibility to provide dietary education through Native Food from terms of the School Lunch management.
著者
金 彦志 韓 昌完 田中 敦士 Kim Eon-Ji Han chang-wan Tanaka Atsushi
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.199-206, 2010-02

韓国では、2008年に「障害者等に関する特殊教育法」が全面的に制定され、特殊教育に関する大きな法的整備が行われた。その内容としては、3歳未満の障害のある乳幼児の教育の無償化、満3歳から17歳までの特殊教育対象者の義務教育の権利、特殊教育支援センターの設置・運営の見直し等である。これは、小・中学教育を中心とした今までの制度から、乳幼児および障害成人のための教育支援に対する規定に変化したものであり、国家および地方自治団体の特殊教育支援についての具体的な役割も提示された。本論文では、韓国における特殊教育に関する法的背景を紹介し、2008年行われた「特殊教育実態調査」を参考に韓国特殊教育の現状を概観し、また、障害児教育・保育についての実態と課題を検討した。
著者
並河 裕 Namikawa Yutaka
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 第一部・第二部 (ISSN:03865738)
巻号頁・発行日
no.43, pp.p399-409, 1993-11

The purpose of this study was determined the factors influencing sports activity. Analysis of data was made by Hayashi's Quantification Theory (2) which categories both a man and an item, and both quantative and qualitative elements simultaneously.Thirty-eight items which consisted of such elements as demographic elements, relating to sports activity, sport consciousness and sport conditions were employed as explanatory variables.Subjects were 419 adult people of both sexes (male 216 : female 203).Main results may be summarized as follows :1. Discriminant analysis among sport activities was conducted according to the explanatory variables created in the present research. The result showed that correlation ratios differed with frequencies of sport activities.2. The examination on the contribution strenght of individual elements was conducted by partial correlations. The results showed that main elements affecting sport activities were occupation, feeling to be underexercised, a exercising companions, and educational background.本研究は、スポーツ活動に影響を及ぼす要因について、スポーツ実施群と非実施群の比較を数量化理論第2類による判別分析を採用して研究を進めてきた。結果を要約すると以下のようになる。1.各要因のスポーツ実施・非実施に対する影響の度合いをレンジの大きさからみた規定力順位は、職業が1位、次いで運動不足感が2位、運動仲間がいるが3位、そして学歴(4位)、運動活動観(5位)であった。職業はその人の所得や生活行動を規定し、従ってスポーツ活動についても大きな影響を及ぼす要因と考えられる。本稿でも職業は規定力順位では1位であり、スポーツ実施・非実施に最も影響を与えることが認められた、さらに、運動仲間がいると、個人の運動不足感、学歴及び運動活動感等がスポーツ実施に影響を与えていることが確認された。2.カテゴリーの寄与と方向からスポーツ実施・非実施に対する影響を分析した結果。スポーツ実施…職業「無職」・「主婦」、運動不足感「感じていない」、運動仲間「まあまあ大切」、活動の趣旨「競技中心」、公共施設使用料が安い「あまり大切でない」などがスポーツ実施に影響を与えている。このことは、スポーツ活動に対して余暇時間が強く影響を与えていることを示しており、また公共施設の低料金化がスポーツ活動の促進にあまり影響を与えていないことについては、これからの公共スポーツ施設の在り方や有効活用を考えるうえで検討される課題である。スポーツ非実施…運動活動感「誘われた時だけ」、学歴「大学院卒」、施設充実度「全く思わない」、職業「公務員」・「農・漁業」、運動不足感「いつも感じている」などがスポーツ非実施の方向に影響を与えていることが確認された。なお、施設に関する要因がスポーツ実施にたいして比較的低い規定力を示したことは今後さらに検討を要する課題である。今後の課題としては、地域スポーツ経営の研究を進めるにあたって、地域スポーツの振興に必要な条件とされるスポーツ施設やスポーツ活動者の欲求に応える運動プログラムに関する研究が必要とされると考える、さらに、近年の社会動向として個人の価値観の変容それに伴うライフスタイルの変化が進み、このことはスポーツの分野においても例外でなく、これからのスポーツ振興を発展させて行くためにはスポーツの価値観や個人のライフスタイルの研究の必要性を強く感じ、これらの研究を進めることで今後の地域におけるスポーツ経営に貢献して行きたい。