著者
田中 貴子
出版者
神戸女子大学
巻号頁・発行日
2002

博士論文
著者
山内 晋次
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究課題では、10~16世紀頃のアジアにおける、火薬原料としての硫黄の国際的な流通構造の推移を、日本産の硫黄も含めて、全体的に考察することをねらいとした。その結果、10~13世紀頃のアジアにおいては、当時世界で唯一、火薬・火器技術を保持していた中国に向けて、その原料としての硫黄が一極集中的に流れ込んでいく、という国際的な流通構造がみられたことが明らかになった。そして、続く14~16世紀頃になると、中国による火薬・火器技術の独占が崩れ、アジア各地にその技術が伝播したことに伴い、中国も含めた複数の地域を流入の核とする多極的な国際流通へと、大きく構造が変化したことがわかった。
著者
白嵜 顕成
出版者
神戸女子大学
雑誌
教育諸学研究 (ISSN:13470566)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.一-十三, 2009-07
著者
橋本 礼子
出版者
神戸女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

日本語方言の推量表現形式の変化傾向を探るため、高知方言を対象に文法記述調査と自然談話のコーパス調査を行い、推量表現形式群の使用傾向を質・量の両面から分析した。前節要素の品詞に制限があった老年層のものとは異なり、若年層の推量表現形式群は接続上の制限が薄れて単純化している一方で、談話機能的に違う性質を持つものとして使い分けられる傾向にあることが確認できた。
著者
栗原 伸公 橋本 弘子
出版者
神戸女子大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

Heterocyclic amines (HCA)の一つであるTrp-P-1(3-amino-1,4-dimethyl-5H-pyrido[4,3-b]indole)は、食事由来の強力な変異原性物質であり、ラットに投与すると様々な臓器に腫瘍を生じることが報告されている。近年、山根らはin vitroにおいてHCAを食物繊維が吸着することを観察したが、私たちの知る限りin vivoにおける食物繊維によるHCA吸着の検討は報告されていない。本研究では、不溶性食物繊維の一つであるセルロースと、HCAの中でも強い変異原性を示すTrp-P-1を用いて、in vitroで起こる食物繊維のHCA吸着がin vivoでも起こる結果、HCAの腸管吸収が抑制され排泄促進につながる可能性について検討した。まず10週齢SD系雄ラットに、セルロース除去食、5%セルロース含有食(通常食)または10%セルロース含有食を3日間投与した。投与後、麻酔下において十二指腸起始部と回腸末端部をそれぞれ結紮して小腸ループを作成し、ループ内にTrp-P-1溶液を注入して一定時間(5〜20分間)保持した。保持後、門脈および腹部大動脈から採血して、小腸と肝臓を摘出し、血漿、小腸内溶液および肝組織中のTrp-P-1を抽出し、HPLCにより定量した。その結果、セルロース除去食投与ラットに比べて5%セルロース含有食投与ラットでは、血漿中、小腸内溶液中および肝組織に取り込まれたTrp-P-1濃度は有意に低かった。また、10%セルロース含有食投与ラットでは、これらTrp-P-1濃度はさらに低かった。以上より、セルロース含有食を摂取することでTrp-P-1は消化管内においてセルロースに吸着され、小腸から体内への吸収が抑制さ
著者
瀬口 正晴
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、Celiac 病を回避するために、グルテン同様の粘着性を有するジネンジョや過熟バナナを用いてグルテンフリーパンを調製した。ジネンジョを凍結乾燥後、小麦デンプン、砂糖、イーストなどと混合、発酵、焼成して製パンを行った。さらに過熟バナナを同様に用いてパンの調製をすすめた。その結果、何れも小麦粉パンに相当するパンが得られた。さらにジネンジョを高分子区分(多糖類)と低分子区分(ペプチド)に分画し製パンすると、何れの区分も製パンに必要なことがわかった。バナナは過熟のもの(黒)で膨化した。この過熟バナナをオートクレーブ処理するとパンはできなかった。
著者
後藤 昌弘 岩田 惠美子 大久保 郁子 西中 未央 森 元幸 森 一幸 中尾 敬
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

北海道産5品種,長崎県産5品種2系統を用いて,化学成分分析,テクスチャー測定,官能検査を行い,品種による調理適性を明らかにすることを試みた。官能検査の総合評価から,北海道産ジャガイモの収穫直後では,「ピルカ」が揚げ加熱,「はるか」がゆで加熱に,貯蔵6ヵ月では「ピルカ」が電子レンジ加熱,「はるか」が揚げ,蒸し,電子レンジ加熱に,長崎県産春作の「西海31号」は電子レンジ加熱,「西海37号」は蒸し加熱,ゆで加熱,秋作では「アイユタカ」は揚げ加熱,「さんじゅう丸」は揚げ加熱,「西海31号」は電子レンジ加熱,「西海40号」は揚げ,電子レンジ,ゆで,焼き加熱に適していると考えられた。
著者
中西 正恵
出版者
神戸女子大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

人間の体温調節や快適な寝心地には、ふとんわたの熱・水分・空気の移動特性が関与する。体積の大半を占める空気と繊維、水分からなるふとんわたの熱・水分・空気の移動特性は、構成繊維の性質とその集合状態により、様々に変化するが、本研究では、快適なふとんわた材料の性能設計に必要な熱・水分・空気の移動特性の基礎データを提出することに主眼をおき、各種の繊維充填材料の通気性、みかけの熱伝導率、さらに、着用状態を模擬したモデル実験により、充填材料を通しての熱・水分同時移動特性を測定し、充填繊維素材や充填密度の影響を調べた。その結果、通気抵抗では、特に繊維の太さの影響が顕著にみられ、繊維が均一にランダム配向する繊維塊では、繊維直径の2乗の逆数と通気抵抗との比例関係がみられた。みかけの熱伝導率では、繊維が細いほど小さいが、同じ繊維直径でも羊毛よりもポリエステルのほうがみかけの熱伝導率は大きく、繊維を粒状に絡ませた羊毛は、同一直径の均一なランダム配向する羊毛よりも大きいなど、繊維の熱伝導率、繊維集合構造なども影響を及ぼすことがわかった。また、ふとんわたでは、充填密度が大きくなるほど熱伝導率が小さくなることや、熱板面の放射率を変化させた実験の熱伝導率の比較から輻射熱移動の寄与が大きいことなどもわかった。熱・水分移動特性では、繊維形態、繊維の熱伝導率や吸湿性などの繊維特性も関与し、たとえば、真綿〔絹〕では、顕熱移動は小さいが、水分移動を伴う場合の熱移動量は大きいなど、各種繊維素材の特徴がみられることがわかった。透湿性の測定は、サーモラボIIによる水分蒸発熱の測定による方法をとったが、さらに精密なデータを得るために湿度勾配法による透湿性の測定を検討中である。本研究では、現在のところ、実験結果の整理にとどまっているが、今後、繊維特性及び集合構造をパラメータとした、熱・水分・空気の移動特性の予測へと発展させる予定である。
著者
安田 孝 吉田 司雄 馬場 伸彦
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

1920年代後半から1930年代にかけて、大量印刷技術、カメラ、ラジオといった尖端的なテクノロジーの出現に伴い、「文化」が一部の人の占有ではなくなり、より広範な階層に享受された諸相を解明した。これまでの活字メディアである新聞や雑誌も新たな読者を獲得するためにこうしたテクノロジーを積極的に取り入れたことを明らかにした。写真を一つのケース・スタディとして取り上げ、メディア・ミックス状況について考察した。
著者
近藤 久史 二文字 理明
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

スウェーデンの「あなたへ」シリーズを活用して、小学校高学年を中心に授業実践を試みた。ほぼ同一の教材を使用し、ほぼ同一の理念、近似の方法で実践を行っても、学校の雰囲気や担任教師の個性によってそれぞれに魅力のある授業が展開されることが実証できた。絵本のもつ力強いメッセージ性もさることながら、児童が変容すると共に教師もまた自らを変容させてこそ、絵本から発する価値観が心に響くことになる。「心に響く共感」の共有体験がその後の児童の生活にどのように生きてくるかはこれからの児童の成長を見守らねばならない。
著者
梶原 苗美 瀬口 春道 松本 衣代 デル サス エバ ガルシア 松本 衣代 谷口 洋
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

伝統的食生活で知られるニューギニア高地民族の健康栄養調査を実施した。インドネシア、パプア州高地地区の農山村部に住むパプア州住民の多くは未だサツマイモを主食とする新石器時代の食生活の名残を強く残した食生活を営んでいた。しかし、都市化の進展、或は都市部移住者では食生活の変遷、欧米化傾向が著しく、住民生活の都市化比率に比例してメタボリックシンドロームのリスクが急上昇しつつあることが明らかになった。