著者
宗岡 克政 井川 真理子 栗原 典子 木田 次朗 三上 智子 石原 勇 内田 淳子 塩屋 桐子 内田 直 平澤 秀人
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.511-519, 2008 (Released:2008-12-05)
参考文献数
33
被引用文献数
2 6

目的:紫色蓄尿バッグ症候群(PUBS)は膀胱留置カテーテル使用中に蓄尿バッグが紫色に着色する病態である.便秘と関連したトリプトファン代謝異常と尿路内細菌増殖によるアルカリ環境下でのインジゴ生成が,発現機序として提唱されている(トリプトファン―インジゴ仮説)が,PUBSの発生状況や発生機序に関して,さらなる検討が必要であると思われた.方法:認知症病棟において発生した6例(男性3例,女性3例)のPUBSに対して生化学的,細菌学的検査を行い発現機序について検討した.結果:経過中3例で抗生剤使用後に,1例で自然経過中にPUBSの消失がみられた.全例で慢性の便秘がみられた.1例は経口食物摂取不能例での発生であった.PUBS発生中の6例のうち,アルカリ尿が4例で,尿中インジカン陽性が4例(うち擬陽性1例)でみられた.PUBS消失後,4例の尿pHはすべて中性化し,尿インジカンは陰性化した.一方,尿細菌培養結果では,PUBS発生中にEnterococcus faecalisがMorganella morganni(3例),Pseudomonas aeruginosa(1例)とともに検出されたほか,Klebsiella pneumoniaeとCitrobacter属の単独感染がみられた.PUBS消失後では検出菌種は変化したが,無菌化した例はなかった.アミノ酸値では,トリプトファン値に一定の傾向がみられなかった一方,血中および尿中α-アミノ-n-酪酸値がPUBS消失後の4例全例で減少していた.PUBS自然消失例では,血中タンパクの増加がみられた.また,尿中インジカン定性結果,尿pHおよびアミノ酸値は,新鮮尿とバッグ内尿で差異がみられた.結論:今回みられた所見は「トリプトファン―インジゴ仮説」を支持するものであったが,矛盾する結果も少なからずみられ,当該仮説では説明のつかない病態のあることが示唆された.また,あらたに注目すべき点として,一定の菌の常在化,α-アミノ-n-酪酸の代謝およびタンパク合成能低下がPUBS発生要因として示唆された.
著者
丹治 敬之 野呂 文行 有路 佳子
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.239-250, 2015-09-30 (Released:2019-04-06)

本研究は、ひらがな拗音の読みに困難を示す2事例を対象に、拗音読みの習得状況に応じて指導法を選択し、その指導効果を検討した。参加児は、拗音表記を清音表記として誤読する事例、読み音が類似する拗音間で誤読する事例の2名であった。前者の事例には、拗音表記の読み方略を促す指導法を実施し、後者の事例には、各拗音の正確な読みを促す指導法を実施した。その結果、両事例ともに拗音文字の読み、拗音を含む文字単語の読みの成績が改善された。本研究より、拗音を清音表記として誤読する事例では、清音表記と拗音表記の弁別を求める指導が有効であり、読み音が類似した拗音間で誤読する事例では、拗音部分が語頭にある単語の語頭音を抽出させて読む指導が有効である可能性が示唆された。今後は、各指導法が他事例でも有効かどうかに関する外的妥当性の検討、および指導効果がもたらされるための諸条件の検討が求められる。

2 0 0 0 OA [古寫經]

巻号頁・発行日
vol.[9], 1000

2 0 0 0 OA [古寫經]

巻号頁・発行日
vol.[6], 1000
著者
(唐) 釈法藏 撰
出版者
禪尒
巻号頁・発行日
vol.第1帖, 1283