マサムネの名刀は,名人が使えば活人剣となり狂人が使えば殺人剣となる.…明治憲法をさえ満足に使いこなせなかった日本国民に,果してそれ以上の新憲法を正しく使って,日本更生の活人剣たらしめる能力があるだろうかを疑い,ぜひその能力をもってほしいと祈る.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 37-38.
どこの国でも立憲政治がはじまる前は,封建政治であった.その封建政治では,立法も司法も,ともに行政府の一部分に過ぎず,政府が勝手に法律をつくり,勝手に裁判した結果,人民の命はきりすてごめんで,犬猫同様にあつかわれた.…封建政治は政府万能の政治である.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 5.
日本流の立憲政治を建てると云うことも殆ど無意味である…日本流と云うのは最近七百年間行われた封建政治であって、力を主としたものである。立憲政治は道理を主としたものであるから、封建的思想感情を以て之を運用することは出来ない。
『日本はどうなるか』
https://t.co/GOyI75fAyd, p. 18.
敗けたことはいかにも残念だが…もし敗けなかったら,とてもこんないい芽はふかないであろうと思われることが数々ある.
…先ずうれしいことは,日本の進歩を止め,日本を世界の憎まれ子にした一番大きい障害物だった,自まん高まんのはな柱が折られたことである.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 29.
今度の憲法にも,もし国民が油断したり,選挙をやりそこなったりすれば,せっかく憲法で与えられた権利自由が有名無実に化するおそれは十分ある.…なぜなら今度の憲法にも法律のでき工合一つで,伸縮自在に決定せられる権利自由が,なかなかたくさんあるからである.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 54.
今度の憲法にも,もし国民が油断したり,選挙をやりそこなったりすれば,せっかく憲法で与えられた権利自由が有名無実に化するおそれは十分ある.…なぜなら今度の憲法にも法律のでき工合一つで,伸縮自在に決定せられる権利自由が,なかなかたくさんあるからである.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 54.
殊にわが国には、意味不明なる文字や言語を使い、それが為に大騒動を引き起すことが多い。一例を挙ぐれば、国体の二字の如き、非常に大切な言葉として使用せられているが、その意義は時と場合によって、種々に変化し、何人も分明にこれを理解することが出来ない。
https://t.co/LBf8hQye1r , p. 25.
実行を目的とする者は…時の勢力には悪勢力と雖も、尚お之に迎合せざるを得ず。是れ実行家の短所欠点にして立言家は、其特に俗悪なる者にあらずんば、常に此類の陋弊を超脱するを得べし。而して世間の進歩改良は、常に拘囚せらるる所なき此等思想家の立案設計より来る
https://t.co/TX5LWpEKVj, p. 65.
今の議場の構造は…議員席よりも一段高いところに大臣及び政府委員席があって…己れ自ら行政府の下位に立つことを承認しているような議場の構造を,そのままにしておいて,ここで真の民主主義政治を行おうなどということは,非常な心得違いである.
民主政治読本
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 104-105.
新聞条令だとか,治安警察法だとか,治安維持法だとか,総動員法だとか,戦時刑事特別法だというような幾多の法律をつくって,憲法が国民に与えた権利自由を奪ったのである.そうして,そういう法律は国民が選んだ代議士がつくったということを忘れてはならぬ.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 54.
我が同胞中には国際関係に於ては、道理の価値は、極めて僅少であって、万事皆武力に由って決するが如く考えるものが多い。此思想は、軍閥政治や軍国主義の根柢である。此思想があればこそ、彼等軍閥者流は其勢力を維持することが出来るのだ。
『軍備制限』
https://t.co/Gi4WSeEWT2, p. 83.
たのむはただ自己の武力あるのみと,国費の3~4割をつぎ込んで,ひたすら陸海軍備の拡張に熱中した…
…が,これも封建思想のたたりで,陸海軍の直接軍備のみに気をとられ,産業・経済・科学・文化等の間接軍備の充実は,まるでお留守になってしまった.
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 24-25.
[第一次]世界大戦争に於けるドイツ敗亡の主因は、経済力の不足にあった。我が国も経済力に於ては、遠く列強に及ばない。しかして租税を不生産的軍備に費せば、費すほど、我が経済力は劣弱になる。即ち自ら好んでドイツ敗亡の覆轍を践むわけになる。
『政治読本』https://t.co/k0wnwMaYqM, p. 146.
今や交通の便開け、通信の機関もほぼ行き渡って居るから、政府に誠意さえあれば、数日の中に議会を招集することは決して難事でない。然るに此可能事を避け…国民も亦強く之を咎めないのは、畢竟官民共に未だ政府万能時代の残夢から醒め切らないためであろう。
政治読本https://t.co/k0wnwMaYqM, p. 58.
我が同胞中には国際関係に於ては、道理の価値は、極めて僅少であって、万事皆武力に由って決するが如く考えるものが多い。此思想は、軍閥政治や軍国主義の根柢である。此思想があればこそ、彼等軍閥者流は其勢力を維持することが出来るのだ。
『軍備制限』
https://t.co/Gi4WSeEWT2, p. 83.
自由と平等と生存権の要求を,完全に保証し且つ実現することが民主政治の使命である.そして,そういう政治は誰が行うか.新憲法を活かすか殺すかは,全くこの問に対する国民1人1人の回答によって決すというもおそらく過言ではないであろう.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 40.
今度の戦争[第二次大戦]を,民主主義と全体主義の戦いと見るもよかろう.しかし私は今度の戦争を,立憲思想と封建思想の戦いと見る.自主精神と奴れい根性の戦いと見る.道理と力の争いと見る.そしてついに,前者が勝って後者が敗けたのである.
『民主政治読本』
https://t.co/hZfphMdHKe, p. 27.
日本流の立憲政治を建てると云うことも殆ど無意味である…日本流と云うのは最近七百年間行われた封建政治であって、力を主としたものである。立憲政治は道理を主としたものであるから、封建的思想感情を以て之を運用することは出来ない。
『日本はどうなるか』
https://t.co/GOyI75fAyd, p. 18.