著者
岡田 斉 萩谷 久美子 石原 俊一 谷口 清 中島 滋
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.87-96, 2009-03-01

Many recent studies have suggested that deficits in dietary-based omega-3 poly unsaturated fatty acids may make an etiological contribution to mood disorders and that supplementation with omega-3 poly unsaturated fatty acids may provide a treatment strategy (Hagg, 2003; Parker, Gibson, Brotchie, Rees, & Handzi-Pavlovic, 2006; Vaddadi, 2006). However, a few studies did examine the relationship between daily food intake and mood disorders. Thus, we surveyed students with regard to these relationships. Two hundred and forty eight university students completed the SDS and eighty item food appetite survey. Results showed that low-depression group tended to favor fish and deep yellow vegetables more than the high-depression group. These results suggest that a preference for fish and deep yellow vegetables relates to depression. Antioxidative effects of these foodstuffs may facilitate antidepressive effects of omega-3 poly unsaturated fatty acids.
著者
遠藤 美智子 中島 滋 中村 宗一郎
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 59回大会(2007年)
巻号頁・発行日
pp.228, 2007 (Released:2008-02-26)

<目的>高齢社会が進む日本と韓国において,近年,欧米化に伴うメタボリックシンドロームの発症率増加が懸念されている。そのため,健康長寿社会の構築を目指した調査が積極的に行われている。両国は同じ海を共有することから日常的に食べる食材も共通することが多いと考えられる。しかし,日本の平均寿命は男女平均82歳であるのに対し,韓国は77歳である。この差異には食べ方や調理法の違いが関連していると考えられる。そこで本研究では,日本と韓国で公表されている最新の国民健康・栄養調査結果をもとに両国の「食」の現状の比較を試みた。 <方法>日本及び韓国で公表されている最新の国民健康・栄養調査の結果(日本2004年,韓国2005年)をもとに,両国の食品群別摂取量および栄養素等摂取量の比較検討を行った。 <結果及び考察>両国の食品群別摂取状態の特長として,日本ではきのこ類,海藻類,乳類,調味料・香辛料類及び嗜好飲料類の摂取量が高く,韓国では種実類,野菜類及び肉類が高いことがわかった。また,日本の調査項目にある補助栄養素・特定保健用食品が韓国では調査対象ではなく,この項目が日本の食生活の中で重要視されていることが示唆された。栄養素等摂取量を比較したところ,韓国ではエネルギー源である炭水化物の摂取量が高く,日本では脂肪摂取量が高いことがわかった。韓国では日本より肥満の出現頻度が高い。この要因として,この炭水化物摂取量の高さが示唆された。ビタミン類では,両国を通じて,VA,VB群およびVC摂取量が高いことが示された。食物繊維では日本は韓国の2倍量近くを摂取しており,一方,ミネラル類では全体的に韓国が高いことが明らかになった。
著者
岡田 斉 萩谷 久美子 石原 俊一 谷口 清 中島 滋
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 = Bulletin of Human Science (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.87-96, 2009-03-01

Many recent studies have suggested that deficits in dietary-based omega-3 poly unsaturated fatty acids may make an etiological contribution to mood disorders and that supplementation with omega-3 poly unsaturated fatty acids may provide a treatment strategy (Hagg, 2003; Parker, Gibson, Brotchie, Rees, & Handzi-Pavlovic, 2006; Vaddadi, 2006). However, a few studies did examine the relationship between daily food intake and mood disorders. Thus, we surveyed students with regard to these relationships. Two hundred and forty eight university students completed the SDS and eighty item food appetite survey. Results showed that low-depression group tended to favor fish and deep yellow vegetables more than the high-depression group. These results suggest that a preference for fish and deep yellow vegetables relates to depression. Antioxidative effects of these foodstuffs may facilitate antidepressive effects of omega-3 poly unsaturated fatty acids.
著者
笠岡 誠一 中島 滋
出版者
文教大学女子短期大学部
雑誌
研究紀要 = Annual Reports of Studies (ISSN:03855309)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.13-15, 2000-12-01

我が国において、干物は保存性の高い食品として古くから利用されてきた。また近年では、その独特のうま味とテクスチャーから、日常食品としても好まれている。このうま味の一因として、乾燥工程における水分量の減少により、魚肉中の呈味成分が濃縮されることがあげられる。また呈味成分の中で遊離アミノ酸および核酸は、タンパク質および核酸分解酵素の働きにより分解生成物が生成されれば、濃縮される以上に濃度が高くなることが考えられた。分解酵素の作用に関する研究は、酵素活性が強いことが知られている貝類に関する報告と、白色筋のミンチのみを原料とした著者らの報告以外はほとんど行われていない。本研究は、日常的に食する干物の呈味性を、分解酵素の作用により高めることを目的としている。今回は、アジ干物製造工程における水分量変化と遊離アミノ酸量変化を測定し、タンパク質分解酵素の働きを検討した。また、製造工程における脂質量変化と呈味との関連についても検討した。
著者
中島 滋美
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.148-157, 2020 (Released:2020-02-20)
参考文献数
25

胃内視鏡検診は死亡率抑制効果が明らかなので,実現可能な地域や職域では採用されるべきである.しかし内視鏡検査のcapacity,予算,受診者のアクセスなどの問題により実現不可能な場合には,胃X線検査の背景胃粘膜診断で胃炎のある人に内視鏡検査を受けてもらう方法が効率がよい.胃内視鏡検診には利点だけでなく欠点もある.とくに重大な偶発症には注意が必要である.厚労省が掲げる受診率の目標は当面40%だが,H. pylori陰性者が増加し胃がん調整死亡率の自然減少が見られる昨今,単純に受診率を上げる戦略には費用対効果に問題がある.今後H. pylori感染歴や萎縮など,胃がんリスクにより対象者を層別化し,内視鏡受検者の選別や検診間隔の決定に反映させる必要がある.これに加え,将来専門技師によるAI補助内視鏡検診により医師の負担を軽減すれば,効率的な胃がん検診により胃がん死を自然減少以上に減らせるであろう.
著者
田原 康玄 植木 章三 伊藤 美香 渡部 智美 菅 忠明 平岡 芳信 中島 滋 土屋 隆英
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.93-99, 1998-02-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
7
被引用文献数
1 4

新鮮なマアジ,メイタガレイ,シロギス,ハマグリ,アカガイ及びホタテガイの貝柱を材料とし,温風乾燥や遠赤外線加熱乾燥,マイクロ波減圧乾燥によるEPA・DHAの割合に及ぼす影響を検討した.乾燥により,試料の水分量は経時的に減少し,それに伴い単位重量当たりの脂質量が増加した.しかし,脂質中のEPAやDHAの割合は変化しなかったため,干物は生鮮品に比べて単位重量あたりのEPAやDHAが多く,これらを効率よく摂取できる機能性食品であると考えられた.
著者
中島 滋美
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.225-233, 2013 (Released:2013-02-05)
参考文献数
33

ペプシノゲン(PG)法,ABC分類および胃X線検査の現状と問題点,および胃がん検診における位置づけを考察した.PG法は血清学的胃粘膜萎縮診断法で,効率よく胃がん危険群を囲い込むことができるが,PG陰性胃がんが存在するため胃がんを見落とす可能性がある.PG法と血清ヘリコバクター・ピロリ(Hp)抗体検査を併用したABC分類は,両者の弱点を補い合う組み合わせで,血液検査で簡便に実施できる胃がんリスク評価法である.胃X線検査は対策型検診として唯一認められている検査法で,画像によるHp感染診断も可能である.ABC分類と胃X線検査を相補的に利用すると,効率のよい「リスク別胃がん予防&検診」が構築できる.