- 著者
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鈴木 克彦
伊橋 光二
南澤 忠儀
百瀬 公人
三和 真人
- 出版者
- 公益社団法人 日本理学療法士協会
- 雑誌
- 理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
- 巻号頁・発行日
- pp.552, 2003 (Released:2004-03-19)
【はじめに】 膝関節(脛骨大腿関節)の回旋運動は,下肢全体の回旋運動には必要不可欠である。しかしながら,膝回旋可動域はゴニオメーターを用いて計測するのは極めて困難である。現在明らかにされている計測方法は,超音波,レントゲン,CTを用いたものであり,簡便な方法は明らかにされていない。本研究の目的は,解剖学的標点を基に,臨床で有用かつ簡便な方法としてdeviceを用いた膝回旋ROM計測の方法を試み,定義されている股関節の回旋ROを参考にして,左右差から検討したので報告する。【対象と方法】 対象は下肢に何らかの障害や既往のない健常成人34名(男性16名,女性18名),平均年齢20.5歳である。膝回旋ROMの計測は,VICON clinical managerで使用するKnee Alignment Deviceを大腿骨内外側上顆および脛骨・腓骨の内外側果に貼付した。被験者は膝関節90°屈曲した腹臥位となり,1名の理学療法士が他動的に内外旋させ,下腿長軸延長線上からデジタルカメラを用いて記録した。記録した画像はPCに取り込み,内旋および外旋時の大腿骨内外側上顆を結ぶ線と脛骨・腓骨の内外側果を結ぶ線のなす角度を1°単位で計測した。股関節の回旋ROMは,股・膝関節を90°屈曲した背臥位でゴニオメーターを用いて1°単位で計測した。統計学的検定は相関係数の検定を用い,危険率5%を有意水準とした。【結果】 被験者34名,68関節における股関節の内外旋の合計ROMの平均(SD)は,右86.8°(10.8°),左88.5°(9.1°)であり,左右のROMの間に強い相関関係が認められた(p