著者
広島県食文化研究グループ 三好 康之 岡本 洋子 前田 ひろみ 井川 佳子 大下 市子 奥田 弘枝 奥山 清美 亀井 文 上村 芳枝 倉田 美恵 土屋 房江 三谷 璋子 吉永 美和子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.369-377, 2006-12-20
被引用文献数
1

広島県で摂取されている魚料理を把握する目的で,広島県在住者171名を対象として質問紙を用いた聞き取り調査を実施した。回答数は4,551件であった。魚料理にはあじ,いか,ぶり,あさり,さばがよく用いられ,広島県で漁獲量の多い牡蠣,ちぬ,たちうお,こいわし,なまこはこれらより少なかった。また,島嶼地域では,自給の魚介類で調理する魚料理が他の地域よりも多かった。調理法は,焼き物が最も多く,なま物,煮物,揚げ物の4つの調理方法で総回答数の75.1%を占めていた。和風調理が多く,焼き物の64.4%を塩焼きが,煮物の75.2%を煮付けが占めていた。対照的に,こしょう,バターなどを用いた洋風調理は少なかった。広島県特有の魚介類であるこいわしは,天ぷらや刺身として,ちぬは塩焼きとして,えびじゃこは汁物や塩茹でとして料理されていた。
著者
岡本 洋子 土屋 房江 前田 ひろみ 三谷 璋子 三好 康之 吉永 美和子 井川 佳子 大下 市子 奥田 弘枝 奥山 清美 上村 芳枝 亀井 文 倉田 美恵 杉山 寿美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.160, 2005

<br>【目的】日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学:魚介類」の一環として、広島県において調査を行った。今回は、あなご、かき、まだこ(食品成分表の食品番号10015:10292:10361)の利用実態について調べることを目的とした。<BR>【方法】広島県内の14地域で、質問紙調査を実施した。14地域を島嶼部、都市沿岸部、都市内陸部、中国山地に4区分した。調査項目は、魚介類の種類、入手方法、手作り・購入、調理法、日常食・行事食度等である。調査対象者は20歳代から70歳代の171名である。調査時期は2003年10月_から_2004年2月。<BR>【結果】(1) 記載魚介類は212種類(食品成分表)、総記載料理数は4,684であった。(2) 調査者数に対するあなごの出現比率では、島嶼部83.5%、都市沿岸部80.6%、都市内陸部45.9%、中国山地18.8%であった。調理法では、焼き物と飯料理が多くみられ、照り焼き、ちらしずし、あなご飯、巻きずし、刺身(島嶼部)、雑煮、茶碗蒸し等に調理された。(3) かきの出現比率では、島嶼部63.1%、都市沿岸部91.2%、都市内陸部89.5%、中国山地73.0%であった。調理法では、4地域いずれにおいても、フライ、鍋物、酢がきが多くみられた。殻付き素焼きやグラタン料理もみられた。(4) まだこの出現比率では、島嶼部69.9%、都市沿岸部63.1%、都市内陸部36.3%、中国山地75.3%であった。調理法では、4地域いずれにおいてもなま物(刺身、酢の物)や茹で物(ゆでだこ、ぬた)が多くみられ、揚げ物(島嶼部ではたこ天)、たこの煮物やたこ飯(都市沿岸部)、にぎり寿司、たこ焼き等に調理された。
著者
鈴木 雅子 三谷 璋子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.69-74, 1979
被引用文献数
3

栄養摂取のあり方と, 健康状態の間にはどのような関連性があるかについて, 男女学生663名を対象にアンケート調査を行い, 次のような結果を得た。<br>1) 栄養摂取の充足度が低い時, 身体的な訴えが高いものとして, 女子の場合にのみ, 消化器と口腔と肛門があった。<br>2) 栄養摂取の充足度の高低と精神的な訴えの高低に関連性のあるものとして, 栄養摂取の充足度の高い時, 精神的訴えの低いものに, 男子では抑うつ性, 生活不規則性, 直情径行性, 女子では多愁訴, 直情径行性, 情緒不安定, 抑うつ性, 神経質, 生活不規則性があった。<br>逆に充足度の高い時, 精神的訴えの高いものに, 男子では虚構性と神経質, 女子では虚構性があった。<br>3) 栄養摂取の充足度と関連性のない訴えに, 男子にのみ多愁訴と情緒不安定があった。
著者
守 康則 三谷 璋子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.30, no.7, pp.587-590, 1979

L-アス=ルビン酸による発ガン物質ニトロソアミン生成阻害の立場より, L-アスコルビン酸と亜硝酸ナトリウムとの反応をとくに褐変反応を主体に検討し, 次の結果を得た.<BR>1) レアスコルビン酸と亜硝酸ナトリウムは比較的速かに反応し, また著しい褐変化を起こす.<BR>2) 亜硝酸ナトリウムは, 反応初期にL-アメコルビン酸により還元分解をうけ速かに減少消失する.<BR>3) レアスコルビン酸と亜硝酸ナトリウム系の褐変反応物はセファデヅクスG-25カラムクPtマトグラフィーにより2つのF-I, F-IIの紫外吸収性をもつ, DPI還元性成分に分離された, F-1は285nmにわずかな吸収極大, F-IIは270nmに明瞭な吸収極大をもつ.<BR>さらに還元性褐変反応物の生成はペーパークロマトグラフィーからも確認された.
著者
倉田 美恵 奥山 清美 金田 すみれ 土屋 房江 筒井 由紀子 三谷 璋子 山本 百合子
出版者
福山市立大学
雑誌
福山市立女子短期大学研究教育公開センター年報 (ISSN:13485113)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.65-71, 2008

真鍋島に住む元気な高齢者(アクテイブシニア)の食生活,生活時間(起床・就寝,家事労働,食事時間),家事労働,衣生活,生き甲斐,今後の地域の希望と住まい方について聞き取り調査をした結果は次のとおりであった。1)調査対象者の年齢は72歳〜88歳で,平均年齢は78.4歳,男性3名,女性11名の合計14名であった。2)家族構成は一人暮らしが64.3%と最も多くその中で,女性の一人暮らしが多い。3)生活基盤は100%年金を頼りに生活をしていた。4)食生活に関しては,食事は3食(朝食,昼食,夕食)とも決まった時間に摂っており,食事内容も日頃,魚と手作り野菜を中心とした料理を作り食べていた。5)家事労働は食事の準備,後片付け,掃除・洗濯,食料品購入に至るまで「自分」が携わっていた。6)今後の地域の住まい方については,高齢者一人暮らしが多いうえ,無医村で病気になった時,災害(台風など)にあった時は不安であるが,島の人たちは親切,人情味があり気楽に生活できる環境である。