著者
高山 純一 中山 晶一朗 福田 次郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.647-655, 2004-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では, 高齢者の横断歩道外での歩行事故が多発している実態を踏まえ, 横断歩道外での高齢者の横断行動の調査・分析を行った. 調査は, ビデオによる横断行動の撮影および横断者に対するインタビュー調査である.分析の結果, 高齢者の横断所要時間は非高齢者よりも有意に長いにもかかわらず, 横断利用ラグには違いは見られず, 高齢者は相対的に危険な横断を行う傾向があること, 自分の行った横断に関して危険でないと認識する人が逆に危険な横断を行っている傾向が見られた.よって, 高齢者は, 歩行速度を含めた自分の身体能力, 自分が行っている横断について, 客観的に適切に自覚してもらう必要があると考えられる.
著者
中山 晶一朗
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

周知の通り交通混雑・交通渋滞は都市部における大きな社会問題となっている.交通混雑は単に所要時間が増加するのみならず,その信頼性が著しく低下することも問題である.所要時間がはっきりとは分からないことは,時間通りに到着することが出来ず遅刻に至ることになり,また,遅刻を回避するためには出発時刻を早めなければならず,様々な時間的,経済的,精神的損失を生み出すことになる.これまで交通工学では,時間信頼性を考慮しない交通量配分モデル(交通ネットワーク均衡モデル)が既に提案され,実用化に至っている.既往のモデルでも交通システムでの旅行時間を算出することは可能である.しかし,それらでは旅行時間の確率分布を取り扱うことは出来ず,単に一つの値としての旅行時間を算出するのみである.したがって,それらの既往のモデルでは先に述べた時間信頼性を考慮することはできない.昨年度では,時間信頼性を考慮した均衡モデルの基本的均衡概念について明らかにし,道路利用者の経路選択が不確実なため(確率的であるため)に道路ネットワークの状態が確率変動する場合の確率的均衡モデルを構築した.しかし,旅行時間や交通量の変動の原因は経路選択の不確実性のもならず,交通需要が確率的に変動することも重要である.本年度は,昨年度のモデルを拡張し,交通需要が不確実に変動するとともに経路選択が確率的に行われる場合のモデルを構築した.また,モデルを金沢都市圏道路ネットワークに適用するためのデータ整備も行った.
著者
高橋 雅憲 高山 純一 中山 晶一朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_53-I_58, 2011 (Released:2012-01-20)
参考文献数
6

平成19年3月に能登半島地震が発生し,交通の大動脈である能登有料道路のほか,多くの幹線道路が被災した.そのため直後から道路交通に混乱が生じ,あらゆる社会経済活動に影響を及ぼした.その結果,地震などの災害発生時には,混乱を避けるために地域住民,特にドライバーに対する道路交通情報の提供方法が重要であることが改めて認識された. そこで本研究は,災害時におけるよりサービスレベルの高い道路交通情報の提供を目指し,地域住民にアンケートを行い,地震時の道路利用状況及び情報取得状況を調査する.そして今回の道路交通情報提供方法は適切であったかを分析し,また今後どのように提供すべきか検討することを目的とする.
著者
吉田 裕実子 大澤 脩司 藤生 慎 高山 純一 中山 晶一朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_873-I_882, 2018 (Released:2018-11-01)
参考文献数
17

過去の被災事例より,被災者の元へ公的な支援物資が行き渡るには時間がかかることが明らかである.よって本研究では,各家庭で買い置かれている食料やコンビニエンスストア等の小売店の食料といった平時の地域に存在する食料に着目し,被災直後の食における住民の自助・共助を提案する.はじめに,地域に存在する食料の実態把握のため,平時の一般家庭・一人暮らしの学生の世帯に存在する食料に関するアンケート調査を実施し,食料原単位を算出した.さらに,小売店において調査を実施し,小売店に存在する商品の量を明らかにした.これらより,平時に地域に存在する食料を,災害時の食料供給源として活用する可能性に関して検討を行う.
著者
藤生 慎 大原 美保 中山 晶一朗 髙山 純一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_865-I_872, 2015

大規模地震災害時に発生しうる莫大な数の建物被害認定調査を効率的かつ迅速に実施するための遠隔建物被害認定システムのうちスマートフォンを用いた建物被害認定の学習アプリを作成した.アプリの作成にあたり,いくつかの被災住宅を3Dモデル化し,地震動による被害を自動で生成できる建物被害生成システムを開発した.さらに,建物被害生成システムの結果をムービーとして出力し,iphoneやipadなどのモバイル端末で建物被害認定調査の学習ができるアプリを開発した.
著者
小滝 省市 高山 純一 中山 晶一朗 埒 正浩
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.I_723-I_733, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究では,地方都市の中心駅の駅前広場を対象として,都市計画現況調査1)のデータや都市計画部局職員へのアンケート調査,実地調査の結果を元に,駅前広場の整備の実態と容量不足の要因について分析し,面積算定基準において具体的な方針が示されていない一般車用施設の規模算定方法に関する課題を明らかにした.その結果,中心駅の駅前広場の約89%が整備中または整備済であり,内,約67%が混雑し,約51%が一般車用施設が不足するとしている.また,駅前広場における一般車用施設の容量不足の要因は,経年などによる想定以上の交通量の増加や,待合車両の対応を計画に見込んでいないことから,平均停車時間の計画値と実態値の乖離にあることを明らかにした.
著者
中山 晶一朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_523-I_539, 2012

土木計画の対象は人間がかかわるシステムであることが大半である.したがって,人間の行動をどのように取り扱うのか,さらにはどのような人間行動を前提とするのかが決定的に重要となるであろう.サイモンの限定合理性の概念は人間行動の捉え方に大きな影響を与えてきた.本稿では,サイモンの限定合理性を解説し,それを土台に人間行動が集合したシステムの捉え方を考察する.そして,完全合理性の仮定からは状態記述的にシステムを捉えられることが導かれる一方,限定合理性の前提からはプロセス記述的に様々なシステムを捉える必要があることを明らかにする.また,サイモンが組織現象の研究などを通して解明した計画およびその性質について明らかにする.以上を踏まえ,土木計画へのインプリケーションとしてのプロセス記述について考察する.
著者
藤田 雅久 高山 純一 中山 晶一朗 牛場 高志
出版者
土木学会 = Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)= Journal of Japan Society of Civil Engineers, Ser. D3 (Infrastructure Planning and Management) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67-67, 2011
被引用文献数
1

近年,わが国では原子力発電所事故に対する国民の関心が非常に高まってきており,各種市民活動も活発化してきている.そのため,原子力発電所事故に対する防災計画の整備を充実させることが求められている.そのような状況から,本研究では防災計画の検討を支援するためのシステムとして,ミクロ交通シミュレーションシステムを構築し,新潟県柏崎刈羽原発周辺を対象地域として車両での避難シミュレーションを行っている.加えて,本地域の風向きや人口などの観点から地域ごとに原子力発電所災害時の危険度を考え,それらについてそれぞれの避難シミュレーションの重要性について検討を行った.その結果,現状の避難計画における避難経路などについて問題があることが分かった.These days, our interest in nuclear plant accidents has increased, and civic actions for them have also been activated. Therefore, improvement of the disaster prevention planning to nuclear plant accidents is requested. In this study, we developed a microscopic traffic simulation system for evacuation plan near the nuclear plant as a system which supports to examine the disaster prevention planning, and applied the system to Kashiwazaki-Kariha nuclear plant area. Furthermore, the risk of each region near the nuclear plant disaster from the viewpoint of wind direction and the population was considered, the importance of each evacuation simulation was examined. As a result, we found that the present plan Kashiwazaki-Kariha made has the problem on evacuation routes and others.
著者
中山 晶一朗
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.89-102, 2003-03-31 (Released:2009-01-20)
参考文献数
8

本研究では,流行・普及現象を,流行を採用するのか否か,流行商品を購入(所持)するのか否か,という個々人の二者択一の離散選択の集合と捉え,その離散選択をロジットモデルにより定式化を行う.モデルは,同調や差別化という他者の影響及び購入価格を含む採用するためのコストを考慮し,(流行の)採用率を算出するものである.このようなロジットモデルを用いた流行・普及現象モデルを構築し,数値計算により流行・普及現象の考察を行うことが本研究の目的である.数値実験の結果として,差別化の効果がない場合は採用率が単調に増加し,収束するだけの単純普及のみであったが,差別化効果がある場合は,流行の循環やカオス的挙動が生じることもあることが分かった.その場合,単純普及,循環,カオス的挙動のいずれになるかは,同調及び差別化という他者の影響のみならず,採用コストにより決定されることが分かった.
著者
朝倉 康夫 羽藤 英二 井料 隆雅 多々納 裕一 長江 剛志 赤松 隆 吉井 稔雄 山本 俊行 中山 晶一朗
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

情報通信技術の高度化に伴い,GPS,携帯電話,PHS などの移動体通信システムの利用者数は飛躍的に増加しつつある.移動体通信による位置特定機能を用いると,機器を携帯する個々のヒトの位置特定が可能であり,過去数年の間に移動体通信機器を利用した交通行動調査手法が数多く提案されてきている.移動体通信を利用したヒトの交通行動の観測と分析手法については,1998 年に研究代表者らがITS 世界会議で発表した論文を皮切りに国内外で研究が進められている.国内ではプローブ車両による道路交通流の観測に代表されるように,実務面でも移動体観測への関心が高まっている.しかしながらこれに関連する既往研究のほとんどは平常時の交通行動を対象としたものであり,災害時を想定した観測システムの開発や分析手法に関する研究は見られない.一方,災害時の交通ネットワークのリスク評価に関しては,多様なアプローチから研究されてきているが,災害時の交通行動に関する実証データを得ることが困難であるために,実際の交通ネットワークを対象としたリスク評価研究の蓄積は必ずしも十分ではない.移動体通信機器を応用して災害時の交通行動を,災害を模した状況において実証的に把握することは,災害時の交通ネットワークのリスク評価の信頼性をより高め,また,より精緻な場面への応用ができるようになることが期待されよう.