著者
中川 恭 甲田 哲之 濱田 広一郎 菅谷 建作 斎藤 高雄
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.55-60, 2020 (Released:2020-04-15)
参考文献数
29

「乳酸菌B240」は, タイ北部の発酵茶ミヤンから単離された植物由来の乳酸桿菌である。B240は小腸のパイエル板から取り込まれ, 生菌と死菌ともに分泌型免疫グロブリンA (sIgA) の産生誘導活性を有する。基礎検討では, B240の経口投与により季節性及びパンデミックインフルエンザウイルス, 肺炎球菌やサルモネラに対する感染防御効果を認めた。さらにヒトにおいてはB240の経口摂取により唾液中sIgAの分泌が促進され, また用量依存的に風邪罹患割合を抑制することを実証した。一方, 我々は分岐鎖アミノ酸 (BCAA) の摂取による運動後の疲労感, 筋肉痛の軽減を認めており, またホエイプロテインを運動直後に摂取することで, 骨格筋量や筋力を増加させる効果を確認している。従ってB240とホエイプロテイン及びBCAAを組み合わせた食品は, アスリートだけでなく感染リスクの高い高齢者や受験生, ビジネスパーソンなど, 大切な時期に体調管理を心がけたい多くの生活者のコンディショニングフードとして貢献し得るものと期待される。
著者
中川 恭彦
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, 2008-02-01

秋晴れの気候に恵まれた山梨大学甲府キャンパスで,2007年秋季研究発表会が開催されました。秋季研究発表会の概要は,日程は9月19〜21日,発表件数557件,参加登録者数1,009名,実行委員会委員数10名,アルバイト学生23名,LAN申込者数262名,瞬時アクセス数最大80程度,懇親会参加者213名でした。本学で3回目の音響学会秋季研究発表会開催を引き受け,少人数の実行委員会を立ち上げました。少人数でしたから準備も大変でしたが,音響学会事務局の絶大な支援と指導をいただき無事に何事もなく研究会を終了することができました。
著者
中川 恭子 南 毅生
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.191-195, 2021-03-20 (Released:2021-04-20)
参考文献数
16

7歳のペキニーズが排便困難を主訴に来院した.直腸検査にて腫瘤状病変による直腸狭窄を認めた.CT検査によって周囲組織への浸潤を伴う全周性の腫瘤状病変が確認され,病理組織学検査により直腸腺癌と診断した.外科切除が困難と考えられたため,緩和的治療として自己拡張型直腸ステントの設置を実施した.直腸ステント設置により狭窄部の拡張が認められ,排便困難が改善した.その後,時々軽度のしぶりや血便は認められたものの一般状態も改善し,自力での排便が可能となった.しかし,直腸ステント設置40日後の第72病日に自宅にて突然死した.死因は明らかではなく,腫瘍及びステント設置との因果関係は不明であった.死亡時まで一般状態,排便ともに良好であったことから,短期的には有効性が認められたが,長期的な安全性や有効性については確認できなかった.
著者
鈴木 敏之 奥田 綾子 中川 恭子 中野 康弘 楢崎 陽香
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.14-20, 2021 (Released:2021-07-06)
参考文献数
17

上部気道炎とホルネル症候群の徴候を示す18ヶ月齢の猫が来院した。内科的治療に効果を示さなかったので、CT検査を実施した結果、右鼓室胞と鼻咽頭部に軟部組織塊を確認した。全身麻酔下で軟口蓋切開によりアプローチして、耳管咽頭口から鼻咽頭部に出ているポリープを除去したところ、呼吸障害は改善したが神経徴候は持続した。その1ヶ月後、MRI検査所見に基づいて、腹側鼓室胞切除術により右鼓室胞内に充満する炎症組織を除去したところ、術後に臨床症状の悪化も認められず、神経徴候はほぼ改善した。2回の手術で摘出した組織は、組織学的に炎症性ポリープと診断された。本症例の経過から、猫では鼓室胞と鼻咽頭の炎症性ポリープによって上部気道障害とホルネル症候群が生じることあり、その治療として両部位の病巣切除が必要になりうることが示唆された。手術から16ヶ月後に鼻咽頭部から採取した検体のPCR検査ではMycoplasma felisが陽性であったが、この感染が鼻咽頭ポリープの原因であるとの結論には至らなかった。
著者
村上 善彦 中野 康弘 加藤 太司 中川 恭子 南 毅生
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3+4, pp.36-40, 2020 (Released:2021-02-16)
参考文献数
9
被引用文献数
1

前縦隔に異所性甲状腺癌が発生した犬に外科手術を行った3例を経験した。3症例はCT検査を行い、他臓器への浸潤、転移、胸水を認めなかったため、細胞診、病理組織検査後、外科手術を行った。術後、症例1、3はそれぞれ1,050、1,420日経過しているが、再発転移なく良好に経過している。また、症例2は術後2,925日に腫瘍とは関連なく死亡した。症例の集積による検討が必要ではあるが、前縦隔に発生した異所性甲状腺癌は、他臓器に浸潤や転移がない場合、外科手術を行うことで良好な予後が得られる可能性が考えられた。

1 0 0 0 耳之衛生

著者
賀古鶴所述 中川恭次郎編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1908
著者
塩野 忠久 長田 祐介 中川 恭彦
出版者
超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム運営委員会
雑誌
超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演論文集 (ISSN:13488236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.15-16, 2006-11-15

In frequency adjustment of the crystal resonator by ion beam etching, the phenomenon which frequency shifts immediately after etching arose, and it became the big cause which barred utilization. So, theoretical analysis of this frequency change was conducted. Temperature distribution change of the crystal resonator at the time of ion beam irradiation was calculated by the FDM. Thermal stress distribution was calculated from temperature distribution, and change of resonance frequency was calculated from change of the elastic constant. Analysis carrying out about AT, BT, and SC cut, calculation and an experimental result were well in agreement. Therefore, it turned out that thermal stress arises in temperature distribution change produced by ion beam irradiation, an elastic constant changes, and frequency changes.
著者
宮下 美香* 中川 恭好 鈴木 健一朗
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.77-85, 2012-07-01 (Released:2015-01-06)
参考文献数
32
被引用文献数
2

年間を通じて高い気温と湿度が保たれるタイ王国では食材が豊富なこともあり、様々な発酵食品が存在しており、タイ料理の独特の風味や旨味に欠かせないものとなっている。これら発酵食品には乳酸菌が生息することが知られていて、風味や旨味の付与、また高温多湿における食品の保存に重要な役割を担っている。本稿では、様々なタイの発酵食品とそこに生息する乳酸菌の多様性について、著者のこれまでの調査結果を交えて概説する。
著者
榎本 敬 中川 恭二郎
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.202-208, 1977-12-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
19
被引用文献数
1

実験圃場において, セイタカアワダチソウを種子より2年余りにわたって無競争下で生育させた。器官別現存量, 枯死量, 葉面積, 草丈, ロゼット数などを, 個体別に, 期間中20回にわたって測定し, 生産構造, 純生産量などを求めた。その結果, 以下のようなことがわかった。1) 種子より生長を始めた場合は, まず葉と根の生長に重点がおかれ, 次に茎, 花, 地下茎の生長が起こっていることが, 純生産の分配率からわかった。またT/R比, F/W比が大きくて, 1年生草本の値に近く, 茎の伸長速度は小さかった。2) 地下茎から生長を始めた場合は, まず茎への分配率が高くなり, 次いで葉と地下茎への分配率が高くなった。T/R比, F/W比は小さくなり, 年間純生産の地下茎への分配率が高まり, それらは, 完成した群落で得られている値に近づいている。春における茎の伸長速度は極めて大きかった。3) 同化産物は夏から秋にかけて地下茎に蓄えられるが, 冬の間にも茎からの転流が起こっていると考えられ, 春先に地上部へ転流することによって, 急速に地上部が完成された。4) ロゼットは10月に地表に現れ, 春まで数が増加したが, 春から初夏にかけて急激に減少した。この自然間引きは, 草丈の低いものに集中して起こった。5) 同一個体でも, 種子から生長を始めた場合と2年目以後の地下茎からの生長とでは適応戦略が異なっており, このことが本種の定着やその後の生長と繁殖に重要な意味を持っていると考えられる。
著者
高江洲 賢文 中川 恭二郎
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.p51-57, 1985-05

This study was carried out to analyse the pattern of organ formation, particularly the daughter bulb formation. 1) The scales of the mother bulb (MB) were oriented on a generic spiral, which was reached to the tops, at the phyllotaxis of 3/8. No increase of the scales was observed during the vegetative period. Radical leaves were formed on the generic spiral elongating to the tops at the phyllotaxis of 3/8. 2) One primary daughter bulb each (DB1) was generated on the axiles of both radical leaves and scales. The number of primary daughter bulbs of the scales (DBS1) was almost equal to that at the initial stage. On the other hand, the number of primary daughter bulbs of the radical leaves (DBL1) corresponded with that of the leaves because at the initial stage a daughter bulb was transformed into a flower bud. These results suggest that the morphogenesis of the flower bud may be affected by intrinsic factors of the plants. 3) DB1 was formed most rapidly on the middle nodes, where the phyllotaxis was changed from scales to radical leaves. DBL1 formation was acropetal and DBS1 formation was basipetal. These findings suggested that the differences in the formation of DB1 may be one of the effective methods for reproductive strategy. 4) Some scales of the DB1 (SDB1) did not change but other developed to radical leaves of the DB1 (LDB1), indicating that DB1 can be come adapted to various environments. This plasticity may be an important character for this species. 5) Secondary daughter bulbs (DB2) were formed from the basal nodes to the top ones at the axile of DBI regardless of the type of leaves. A large number of DB2 were generated on the middle nodes of MB. 6) MB produced many adventitious roots at the base, which were fibrous in the early stage but become enlarged and formed root tubers subsequently.
著者
中川 恭次 渡辺 清治 角田 智彦 瀬尾 和大 此上 典文
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, 1974-06-15

ある場所で観測される地震動には波動の伝播過程におけるさまざまな要因による影響が含まれているが, 特に観測点直下の表層地盤の影響が大きいと考えられる。そこで表層地盤に関する資料は他の要因に比して比較的豊富であるので, 表層地盤の動特性を観測点ごとに求めることによって, 地表における地震観測記録から観測点直下の基盤における地震動を推定することはある程度可能である。この考え方から東松山地震(1968)の際, 都内13個所で得られたSMAC強震計の同時記録をもとに基盤入力波を逆算し, 表層地盤の動特性と基盤入力波の持つ性質についての考察を行なった。その結果, 基盤入力波の振幅レベル, 特性は推定可能であり, また他の場所で観測された地震記録から計算によって基盤入力波を求めることもある程度可能となった。