著者
吉田 麻美 三木 明子
出版者
一般社団法人 日本産業精神保健学会
雑誌
産業精神保健 (ISSN:13402862)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.167-169, 2023-11-20 (Released:2023-11-20)
参考文献数
4
著者
吉田 麻美 米田 稔 片岡 利仁 尾坂 高明 小倉 研二 小島 玉雄
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.179-182, 2010 (Released:2011-03-16)
被引用文献数
1 1

京都府立植物園の桜園を対象として, 瓦破砕材を用いた土壌改良の有効性について検討した。まず試験的に各種土壌を充填した穴を通路上に設定し, 降雨への応答や踏圧による物理特性などの変化を追跡した。その結果, 瓦破砕材は適度な水の保持能力と水はけの良さを合わせ持っていること, 数ヶ月程度ではその効果は消えないことが明らかとなり, さらに実際に瓦破砕材を約40%(重量比)混合して実施した土壌改良でも改良前と水分保持量は変わらず, 水はけは良くなるという結果を得た。また土壌改良と同時に瓦破砕材のみを充填した道を造ったが, 土壌領域地表に難透水層が形成された場合には, この道が周囲の土壌中含水率に影響を及ぼすことが数値シミュレーションにより明らかとなった。
著者
有島 武志 佐々木 一郎 吉田 麻美 深尾 篤嗣 大澤 仲昭 花房 俊昭 石野 尚吾 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.69-74, 2007-01-20 (Released:2008-09-12)
参考文献数
14
被引用文献数
1

我々は, バセドウ病発症に伴い, 精神変調を来した, もしくは精神変調が悪化し, 西洋医学的治療により甲状腺機能が正常化したにも関わらず精神変調の改善が無く, 漢方治療を併用することで改善を認めた2症例を経験した。症例1は, 24歳女性。2000年にバセドウ病と診断され, 抗甲状腺剤による治療が開始され, 機能正常となったが, イライラ感, 不安感, 絶望感等の精神変調が改善しないため2005年2月来院。症例2は, 26歳女性。高校卒業後, 就職を契機にバセドウ病を発症。抗甲状腺剤による治療が開始されたが, 甲状腺機能は不安定で軽度の亢進と低下を繰り返し, その間にイライラ感, 疲れやすい, 気力減退, 脱毛等の症状が悪化し, 2005年1月来院。2例とも桂枝甘草竜骨牡蠣湯合半夏厚朴湯を処方 (症例1は経過中変方有り) し, それぞれ16週, 9週後には症状は著明に改善した。精神変調を併発したバセドウ病に対する漢方治療の有用性が示唆された。
著者
吉田 麻美 三木 明子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.17-019-B, (Released:2018-02-01)
被引用文献数
5 4

目的:プレゼンティーズムには,仕事のストレッサーに加えて,ワーカホリズムの働き方やうっかり者などと形容される失敗傾向が関連すると考える.また,加齢変化に伴う健康上の問題の増加により,中高年看護師のプレゼンティーズム対策は若年看護師と異なる可能性がある.以上より本研究では,若年看護師と中高年看護師それぞれにおけるプレゼンティーズムに関連する要因を明らかにすることを目的とした.対象と方法:10病院に勤務する全看護師2,006名に無記名自記式質問紙調査を実施し,40歳未満の若年看護師761名,40歳以上の中高年看護師536名を対象とした.プレゼンティーズムは日本語版Stanford Presenteeism Scaleの労働障害指数を,関連要因は仕事のストレッサー,ワーカホリズム,失敗傾向を測定した.労働障害指数を従属変数,関連要因を独立変数とする重回帰分析を行った.結果:健康上の問題がある若年は70.8%,中高年は82.5%であり,労働障害指数は若年の方が中高年と比べて有意に高かった (p < 0.001) .また,若年は,「仕事の困難さ (β = 0.28, p < 0.001)」のストレッサーの高さやワーカホリズムの下位尺度である「働き過ぎ (β = 0.18, p < 0.001)」の傾向,「アクションスリップ (β = 0.14, p < 0.01)」および「認知の狭窄 (β = 0.11, p < 0.05)」の失敗傾向と有意な関連をみとめた.一方,中高年は,「認知の狭窄 (β = 0.29, p < 0.001)」の失敗傾向や「働き過ぎ (β = 0.17, p < 0.001)」の傾向,「仕事の困難さ (β = 0.12, p < 0.05)」および「連絡・コミュニケーション不足 (β = 0.13, p < 0.01)」のストレッサーの高さと有意な関連をみとめた.考察:中高年看護師は健康上の問題は増加するが,労働能力が低下するとは限らないことが明らかとなった.また,中高年看護師は若年看護師に比べて,仕事のストレッサーよりも失敗傾向の高さがプレゼンティーズムに関連していた.注意の狭小化により適切な行動がとれない経験は,自身の労働能力低下を自覚しやすいものと考えられる.このような失敗傾向のある者については特に配慮を必要とするとともに,疲労や緊張状態などは注意の狭小化を起こしやすくすることから,これらリスクの低減やミスの起こりにくい作業環境の調整の必要性が求められる.
著者
櫟 直美 尾形 由起子 小野 順子 中村 美穂子 大場 美緒 吉田 麻美 猪狩 崇 平塚 淳子 田中 美樹 吉川 未桜 山下 清香
出版者
福岡県立大学看護学部
雑誌
福岡県立大学看護学研究紀要 (ISSN:13488104)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.13-23, 2022-03-31

「目的」本研究の目的はA県の3年間にわたる訪問看護ステーション連携強化の取組について意義と課題の整理を行い、今後の訪問看護ステーション連携について検討することを目的とした。「方法」A県の同意の得られたすべての訪問看護ステーション419か所に所属する訪問看護師3,750名を対象として無記名自記式質問紙調査を実施し、統計学的解析を行った。「結果」936名から回答を得た(有効回答率:25.0%)。交流会に参加して他のステーションと連携がしやすくなったのは37.1%だった。今後の必要性について、交流会を必要とする肯定群は936人中641人(68.5%)で、同行訪問研修を必要とする肯定群は936人中562人(60.0%)だった。しかし同行訪問研修の実際の参加率は16.8%にとどまり、参加の困難さがあった。医療介護福祉の連携意識は、年代と職位に有意な差があった。また交流会および同行訪問研修の必要性と連携意識に有意な差があった。在宅医との連携では、最も必要であると感じているが、連携の取りやすさでは困難さを感じていた。「考察」本研究結果では訪問看護ステーション間での連携の深まりを明らかにすることはできなかった。しかし交流会や同行訪問研修の必要性を感じている割合が高かったことから継続する意義はあると考えた。その意義として具体的には、連携上の課題が共有でき、医療的ケアの知識や技術が学べることや運営方法を知る機会となることである。また在宅医療推進のために在宅医との調整の積み重ねの必要性があり、コミュニケーションスキルを磨き、連携力を獲得していくための場への積極的参加の啓発と参加しやすい仕組みづくりが必要である。
著者
吉田 麻美 高松 順太 吉田 滋 北岡 治子 増井 義一 大澤 仲昭
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.249-256, 1998-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
20

肥満を伴うインスリン非依存性糖尿病 (NIDDM) 患者19例に対し, 運動療法が可能な9例では, 160Calorie/日の有酸素運動 (速歩) 療法を6ヵ月間施行, 実施困難な身体状況にある11例には, 防已黄耆湯を6ヵ月間投与した。運動療法は内臓脂肪型肥満に有効とされているが, 運動療法群では, 治療前後で, CTスキャンを用い測定した内臓脂肪面積と皮下脂肪面積の比 (V/S比) が0.77±0.26から0.65±0.30へ低下したが, 肥満度及び血糖, 脂質についても有意な改善をみなかった。一方, 防已黄耆湯投与群では, 血清コレステロール値が197±31mg/dlから180±19mg/dl(P<0.01)へ, またV/S比が0.84±0.56から0.64±0.30 (P<0.05) へと有意に改善, 血糖値も改善傾向であった。今回の結果から, 防已黄耆湯は内臓脂肪型肥満さらに動脈硬化予防に対し有用である可能性が示唆された。
著者
加藤 佑佳 中野 明子 山本 愛 岡村 香織 小海 宏之 吉田 麻美 園田 薫 安藤 悦子 岸川 雄介 寺嶋 繁典
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.721-730, 2011-08-01

2型糖尿病者を対象にProblem Areas in Diabetes(PAID)scaleを実施し,フロア効果がある6項目を除いて因子分析を行ったところ単因子構造が確認された.このPAID尺度とProfile of Mood States(POMS),Tokyo University Egogram New version(TEG)との関連を検証した結果,PAID尺度はPOMSの「Tension-Anxiety」「Depression-Dejection」「Fatigue」との有意な関連がある一方,TEGとは関連がみられなかった.よって,PAIDとPOMSを併せて用いることは,糖尿病の負担感と関連する心理的状態をより詳細に把握することができ,各人に応じた心理的援助を提供する際に有効であると考えられる.