著者
平田 佐智子 小松 孝徳 中村 聡史 秋田 喜美 澤井 大樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.185, pp.1-6, 2013-08-16

オノマトペ(擬音語・擬態語)は表現力豊かな言葉であるとされており、その性質や応用可能性について明らかにされつつある。本研究は、オノマトペが言語コミュニケーションにおいて果たす役割を検討するため、地域によってオノマトペの使用頻度が異なるのか、またどのような人に対して用いられるのか、どのような伝達内容に対して用いられるのか、を調べるため全国規模の調査を行った。結果として、主観的な使用頻度には地域差は無いものの、オノマトペの地域差に対する根強い信念が存在すること、またオノマトペが親密性の高い間柄で用いられる点や、触覚や視覚情報を伝達する際に最も多く使用されることがわかった。
著者
大野 直紀 土屋 駿貴 中村 聡史 山本 岳洋
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.929-940, 2018-03-15

音楽動画の印象に基づく検索や推薦,音楽動画の類似判定のためには,音楽動画の印象推定に関する技術が必須となる.しかし,音楽に対する印象評価や映像に対する印象評価に関する研究は多数なされている一方で,音楽と映像が組み合わされた音楽動画に対する印象評価の研究は十分になされていない.我々は,音楽と映像の印象がどのように音楽動画の印象に影響するのかを調べるため,「音楽のみ」「映像のみ」「音楽動画」の3つの関係性に着目し,これらに対する8印象軸の印象評価データセットを構築した.また,それらを分析することで,音楽と映像の印象評価の組合せによる音楽動画の印象推定の可能性について検討を行った.またデータセット内の音楽動画の音楽と映像を任意に合成した音楽動画を生成し,印象評価を行ってもらうことで,音楽印象と映像印象の組合せが音楽動画の印象とどのように関係しているのかの分析を行った.その結果,音楽と映像の印象を組み合わせることによる印象推定の可能性があること,また各印象によって印象の組合せ方が異なることを明らかにした.
著者
牧 良樹 白鳥 裕士 佐藤 剣太 中村 聡史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2K105, 2018

<p>ストーリーコンテンツにおいて,未知であるストーリー部分を明らかにすることはネタバレと呼ばれ,多くの研究で防止する手法が提案されてきた.しかし、そのネタバレがコンテンツを楽しんでいるひとに対しどのような影響を与えるのか,またコンテンツの進度によりネタバレの影響は変化するのかについては調査されていなかった.我々は以前の研究で,コミックを対象としたネタバレ影響調査を行ない,作品によってネタバレの影響が変化することを明らかにしてきたが,ネタバレの本質的な影響については調査できていなかった.そこで,本研究ではネタバレ直後の影響を調べることによってネタバレの本質的な影響について明らかにした.また,ネタバレページの特徴を分析することによって,ネタバレページ推定実験の手法についての検討を行なった.</p>
著者
佃 洸摂 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3471-3482, 2011-12-15

映像の編集や検索を行う際に,ある人物がより視聴者の注目を集めている映像を検索したいということはよくある.また,現在視聴している映像の関連映像として,登場人物の活躍パターンが似ている映像を推薦してほしいということもよくある.しかし,映像に登場する人物がどの程度視聴者の注目を集めているかは,映像のテキストデータや画像解析だけでは判断できないことが多く,視聴者の反応に基づいて注目されている人物を推定する必要がある.そこで本稿では視聴者の反応として映像の再生時刻に沿って付与されたコメントを用いて,映像に登場する人物が視聴者の注目を集めているシーンの推定と各シーンにおける各登場人物の活躍の度合いの推定を行う手法の提案をする.ただし,本稿ではニコニコ動画に投稿された映像の中で,コメントが一定数以上付与された映像に登場する,視聴者に名前が広く知れわたっている人物を対象とする.
著者
二宮 洸太 又吉 康綱 中村 聡史
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2019-HCI-184, no.15, pp.1-8, 2019-07-15

コンピュータやスマートフォンが普及した現在においても,手書き文字を使う機会は多くある.また,自分の手書きに対して苦手意識を持っている人たちもいる.これまでの研究で,複数の手書き文字を合成し平均化した文字が綺麗であることや,それを用いた手書き平均化アプリケーションも実装されている.しかし,立った状態でメモを走り書きするなどのシーンのように,手書きが崩れてしまったものを読めるようにできるかについての検討は,十分に行われてこなかった.そこで本研究では,崩れた手書き文字データセットを構築するための手法について検討を行うとともに,構築したデータセットを用いて平均化によって美化し,読めるようにすることができるかを検証した.検証の結果,平均化によって可読性が向上することがわかった.また手書きの可読化においてユーザ間に相性が示唆された.
著者
田村 洸希 中村 聡史
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2020-HCI-186, no.3, pp.1-8, 2020-01-08

日本では手書きは一般的に心がこもっていると考えるひとも多く,フォントで生成されたものより手書きされたものを好む人は多い.また,板書などにおいては手書きの方がタイピングより記憶に残りやすいことが分かっており,手書きには一定の価値がある.一方で,コンピュータを用いて手軽に作成,編集が可能な履歴書やレポートなどでも手書きが要求されることは珍しくない.そこで本研究では,受け取った人の満足度を高め,また書くひとの満足度も高める仕組みの実現を目指し,手書き文字の数式化と加重平均化によるゆらぎを導入と,手書き機械の実装を行った.ここでは,単純な加重平均化では問題があることに着目し,改良型の加重平均手法を導入した.また実験によりその可能性について検討を行い,改良型の加重平均化手法で騙しやすくなること,また機械による紙への手書きをひとが判断するのは難しいことなどを明らかにした.
著者
田島 一樹 中村 聡史
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2015-GN-96, no.7, pp.1-6, 2015-09-25

アニメやドラマなどのストーリーコンテンツに関して SNS で発信されるネタバレ情報は,本来作品を通して体験するはずだった興奮や感動的な体験を無くしてしまうものである.そこで本研究では,ストーリーコンテンツに限定し,ネタバレ情報を遮断する手法の検討を行う.ここでは人々が特に致命的なネタバレであると考えるものを調査し,そこからネタバレ情報をカテゴリ分けした.また,この各カテゴリに対する SVM でのネタバレの推定可能性について実験を行い,明らかにする.
著者
松田 滉平 中村 聡史
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2019-HCI-182, no.14, pp.1-8, 2019-03-11

手帳やリマインダ,タスク管理アプリなどを使うことで,自身がやるべきことややりたいことを情報として外在化させ,忘れないように管理する人は一定数存在する.しかし,これらの管理方法の多くはタスク内容を忘れずに思い出せるように管理するものであり,タスクを整理して効率的に実行することはできても,タスクを行なうためのモチベーションには繋がりにくいといった問題がある.ここで人は画像を見ることによって,その画像内容に沿った行動を無意識的に行なうことや,画像に写っている対象への印象が変化することが知られており,我々はこれまでの研究において,従来の文字ベースのタスク管理ではなく,ビジュアルイメージである画像を用いて,タスクへの行動を促すトリガを管理する手法を提案してきた.本研究では,この画像によるタスク管理の可能性について複数の実験を通して検証した.タスクの提示形式の違いによる比較実験を行なったところ,タスクを確認してから実行するまでの時間差においては 「具体的にタスクに関連するものを被写体にして表現された画像」 と 「抽象的だが画像で表現された画像」 が短時間でタスクを実行に移しており,次いで 「文字で表現されたもの」,「抽象的なイラストで表現された画像」 の順でタスク実行に移るまでの時間差が短い結果となった.これらの実験結果から,タスクの行動を想起しやすい画像にすることで,タスクへのモチベーションが向上することが明らかになった.
著者
斉藤 絢基 中村 聡史
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

コミックの創作を行う際,キャラクタのセリフやナレーションなどで用いられる文字をキャラクタの性格や場面の雰囲気に合わせた文字デザインを行うが,日本語フォントはその文字数の多さから,英語フォントに比べバリエーションが少なく,また高価であるため,その場その場にあった文字デザインをすることは容易ではない.そこで本研究では,任意の既存のフォントを組み合わせて新たなフォントを作り出す手法を実現し,そのフォントの組み合わせ度合いを自在に変化させることによって,新たなフォントを生成する手法を提案する.また,提案手法を用いたコミックで使用する文字のデザインを支援するプロトタイプシステムを実装し,提案手法の有用性を議論する.
著者
中村 聡史 鈴木 正明 小松 孝徳
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.32-39, 2014-09-12

綺麗な文字を書くということに日本人の多くは興味を持っている.さて,綺麗な文字とはどのような文字だろうか?本研究では,人の手書き文字をフーリエ級数展開によって数式化し,その式の平均を計算することによって,平均的な文字を生成することを可能とした.また,その平均文字を利用した実験により,実際に書いた文字よりユーザの平均的な文字が高く評価されること,ユーザの平均文字より全体としての平均文字高く評価されることを明らかにした.さらに,ほとんどの人が自身の文字を高く評価する傾向があることも明らかにした.
著者
小松 孝徳 中村 聡史 鈴木 正明
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-159, no.7, pp.1-9, 2014-07-28

「ひらがなはカタカナよりも丸っこい」 ことを客観的に示すために,文字を平面曲線としてとらえた上でそれを数式化し,そこから抽出した曲率を用いて文字の丸さを表現する手法を提案した.この結果をもとに,文字における数式表現および曲率の利用可能性をいくつか提案し,その将来性について議論する.
著者
梅本 和俊 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.132-147, 2013-06-28

旅行に関する情報をWeb検索エンジンを通じて収集する場合,観光地や宿泊先などさまざまな観点から検索を行う必要がある.このように,いくつかのサブタスクから構成される検索タスクでは,1つの検索クエリのみですべての情報を得ることは難しく,クエリの修正をともなう検索が反復的に行われることによって,タスクが実行されることが多い.本稿では,こうした検索クエリの修正を,事前に予測する手法を提案する.提案手法は,現在の検索行動を特徴量とする分類器を構成することで,次の検索におけるクエリ修正タイプの予測を行う.実際の検索行動のログデータを用いた評価実験の結果,提案手法は5種類の検索クエリ修正タイプを約41%の精度で分類可能なことが明らかになった.また,分類器構成に用いる特徴量を変化させることで,修正タイプの予想に有用な特徴量の検証も行った.さらに今後の展望として,次の検索において実際に入力されるクエリの予想可能性についても考察する.
著者
中村 聡史 鈴木 正明 小松 孝徳
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.2599-2609, 2016-12-15

綺麗な文字を書くということに日本人の多くは興味を持っていると考えられる.さて,綺麗な文字とはどのような文字だろうか?本研究では,人の手書き文字をフーリエ級数展開によって数式化し,その式の平均を計算することによって,平均的な文字を生成することを可能とした.また,その平均文字を利用した実験により,実際に書いた文字よりユーザの平均的な文字が高く評価されること,ユーザの平均文字より全体としての平均文字が高く評価されることを明らかにした.さらに,ほとんどの人が自身の文字を高く評価する傾向があることも明らかにした.Almost Japanese are interested in handwriting beautiful characters. Here, what is beautiful handwritten character? In this paper, we proposed a method to generate average handwritten characters by using Fourier series expansion. Then, an experimental test showed that user's average characters are more beautiful than user's handwritten characters. Another test showed that average characters of users are more beautiful than each user's average characters and that almost all users evaluate own average characters highly.
著者
山本 岳洋 中村 聡史 田中 克己
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.74-87, 2011-07-01
被引用文献数
1

我々は膨大な検索結果をさまざまな観点から閲覧し,効率良く多くの方法を閲覧するための仕組みとして,検索結果全体の俯瞰的インタフェース(タームクラウド)と語ベース適合フィードバックに基づく検索結果の再ランキングシステムを提案してきた.提案してきた俯瞰的インタフェースは有効なものであったが,提示する単語は単純な語の出現頻度に基づき選ばれていたため,ユーザの再ランキング行為を促進するには不十分であった.そこで本稿では,よりユーザの興味を引く単語を提示するため,"有名な観光地"や"美味しい和菓子屋"といった観点に着目し,そうした観点をQ&Aコンテンツから抽出する手法を提案する.ユーザ実験の結果,提案手法により得られた観点は,従来のクエリ推薦や頻度に基づく単語抽出手法に基づく手法に比べてユーザの興味を引く単語を多く提示可能であることが分かった.We have previously proposed a system that reranks Web search results based on users' term-based feedback. The system enables users to explore search results from diverse viewpoints. We have also proposed an interface called TermCloud which are generated from frequent terms appear in Web search results. However, these terms are not enough to support users reranking operations. In this paper, we propose a method to extract aspects like "famous spots" or "delicious restaurant" by using Q&A contents in order to suggest users more interesting terms. The results from the user experiments revealed that our method could provide more interesting terms than several baseline methods including conventional query suggestions.