著者
中村 聡史 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.5, pp.77-84, 2009-01-19
被引用文献数
1

近年,動画共有サイトが飛躍的にそのシェアを伸ばしている.ユーザは,キーワードやタグなどを利用することで動画を絞り込み,人気度や新しさに基づくランキングを活用することで対象とする動画を探す.しかし,こうした動画検索は十分なものではなく,ユーザは自身の探そうとする動画にたどり着けないことが多い.例えば,笑える動画や,泣ける動画などをその度合いに応じて探すことは困難である.本稿では,ソーシャルアノテーションを時間軸に基づき印象分析し,インデックスを生成することで,印象に基づく動画検索およびランキングを可能とする.Recently, video sharing Web sites have been becoming popular. User can search video clips by inputting keyword or browsing tags and rank them based on popularity or freshness. However, these methods are not enough to search target video clips. For example, it is not easy for users to find much more laughing or tear-jerker video clips. In this paper, firstly, we analyze social annotation to video clips. Then, we generate index based on each impression and realize the prototype system. Finally, we discuss the usefulness of our system.
著者
宮森 恒 中村 聡史 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SIG18(TOD28), pp.59-71, 2005-12-15

本稿では,ウェブ上の実況チャットを利用することでテレビ番組のメタデータを自動的に抽出する手法を提案する.実況チャットは,テレビ番組と同期して視聴者によって書き込まれるウェブ上の掲示板である.番組実況チャットのデータを,利用者全体あるいは特定の傾向を持つ利用者のデータ集合として扱い,チャット上に表れる特徴的な表現を認識処理することで,番組の盛り上がり場面や,視聴者の嗜好・興味に沿ったリアクションなど,視聴者視点に関連するメタデータを効率良く抽出できる.実験の結果,提案方式により,視聴者の反応の大きさや喜び,落ち込みなどの感情度数などのメタデータを効率良く抽出できることを確認した.また,提案方式で得られるメタデータを利用した番組視聴システムを実装することにより,シーンのランキング表示やダイジェスト生成など視聴者視点を反映した多様な番組視聴へ応用可能になることを確認した.
著者
旭 直人 山本 岳洋 中村 聡史 田中 克己
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.4, pp.1-8, 2009-11-13

本論文では,ユーザが入力した 2 つのオブジェクトの間にあたるオブジェクトを発見する手法を提案する.例えば,桶狭間の戦いと本能寺の変の間に起こった出来事を知りたい,2 つの知っている本の中間の難易度を持つ本を発見したい,といったような状況は良くある.しかし,従来の検索エンジンでは,こうしたオブジェクトを発見することは難しい.そこで本研究では,2 つの入力の間に位置するようなオブジェクト (補間オブジェクト) を発見するシステムについて述べる.また,検索エンジンを利用し,語の出現位置に注目することで補間オブジェクトを自動的に発見する手法を提案する.最後に,評価実験により提案手法の有用性を示す.We propose a method for finding intermediate objects between two objects that a user inputs. For example, there are many situations such that he/she wants to know an event between "the Battle of Okehazama" and "Honnoji Incident", or that he/she wants to find a book that has intermediate level between two books he/she knows. However, it is difficult to find such intermediate objects by conventional search engines. First, we describe a system that find intermediate objects between two inputs. Second, we propose find intemediate objects automatically using positions of words. Finally, we show the results of our experiments and evaluate the effectiveness of our method.
著者
中村 聡史
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

スマートフォンを用いたグループで連携する情報検索(モバイル協調検索)において,グループメンバー同士で意思疎通を図りながら検索を可能とするため,2つの手法を提案および実現した.1つ目は他者の検索結果上への候補ページ割り込み手法で,これにより検索中の情報共有を可能とした.2つ目はグループメンバーの検索状況を考慮したクエリ推薦手法で,これによりある程度網羅的に調べつつも,意思決定をスムーズに行うことを可能とした.
著者
中村 聡史
出版者
明治大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究プロジェクトでは,情報検索におけるユーザの検索意図やコンテキスト,プロファイルといった情報を,視線の動きによって推定したり,興味を持てるような観点語を質問応答サービスから取得して提示する手法などを実現した.また,本手法によって,検索結果をダイナミックに再ランキング,再サーチする手法を実現し,ユーザの情報検索行動を手助けする手法を実現した.さらに,マルチメディアコンテンツに対する対話的な検索も実現した.
著者
山本 岳洋 中村 聡史
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.61-72, 2013-06-28

本稿では,印象に基づく楽曲検索実現のために,動画共有サイト上に投稿された楽曲動画を,可愛らしい,切ない,元気がでるといった印象に分類する手法を提案する.楽曲動画の印象分類のため,ユーザの投稿した時刻同期コメントに着目し,単語の品詞,文字の繰返し構造,楽曲のサビ区間の3つを利用する.実験では1,314本の楽曲動画を7印象クラスに分類し,提案手法がF値のマクロ平均で0.659を達成しベースライン手法よりも高い精度を得た.また,楽曲の歌詞や音響特徴量を用いた分類手法とも比較し,提案手法の有効性を示した.
著者
捧 隆二 中村 聡史 田中 克己
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.9, pp.1-7, 2012-12-05

デジタルカメラの低価格化に伴い,日常的に大量の写真を撮影する人々が増えてきている.それに伴い,個人の写真集合の中から写真を検索するニーズも増加している.既存の写真ブラウザは時間・位置・人物情報を用いて写真を検索することができるが,ユーザは自身の属する社会的コミュニティのいずれかに属する写真が欲しいというニーズを持つこともある.そこで,本研究はコミュニティをベースとした個人画像の検索を実現することを目的とする.本稿ではまず,個人の写真集合の中から個人間の社会的関係性の強弱を推定する.そして,その社会的関係性に基づき,人間関係をネットワーク化し,それをさらにクラスタリングすることで,社会的コミュニティの抽出を試みている.More and more people take many photos routinely with appearance of digital camera. And the need to search for photos from personal photos has been increasing. Existing photo browsers can search for photos using the time-position and human information. But The user may want to search a photo related one of their own social communities. Therefore, this study aimed to realize personal image retrieval based on the community. In this paper, we estimate the strength of social relationships between individuals in a set of personal photos. Based on the social relationships, we network relationship, cluster the network, and find the social communities.
著者
中村 聡史 平田 佐智子 秋田 喜美
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

時間的推移によるオノマトペの意味変化の可能性に対して、オノマトペの通時的研究は少ない。本研究では大規模な話し言葉データである国会議事録を元に、発言中のオノマトペの頻度及び共起する語の分析により、オノマトペの意味がどのように推移したのかを検討する。また、情報学と心理学・言語学という分野を大きく横断した研究において、各分野の研究者がどのように相互に貢献できるかといった点について知見を報告する。
著者
平田 佐智子 秋田 喜美 小松 孝徳 中村 聡史 藤井 弘樹 澤井 大樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

オノマトペ(擬音語・擬態語)は文学作品のみならず、漫画や商品の宣伝などに幅広く使用される。その一方で、話し言葉におけるオノマトペ使用頻度は地域や状況によって異なり、特に近畿・東北圏の使用頻度が高いという指摘がなされている。そこで、本研究では一般的に信じられている「近畿や東北の人は会話におけるオノマトペ使用頻度が高い」という信念が実際に存在するのか、またその信念が生じる起因を探ることを目的とする。
著者
水口充 中村 聡史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.52, pp.23-30, 2006-05-19

個人の属性/趣味/所有物の誇示やコミュニティへの帰属は人間の高度な欲求に基づく行為であると考えられる.これらの行為は実世界のみならずネット内の活動においても観察することができる.本稿では,ネット内のコミュニティをシンボル化した物理タグを着用することで実世界とネット内での活動を融合し,興味の共有によるコミュニケーション支援や環境ディスプレイを介した気軽な情報アクセスを実現する手法について提案する.Exhibition of personal attributes, hobbies and possessions can be regarded as actions derived from human's high-leveled desires. Such actions can be observed not only in the real world but also in the virtual societies. In this paper, we discuss a linking method between real and virtual activities via physical tags that symbolize communities in the virtual society. We expect this method can enhance communications among users and realize casual access to information through ambient displays.
著者
佃 洸摂 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3471-3482, 2011-12-15

映像の編集や検索を行う際に,ある人物がより視聴者の注目を集めている映像を検索したいということはよくある.また,現在視聴している映像の関連映像として,登場人物の活躍パターンが似ている映像を推薦してほしいということもよくある.しかし,映像に登場する人物がどの程度視聴者の注目を集めているかは,映像のテキストデータや画像解析だけでは判断できないことが多く,視聴者の反応に基づいて注目されている人物を推定する必要がある.そこで本稿では視聴者の反応として映像の再生時刻に沿って付与されたコメントを用いて,映像に登場する人物が視聴者の注目を集めているシーンの推定と各シーンにおける各登場人物の活躍の度合いの推定を行う手法の提案をする.ただし,本稿ではニコニコ動画に投稿された映像の中で,コメントが一定数以上付与された映像に登場する,視聴者に名前が広く知れわたっている人物を対象とする.When a user edits or searches a video clip, he/she often hopes to extract a scene or search video clips in which a character is active. Moreover, he/she also often hopes to be recommended a video clip that has a similar activity pattern of characters as a relevant video clip that he/she is watching. However, it is difficult in many cases to judge the active characters from only text data or image analysis. We estimate the degree of attention based on viewers' reaction. In this paper we use comments posted to a video clip as the viewers' reaction. We propose a method to estimate the spotlighted scenes of each character in a video clip and the degree of it. We especially target video clips that is uploaded to Nico Nico Douga and a character whose name is known widely.
著者
佃 洸摂 中村 聡史 山本 岳洋 田中 克己
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J94-A, no.7, pp.476-487, 2011-07-01

本論文では,あるレシピに対して,追加・削除可能な食材を発見し推薦する手法を提案する.Web上にある料理レシピを閲覧しているときに,レシピに対して食材をあと一つ追加または削除したいということはよくあるが,従来のシステムではこうした食材の発見は困難である.本研究では料理レシピの構造を分析することで,追加・削除可能な食材を推薦するシステムについて述べる.例えばこれにより,ある料理レシピに対して食材を追加・削除することで,典型的なレシピに近づけたり,一風変わったレシピに近づけたりすることが可能となる.また,検証実験により,システムによるレシピの構造分析の評価や,システムが推薦する追加・削除食材の妥当性の評価を行った.また,追加・削除食材に基づいたレシピ探索を実現するシステムの実装,実装システムを用いたユーザヒアリングにより得られた提案する検索方式の利点・問題点を述べる.
著者
カンウィパーラートサムルアイパン 中村 聡史 渡辺 知恵美
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-150, no.15, pp.1-8, 2010-07-28

日本では料理や味覚を擬音語,擬態語を表すオノマトペを用いて 「ふわふわケーキ」 のように表現することが多い.そこで我々は,オノマトペを利用した料理レシピ推薦システムの開発をしている.これまで,オノマトペとレシピ用語の一対一の関連を求めてオノマトペをキーワードにしてレシピを検索するシステムを開発した.今後は,複数の用語やオノマトペと用語の組合せでも検索できるようにすべきである.そこで,本研究はオノマトペと用語の集合の関連を求め,これらの結果に基づいた検索システムのインターフェースを提案する.
著者
中村 聡史
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では,人間とコンピュータ上のコンテンツとの関わりをより自然なものとするため,生活の中で人間がすでに慣れ親しんでいる紙の表裏の関係に注目し,板状コンピュータの両面に直接操作可能なタブレットディスプレイを備えた両面ディスプレイシステムを実装した.また,その上で動作するアプリケーションの可能性,コンテンツの可能性などを明らかにした.本年度は特に,これまでに実現し動作環境を整備したタブレットPC(A4サイズ)サイズ,PDAサイズの両面ディスプレイに加え,iPod touchによる両面ディスプレイも構築した.さらに,その上で実際に動作する未来のアプリケーションを模索し,表では通常のウェブ閲覧,裏では別の操作を行えるような仕組みを実現した.実際に実現した仕組みは,編集操作によりウェブページの閲覧性を向上させる仕組み(Editable Web Browser),ウェブ検索の再ランキングを行える仕組み(Rerank-by-Example),ブラウジングとウェブ検索を融合する仕組み(WeBrowSearch),コンテンツの信憑性を診断する仕組みなどである.また,両面を利用して並列検索および並列再ランキングを行う仕組みも実現した.こうした研究を実際にユーザベースで評価を行うことにより,その有用性と可能性を明らかにした.また,美術系の大学生に両面ディスプレイを利用したコンテンツ作成を依頼し,その可能性を模索した.特に,表と裏のコンテンツがそれぞれ独立でストーリーとして成り立つものの,各シーンで相互に干渉しあっており,表裏を切り替えながら楽しむコンテンツは興味深く,多くの利用者に評価された.以上のように,本研究は非常に意義深く重要性の高いものであった.
著者
田中 克己 チャットウィチェンチャイ ソムチャイ 田島 敬史 小山 聡 中村 聡史 手塚 太郎 ヤトフト アダム 大島 裕明
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

ウエブからの同位語等の概念知識の抽出,ウエブ検索クエリの意図推定・自動質問修正,ウエブ情報の信憑性分析,ユーザインタラクションやウエブ1.0情報とウエブ2.0情報の相互補完による検索精度改善に関する技術開発を行った.
著者
中村 聡史 水口 充 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.6, pp.71-78, 2005-01-21
被引用文献数
1

本稿では,日々の生活での利用に適したウェブ閲覧手法として,漸次的ウェブ閲覧システムを提案する.漸次的ウェブ閲覧は,ユーザや環境のコンテキストを考慮して,ウェブコンテンツを徐々に提示することにより,能動的かつ受動的なコンテンツ閲覧を可能とするものである.また,本稿では漸次的ウェブ閲覧環境におけるコンテンツの閲覧性向上をはかるため,コンテンツ変換システムを導入する.ウェブコンテンツに含まれる広告やメニューなどの,目的とするコンテンツとは直接関係の無い領域を排除することで閲覧における無駄を低減し,行間や文字サイズを変更することでコンテンツ自体を演出する.In this paper, we propose the gradual web browsing system which is suitable for everyday usage. The gradual web browsing system renders web contents incrementally according to context of user and environment. It enables casual web browsing. In addition, we implement the content conversion mechanism which removes unnecessary parts such as frames, banner advertisements and navigation links and changes the line space and font size in order to increase readability and enjoyment.
著者
宮森 恒 中村 聡史 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.18, pp.59-71, 2005-12-15
被引用文献数
4

本稿では,ウェブ上の実況チャットを利用することでテレビ番組のメタデータを自動的に抽出する手法を提案する.実況チャットは,テレビ番組と同期して視聴者によって書き込まれるウェブ上の掲示板である.番組実況チャットのデータを,利用者全体あるいは特定の傾向を持つ利用者のデータ集合として扱い,チャット上に表れる特徴的な表現を認識処理することで,番組の盛り上がり場面や,視聴者の嗜好・興味に沿ったリアクションなど,視聴者視点に関連するメタデータを効率良く抽出できる.実験の結果,提案方式により,視聴者の反応の大きさや喜び,落ち込みなどの感情度数などのメタデータを効率良く抽出できることを確認した.また,提案方式で得られるメタデータを利用した番組視聴システムを実装することにより,シーンのランキング表示やダイジェスト生成など視聴者視点を反映した多様な番組視聴へ応用可能になることを確認した.A method of automatically indexing broadcast content using live chat on the Web is proposed. The live chat is a Web bulletin board where the viewers post messages in sync with a TV program. The messages in the live chat written by all viewers or by viewers having similar interest or preference to the user are statistically analyzed with pattern recognition to effectively extract indices related to viewer's viewpoints such as important scenes in the program or responses by a particular viewer. Experiments indicate that the proposed method can efficiently extract indices such as the intensity of viewers' responses and degree of emotional delight or disappointment. They also indicate that a prototype TV viewing system using the extracted indices enables a new way of viewing TV content from different perspectives reflecting viewers' viewpoints such as scene ranking and digest generation.