著者
高橋 隆宜 井上 健太郎 森 一彦 宮野 道雄
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.677-681, 2012 (Released:2013-01-30)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

〔目的〕本研究の目的は,歩行環境が虚弱高齢者の歩行動作に与える効果を検討することであった.〔対象〕実験参加者は15名の高齢女性であった.〔方法〕実験環境は,「手の届く範囲に壁がある」条件(条件①)と「手の届く範囲に壁がない」条件(条件②)で5 mの距離を自由歩行することであった.測定指標は身体加速度と身体動揺量,歩行速度とした.身体加速度より歩行時の動きの強度を算出し,その平均値を用いて動きの強度の弱群と強群に分けた.〔結果〕条件②では,強群は弱群に比べ身体動揺量が大きくなり,歩行速度も速かった.条件①では,弱群と強群に身体動揺量の差は確認されなかった.〔考察〕動きの強度に関わらず,手の届く範囲に壁がある歩行環境は虚弱高齢者の身体動揺量を軽減させ,転倒のリスクを軽減することが示唆された.
著者
高井 逸史 山地 純子 田中 麻美 周藤 浩 宮野 道雄 中井 伸夫 山口 武彦 吉村 知倫 白濱 晴美 村上 将典 井上 健太郎 柄崎 隆治
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.191-198, 2003
参考文献数
14

The purpose of this paper is to describe a posture and motion for the elderly with disabilities from the viewpoint of ecological concept based on affordance theory by James J. Gibson. As their action is limited by disabilities, they can't perceive enough information which exists in environment. Therefore, they must accomplish through the thinking based on insufficient and wrong information. As a result, their posture and motion can't adapt to surrounding situation, it makes them to feel anxious and fearful. Further more, emotion such leads to limit spontaneous motion with searching. We should be related with the elderly with disabilities to woik on environment spontaneously for perceiving the relation between themselves and environment. We think that it is important for them to acquire flexible motion corresponding to environmental change.
著者
齊藤 燎 相川 勝 井上 健太郎 山森 一人
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 2019年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第72回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.368, 2019-09-19 (Released:2020-01-20)

近年、ネットワーク機器に対する攻撃は増加傾向にあり、攻撃を検知する手法としてNIDSが注目されている。NIDSに関して機械学習と組み合わせた研究が行われており、京都大学に設置されたハニーポッドへの通信をもとに作られたデータセットKyoto 2016 Datasetが多田らによって発表されている。機械学習において、学習に用いるデータに偏りがあると、識別精度も偏る傾向があり汎化性能が低下してしまう。汎化性能を上げるためには、学習用のデータは偏りなく、冗長性が無いデータが望ましい。本稿ではKyoto 2016 Datasetにおける冗長性と同一特徴量異ラベルデータについて報告する。
著者
福井 淳一 井上 健太郎 向出 裕美 尾崎 岳 道浦 拓 徳原 克治 岩本 慈能 坂井田 紀子 植村 芳子 權 雅憲
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.223-229, 2014-04-01 (Released:2014-04-12)
参考文献数
10

症例は65歳の女性で,下血を主訴に前医受診し高度貧血を認めた.上部・下部内視鏡にても原因不明の消化管出血に対し,造影CTを施行し小腸に強い造影効果を伴う腫瘤を認めた.当院にて小腸カプセル内視鏡およびダブルバルーン小腸内視鏡を施行し,下部空腸に20 mm大のびらん・delleを伴う粘膜下腫瘍様の腫瘤を認めた.消化管出血を伴う空腸gastrointestinal stromal tumorと診断し腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査所見および免疫組織化学検査所見では中間悪性型の小腸glomus腫瘍であった.消化管原発glomus腫瘍は比較的まれで,そのほとんどが胃原発である.小腸glomus腫瘍は本邦では報告がなく英文報告でも2例しか報告されていない,極めてまれな疾患である.
著者
木暮 一啓 小川 浩史 砂村 倫成 河原林 裕 浜崎 恒二 常田 聡 西村 昌彦 浦川 秀敏 千浦 博 井上 健太郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

近年の研究から、海洋の中心層には古細菌が広く分布することが分かってきた。1000m以深では、数的には原核生物のうちの半数近くを占めることが見出されてきたが、今のところ分離株が全くなく、その生態、系統、物質循環に対する寄与などについては殆ど未知の状況である。これらの環境は低温、高圧、貧栄養で特徴付けられるが、こうした環境は従来から知られていた古細菌の好熱性、好塩性、嫌気性などの性質からはずれがある。従ってこれらを非極限性の古細菌と呼ぶことにする。本研究はこの一群を中心とした古細菌に対する学際的研究である。本研究では様々な課題を扱ったが、最大の成果は外洋域中心層から複数の古細菌を分離し、その系統的位置づけおよび性情等についての検討を開始できたことである。これは我々の知る限り、世界で初めてのことである。さらに、それが系統的には好塩性の古細菌に近縁であることが分かったことから、非極限性古細菌群集の起源や古細菌の進化上の広がりなどについて新たな仮説を提示できる段階に至った。
著者
佐藤 正人 浜田 吉則 棚野 晃秀 井上 健太郎 福田 秀明 高田 晃平 日置 紘士郎
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.47-51, 2001
被引用文献数
3

【目的・方法】1996年7月より, われわれは非観血的整復が不可能であった腸重積症患児8例に対し腹腔鏡下腸重積整復術を試みてきた.それ以前の開腹腸重積整復術(ハッチンソン手技)施行症例14例において手術時間, 入院期間などを比較検討することにより, 腸重積症治療における腹腔鏡下腸重積整復術の意義を検討した.【結果】手術時間は腹腔鏡下腸重積整復術完遂症例(以下LR)において70分から110分(87.0±17.9分)であり, 開腹腸重積整復術施行症例(以下OR)においては50分から125分(82.4±23.7分)であった.入院期間はLRで3日から11日(6.0±3.2日), ORでは6日から12日(8.5±1.8日)であった.手術時間には統計学的有意差は認められなかったが, 入院期間はLRのほうが有意に短かかった.LR8例の病型は6例が回腸結腸型であり, 残り2例がそれぞれ回腸回腸結腸型, 結腸結腸型であった.結腸結腸型の1例が術中に腹腔鏡下整復が不可能であると判断され開腹術に移行された.回腸結腸型, 回腸回腸結腸型それぞれ1例ずつにおいて器質的疾患の合併が確認されたので腸重積整復後に腹腔鏡補助下小腸切除術が施行された.OR14例の病型は全例が回腸結腸型であった.【結論】LR症例には手術完遂不可能な症例が存在することが判明したが, 器質的疾患の合併が認められた症例においては腹腔鏡補助下小腸切除術が可能であることから, われわれはLRの位置づけを非観血的整復術とORの間におき, Minimally Invasive SurgeryとしてのLRの利点を器質的疾患合併症例に認めた.