著者
田邉 佳紀 小野寺 麻由 中務 真人 國松 豊 仲谷 英夫
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.126, no.4, pp.167-181, 2020-04-15 (Released:2020-07-31)
参考文献数
36

アフリカヨシネズミ(齧歯目,ヨシネズミ科)は二種の現生種がアフリカ・サハラ以南に生息している.先行研究では,現生のヨシネズミ属はその化石記録からアフリカの後期中新世末に出現したと考えられていた.日本-ケニア調査隊はケニア北部に分布する上部中新統ナカリ層(約10Ma)からヨシネズミ属の新種Thryonomys kamulai, sp. nov.を発見した.筆者らは頬歯化石を基に本種の記載を行い,ヨシネズミ属の中では小型で,また固有の稜縁歯(lophodonty)を有することが特徴づけられた.この発見により,ヨシネズミ属の初産出記録が後期中新世の約10Maに更新され,彼らは少なくとも10Ma以前にアフリカに生息していたことが考えられる.
著者
竹沢 尚一郎 坂井 信三 仲谷 英夫 中野 尚夫
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本年度は、本研究の最終年度でもあり、夏に研究会を開催して、本年度の研究計画と研究報告書についての打ち合わせをおこなった。本年度は、竹沢と仲谷の二人が、西アフリカ・マリ共和国での現地調査をおこなった。これには、現地研究協力者であるマリ文化省文化財保護局の局長テレバ・トゴラと、同文化財保護課長ママドゥ・シセも参加し、マリ東部のガオ地区で、2003年11月下旬から2004年1月下旬まで約72日間考古学発掘調査に従事した。これにより、西アフリカのサバンナ地帯で初めて、総石造りの建造物が出土した。規模については、20mX28mまで拡大して発掘をおこなったが、全容を解明するには程遠いほど巨大な建造物である。また時代的には、2年前におこなったガオ地区のサネ遺跡の土器との比較により、西暦7世紀から11世紀と推測される。この建造物に用いられた石については、いまだ特定はできていないが、ガオ近郊には産出されないものであることは確実であり、遠方より運ばれたものであることは確実である。ガオ地区は、中世のアラビア語文献によれば、ガーナ王国と並んで最初の黒人王国が成立した土地であり、今回の発見は、規模や材料、時代などの点から、西アフリカで発掘された最古の王宮の跡である可能性がきわめて高い。今回の成果は、規模、材料、時期のいずれの点においても、これまで西アフリカで実施された考古学発掘の成果としては類を見ないものであり、これまで謎とされていた時代の西アフリカ史の解明に大きく貢献するはずである。また、社会組織の成層化という社会人類学の重要な課題に対しても、大きな貢献をなすものと考えられる。
著者
石田 英実 星野 光雄 仲谷 英夫 国松 豊 中務 真人 沢田 順弘 ミィーブ リーキー 牧野内 猛 中野 良彦
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

人類起源の時と場所は長く謎に包まれていたが、人類学をはじめとして古生物学、分子生物学などにおける長足の進歩がその時と場を絞りこみ、中新世後期のアフリカがその最有力候補となっている。本調査の目的は、中新世ホミノイドの進化と人類起源の解明を意図している。具体的には、日本人研究者を中心とした本調査隊がこれまでに大量に発見しているケニアビテクス化石の産地、ナチョラ地域と、後期中新世ホミノイドであるサンブルピテクスの産出地、サンブル・ヒルズの両地域おける発掘調査を前年度に引き続いて行うことが中心であり、加えて連合王国、ベルギーの自然史博物館において化石解析のための比較資料の収集であった。今年度の調査、発掘の主な成果は、昨年と同様にナチョラ地域におけるホミノイド化石の発見と、サンブル・ヒルズでの長鼻類を含む哺乳動物化石の発見であった。ホミノイド発見の主な化石産地は、ナチョラ地域のBG-KおよびBG-13化石産地であった。前者からは昨年度に発見している同一個体に属する骨格標本に追加という形でさらに四肢・体幹骨化石が発見され、ケニアピテクスの体格復元上極めて貴重な化石標本となった。また、BG-K化石産地からは岩に埋もれた状態で下顎骨が発見され、その新鮮な咬合面からは詳細なマイクロウェアー観察が期待される。ケニアピテクス化石の解釈としては、ロコモーション様式は樹上四足歩行型、食性はマメ類や他の堅果が主体と推定される。系統的にはサンブルピテクスや現生の大型類人猿の共通祖先と考えられ、さらなる詳細は今後の発掘と分析にかかる。
著者
仲谷 英夫
出版者
PALAEONTOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.154, pp.96-116, 1989-06-30 (Released:2010-05-25)
参考文献数
35

北海道勇払郡穂別町のサヌシュベ川より発見された長頸竜(爬虫類, 鰭竜目, 長頸竜亜目)化石を記載した.本標本にともなう軟体動物化石および微化石から化石の年代は後期白亜紀のサントニアンからカンパニアンと考えられる.本標本は体幹と四肢の部分が保存されており, 死後, 頸部や尾部の先端が脱落した後に埋積されたと考えられる.またその形態的特徴は長頸竜の中でもプレシオサウルス上科のエラスモサウルス科に属することを示している.しかし属以下の分類群については不明である.日本列島周辺の後期白亜紀の長頸竜はジュラ紀以降の長頸竜の分布を検討してみると, ユーラシアの北部または北アメリカから北太平洋を経由して移動してきたと考えられる.このことは同時代の海生二枚貝のデータとも調和的である.
著者
寺林 優 越智 信 仲谷 英夫
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土と基礎 (ISSN:00413798)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.B6-B7, 37-39, 2005-01-01
被引用文献数
1

The coastal Takamatsu-city was flooded by the storm surge by the typhoon 0416 The maximum tide T P+2 46 m was recorded at the Takamatsu Port at 23 00 in Aug 30, 2004 The authors started the observation from the beginning of the flood by storm surge in the western Takamatsu-city The flood depth was measured at more than 700 points from flood marks, and the maximum depth is 172 centimeters The process of inflow from the coast to the inland through the underpass, has been clarified by the observation and the hearing research The flood districts were not controlled by the sea level and/or back current along river but the presence of channel such as underpass