著者
近藤 久雄 勝部 亜矢 黒澤 英樹 佐々木 亮道 阿部 恒平 三輪 敦志
出版者
一般社団法人 日本活断層学会
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.43, pp.i-ii, 2015-09-30 (Released:2016-09-09)
被引用文献数
1

(口絵1) トレンチ調査地および周辺の地形写真.2014年長野県北部の地震(Mj6.7)では,糸魚川-静岡構造線活断層系・神城断層の一部が活動し,約9kmの区間で地表地震断層が出現した.神城断層は糸魚川-静岡構造線の最北端を構成する断層で,いわゆる北部フォッサマグナの西端に位置する.写真は,糸静線の西側に分布する主として花崗岩類からなる北アルプス側から東へ向かって撮影したものである.写真中央の丘陵は,神城断層の東側に分布する鮮新-更新統の大峰帯からなり,さらに背後(東側)にみられる定高性を持つ山地は,フォッサマグナを充填する鮮新統・中新統からなる.丘陵の西縁と沖積低地の境界付近を神城断層が延びており,大局的には山地と盆地の境界付近を姫川が北流し,地表地震断層は姫川左岸側の沖積低地や河床に出現した.トレンチ用地は,堆積物の年代や層相を考慮し,写真中央付近の沖積低地面上で実施した.(口絵2) 地震直後のトレンチ掘削用地の写真.白馬村飯森地区に位置するトレンチ調査用地の水田では,地震に伴い0.5mの上下変位を伴う撓曲崖が出現した.写真は,地震から2日後の2014年11月24日に撮影したものである.周辺では約600mの区間にわたり地表地震断層が連続して出現したが,断層上盤側のトレンチ長さを十分に確保できること,米軍撮影の空中写真でみられる姫川の旧河道をできるだけ避けることを考慮して,掘削用地を選定した.(口絵3) トレンチ掘削後の全景写真.西へ向かって撮影.トレンチは,飯森地区の水田の災害復旧工事計画等を考慮して2015年3月に実施した.トレンチ掘削は,除雪後に地表地震断層の痕跡を消失しないよう慎重におこない,調査期間中の降雪に備えて屋根を設置するよう準備した.(口絵4) トレンチ掘削後の南壁面の写真.トレンチ壁面には,地表地震断層に連続する明瞭な断層が露出した.調査期間中はトレンチを覆い尽くす屋根を設置して,トレンチ内の作業や安全が確保できるように努めた.詳細は表紙説明を参照.
著者
高橋 いず美 青山 誠 佐々木 亮介 小林 万里子 中山 紀子 山崎 彰久 天満 美希
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0892, 2004 (Released:2004-04-23)

【はじめに】我々、理学療法士(以下PT)が臨床場面で筋力を測定する方法として、現在では徒手筋力検査法(以下MMT)が使用されることが多い。MMTの判定には主観的要素が含まれているため、的確な判断には熟練を要するとされている。これまでMMTの検者間信頼性を検討した研究がなされ、高い信頼性が得られたとする報告も多い。しかし、足関節底屈(腓腹筋)の測定は徒手による抵抗ではないうえに、上肢による免荷がどれだけか、どこまでバランスの崩れを許すのかといった判断が検者の主観的なものであり、純粋に腓腹筋筋力を検査しているとは言い難く、特に3(fair)以上の判定においての信頼性に疑問が残る。そこで今回は、MMTにおける足関節底屈筋力(腓腹筋筋力)の測定について、検者間信頼性を検討することを目的に調査した。【対象と方法】被検者は下肢に既往歴のない成人14名(男性6名、女性8名)、平均年齢59.3±9.8(50~87)歳とした。検者は経験年数5年以上の理学療法士(以下PT)3名(男性2名、女性1名)、平均経験年数9.6年とした。3名の検者は各被検者に対し、MMT第6版で規定された方法に準じ、左右の腓腹筋の筋力を測定した。測定した結果は3名の検者間では知らせず、3回の測定は少なくとも30分間以上の間隔をあけて実施した。検者間信頼性は分散分析を用い、危険率5%を有意水準とした。【結果】被検者全員の足関節底屈筋力はすべてMMTで3以上であった。3名のPT間で、MMTの結果が左右とも一致した人数は14名中3名(21.4%)で、左右のどちらかだけ結果が一致したのは28脚中8脚(28.6%)であった。また結果が一致していたのは、すべてMMTで5レベルと判断された被検者(脚)であった。95%信頼区間による検定では、右足がF1=3.36、左足はF1=8.32となり、左右ともに検者間信頼性はなかった。【考察】今回の研究では検者3名、被検者14名と少数であったが、一般に経験があるとされる経験年数5年以上のPTにおいても、検者による測定結果のばらつきがみられたことは、腓腹筋に対してのMMTの測定は、検討の余地がある事項であると考えられる。今回ばらつきがみられた要因としては、踵を持ち上げる高さ、バランスをとる程度とされる上肢による支持、正しい形を崩さずに行える、という点についての判断が検者により差がみられたことが挙げられる。しかし現在、MMTは簡便で誰もが行える理学療法評価の手技として、最も頻繁に実施されている検査の一つであることも事実であり、今後はより客観的で簡便な足関節底屈の測定方法の検討が必要と思われた。
著者
有馬 孝彦 佐々木 亮介 Carlito Baltazar TABELIN 田本 修一 山本 隆広 Tangviroon PAWIT 五十嵐 敏文
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.136, no.6, pp.64-76, 2020-06-30 (Released:2020-06-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Rocks generated from tunnel construction projects for roads and railways throughout Japan have often leached out hazardous trace elements, such as arsenic (As) and selenium (Se). In nature, the oxyanionic species of As and Se have a variety of chemical species, so speciation is one of the crucial factors in their migration through natural geologic media. In this study, column experiments consisting of four types of crushed rock samples containing As and Se, and a river sediment (RS) as an adsorbent obtained near the tunnel construction site were conducted to evaluate the leaching and adsorption behavior of arsenite (As (III) ), arsenate (As (V) ), selenite (Se (IV) ), and selenate (Se (VI) ). The results showed that the dominant speciation of As and Se in the effluent from the rock layer was As (V) and Se (VI), and that the addition of a bottom RS adsorption layer or the mixing of RS with the rock layer decreased the leaching concentrations of As (III), As (V), Se (IV), and Se (VI). Cumulative leachability (CL) for each speciation through the column experiments was calculated to evaluate the amounts of As and Se retained in RS. The calculated CL showed that the bottom RS layer or mixing of RS with the rock reduced the CL of As (III), As (V), Se (IV), and Se (IV) ranging from 60 to 89%, 73 to 89%, 9 to 75%, and 36 to 60%, respectively; however, mixing of RS with the rock layer was ineffective in decreasing CL of Se (VI). The reduction of CL may be due to adsorption and/or coprecipitation by iron and/or aluminum oxides contained in RS. These results indicated that utilization of RS for the bottom adsorption layer was effective in reducing As and Se concentrations irrespective of their speciation, although that of mixed with rock layer was effective only in reducing As concentrations irrespective of their speciation.
著者
佐藤 琢紀 木村 昭夫 佐藤 守仁 糟谷 周吾 佐々木 亮 小林 憲太郎 吉野 理
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.10, pp.687-693, 2007

<b>背景</b> : 2004年に敗血症診療の初のガイドラインであるSurviving Sepsis Campaign Guidelines for Management of Severe Sepsis and Septic Shock (SSCG) が発表され, 全世界的に敗血症の治療法が標準化されつつあり, 初期輸液療法の重要性が提唱されている。<b>目的</b> : 本研究では, 初期輸液療法の重要性の再確認と具体的な輸液量の検討を行った。<b>対象と方法</b> : 2001年1月1日から2006年8月31日までに当センター救急部に救急搬送されたsevere sepsisあるいはseptic shock 64症例について検討した。治療開始後72時間と28日でそれぞれ死亡群・生存群に分け, 各群間で来院時の重症度スコアやSSCGで推奨されている治療法について比較した。<b>結果</b> : 初期輸液療法に関して, 72時間後・28日後ともに生存群の方が死亡群に比して有意に輸液量が多かった。来院時の重症度スコアや抗菌薬, 昇圧剤投与等の初期輸液療法以外の治療法の施行割合では, 各群間で有意差を認めなかった。来院後1時間輸液量が1,700ml以上であれば100%の生存が得られた。1時間輸液量が1,700ml未満であっても, 24時間輸液量が3,200ml以上であり, 24時間尿量が550ml以上確保できたときは, 93%の生存率が得られたが, 24時間尿量が550ml確保できなかったときは, 38%の生存率であった。1時間輸液量が1,700ml未満, 24時間輸液量が3,200ml未満であっても, 24時尿量が550ml以上確保できたときは, 82%の生存率が得られたが, 24時間尿量550ml確保できなかったときは, 36%の生存率であった。<b>結語</b> : severe sepsisの初期治療法では, 臓器灌流量を維持するための適切な初期輸液が, 重要であることが再確認され, 従来から言われている輸液量の指標は妥当であることも確認された。
著者
稲垣 剛志 木村 昭夫 萩原 章嘉 佐々木 亮 新保 卓郎
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.192-199, 2013-04-15 (Released:2013-07-24)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

【目的】鈍的頭頸部外傷患者において,頸椎CT撮影の新たなclinical decision rule(CDR)を作成することを目的とした。【方法】Derivation研究の対象は2008年4月1日~2010年8月14日に当院へ救急搬送された頭頸部外傷患者のうち頸椎CTを施行した1,076症例,Validation研究の対象は2010年8月15日~12月31日に当院へ救急搬送された頭頸部外傷患者887例とし,診療録および救急患者データベースから後ろ向きに情報を得た。頸椎損傷の定義は骨折もしくは脱臼とした。頸椎損傷の有無と相関する因子を解析した後に,感度100%となるような新たなCDRを導けるか検討した。【結果】単変量解析では,年齢,後頸部痛の有無,神経学的異常所見の有無,来院時のGlasgow coma scaleスコアにおいてCT上の頸椎損傷所見の有無で有意差が認められた。また年齢が高い群で受傷機転における階段等からの転落の有無も有意差が認められた。二進再帰分割法を行った結果,意識障害や後頸部症状に加え,年齢や具体的な受傷機転を含めた新たな頸椎CT施行基準が導出され,感度100%を保ち,損傷の見逃しを回避することができた。以下に新基準により頸椎CTの適応となるものを示す。(1)GCSスコア13以下の患者。(2)GCSスコア14-15の患者で後頸部圧痛か神経学的異常所見を有する患者。(1) (2)以外の患者のうち,(3)60歳以上:受傷機転が階段等からの転落であった患者。(4)60歳未満:受傷機転がバイクの事故か墜落であった患者。【結語】従来より提唱されているGCSスコア,頸部症状,神経所見に加え,年齢や具体的な受傷機転を評価項目に含めた新しい基準は感度が高く,頸椎損傷の見逃しを回避しうるCDRである。
著者
朴 秀吉 福永 潔 小林 昭彦 小田 竜也 村田 聡一郎 佐々木 亮孝 大河内 信弘
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.16-22, 2012-01-01 (Released:2012-01-21)
参考文献数
22

はじめに : アルブミン製剤は術後患者や重症患者に広く使われているが,近年,適正使用が勧められている.そこでわれわれは肝細胞癌切除術後患者を対象にアルブミン製剤の使用指針を厳守し,術後経過に与える影響について検討を行った.方法 : 対象は2005年9月から2010年5月までに肝細胞癌に対して切除術を行った72例である.2008年9月以降,使用指針を厳守し,アルブミン製剤使用を制限した.症例を制限前の36例と制限後の36例に分け,患者背景因子,手術因子,術後アルブミン製剤使用量と術後血清アルブミン値,大量腹水発症率,在院死亡率,術後在院日数について比較検討を行った.結果 : 制限後群は男性が多く,ICG-R15が高値であったが,それ以外の患者背景因子,手術因子に有意差を認めなかった.術後1週間のアルブミン製剤使用量は制限後群で有意に少なく,それに伴い血清アルブミン値は有意に低値であった.大量腹水は制限前群に3例(8.3%),制限後群に5例(14%),在院死亡は制限後群に1例(2.8%)認めたが,これらの術後因子については術後在院日数を含めて両群間に有意差を認めなかった.考察 : 肝細胞癌切除術において術後にアルブミン製剤の使用を制限し,血清アルブミン値が低値であったが,術後経過に有意な悪影響を及ぼさなかった.さらなる検討が必要であるが,肝細胞癌切除術後にアルブミン製剤の使用量を節減できる可能性がある.
著者
稲垣 剛志 木村 昭夫 萩原 章嘉 佐々木 亮 新保 卓郎
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.192-199, 2013
被引用文献数
1

【目的】鈍的頭頸部外傷患者において,頸椎CT撮影の新たなclinical decision rule(CDR)を作成することを目的とした。【方法】Derivation研究の対象は2008年4月1日~2010年8月14日に当院へ救急搬送された頭頸部外傷患者のうち頸椎CTを施行した1,076症例,Validation研究の対象は2010年8月15日~12月31日に当院へ救急搬送された頭頸部外傷患者887例とし,診療録および救急患者データベースから後ろ向きに情報を得た。頸椎損傷の定義は骨折もしくは脱臼とした。頸椎損傷の有無と相関する因子を解析した後に,感度100%となるような新たなCDRを導けるか検討した。【結果】単変量解析では,年齢,後頸部痛の有無,神経学的異常所見の有無,来院時のGlasgow coma scaleスコアにおいてCT上の頸椎損傷所見の有無で有意差が認められた。また年齢が高い群で受傷機転における階段等からの転落の有無も有意差が認められた。二進再帰分割法を行った結果,意識障害や後頸部症状に加え,年齢や具体的な受傷機転を含めた新たな頸椎CT施行基準が導出され,感度100%を保ち,損傷の見逃しを回避することができた。以下に新基準により頸椎CTの適応となるものを示す。(1)GCSスコア13以下の患者。(2)GCSスコア14-15の患者で後頸部圧痛か神経学的異常所見を有する患者。(1) (2)以外の患者のうち,(3)60歳以上:受傷機転が階段等からの転落であった患者。(4)60歳未満:受傷機転がバイクの事故か墜落であった患者。【結語】従来より提唱されているGCSスコア,頸部症状,神経所見に加え,年齢や具体的な受傷機転を評価項目に含めた新しい基準は感度が高く,頸椎損傷の見逃しを回避しうるCDRである。