著者
金西 計英 戸川 聡 大久保 正信 佐藤 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.606, pp.9-16, 1998-03-14

多くの大学に既にキャンパスネットワークが導入されている.それにつれ学内のインターネットの利用も増大している。インターネット利用の普及によって新しい問題が表面化することになった.WWWの利用でブラウザ上の表示が遅い, つまり、インターネットが混んでいる, と言うことである.そこで, 我々は, マルチホームによるインターネット接続の手法を提案する.本稿では, 本学における, マルチホームの設計について述べる.
著者
木島 隆康 桐野 文良 山梨 絵美子 林 洋子 上野 勝久 佐藤 一郎
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

迎賓館赤坂離宮(平成21年、国宝に指定される)は明治42年に建設され、わが国最大の面積を誇る天井画を持つ(15部屋)。天井画はカンバスに描かれた油彩画である。過去に大修復が行われているが、その後も劣化が進行し著しく損傷している。本研究プロジェクトは、天井画に生じた損傷と劣化原因を調査し、その損傷原因が過去の粗悪な設置環境と過去の不適切な修復処置、さらにカンバスが貼られた木摺に主な原因があることがわかった。さらに、天井画の由来はフランスで制作され輸入されたものであることを突きとめた。
著者
佐藤一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.58-62, 2004-01-15
被引用文献数
4
著者
澄川 喜一 長澤 市郎 小野寺 久幸 岡 興造 寺内 洪 小町谷 朝生 田淵 俊雄 坂本 一道 佐藤 一郎 大西 長利 増村 紀一郎 稲葉 政満 前野 尭 BEACH Milo C FEINBERG Rob 杉下 龍一郎 新山 榮 馬淵 久夫 中里 寿克 ROSENFIELD J 原 正樹 小松 大秀 中野 正樹 手塚 登久夫 浅井 和春 水野 敬三郎 海老根 聰郎 辻 茂 山川 武 福井 爽人 清水 義明 平山 郁夫
出版者
東京芸術大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

本研究プロジェクトは、広く海外所在の日本・東洋美術品の保存修復に係る調査研究の一環として、在米日本・東洋美術品の日米保存修復研究者による共同研究である。我が国の美術品は、固有の材料・技法をもって制作されるが、異なる風土的環境下でどのような特質的被害を生ずるかは従来研究されていなかった。たまたま米国フリーア美術館所有品に修理すべき必要が生じ、本学を含む我が国の工房で修復処置を行った。その機会に保存修復に関する調査研究が実施された。本プロジェクトの目的は、とくに絵画、彫刻、工芸についての保存修復の実情を調査することにあった。具体的には、本学側においては米国の美術館等の保存修復の方法、哲学、施設的・人員的規模等を調査し、フリーア美術館側は我が国の最高レベルの修復技術(装こう)とその工房の実態、すなわち施設、用具、手法、人員等を調査し、相互の研究結果を共同討議した。3年度間の研究成果概要を以下箇条書きで示す。1)フリーア美術館付属保存修復施設をはじめ6美術館(ナショナルギャラリー、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ゲティー美術館、ロード・アイランド・スクール・オブデザイン付属美術館)の保存修復施設、及び3大学の保存修復教育課程(ニューヨーク大学保存修復センター、デェラウェア大学保存修復プログラム、ニューヨーク州立大学バッファロ-校)を調査した。2)美術館及び収蔵庫並びに付属の研究室、工房は、一定範囲の温湿度(フリーア美術館の場合は温度68〜70゜F、湿度50〜55%、ただし日本の美術品に対しては湿度65%で管理する等、その数値は美術館により若干変化の幅がある)にコントロールされる。我が国の修復は自然な環境下で行われるから、そのような点に経験度の関与が必要となる一つの理由が見いだされる。しかし、完全な人工管理環境下での修復が特質的な材料・技法を満足させるものであるか否かの解明は、今後の研究課題である。3)CAL(保存修復分析研究所)やGCI(ゲティー保存修復研究所)のような高度精密分析専門機関は我が国にも必要である。4)米国の美術館は保存修復施設並びに専門研究者を必備のものと考え、展示部門ときわめて密接な関係をもって管理運営し、コンサバタ-の権威が確立されている。その点での我が国の現状は、当事者の間での関心は高いが、配備としては皆無に近い。5)大学院の教育課程は科学な計測・分析修得を主としながら、同時に物に対する経験を重視する姿勢を基本としており、その点で本学の実技教育に共通するところがある。米国の保存修復高等教育機関のシステムを知り得たことは、本学で予定している保存修復分野の拡充計画立案に大変参考になった。6)保存修復に対する考え方は米国内においても研究者による異同があり、修復対象作品に良いと判断される方向で多少の現状変更を認める(従来の我が国の修理の考え方)立場と、現状維持を絶対視する立場とがある。現状維持は、将来さらに良い修復方法が発見された場合に備える、修復箇所の除去可能を前提とする考え方である。保存修復の理想的なあるべき姿の探求は、今後の重要な国際的な研究課題である。7)それは漆工芸等においてはとくに慎重に検討されるべき課題であり、彼らには漆工芸の基礎的知識不足が目立つ。そのような我が国固有の材料、技法面についての情報提供、技法指導などの面での積極的交流が今後とくに必要であろう。逆に建築分野は彼らが先進している。8)米国研究者は我が国の工房修復を実地に体験し、深く感銘した。それは装こう技術が脳手術のようだという称賛の言葉となって表れた。9)ミーティングにおける主要話題は、保存修復は現地で行われるべきであり、それを可能とする人材養成が必要である。保存修復教育には時間がかかることはやむを得ない、期間として6年位が目安となろう。科学教育は大学で行われるべきだが、日本画に限れば工房教育がよい、などであった。
著者
佐藤 一郎
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

テクスト読解上困難の多いことで知られるスピノザの『神、人間とそのさいわいについての短論文』(以下『短論文』と略)について、原典写本のマイクロフィルムを入手し、写本を参照しながらのテクスト解読と諸版の校合という文献学的研究を行なった。従来から進めていた『短論文』の翻訳作業とも併行して、研究史の把握と諸解釈の批判的整理という基礎的研究にもとづいて、分析的読解を進めながら、『エチカ』、『知性改善論』との関係を探る哲学的研究を行なった。また、スピノザの初期哲学の形成過程という視野から、『短論文』の成立事情と時期、著述の原形態に関して歴史的な知識解明につとめた。その結果、おおよそ以下のような成果を得ることができた。1.『短論文』が当初どのような作品として受けとめられていたかという点から、完成形態である『エチカ』との関係も含めて、この作品にまつわる歴史的な特殊事情をある程度明らかにすることができた。2.現在スピノザ研究において、その初期哲学に特に注目されるようになっているが、そこには未完の『知性改善論』と『短論文』の先後関係という非常に大きな問題がある。しかしこの問題の歴史的な解明は哲学内容上の解明と切り離すことができない。そのことが、研究期間後半において主にたずさわった「真理」をめぐるスピノザの哲学の追跡を通して、具体的に明らかになった。特に、未完の『知性改善論』が、なぜ未完になったのかという点も含めて、スピノザの哲学形成を考える上で、重要な意義をもつという知見に至った。3.付随的には、研究期間に、補助金によりオランダとイタリアに出張して、思想史的研究と歴史的・文献学的研究において主導的な位置を占める学者から研究課題に関してレビューを受けることができたのも、研究の幅と視野を広げる意味で、大変有意義であった。
著者
佐藤一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.556-569, 2005-02-15
被引用文献数
1

複合ドキュメントを実現するコンポーネントフレームワークを設計・実装する.これはテキストや画像などの多様なコンテンツを実現するコンポーネントとその合成によって高次なドキュメントを実現するものである.従来の複合ドキュメントと同様にコンポーネントの合成やシームレスなコンテンツ表示・編集能力を提供するとともに,このフレームワークでは各コンポーネントがコンテンツに相当するデータ部分に加えて,そのコンテンツを表示・編集するプログラム部分も内蔵できるという自己完備性を導入する.さらにモバイルエージェント技術を利用することにより,コンポーネントにコンピュータ間移動性を与える.これによりネットワークを自律的に移動しながら情報配信を行うドキュメントが実現できるようになる.本論文ではこのフレームワークの概要を述べるとともに,Java言語を用いた設計・実装について概説し,さらに応用事例を示す.This paper presents a new framework for building mobile compound documents in distributed system, where a compound document to be dynamically and nestedly composed of software components corresponding to various contents, e.g., text and image. The framework enables each component to migrate over a network under its own control by using mobile agent technology and be are self-contained in the sense that they include not only their contents but also their programs for viewing and editing the contents. It also provides several value-added mechanisms for visually manipulating components embedded in a compound document and for seamlessly combining multiple visible components into a single one. Therefore, we can easily create and operate autonomous documents, which can change their contents and distribute themselves over a distributed system. This paper describes this framework and its implementation, currently using Java as the implementation language as well as a component development language, and then illustrates several interesting applications to demonstrate the utility and flexibility of this framework.
著者
佐藤 一郎
出版者
目白大学
雑誌
目白大学経営学研究 (ISSN:13485776)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.55-65, 2005

拙稿は、主に日本の大企業におけるコーポレィト・ガバナンス(企業統治)について論じるが、この概念自体がアメリカからの輸入概念であるため、アメリカ企業の動向や斯論の展開に関わらざるをえない。周知のように、CalPERSやTIAA-CREFのような年金基金の株主行動が経営者の一連の解任劇につながってから、一躍統治問題が注目されるようになった。ITバブル崩壊後は企業犯罪の多発が統治と経営規律をめぐる議論を活発化した。こうした議論の流れは一部、日本企業にも共通するが、とはいえより大きな問題はバブル以後明らかになったビジネスモデルの陳腐化である。同時に、時代のヘゲモニーは生産者から消費者に完全に転換した。したがって、企業統治の仕組みも被統治側のガバナビリティをも含めてこのうねりの圏外にあってよいはずはない。企業統治は、すぐれて今日的な問題であると同時に企業の在り方の根幹に関わる問題でもある。