著者
河野 美江 戸田 稔子 脇田 邦夫 高橋 正国 入江 隆 紀川 純三 寺川 直樹
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-3, 2001-01-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
9

目的:10代女性の子宮頸部擦過細胞診における異常例の頻度とその背景を知ることを目的とした.結果:松江生協病院産婦人科を受診した10代女性164例に対し子宮頸部擦過細胞診を行った. クラスIIIa以上の細胞診異常例は12例 (7.3%) にみられ, 11例がクラスIIIa, 1例がクラスIIIbであった. 細胞診異常例12例中4例が妊娠例であり, 性行為感染症が7例にみられた. 追跡が可能であった10例中7例では, 7~84ヵ月の間に細胞診判定が正常化した. クラスIIIbであった1例は子宮頸部円錐切除術で高度異形成と診断された.結論:細胞診異常例が高率にみられたことから, 10代であっても子宮頸部擦過細胞診を行うことが重要であると考えられた. また, 細胞診判定に際してはsexual activityが高い例では性行為感染症を含む炎症性変化に注意が必要であることが示された.
著者
入江 隆
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.38, no.9, pp.1623-1631, 1986-09-01
被引用文献数
1

概要 分挽詩の胎児心拍数自動解析の諸指標を自動坪芯虎\示して、臍帯動脈血所見との関連を検討した。対象ぱ挽出前30分以上の記録が得られた妊娠33〜42週の108例て、1分Apgar什例を除いて8点以上てあつた。自己相関計式心拍数計の外潮沫で得られた胎児心拍数と子宮収縮信号をdux PDS、V のADCに入力し、前田の胎児心拍数自動解析BASIC餅杆徘によつて処理した5分ことの自動解析の諸指標(胎児仮死指数、子宮収縮面積値、心拍数什A一過性徐脈数、胎児心拍数基線、細変動、lag time)の自動坪芯虎霖┰餅擴上に表示した。臍帯動脈血分析にぱ全自動のRadlometer ABL-2を用い、pH、BE、HCO恥Po2、Pco2を測定し、以下の結果を得た。(1)胎児仮死指数の最高得点によつて4群に分類した。胎児仮死指数の上昇に伴い済帯動脈血pH、BE、HCO苔の平均値ぱ低下する傾向かあり、0点群と3点以上群てぱそれそれに有意差を認めた。(2)心拍数什o前0〜10分から挽出前50〜60分まての11詩点て10分間合計し、済帯動脈血各指標との間の相関係数を求めた。臍帯動脈血pHぱ挽出前5〜15分間(r=-0 47)の、BEとHCOびま挽出前10〜20分間(r=-0 60、r=-0 45)の心拍数什蛯滑W数か得られた。(3)胎児仮死指数と心拍数什謔閨A分娩経過を坪芯虎D群と不良群に分類した。良好群ぱ80例、不良群ぱ28例で、両群間で、臍帯動脈血各指標の平均値すべてに有意差を認めた。(4)坪芯虎D群でぱ、Po2を除いて90%以上の症例が正常の臍帯動脈血所見を呈していた。臍帯動脈血pH<7 25、BE<-6 0mEq/1を予測する鋭敏度、特異変ぱそれそれ70%以上てあり良好てあつた。以上より、胎児仮死指数と心拍数什高w標であることか確認された。また坪芯虎D群、不良群の分類ぱ分娩時の胎児監視悉恥として有用と思われた。
著者
入江 隆 藤田 尚文 中西 秀男 太田 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.162-171, 2008-01-01
被引用文献数
4

軟物体に手で触れるときに感じるやわらかさには,「かたさ-やわらかさ」の次元と「弾力」の次元がある.これまでの研究では,心理的なやわらかさを単にばねの性質として理解することが多く,両者を区別して議論することはなかった.軟物体の力学的特性は,平衡弾性係数と緩和弾性係数を用いたマクスウェルモデルによる表現が可能である.本論文では,感性評価実験による心理量と力学特性計測による軟物体の粘弾性係数との関連について解析を行った.その結果,「かたさ-やわらかさ」と「弾力」ともに平衡弾性係数の寄与が大きいが,「かたさ-やわらかさ」には緩和弾性係数が正の寄与をしており,「弾力」には負の寄与をしていることを明らかにした.また,指で軟物体を押す荷重を制限した実験と指先の機械受容器に与える情報を制限した実験を行うことにより,やわらかさ知覚における深部感覚の重要性と機械受容器の関与について,新たな知見が得られたので報告する.
著者
岡 久雄 坂本 俊哉 入江 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.94, no.169, pp.45-52, 1994-07-22

一般に皮下のごく浅いところに骨や腱などの構造物がある場合は、そうでない場合に比べて硬く感じられる。これは皮膚それ自身の硬さというよりも、皮下の構造の影響を受けた、生体表面からの見かけの硬さを表していると考えられる。皮膚本来の力学特性を知るためには、こうした構造依存性の影響を明らかにし、補正する必要がある。本論文では皮膚表面に対して垂直な方向に30〜1000Hzのランダム振動を加え、見かけの生体機械インピーダンスを測定し、これに補正関数を適用して、生体皮膚本来の力学特性を求めた。さらに考察として、補正関数の部位差、個体差等からその物理的意味の検討を行なった。