著者
河原 梓水
出版者
大阪大学大学院文学研究科臨床哲学研究室
雑誌
臨床哲学ニューズレター
巻号頁・発行日
no.3, pp.148-171, 2021-03-31

特集5 「第2回 臨床哲学フォーラム(規範の外の生と知恵) : テーマ「BDSM をとりまく生の営み:ケアとは何か?」
著者
佐藤 倫広 松本 章裕 原 梓 岩森 紗希 小原 拓 菊谷 昌浩 目時 弘仁 保坂 実樹 淺山 敬 高橋 信行 佐藤 博 眞野 成康 今井 潤 大久保 孝義
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.12, pp.1347-1355, 2014 (Released:2014-12-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1 5

Encouraging self-medication is expected to reduce healthcare costs. To assess the current situation of self-medication practices in the general population, we conducted a questionnaire survey regarding the use of over-the-counter (OTC) medications or dietary supplements in 1008 participants (37% men; mean age, 64±13 years) from Ohasama, a rural Japanese community. A total of 519 (52%) participants used OTC medications or dietary supplements, with common cold medication (36%) and supplements (28%) such as shark cartilage products representing the most common choices. Stepwise logistic regression showed female gender, a higher frequency of visits from a household medicine kit distributor, dyslipidemia, and lower home systolic blood pressure levels as predictors for the use of such materials (chi-square values: 25.3, 12.6, 7.0, and 4.6, respectively; all p<0.03). Stratifying the participants according to the use of antihypertensive treatment showed a negative association between systolic blood pressure and the use of OTC medications or supplements only in participants being treated for hypertension. These results suggest that although the adoption rate of self-medication in Japan can be increased in rural areas, it may remain lower in urban areas. The present study clarifies the factors associated with the use of OTC medications or dietary supplements and indicates that appropriate self-medication practices might improve the control of hypertension, particularly in patients undergoing antihypertensive treatment.
著者
深澤 俊貴 岩上 将夫 原 梓 漆原 尚巳
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.39-55, 2023-10-31 (Released:2023-12-04)
参考文献数
55
被引用文献数
1

日常的に収集されるリアルワールドデータからエビデンスを創出し,医療や薬事規制の意思決定に役立てることに関心が寄せられている.リアルワールドデータを用いた縦断研究デザインは複雑であり,文章だけの説明では読者がその詳細を理解するのに苦労することが多い.この問題に対処するために,2019 年,薬剤疫学を国際的に牽引する研究者らが産官学から集結し,縦断研究デザインを可視化するフレームワーク「デザインダイアグラム」を開発した.デザインダイアグラムは,標準化された用語とグラフィカルな構成を用いて,読者に研究デザインの詳細を明確に伝えることを目的としており,これにより研究の再現性(reproducibility)が向上すると期待される.国際薬剤疫学会と国際医薬経済・アウトカム研究学会の合同タスクフォースによる過去の成果を基に,ダイアグラムには研究の再現性のカギとなる重要な設定項目が包括的に組み込まれており,研究デザインを曖昧さのない直感的な方法で可視化することに成功している.コホート研究,ネステッド・ケース・コントロール研究,自己対照研究のそれぞれに対して,個別のダイアグラムが提案されている.また最近では,研究に用いたデータの観測可能性をも可視化する新たなダイアグラムが考案された.リアルワールドエビデンス研究のプロトコルテンプレート(HARPER)や,薬剤疫学研究の報告ガイドラインの中でも,研究計画および結果報告の各段階において,デザインダイアグラムの使用が推奨されており,今後さらに普及することが予想される.本稿では,デザインダイアグラムの構成を解説するとともに,そのユースケースを紹介する.デザインダイアグラムの効果的な活用により,データベース研究の再現性と信頼性が向上することを期待したい.
著者
河添 仁 土屋 雅美 藤堂 真紀 原 梓 大西 友美子 大里 洋一 堀 里子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.143, no.8, pp.683-691, 2023-08-01 (Released:2023-08-01)
参考文献数
10

This study aimed to clarify diverse values toward career visions for hospital pharmacists. A self-administered online questionnaire survey was delivered to live and on-demand release attendees at a symposium about sustainable career paths for pharmacists at the 32nd annual meeting of the Japanese Society of Pharmaceutical Health Care and Sciences between September 23rd and November 14th, 2022. Correspondence analyses of text mining were conducted to assess the association between the participants’ perspectives on career visions and their backgrounds consisting of sex and generation. The recovery rate was 81.9% (136/166). The majority of respondents were women (61.4%), aged ≥40 years (66.1%). Correspondence analysis of career vision for pharmacists showed that respondents who were ≥20–30 years were associated with the research topic, whereas those who were ≥40 years were associated with the director of a pharmacy and worked until retirement age. In contrast, there was no difference in career visions for pharmacists based on sex. The median satisfaction score of the symposium was 6 [interquartile range (IQR): 5–6] in the entire population, as conveyed using a seven-point Likert scale. Interestingly, the median satisfaction scores of the symposium were significantly higher for men in management positions than women in non-management and management positions (p=0.0106 and p=0.0031, respectively). In conclusion, we believe that career support tailored to everyone’s values could enable hospital pharmacists to realize their career visions.
著者
河原 梓水
出版者
Antitled友の会
雑誌
Antitled (ISSN:24367672)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.107, 2023-03-27 (Released:2023-04-04)
著者
田村 章 松岡 博美 井上 昌子 浅井 貴子 松原 梓
出版者
香川県産業技術センター
雑誌
研究報告 (ISSN:13465236)
巻号頁・発行日
no.18, pp.69-71, 2018-06

県内冷凍食品企業から提供されたトンカツ,チキンカツおよびハムカツ2種類を対象に,油ちょう解凍とレンジ解凍での客観的な食感評価の比較を行うとともに,味認識装置を用いて味覚の差異を検討した。食感評価では,水分含有率およびクリープメータを用いての破断強度を測定することにより,油ちょう解凍とレンジ解凍の差異を客観的に評価できた。味認識装置による測定では,味覚の差異が明らかとなり,その結果,食感が補完できる味付けを視覚化することができた。また,この機器は他製品との差別化に有効であることが確認できた。
著者
河原 梓水
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究はこれまで研究対象とされてこなかったアブノーマル性風俗雑誌『奇譚クラブ』の1950年代のテクスト群を主たる分析対象とし、サドマゾヒズムを媒介とすることで行われた近代化論・反近代化論の展開を明らかにすることを目的とする。本年度は、研究実施計画に基づき、第2の課題に関する検討を進めた。年度前半は前年度に収集した『あまとりあ』、『生心リポート』、『夫婦生活』、「キンゼイ報告」に言及する雑誌記事等と、ヨーロッパ精神医学の動向を照らし合わせ分析を行なった。来年度は本成果を論文として取りまとめる予定である。次に、これまでに明らかにした村上信彦によるサディズム論が、1980年代以降米国で展開したフェミニスト・セックス戦争におけるいくつかの論点を大幅に先取りしていることを踏まえ、米国で最も大きな争点の1つであった女性のマゾヒズムについて、村上がいかに論じているのかを検討し、その議論に対するマゾヒストからの批判を分析した。論文としてとりまとめ、現在査読の過程上にある。上記の検討から、村上は愛好当事者でありながら、サディズムを野蛮な原始本能、女性のマゾヒズムを抑圧によって生じた病とみており、サディズム・女性のマゾヒズムがいずれも前近代性と結びついていたことが明らかになった。サディズムとマゾヒズムはフロイト学説以降しばしば一対の概念とみなされてきたが、戦後日本においては全く起源の異なるものと理解されていた。とするならば、加害行為ではなく、封建制の残滓でもない男性のマゾヒズムは、これらとは根本的に異なる概念であったと考えられる。そこで次に、戦後の男性にとって、マゾヒズム概念とはいかなる役割を果たしていたのかという点について、沼正三「家畜人ヤプー」の分析を通じて検討した。本成果は論文集の1章として執筆し、現在印刷中である。
著者
河原 梓水
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2017-04-26

本研究は、日本におけるサドマゾヒズム概念の受容期に関する歴史的・思想史的研究である。本年度は、社会心理学における暴力論を検討しつつ、フィールドワークを行なった。今年度も、ドイツ国ベルリン市・ベルリン自由大学東アジア研究所を拠点として研究活動を行ない、論文1本、解説記事1本の執筆、1度の国際会議での発表、2度の招待講演を行った。 文献の収集・検討に加えて、ベルリン市およびその近郊における、性的マイノリティーに関する史跡や博物館の調査・見学、同市に所在するSMスタジオ、愛好者コミュニティサークルにおけるフィールドワーク、プロのドミナトリクスとして活動しているSM愛好家へのインタビュー調査などを行った。これらの調査において、日独において性的マイノリティーが置かれた歴史的状況の相違を確認するとともに、現代SMカルチャーのSNSにおける展開、安全性のためのガイドラインに対する様々な考え方、ヨーロッパ全体におよぶ愛好家のコミュニティーのあり方、そしてドイツにおけるLGBTIQの社会的受容についての知見を得、日本の歴史的状況の相対化を行なった。
著者
原 梓
出版者
東北大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

大迫コホート研究では、前年度の検診で収集した高血圧性臓器障害に関する検査結果からデータベースの更新を行なった。大迫コホート研究の55歳以上の一般地域住民309名を5.7年間追跡し、家庭血圧と頸動脈病変進展との関連を検討した。高血圧基準値として、家庭血圧135/85mmHgおよび検診時血圧140/90mmHgを用い、初回検診時と再検診時の血圧により,家庭血圧,検診時血圧のそれぞれについて対象者を「正常血圧維持群(正常→正常)」,「高血圧進展群(正常→高血圧)」,「高血圧改善群(高血圧→正常)」,「高血圧持続群(高血圧→高血圧)」の4群に分類し、頸動脈内膜中膜複合体厚の進展を比較したところ、家庭血圧を用いた場合,高血圧持続群の頸動脈内膜中膜複合体厚の進展は,正常血圧維持群に比べて有意に大きかった。一方,検診時血圧を用いた場合にはこのような群間差は認められなかった。また大迫研究の一環として毎年行われる家庭血圧測定事業時に、セルフメディケーションに関する調査項目を含むアンケートの配布・回収を実施し、約400名分回収されている。産科コホート研究では、対象者となる妊婦の登録を参加施設において連続的に行った。妊娠期間中の家庭血圧測定・脈波伝播速度測定・採血・尿検査・児の出生児調査、産後の家庭血圧測定を行い、データーベース化した。本コホートにおいて、妊娠・出産を経験した母体に郵送したアンケート調査を用い、現在回答が得られ、データベース化されている64名を解析対象者として、妊婦におけるサプリメントの摂取状況について検討を行った結果、47%の者が妊娠期間中にサプリメントを摂取しており、さらに、妊娠期間中最も摂取率が高いサプリメントは葉酸であり、妊婦全体に占めるその摂取割合は41%であった。