著者
石川 奈保子 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.329-343, 2018-03-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
35
被引用文献数
2

本研究では,オンライン大学で学んでいる学生を対象に,自己調整学習およびつまずき対処方略の使用状況について明らかにするために調査を行った.その結果,以下の3点が明らかになった.(1)オンライン大学の学生のつまずき対処方略は,「学友に質問する」「教育コーチに質問する」「放置する」「自分で解決する」の四つの方略に分類された.(2)ゼミに所属している場合,学習の相談ができる学友がいる学生は,教育コーチや学友に援助要請することでつまずきを解消していた.一方,そういった学友がいない学生は,つまずいたときでも援助要請しない傾向があった.(3)学習の相談ができる学友がいる学生は,より多くの自己調整学習方略およびつまずき対処方略を使用していた.以上のことから,オンライン大学での学習継続においてメンターや学友との交流が重要であることが,自己調整学習方略使用の側面から裏づけられた.
著者
富永 香羊子 中村 康則 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42041, (Released:2018-11-02)
参考文献数
9

本研究では,教員に対して学校図書館を授業で活用するための研修プログラムを開発し,研修の効果を検証した.その結果,研修プログラムにおける学校図書館を活用した課題解決型の授業について,次の3点が明らかとなった.(1)児童生徒の主体的な学びを育み,学び方の習得に繋がる.(2)児童生徒の21世紀型能力の獲得に繋がる.(3)意図的・継続的に実施することが望ましい.これらの結果から,研修を通して学校図書館を授業で活用したことによって,教員の学校図書館活用への意識の変容を促し,一定の効果をもたらすことが示唆された.
著者
多喜 翠 伊澤 幸代 堂坂 更夜香 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42072, (Released:2018-09-03)
参考文献数
4

大学エクステンションセンターで公開講座を受講している社会人を対象に,受講動機と受講後の変化についての質問紙による調査を行った.その結果,大学エクステンション公開講座を複数回受講している人は,初回の人に比べ「仲間をつくる」ことや「自分に活かす」こと,また,「大学が開いている」といったことが受講動機として高く,受講後の変化に関しては,特に人間関係と生き方が変わったと感じていた.このことは,講座を通じてできた仲間との交流や,講座で獲得した知識が実際に活用されているという実感と,大学が開いていることへの信頼感が,その後 の継続的な受講動機につながることを示唆している.以上のことから,大学エクステンション公開講座を設計するにあたり,仕事のみならず自分に役立つような知識やスキルを提供すると同時に,ともに学ぶ仲間をつくれるような活動を支援していく形態にすることが必要だろう.
著者
石川 奈保子 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.315-324, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
25

本研究では,eラーニング制大学通信教育課程(オンライン大学)の基礎教育科目の受講生を対象に,「大学通信教育課程の社会人学生の自己調整学習方略尺度」による2波のパネル調査を行った.その結果,以下のことが明らかになった.(1) 大学通信教育課程の社会人学生の自己調整学習方略として,「Ⅰ学習方法を振り返る」「Ⅱ学習を工夫する」「Ⅲ大学の友人にたずねる」「Ⅳ学習計画を立てる」「Ⅴ自分にご褒美を与える」の5因子が抽出された.(2) 学習方略因子間の因果関係として,以下の2点が示された.学習方略使用状況は約半年後も大きくは変わらない.共分散構造分析により,「Ⅰ学習方法を振り返る」から「Ⅲ大学の友人にたずねる」「Ⅳ学習計画を立てる」へ,「Ⅳ学習計画を立てる」から「Ⅱ学習を工夫する」「Ⅴ自分にご褒美を与える」への影響が確認された.以上のことから,大学通信教育課程の社会人学生には,まず,「Ⅰ学習方法を振り返る」方略を使用するよう促すことで,自己調整学習のサイクルに誘導できる可能性があることが示唆された.
著者
阿部田 恭子 向後 千春
出版者
日本健康支援学会
雑誌
健康支援 (ISSN:13450174)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.163-170, 2023 (Released:2023-09-19)
参考文献数
29

BACKGROUND: Parkinson’s disease is a neurodegenerative disorder that causes persistent postural, balance, and gait deficits and reduced quality of life despite optimal medical therapy. OBJECTIVE:We developed a health support program using tango therapy to improve the motor function and quality of life. METHODS:A total of seven patients with Parkinson’ s disease(five women and two men)were included. The tango therapy program was designed using a motor skills instructional strategy based on Gagné’s nine events of instructions. The program held one 90-minute intervention in one day. It consisted of three sessions of 30 minutes each, for a total of 90 minutes. RESULTS:In a pre-post, the results showed that in Timed Up and Go, post was faster. Also, in stride length, post was wider. The effect size in the overall Parkinson’s Disease Questionnaire39 score was calculated to be large effect size (d = 0.80). CONCLUSION:Tango therapy program in this study revealed an improvement in physical activity and quality of life. These indicate that tango therapy may be an effective health support program for patients with Parkinson’s disease.
著者
渡邉 文枝 向後 千春
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.41-51, 2017-05-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
21
被引用文献数
9

本研究では,MOOCに代表されるオンライン講座におけるドロップアウト率の低減を図るための示唆を得るために,JMOOCの講座における学習者のeラーニング指向性と相互評価指向性(相互評価への信頼感,相互評価の有用感)が学習継続意欲と講座評価に及ぼす影響について検討した.その結果,eラーニング指向性は,相互評価の有用感と学習継続意欲,講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.相互評価指向性においては,相互評価への信頼感から講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.相互評価の有用感は相互評価への信頼感と学習継続意欲,講座評価に正の影響を及ぼすことが示された.また,相互評価の有用感は,学習継続意欲と講座評価に対して最も大きな正の影響力を示した.これらのことから,eラーニング指向性と相互評価指向性は学習継続意欲と講座評価に寄与することが示唆された.
著者
宮内 健 向後 千春
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.2, pp.136-143, 2022-06-27 (Released:2022-06-27)

児童の「きく」力と教科の学力との関連について検討した.首都圏公立A小学校第4学年児童125人を対象とした.児童の「きく」力の指標を「話す・聞く」テストと児童の「きく」力尺度(質問紙)の聴解基礎力の2つとした.どちらの指標においても児童の「きく」力は教科の学力と正の有意な相関があることが示された.
著者
渡邉 文枝 向後 千春
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.109-112, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
7
被引用文献数
1

本研究では,タブレット端末における画像と文章を含めた教材を作成し,アニメーションの有無,文章の有無の観点から,学習に効果的な提示方法,および提示方法とわかりやすさとの関連について検討した.その結果,タブレット端末に提示する教材として,字句レベルの記憶学習には画像のみを提示する方法,特に学習内容の理解においては,アニメーションを付加した画像を提示する方法が,学習に効果的である可能性が示唆された.一方で,学習者は,アニメーションを付加した画像と文章を組み合わせた提示方法をわかりやすいと主観的に認知していることが示された.
著者
向後 千春 岸 学
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.161-166, 1996-12-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
4
被引用文献数
1

映像と文字情報の提示についてのデザイン原則への示唆を得ることを目的として,外国映画の字幕つきビデオを視聴するときの眼球運動を分析した.実験材料として,字幕版のビデオ,「JFK」と「マルコムX」を用いた.それぞれから5分間程度のシーン4つを選び,編集したものを,アイマークカメラを装着した被験者に視聴してもらい,そのときの眼球運動を記録した.1行6文字,1行13文字,2行13文字,2行20文字の4種類の字幕パターンに注目し,それぞれにおいて,眼球運動を,字幕への反応時間,先頭への移動時間,実質的な読み時間,(2行字幕の場合)改行時間,に分解し詳細に調べた.その結果,字数が増えれば増えるほど文字あたりにかかる時間が長くなり,そこでは行数の要因と文字数の要因とが効いていることが明らかにされた.
著者
向後 千春
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.48-53, 2000-12-01 (Released:2015-02-03)

富山大学で行われている教養科目のひとつ、「言語表現」について報告する。言語表現が開設されるまでの背景と必要性、現在までの実施状況を記述し、さらにその問題点について議論する。言語表現が情報処理科目との選択になっていることは、大学生のリテラシー教育として不十分であり、それを解決するために、言語表現と情報処理を統合し、電子時代のリテラシー教育として再編成することを提案する。また、実施上の工夫として、モジュール化された3回程度の授業を多数開講し、その中から学生が自分に必要なものを選んで履修していくという方法を提案する。
著者
中村 康則 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S44042, (Released:2020-08-28)
参考文献数
11

本研究では,セルフ・ハンディキャッピング(SHC)とハーディネスの特性に注目して,社会人学生を類型化し,その成績・学習時間との関係について検討した.クラスター分析によって分類した結果,学生は「高SHC 型」「時間不足SHC 型」「低SHC 型」の3タイプに類型化された.これらの3タイプにおける成績・学習時間の差を検討したところ,「高SHC 型」の成績は,他にくらべ有意に低いことが示された.また,「低SHC 型」は,学習時間が他にくらべ有意に長く,成績は「高SHC 型」よりも有意に高いことが示された.本研究で示された学生の類型を用いることにより,成績や学習時間の傾向を予測できる可能性が示唆された.
著者
加藤はるみ 向後千春
雑誌
日本教育心理学会第58回総会
巻号頁・発行日
2016-09-22

背景と目的 21世紀の柔軟な雇用形態と流動的な組織を基盤とする社会の仕組みは,労働者に柔軟な対応を求めることとなった(Kalleberg 2009)。働く人が流動化している社会において,これまでのキャリアマッチング理論や,職業への適合理論といった考え方では,不安定で急激な変化に対応できないとして,サビカスは,キャリア構成主義の視点とナラティブ・アプローチの手法を提案している。このキャリアストーリー・インタビューはアドラー心理学をベースとしている(Savicas 1989)。 サビカスのキャリア構築理論に基づく手法を使ったキャリア支援の研究はまだ少ない。本研究では,サビカスのキャリアストーリー・インタビューによる新たなキャリア支援の方法を検討する。方 法 キャリアストーリー・インタビューは以下の手続きに従って実施した。サビカスのインタビューフォームを使用し,幼少時の思い出をインタビューした。インタビューは自己を定義づける瞬間や人生が変化するような経験における重要な人物,重要な出来事に注目する。幼少期の思い出について考察し,キャラクター・アークの根底にある捉われを特定した。各々がもつキャリアへの理想像,プライベートセンス(私的感覚)を明らかにした。相手とコモンセンス(共通感覚)をもつには,各自が各々のプライベートセンスに気づくことが必要である(向後 2016)。具体的には,「上司の立場,部下の立場」という立場の違いにおける課題と各自の描くロールモデル,理想とするキャリア像を確認し,そのギャップを明らかにした。 調査協力者:有職者(求職者含む)の4名であった。 調査方法と倫理的配慮:半構造化面接によるキャリアストーリー・インタビューを実施した。質問を実施する前に書面にて,健康状態の確認と,回答は任意であり回答を中断することが可能であることを明記した。質問項目に関して,自由に語るよう促した。 調査期間:2016年1月~2月に実施された。 調査内容:上記サビカスのインタビューフォームに,上司・部下に関する独自の質問を追加した。結果と考察 キャリアストーリー・インタビューでの幼少期の思い出と感情がナラティブとして語られた(Table 1)。幼少時の記憶は今現在も大切にするもの,教訓となり,プライベートセンスの言葉の中にあらわれていた(Table 2)。各自がそれぞれのプライベートセンスに気づくことは,新たなキャリア形成につながる。今後はインタビュー数を増やし,キャリア構成主義によるキャリア支援の方法を展開したい。
著者
向後 千春 冨永 敦子 石川 奈保子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.281-290, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
14
被引用文献数
5

eラーニングと教室でのグループワークを週替わりで交代に行うブレンド型授業を設計し,3年間に渡って実践した.1年目は通信教育課程向けのeラーニングコンテンツを流用し,2年目以降はブレンド型授業用に新規に開発した.ブレンド型授業導入以前の対面授業,ブレンド型授業の1年目,2年目,3年目の成績分布を比較したところ,1年目はほかに比べて成績高群が有意に少なく,成績中群が有意に多かった.しかしながら,2年目以降は,対面授業と有意な差はなかった.また,学習者のブレンド型授業に対する好みは,1年目よりも2年目以降が有意に高くなった.このことから,ブレンド型授業用に授業を設計すれば,対面授業と同程度の学習効果を上げることができ,かつ受講生からも受け入れられることが示唆された.しかしながら,一方で,対面授業に比べて,ブレンド型授業は不合格者が有意に多く,ブレンド型授業に馴染めない学習者が一定の割合で存在していることが示唆された.
著者
向後 智子 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.87-94, 1998-09-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
13
被引用文献数
5

本研究はマンガによる学習内容の提示が理解と保持に及ぼす影響について検討した.学習内容部分とストーリー部分を含むマンガを材料として,(1)マンガか文章かによる学習内容部分の表現方法の違い,および,(2)マンガによるストーリー部分の提示の有無の2つの要因が内容の理解と保持に及ぼす効果について実験した.各要因が理解の深さにどのように効いているのかを検討するために,解答に必要とされる理解の度合いが異なるようなテストを3種類用意し,読解直後と1週間後にテストを行った.その結果,解答にあまり深い理解を必要としない場合,マンガによる学習内容部分の提示が有効であるが,推論や新しい事態への知識の適用が必要とされるテストでは,マンガによるストーリー部分を提示することが成績を有意に高めることが明らかになった.また,実験後のアンケート結果から,関心度はストーリー部分を含む全体を提示することによって高まることがわかった.
著者
関 和子 冨永 敦子 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.101-112, 2014

社会人の高等教育機関での学びを後押しする社会的な動きを背景として,社会人が大学に入学するに至った動機,学業の継続要因と阻害要因,学びを通して得た意識変容について明らかにした.eラーニングによる大学通信教育課程を卒業した社会人を対象に面接調査を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによって分析した結果,社会人の入学動機には,内的動機と外的動機が複合的に働いていること,また,大学での学業を経たことにより,学習,交友,人生においても種々の意識変容があったことが明らかになった.eラーニングで学ぶ社会人学生には,教員やメンター,学友のコミュニティとの関わりが重要であることが示された.
著者
坂井 裕紀 柄本 健太郎 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S41067, (Released:2017-09-29)
参考文献数
11

近年,従業員の仕事の質の向上に注目が集まっている.また,ゲーム要素を取り入れた方法への関心が世界的に高まっている.このような背景から本研究では,仕事にゲームの要素を付与する方法を教育する「ゲーミフィケーション研修」を開発し,実施した.その結果,研修を受講した従業員は,仕事中のポジティブ感情の表出を肯定的に捉え,ゲーム要素を仕事に付与し,自律的な行動が促進され,仕事の質を向上させる可能性が示唆された.
著者
阿部 真由美 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42011, (Released:2018-09-28)
参考文献数
12

本研究では,英語を自主的に学ぶ学習者が自ら学習リソースを選択する際の根拠を明らかにし,支援方法を検討することを目的として,日本人の成人英語学習者を対象にウェブ調査を行った.英語学習リソース選択根拠尺度を作成し,因子分析を行った結果,「自己ニーズ」と「外的影響」の2因子が抽出された.さらに,学習者の特性による違いを比較するために,英語の熟達度3群,学習継続期間3群,学習目的4群で分析したところ,継続期間および目的で違いが見られた.これらの結果から,学習者のリソース選択は「自己ニーズ」と「外的影響」の2つの根拠に基づくことが分かった.また,学習者の特性によって支援方法を変える必要性が示唆された.
著者
早坂 昌子 向後 千春
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.173-176, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
9

本研究は,教えるという行為に対する態度に着目し,教えることについての態度尺度を作成することを目的とした.成人178名を対象にして因子分析した結果,「教えることへの自信」,「教えることの価値」,「教える相手次第」の3因子15項目で構成されていることが示された.また,教えることについての態度尺度とBig Five 性格特性,教える仕事に就いた経験,育児経験の関係について検討した.その結果,Big Five 性格特性は各因子に関係があり,就業経験は「教えることへの自信」得点に有意な差が認められたものの,育児経験による差異はみられなかった.したがって,教えることについての態度は,パーソナリティ特性や経験に関係があることが示唆された.