著者
太田 猛彦
出版者
一般社団法人 日本治山治水協会
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.2-13, 2012-08-01 (Released:2017-07-12)
参考文献数
3
被引用文献数
7
著者
太田 猛彦
出版者
一般社団法人 日本治山治水協会
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.3-26, 2008-12-01 (Released:2017-10-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
大野 亮一 鈴木 雅一 太田 猛彦
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.3-10, 1998-11-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
18
被引用文献数
3

Prediction of ground water movement is very important and critical to forecasting slope failure because many slope failures are triggered by the surcharge of water weight and drop of suction when precipitation infiltrates into soils. It is necessary to consider both saturated and unsaturated flow phases, particularly for sequentially estimating ground water flow to specify the time and location of the failure.Richards' equation has strong nonlinearity of coefficients. As a result, its numerical analysis tends to be much more difficult than that under moderate conditions, especially with very dry soils or a perched water table. Recently, new methods to solve Richards' equation that focused on diminishing water balance errors and less limitation of time step size were presented (Celia 1990, Pan 1995). In this paper, those new methods are first introduced with explanation of their algorithms specified for balance errors or time step size. Second, based on the fact that both steady and unsteady phases are combined in Richards' equation, the consequent oscillation problem is demonstrated and examined. The algorithm of the oscillation is explained with the analytic method presented in this paper.
著者
渡邉 悟 沖 大幹 太田 猛彦
出版者
水利科学研究所
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.119-132, 2009

地球表面にある水の97.5%は塩水で、2.5%が淡水である。しかしこの大半が地下水や北極や南極に氷河・氷床として存在し、私たちが身近に使える川や湖の水は全体のわずか0.01%である。UNESCOが発表した「World Water Resources at the Beginning of the 21st Century、2003」によると、1995年(平成7年)における世界の水使用量は約3,750km3/年となっている。また、水使用量の伸びをみると、1995年(平成7年)の水使用量は1950年(昭和25年)の約2.74倍となっており、同期間における人口の伸び約2.25倍より高くなっている。特に生活用水の使用量の伸びは約6.76倍と急増していると報告されている。このような中で、様々な水に関する問題を解決するため、2009年3月には、第5回世界水フォーラムがトルコにおいて開催されたところである。我が国は世界有数の木材輸入国であることから、このような水に関する問題の一環として、木材輸入との関連について理解を深めるため、先に報告されている農産物に関する仮想水(バーチャルウォーター)(以下「バーチャルウォーター」という。)の研究事例を参考として、木材輸入に伴うバーチャルウォーターを算定したので報告する。
著者
太田 猛彦 塚本 良則 城戸 毅
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.10, pp.383-390, 1985

<br>丘陵性自然斜面における雨水移動機構を解明するため,多摩丘陵に試験斜面を設け,土層中の水分変化を観測した。これより斜面全体にわたる等サクション線図と等水理水頭線図を作製し,その時問的変化を追跡 して,斜面内の雨水移動の実態を,降雨の開始からそのピーグ,終了,乾繰過程に至るまでに生起する各種の水文事象について詳細に説朗した。なかでも,不飽和浸透流の実態飽和側方流の諸相,復帰流の役割等が明らかになった。また,これらの解析を通して,斜面に生起する大帯の現象が基盤地質の影響をうけていることを示し,とくに,斜面頂部に存在する厚いローム層の役割について以下の点を指摘した。 1) 大きな土湿不足をもつた め,降雨流出に対していわば負のソースエリアとして働く。 2) 大量の雨水を一時貯留し,おそい直接流出に貢獣する。 3) 急傾斜部以下に生起する諸水文現象の支配要因となる。
著者
沼本 晋也 鈴木 雅一 太田 猛彦
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.3-12, 1999-03-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
27
被引用文献数
2

We investigated the trends in the number of persons killed or missing by sediment disasters such as landslides and debris flows in the last fifty years in Japan. Since sediment disasters initiated by earthquakes and volcanic activity occurred intermittently and the deaths and missings caused by them were much less than caused by rainfall-triggered sediment disasters, it is appropriate to discuss trends in the number of persons killed or missing by heavy-rainfall related sediment disasters compared with trends in rainfall-triggered disasters including flood disasters. The number of persons killed or missing by both sediment disasters and heavy-rainfall related disasters has apparently been decreasing. The number of persons killed or missing by heavy-rainfall related disasters calculated as a ten-year running average exceeded 1000 persons/year in the 1950 s, 300 persons/year in the late 1960 s, and 100 persons/year in the 1990 s. Furthermore, the ratio of heavy-rainfall related sediment disaster victims to the heavy-rainfall related disaster victims has decreased from 2/3 in the 1970 s to 2/5 after the 1980 s.
著者
太田 猛彦
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.107-111, 2001-11-15 (Released:2010-04-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
東海林 あさこ 福永 健司 橘 隆一 太田 猛彦
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.191-194, 2008-08-31
被引用文献数
2 2

下水汚泥炭化物の緑化基盤への適用可能性を検討するため,炭化物の理化学的性質を測定した。また,関東ロームに炭化物を異なる比率で混合した基盤で,コマツナ,ヤマハギ,ヤシャブシの生育実験を行った。その結果,下水汚泥炭化物には孔隙は少ないが,pHやECに問題はなく,無機態窒素や燐酸を多く含むため,土壌化学性の改善に有効と考えられた。生育実験では,炭化物の混合直後の播種や,混合率70%(体積比)でも発芽・生育障害は認められなかった。生育改善効果の高い混合率は植物によって違いが見られたが,コマツナとヤシャブシで10〜30%,ヤマハギで30〜70%であった。ヤマハギでは根粒形成も旺盛になった。以上から,下水汚泥炭化物は緑化基盤材料として適用可能であり,土壌改善効果が高いと考えられた。
著者
田中 延亮 蔵治 光一郎 白木 克繁 鈴木 祐紀 鈴木 雅一 太田 猛彦 鈴木 誠
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.197-240, 2005

東京大学大学院附属千葉演習林の袋山沢試験流域のスギ・ヒノキ壮齢林において,樹冠通過雨量と樹幹流下量の研究をおこなった。その結果,スギ林の一雨降水量(P )と樹冠通過雨量(Tf )の関係はTf = 0.877P –2.443で,またヒノキ林ではTf = 0.825P –2.178で表すことができた。全観測期間の総降水量に対するTf の割合はスギ林で79%,ヒノキ林で74%であった。また,同じ試験地で行われた単木の樹幹流下量の研究成果を考慮して,一雨降水量と上層木の樹幹流下量(Sf )の平均的な関係を推定した結果,スギ林でSf =0.064P –0.447,ヒノキ林ではSf =0.114P –0.798という関係式が得られた。また,Sf の全期間の総降水量に対する割合は,スギ林で5%,ヒノキ林で10%であった。これらのTf とSf の集計の結果,6ヶ月ないしは1年間の降水量に対する樹冠遮断量の割合は,通常,スギ林において17%前後,ヒノキ林において16-18%前後であった。本報で得られたTf やSf の値や回帰式の係数は,スギ・ヒノキ林や他の針葉樹で得られている既往の報告値と比較され,スギ・ヒノキ壮齢林におけるTf やSf の特徴を整理することができた。また,スギ・ヒノキ両林分の下層木の樹幹流下量や調べたが,それらは降水量の1%未満であることがわかった。これらは従来の研究結果と比較され,滋賀県のヒノキ・アカマツ混交林やボルネオの低地熱帯林の下層木の樹幹流下量の特性と比較された。さらに,下層木による樹冠遮断量の算定を試みたが,これらの降水量に対する割合は多く見積もっても,スギ林で0.3%程度,ヒノキ林で1.2%程度の微小な量であり,本報の観測システムで正確に検知できていたかどうかについて再検討する必要性が示された。いずれにせよ,本報の観測対象としたスギ・ヒノキ壮齢林の樹冠における降水の配分過程に対する下層木の影響は,非常に小さいことが確認された。
著者
越智 匠作 太田 猛彦 田中 延亮 堀田 紀文
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.75-80, 2008-06-15

幼齢林における樹冠遮断量の測定上の問題点を解決できるような大型雨量計のデザインを提示し,実際に作製した大型雨量計を用いてその実用性を検討した。雨量計の重要な要素である受水面積は,我が国の一般的な幼齢林の植栽密度,植物への影響,メンテナンス性,既往の大型雨量計を用いた樹冠遮断研究における受水面積の決定基準などを参考にして,約5m^2が適当であると決めた。大型雨量計の実用性は,次の各実験により確認した。まず,降雨強度の大きい降雨イベントにおいても雨量計からの排水水量を正確に測定できるようするために,本研究で用いた500mLの転倒マス型量水計を対象に大流量を含めた流量検定を行い,流量と1転倒に要する水量との関係を求めた。次に,大型雨量計の初期損失量を求めたところ0.2mm以下であり,大型雨量計の排水性は良好であった。さらに,大型雨量計の受水面積を厳密に求めるために,自然降雨を対象にした大型雨量計と貯留型雨量計の比較観測を行った。転倒マス型量水計の検定結果を考慮して補正した大型雨量計からの排水水量と,貯留型雨量計が示した雨量の関係は,良好な直線関係を示しており,その直線の傾きから大型雨量計の厳密な受水面積を決めた。また,その直線関係は,通常の降雨イベントだけでなく強度の大きい降雨イベントにおいても成り立っていたため,本研究で提示した大型雨量計は降雨強度の大きいイベントにも耐えうる実用性の高い雨量計であることがわかった。
著者
太田 猛彦 塚本 良則 比留間 雅紀
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.311-321, 1985-08-25
被引用文献数
6

自然斜面における雨水移動機構とそれに及ぼす基盤地質の影響を解明するため, 新第三紀以降の地層が水平に重なる多摩丘陵に試験斜面を設け, 土層中の水分変化を観測した。観測地点は斜面頂部から谷底まで密に配置され, 精度の高い系統的観測が行われた。各観測地点での水理水頭プロファイルの時間的変化と観測井戸内の水位変動を解析して, 丘陵性自然林地斜面での降雨の鉛直浸透特性に関して以下の知見を得た。1)多摩ローム層に覆われた頂部では土層が厚く地下水面の低い場合のローム層中で一般にみられる浸透特性を示した。2)中腹の急傾斜部ではぬれ前線の降下傾向, 飽和帯の形成位置, 井戸水位の変動速度等に基盤地質の影響が強く認められ, それらは単純な「表層土厚と基岩」の関係では説明しえない。3)斜面下部では崖すい性堆積物中の能率のよい排水機構の存在が示唆された。4)各部位は相互に関連しており, 側方浸透流を考慮した二次元的解析の必要性が指摘された。
著者
田中 延亮 蔵治 光一郎 白木 克繁 鈴木 祐紀 鈴木 雅一 太田 猛彦 鈴木 誠
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
no.113, pp.197-239, 2005-06
被引用文献数
3

東京大学大学院附属千葉演習林の袋山沢試験流域のスギ・ヒノキ壮齢林において,樹冠通過雨量と樹幹流下量の研究をおこなった。その結果,スギ林の一雨降水量(P )と樹冠通過雨量(Tf )の関係はTf = 0.877P –2.443で,またヒノキ林ではTf = 0.825P –2.178で表すことができた。全観測期間の総降水量に対するTf の割合はスギ林で79%,ヒノキ林で74%であった。また,同じ試験地で行われた単木の樹幹流下量の研究成果を考慮して,一雨降水量と上層木の樹幹流下量(Sf )の平均的な関係を推定した結果,スギ林でSf =0.064P –0.447,ヒノキ林ではSf =0.114P –0.798という関係式が得られた。また,Sf の全期間の総降水量に対する割合は,スギ林で5%,ヒノキ林で10%であった。これらのTf とSf の集計の結果,6ヶ月ないしは1年間の降水量に対する樹冠遮断量の割合は,通常,スギ林において17%前後,ヒノキ林において16-18%前後であった。本報で得られたTf やSf の値や回帰式の係数は,スギ・ヒノキ林や他の針葉樹で得られている既往の報告値と比較され,スギ・ヒノキ壮齢林におけるTf やSf の特徴を整理することができた。また,スギ・ヒノキ両林分の下層木の樹幹流下量や調べたが,それらは降水量の1%未満であることがわかった。これらは従来の研究結果と比較され,滋賀県のヒノキ・アカマツ混交林やボルネオの低地熱帯林の下層木の樹幹流下量の特性と比較された。さらに,下層木による樹冠遮断量の算定を試みたが,これらの降水量に対する割合は多く見積もっても,スギ林で0.3%程度,ヒノキ林で1.2%程度の微小な量であり,本報の観測システムで正確に検知できていたかどうかについて再検討する必要性が示された。いずれにせよ,本報の観測対象としたスギ・ヒノキ壮齢林の樹冠における降水の配分過程に対する下層木の影響は,非常に小さいことが確認された。An observational study on throughfall, stemflow in mature Cryptomeria japonica and Chamaecyparis obtusa stands were conducted at Fukuroyamasawa watershed in Tokyo Univertsity Forest in Chiba. Relationships between throughfall (Tf) and rainfall (P) in both forestswere expressed by regression lines on an event basis: Tf = 0.877 P – 2.443 for the Cryptomeria japonica stand, Tf = 0.825 P – 2.178 for the Chamaecyparis obtusa stand. Ratios of total observed Tf to total P were 79 and 74 % in the Cryptomeria japonica and Chamaecyparis obtusa stands, respectively. Stemflow by upper story trees (Sf) in the both stands were estimated using relationships between stemflow coefficients and tree sizes, which were shown by a previous study on stemflow volume in the same stands. The results showed that Sf could be expressed by equations on an event basis: Sf =0.064 P – 0.447 for the Cryptomeria japonica stand and Sf =0.114 P – 0.798 for the Chamaecyparis obtusa stand. Total stemflow fractions to total rainfall were 5 and 10 % for the Cryptomeria japonica and Chamaecyparis obtusa stand, respectively. Periodic rainfall interception for six months or twelve months usually accounted 17 and 16-18 % of total rainfall for the Cryptomeria japonica and Chamaecyparis obtusa stand, respectively. The amounts and coefficients of Tf and Sf in the two mature stands were compared with those reported by previous interception studies in Japanese conifer forests. Also, this study showed that stemflow generated by understory trees in the two stands were less than 1 % of total rainfall. The stemflow coefficients of the understory trees were compared with those obtained at a mixed-stand of Japanese pine and Japanese cypress, and with those observed in a Bornean lowland tropical forest. Moreover, an attempt of this study to evaluate interception loss by the canopies of understory trees indicated that the maximum possible periodic interception rate were 0.3 and 1.2 % of total rainfall in the Cryptomeria japonica and Chamaecyparis obtusa stand, respectively. These small proportions suggested that further analysis were necessary to understand whether the installations of this study for monitoring interception loss by understory trees could detect the small amount or not. In any case, the effects of understory trees on the water balance in raintime were not significant at the two stands.