著者
松田 雅弘 野北 好春 妹尾 淳史 米本 恭三 渡邉 修 来間 弘展 村上 仁之 渡邊 塁 塩田 琴美 高梨 晃 宮島 恵樹 川田 教平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.AbPI1026, 2011

【目的】<BR> 脳卒中において利き手側の片麻痺を呈した場合、麻痺の程度が重度であれば非利き手側でADL動作を遂行することとなるため、リハビリテーションの一環として利き手交換練習が実施されている。利き手側で同様の運動を獲得していたとしても、非利き手での運動を学習する一連の経過は新規動作の獲得と同様に時間を要する。しかし、その動作習得過程で、どのようなリハビリテーションの手法を用いることの有効性に関するニューロイメージングの視点からの知見は少ない.そこで今回,健常者における非利き手での箸操作の運動時、イメージ時、模倣時の脳神経活動を検出した。<BR>【方法】<BR> 対象は、神経学的な疾患の既往のない右利き健常成人5名(平均年齢20.7歳)である。<BR> 課題は3種類設定し、第1課題は開眼にて左手にて箸を把持して箸先端を合わせる運動の課題(運動課題)、第2課題は左手で箸を持っている映像をみせて実際に箸操作運動を行わずに、箸操作を行っているときをイメージさせる課題(運動イメージ課題)、第3課題は左手で箸操作を行っている映像をみながら運動課題と同様の箸操作運動を行う課題(模倣課題)とした。スキャン時間はこれらの課題および安静を各々30秒間とし,3種類の課題はランダムに配置し,各課題間は安静を挟む(ブロックデザイン)ようにして撮像した。測定装置はPhilips社製3.0T臨床用MR装置を使用した。測定データはMatlab上の統計処理ソフトウェアSPM2を用いて集団解析にて被験者全員の脳画像をタライラッハ標準脳の上に重ね合わせて,MR信号強度がuncorrectedで有意水準(p<0.001)をこえる部位を抽出した。<BR>【説明と同意】<BR> 全対象者に対して、事前に本研究の目的と方法を説明し、研究協力の同意を得た。研究は共同研究者の医師と放射線技師の協力を得て安全面に配慮して行った。<BR>【結果】<BR> 運動課題では両側感覚運動野、補足運動野、下頭頂小葉、大脳基底核、小脳、前頭前野、右Brodmann area(BA)44の賦活が認められた。運動イメージ課題では、右感覚運動野、両側補足運動野、上頭頂小葉、下頭頂小葉、BA44、大脳基底核の賦活がみられ、運動課題でみられた左感覚運動野と両側小脳の活動が消失した。模倣課題では、両側感覚運動野、補足運動野、上頭頂小葉、下頭頂小葉、BA 44、左前頭前野の賦活が認められた。<BR> 最も広範囲に賦活が認められたのは運動課題で、次に模倣課題であり、両課題とも両側運動関連領野の活動がみられた。運動イメージ課題が最も活動範囲は狭かったが、運動の実行がなくても運動関連領域の活動が認められた。さらに模倣課題時、運動イメージ課題時とも下頭頂小葉、BA 44の活動が両側広範囲にみられた。<BR>【考察】<BR> 運動イメージ課題時、模倣課題時にはミラーニューロンに関連する領域の広い活動が確認された。補足運動野、前頭葉の活動など、感覚運動野に入力する前運動野の活動が広く確認され、運動学習を遂行する上で必要な部位の活動が確認された。模倣課題時は広範囲に活動が認められ、見本を教示しながら動作を指導する方が、活動範囲が広範囲でありリハビリテーションに有用であることが示唆された。イメージ動作でも同様に狭小ではあるが運動関連領野の活動が認められ、運動開始以前に運動イメージを行わせることが重要であることが示唆された。運動イメージで運動を開始する準備を行い、模倣動作を促すことで広く運動関連領野の活動性を向上させることから、リハビリテーション医療の治療では、運動の実行のみではなく画像を提示したり、イメージを繰り合わせた方法が有用であることが示唆された。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 機能的MRIなどによって非侵襲的に脳活動を捉えられるようになったが、その研究手法は実際のADL動作と直結しているものではなく、閉鎖的な実験環境上の問題でタッピングなどの動作を主体としているため、ADL動作時の脳内活動の検討は不十分であった。今回実際にADL動作を行い,リハビリテーション治療で行われている手法に関してニューロイメージングの視点から知見を報告した。リハビリテーション医療の治療の中で、運動の実行のみではなく画像を提示したり、イメージを繰り合わせた方法の有用性が本研究より示唆された。
著者
村上 仁之 渡邉 修 来間 弘展 松田 雅弘 津吹 桃子 妹尾 淳史
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0561, 2007 (Released:2007-05-09)

【はじめに】近年,PETや機能的MRIなどのイメージング技術により,随意運動や認知活動の脳内機構が明らかにされている.しかし,随意運動遂行中に密接に関連する触覚認知の脳内機構に焦点化した研究は極めて少ない.触覚認知がどのように行われ,どのように学習されるのかを明らかにすることは,脳損傷後の理学療法の治療戦略を立てる際に,重要な示唆を与えると考えられる.そこで本研究は,触識別時の脳内機構および学習の影響を明らかにすることを目的に,機能的MRIを用いて麻雀牌を題材として,初心者と熟練者を対象に,触識別に関する脳内神経活動を感覚運動野(sensorimotor cortex: 以下,SMC)と小脳に焦点化して定量的,定性的に分析を行った.【対象】対象者は健常者16名である.内訳は,麻雀経験のない初心者が10名(対照群)と、5年以上の麻雀経験を持ち,母指掌側のみで牌を識別できる熟練者6名(熟練者群)である.【方法】GE社製1.5T臨床用MR装置を用いて,閉眼にて利き手母指掌側での麻雀牌の触知覚時および触識別時の脳内神経活動の測定を行った.データ解析はSPM99を用い,得られた画像データを位置補正,標準化,平滑化を行い,有意水準95%以上を持って賦活領域とした.加えて,両群間の差の検定をt‐検定を用いて分析した.【結果】対象者16名中,触知覚時では,対側SMCが14名で賦活した.さらに触識別時では,SMCの賦活のなかった2例を加えた16名で,SMCの賦活領域の増大を確認した.加えて,同側SMCが12名と同側小脳が11名の賦活を認めた.また,全脳賦活領域をボクセル数として定量化した平均値は,対照群は触知覚時467.0ボクセル,触識別時4193.0ボクセル,熟練者群は触知覚時408.5ボクセル,触識別時2201.8ボクセルであった.両群とも触知覚時に比べ,触識別時では有意に増加した.また熟練者群は対照群に比べ,触識別時に全脳賦活領域が有意に減少した.【考察】触知覚時は,対側SMCの賦活が認められ,触識別時は,対側SMCだけでなく,さらに同側SMC,小脳でも賦活が認められた.つまり,単なる触知覚に比べ,触識別という認知活動時には,両側SMCや小脳などの広い領域が関与していると考えられる.しかし,熟練者においては,全脳賦活領域が減少し,限局したことから,“学習”により,全脳賦活領域の縮小,限局をもたらすことが示唆された.触識別という認知的要素が脳内機構として明確化され,学習により縮小,限局するという脳内の可塑的現象は,脳損傷者に対する理学療法において,認知的要素が中枢神経系になんらかの影響を及ぼす可能性を示唆しているではないかと考えられる.
著者
櫻井 瑞紀 新田 收 松田 雅弘 妹尾 淳史
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11312, (Released:2018-04-18)
参考文献数
32
被引用文献数
1

【目的】非特異的腰痛(以下,NLBP)では深部筋機能不全やサイドブリッジ持久力テスト(以下,SBET)保持時間低下が報告されているが,その際の深部筋疲労についての報告はない。本研究の目的は,NLBP 者におけるSBET 実施時の体幹深部筋疲労を,T2 値を指標として明らかにすることである。【方法】対象は腰痛のない対照群とNLBP 群の2 群とした。測定項目はSBET 保持時間と,SBET 前後の深部筋T2 値とした。統計解析はSBET 前後と腰痛の有無を独立変数,深部筋T2 値を従属変数とした2 元配置分散分析および単純主効果の検定を実施した。【結果】SBET 保持時間はNLBP 群が有意に低値を示した。深部筋T2 値においてSBET 前後・腰痛経験の主効果および交互作用が示された。単純主効果の検定ではNLBP 群のPost でT2 値は有意に高値を示した。【結論】NLBP 者では体幹筋等尺性持久力低下とSBET における体幹深部筋易疲労性を認めた。
著者
松田 雅弘 渡邉 修 来間 弘展 村上 仁之 渡邊 塁 妹尾 淳史 米本 恭三
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.117-122, 2011 (Released:2011-03-31)
参考文献数
22
被引用文献数
8 5

〔目的〕脳卒中により利き手側の片麻痺を呈した場合,利き手交換練習を行うことが多い。そのため健常者における非利き手での箸操作の運動時,イメージ時,模倣時の脳神経活動を明らかにした。〔対象〕神経学的な疾患の既往のない右利き健常成人5名(平均年齢20.7歳)とした。〔方法〕課題は,左手箸操作運動課題,左手箸操作イメージ課題,左手箸操作の映像をみながら箸操作運動課題(模倣課題)の3種類とし,その間の脳内活動を3.0T MRI装置にて撮像した。〔結果〕運動課題では左右感覚運動野・補足運動野・小脳・下頭頂小葉・基底核・右Brodmann area 44が賦活した。イメージ課題では,運動課題と比べ左感覚運動野・小脳の賦活が消失していた。模倣課題では,左右感覚運動野・補足運動野・上下頭頂小葉・Brodmann area 44が賦活した。〔結語〕イメージ課題と模倣課題には,運動課題時に賦活する領域を両課題とも補う傾向にあることから,箸操作訓練の際には運動課題のみではなく両者を取り入れて行う意味があることが示唆された。
著者
宇佐 英幸 竹井 仁 畠 昌史 小川 大輔 市川 和奈 松村 将司 妹尾 淳史 渡邉 修
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.155-164, 2011-12-25

健常者24名(男女各12名)を対象に(平均年齢:男性21.3歳女性20.6歳),大腿・骨盤の動きと仙腸関節・腰仙関節・腰椎椎間関節の動きを,腹臥位と腹臥位・膝関節伸展位での股関節5・10・15°伸展位,15°伸展位から10・20N・mの伸展方向への加重を大腿遠位部に加えた肢位の6肢位で撮像したMRI(Magnetic Resonance Imaging: 磁気共鳴画像)を用いて解析した。結果,男女とも,股関節伸展角度の増加に伴って,大腿は骨盤に対して伸展し,骨盤は前傾した。股関節非伸展側の仙腸関節では前屈,第3/4・4/5腰椎椎間関節と腰仙関節では伸展の動きが生じた。しかし,第3/4腰椎椎間関節を除く各部位の動きは,10N・m加重時と20N・m加重時の間では女性だけにみられた。これらの結果から,他動的一側股関節伸展時の腰椎骨盤-股関節複合体を構成する関節の正常な動きが明らかになった。
著者
新田 收 俵 紀行 妹尾 淳史 来間 弘展 古川 順光 中俣 修
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.A1269, 2007
被引用文献数
2

【目的】腰痛を予防する方法として姿勢の改善が重要とされ,近年体幹深部の筋が姿勢保持に重要な役割を果たしているとする研究成果が多く報告されている.これらの報告で姿勢の保持に重要な役割を果たす筋として大腰筋が取り上げられている.現在様々な大腰筋強化トレーニング方法が提案されている.しかし体幹深部筋活動評価を体表面から行なうことは困難であるために,どのようなトレーニングが有効であるかの実証がなされてない.本研究では不安定板を用いたトレーニング方法を採用し,トレーニング前後のMR(MAGNETIC RESONANCE信号の変化を指標として,大腰筋に対するトレーニングの影響を検討することを目的とした.<BR><BR>【方法】対象者は腰痛等既往のない男性14名,女性3名,平均年齢20.9歳(20-22)とした.本研究は首都大学東京倫理審査委員会の承認を得て行った.分析対象とした筋は大腰筋とし,対照として表在筋である腹直筋と脊柱起立筋を取り上げた.トレーニングは背臥位にて骨盤下に直径320mmの不安定板(専用器具)を置き,骨盤の肢位を保持したまま下肢を左右交互に各20秒,約20mm挙上する動作を20分行うこととした.なお股関節・膝関節は30度程度屈曲位とした.使用装置は1.5T Magnetom Symphony(SIEMENS社製)で,撮像法はTrue FISP(TR=4.30ms,TE=2.15ms,NEX=1,FA=50°,Scan Time=10sec,FOV=400mm)を用いた.なお分析部位は第4腰椎位としSlice厚=10mm,gap=2mmとした.専用器具は全て非磁性体であり,信号変化のみで筋の活動様相を評価するため,被検者と専用器具とをMR装置内に配置させた状態で実験の全てを施行した.信号強度の計測は画像分析ソフトウエアー(OSIRIS)を用いた.分析は左右の大腰筋,腹直筋,脊柱起立筋内に関心領域(ROI)を設定し,ROI内の信号強度平均値をMR信号とした.統計処理はトレーニング前後の平均MR信号を,対応のあるt検定にて比較した.有意水準は5%とした.<BR><BR>【結果】トレーニング前後のMR信号は,前平均111.1(SD13.6),後平均119.0(SD16.4)であり有意差が認められた.これに対して腹直筋では前平均291.7(SD64.9),後平均281.5(SD58.2),脊柱起立筋では前平均98.7(SD11.6),後平均94.5(SD11.2)であり差はなかった.<BR><BR>【考察】今回の撮影条件では比較的撮影時間が短いため腹部など動きの抑制が困難な部位の撮影に適している.また画像はT2*強調となり水分が白く強信号となる.このことから信号が強く変化することは筋活動直後の変化を示すとされている.今回の結果から本トレーニングにより大腰筋が選択的に活動することが示唆された.<BR>
著者
松田 雅弘 渡邉 修 来間 弘展 村上 仁之 渡邊 塁 妹尾 淳史 米本 恭三
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.117-122, 2011
被引用文献数
5

〔目的〕脳卒中により利き手側の片麻痺を呈した場合,利き手交換練習を行うことが多い。そのため健常者における非利き手での箸操作の運動時,イメージ時,模倣時の脳神経活動を明らかにした。〔対象〕神経学的な疾患の既往のない右利き健常成人5名(平均年齢20.7歳)とした。〔方法〕課題は,左手箸操作運動課題,左手箸操作イメージ課題,左手箸操作の映像をみながら箸操作運動課題(模倣課題)の3種類とし,その間の脳内活動を3.0T MRI装置にて撮像した。〔結果〕運動課題では左右感覚運動野・補足運動野・小脳・下頭頂小葉・基底核・右Brodmann area 44が賦活した。イメージ課題では,運動課題と比べ左感覚運動野・小脳の賦活が消失していた。模倣課題では,左右感覚運動野・補足運動野・上下頭頂小葉・Brodmann area 44が賦活した。〔結語〕イメージ課題と模倣課題には,運動課題時に賦活する領域を両課題とも補う傾向にあることから,箸操作訓練の際には運動課題のみではなく両者を取り入れて行う意味があることが示唆された。<br>
著者
松田 雅弘 渡邉 修 来間 弘展 津吹 桃子 村上 仁之 池田 由美 妹尾 淳史 米本 恭三
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.387-391, 2006 (Released:2007-01-11)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

手指対立運動時の感覚運動野(sensorimotor cortex: SMC)の賦活の左右差を,機能的MRIを用いて検討した。対象は右利きの健常成人12名で,1秒間に1回の速度で連続的に手指対立運動を自発的に行う課題を右手,左手各々において行った。右手,左手運動時の対側SMCの平均賦活信号強度は,右手運動より左手運動で有意に高かった(右手,左手,各々11.68,16.82, p<0.05)。さらに,右手運動時は対側SMCのみに賦活が見られたのに対して,左手運動時は両側SMCに賦活がみられた。以上の結果は,巧緻性の低い左手は右手に比べ、多くの神経活動を必要とすることを示唆している。
著者
山田 拓実 妹尾 淳史
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は1)虚弱高齢者を対象として(A)運動トレーニング,(B)呼吸筋トレーニングを実施しての姿勢,嚥下機能,咳嗽能力に対する介入効果について明らかにすることである。デイサービス利用の要支援1・2の軽度介助高齢者52名を対象とした。介入期間は週2回3ヶ月間とした。インセンティブ・スパイロメトリ(Tri-Ball)と振動PEP療法(Acapella)を使用して呼気筋トレーニングを実施した。運動トレーニングは、低強度の筋力・柔軟性トレーニングを実施した。(A)呼吸筋トレーニング群+運動トレーニング群(B)呼吸筋トレーニング群(C)コントロール群の3群の介入前後での測定値の比較をした。(C)コントロール群と比較して(A)呼吸筋トレーニング群+運動トレーニング群(B)呼吸筋トレーニング群では、1秒量、ピークフロー、反復唾液嚥下テスト(RSST)、最大呼気・吸気口腔内圧の有意な改善がみられた。これらの改善量には有意な差はみられず交互作用はみられなかった。デイサービス利用の要支援1・2の軽度介助高齢者を対象とした週2回3ヶ月間の呼吸筋トレーニングは咳嗽力、呼吸筋筋力、嚥下機能の改善に有効であった。
著者
宇佐 英幸 竹井 仁 畠 昌史 小川 大輔 市川 和奈 松村 将司 妹尾 淳史 渡邉 修
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.155-164, 2011-12-25

健常者24名(男女各12名)を対象に(平均年齢:男性21.3歳,女性20.6歳),大腿・骨盤の動きと仙腸関節・腰仙関節・腰椎椎間関節の動きを,腹臥位と腹臥位・膝関節伸展位での股関節5・10・15°伸展位,15°伸展位から10・20N・mの伸展方向への加重を大腿遠位部に加えた肢位の6肢位で撮像したMRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)を用いて解析した。結果,男女とも,股関節伸展角度の増加に伴って,大腿は骨盤に対して伸展し,骨盤は前傾した。股関節非伸展側の仙腸関節では前屈,第3/4・4/5腰椎椎間関節と腰仙関節では伸展の動きが生じた。しかし,第3/4腰椎椎間関節を除く各部位の動きは,10N・m加重時と20N・m加重時の間では女性だけにみられた。これらの結果から,他動的一側股関節伸展時の腰椎骨盤-股関節複合体を構成する関節の正常な動きが明らかになった。