著者
手良村 知功 安田 慎 天野 雄一 三井 翔太 櫻井 風汰 平瀬 祥太朗 瀬能 宏
出版者
神奈川県立生命の星・地球博物館(旧神奈川県立博物館)
雑誌
神奈川県立博物館研究報告(自然科学) (ISSN:04531906)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.48, pp.13-20, 2019

ツマグロアオメエソ(ヒメ目アオメエソ科)およびイトヒキヒメ(ヒメ目ヒメ科)、ルソンベニテグリ(スズキ目ネズッポ科)の標本が駿河湾からそれぞれ1 個体ずつ得られた。これらはいずれも同湾における初記録であり、かつその種の分布の北限記録となる。日本近海ではこれら3 種は大陸棚の縁辺あるいは斜面上部に生息するが、南日本では黒潮流路に沿って連続的に分布することから、多くの浅海性魚類と同様に、その分散には黒潮が関係していることが示唆された。